21スレ/貴女の風で揺れるカンテラの炎

Last-modified: 2014-04-17 (木) 02:00:51
396 名前:貴女の風で揺れるカンテラの炎[sage] 投稿日:2012/05/18(金) 23:14:34.95 ID:IQjNkcc70
まどか…貴女と触れ合う事も叶わなくなってから半年が経ったわ
寂しくないのかと言ったら…寂しいわ。とても、寂しい…貴女のいない寂しい日が続く…
さやかは先に逝ってしまった…マミや杏子の二人はいるけれど、それでも、それでもやっぱりまどか…貴女がいないと私は……
……………室内なのに……僅かな…風…?こんなこと…あるわけが…
…いや、待って。なんで今の今まで気付かなかったのかしら…度々あった気がするわ…この不自然な風…もしかして…
(私は一枚の紙に筆を走らせ、そして一つのカンテラを引っ張りだして火を灯す)
出来た……まどか、聞こえる?…聞こえてるなら…このカンテラの中の炎を3回揺らして…
………3回…揺れた…!…あぁ……まどか………ねぇ…本当にまどかだとしたら、貴女が好きな曲のジャンルを答えて頂戴
まどか、見える?ここにひらがなの表を作ったわ。貴女が伝えたい言葉を一文字一文字になるけど、対応した回数で炎を揺らして欲しいの
一回目はあかさたな行、間を置いてから二回目にあいうえおといった具合に私が変換してあげる
間違えた時はカンテラの火を消して頂戴。えぇと…そう、YESは1回、NOは2回で答えて。
ご、ごめんなさいね…紛らわしいけど……その…今…まどか、貴女と話がしたくて…したくて…と、とても冷静に考えられないの…
初めてもいい…?………YES……それじゃあ始めるわ…
……『えんか』……『演歌』……答えはこれで合ってるわね?………YES……
………正解…だけど………でも……ごめんなさい………まだ…どうにも信じきれなくて……貴女がここにいるなんて…夢のようで…
あ…ほ……炎が揺れて……何か……伝えたい事があるの…?ちょっと待って…書き取るわ…
(それから…全てを書き取るのにかなりの時間を要したと思う。激しい焦燥感によって私らしくもないミスを頻発していたから…
 でも、その不思議な風が伝えたかった言葉の全貌が分かった時、私は……)
『ほむらちやん わたしは いつも あなたといるよ』
(涙が溢れて止まらなかった……)
う……ぐ…ぅ……うぅ……ま……まど……かぁ……やっぱり……やっぱり貴女は…こんな…すぐそばに…いてくれたん……だね…うぅぅぅ……
(今まで我慢していた全てを吐き出すかのように崩れ落ちてその場で、体裁も気にせず子供のように嗚咽をあげる私がただ、そこにいた…)
(……気がつくと、再度カンテラの炎が揺れている事に気がつく)
……ごめんなさい…まだ伝えたかったこと……あるんだね……待ってて…
(彼女と言葉だけながらも、再会できた事への喜びに潤いを帯びた心が幾分か落ち着きを取り戻させてくれたのか、今度は私のミスも少なくなっていた
 だが、彼女の不意打ちの一言で…)
『わたしは ほむらちやん あなたを あいしてる すきなの』
(再び私の涙腺は決壊していた。今度は感情も一気に溢れ出て、私はひたすらに彼女へと愛を叫んでいた)
私も…好きなの…!私は貴女が愛しくて愛しくてたまらないの…!貴女と出会った時からずっと…ずっとずっと……ずっと!
貴女から…貴女からこんな…こんな事を言ってもらえるなんて…夢みたい……!…私は……私ぃ……ぁあぁあああああ……


397 名前:貴女の風で揺れるカンテラの炎[sage] 投稿日:2012/05/18(金) 23:15:29.88 ID:IQjNkcc70
(それから……私は独自に彼女と話をする為の魔法を必死になって研究を行った
 そして出来上がったのは、炎の動きに応じて文字に変換されて文字が映し出される魔法のカンテラ…
 それ一つを作り出すのは相当な手間が掛かったが、それでもまどかへの執念で完成させた…頭のリボンに次ぐ、新たな私と彼女の繋がり)
―――ビルの屋上―――
『せんしゅうよりも しょうきが ひときわ つよいみたい きをつけて ほむらちゃん』
「えぇ、今回の魔獣は相当数いるようね……でも、大丈夫。私には…愛しい貴女がすぐ傍にいるから…」
『えへへ いまの ほむらちゃんなら あんしんして みまもれるよ』
「…そんなに前までは私は危うげだったの?」
『そうだね とても みていられないぐらいに つらそうだったの わたしもみていて すごくつらかった』
「そう…心配かけたわねまどか……貴女にも辛い思いをさせてしまったわ…」
『そんなことないよ いまは ほむらちゃんと いっしょになれて わたしは しあわせ  ほむらちゃんは どうなのかな』
「ふふ…当然、幸せに決まっているじゃない………ん……」
『ほむらちゃん きょうこちゃんや まみさんが こっちに きているみたい』
「そうね、合流次第行くわ。…安心して見ていて、まどか…」
『うん ずっとそばにいるからね ほむらちゃん』
(私は…もう、迷わない。どんな形だとしてもまどかと共にいる限り…)

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