595 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 00:49:00.72 ID:41dJzl7eO ほむらちゃんが初恋なまどかさん
朝起きても、学校にいるときも、夜寝るときもほむらちゃんのことを考えてしまうのでした。 初恋なためにその症状の原因に気づかないまどかさんは 「どうしよう…わたし、おかしくなっちゃったのかなぁ…」と落ち込んでしまいます。
そこへほむらちゃん、まどかさんの異変に気づいて心配になります 「まどか、最近なんだか元気が無いわ。…どこか具合でも悪いの…?」 「わっ、ほむらちゃん!っその…えっと…」
ほむらちゃんのことを考えていると切なくなって胸が締め付けられるのです でもそんなことをほむらちゃんに話してしまったら、きっとほむらちゃんは 「私のせいで、まどかが病気になるなんて…」 とたいそう落ち込んでしまうに違いありません。 それを耐えられないまどかさんは、ついに逃げるようにその場を後にしたのでした…。
596 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 00:50:05.97 ID:41dJzl7eO 「あっ…まどか、待って!」 遠くでほむらちゃんの声が聞こえたような気がします。でもまどかさんは止まれません… 無我夢中で家路につこうと急いでいると、聞き覚えのある声に制止されるのでした。 「あれ、まどか…そんなに慌ててどうしたの?」 「あっ…さやかちゃん…」
まどかさんは、事の次第をさやかちゃんに打ち明けました。 いつもほむらちゃんのことを考えてしまうこと、ほむらちゃんのことを考えると胸が苦しくなること ほむらちゃんに心配をかけてしまったこと、ほむらちゃんの前から逃げ出してしまったこと…
「さやかちゃん、どうしよう…。わたし、病気になっちゃったのかなぁ…。ほむらちゃんにも、嫌われちゃうのかなぁ」 「うーん…確かに、まどかは病気にかかっちゃったのかもしれないね」 「えっ……」
まどかさんは、がっくりと肩を落としました。ほむらちゃんに嫌われちゃうと思うと、涙まであふれてきました。
598 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 00:55:26.29 ID:41dJzl7eO 「まどか、そんなに落ち込まないで。それは『恋の病』だよ」
「恋……?」 「そう、だれかに恋をしちゃうとね、どん な女の子も、みんな今のまどかみたいになっちゃうの」
「じゃあ、わたし……」
「うーん、まどかはさ、ほむらに恋しちゃったのかもね」
「恋…。これが、恋なんだ…」
「まどか、まどかはさ、ほむらのことをどう思ってる?好き?嫌い?」
「えっ、き、嫌いなわけないよ!」
「じゃあ、やっぱり好きなんだ」
「あぅ…」
「いいんだよ、それで。恋って誰でもすることなんだから」
「そう、なのかな」
「そうなの。ほらまどか、ほむらに心配かけたままじゃだめでしょ」
「うん。わたし、ほむらちゃんに謝らなきゃ。…そして、この気持ちも伝えたい」
「その意気だよ!がんばれ、まどか」
「ありがとうさやかちゃん。わたし、いってくる!」
「おーう、いってこーい」
「……」 「…はぁーあ」 「…あたしも素直じゃないなぁ」
599 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/18(土) 01:11:16.43 ID:41dJzl7eO まどかさんは走りました。こんなに走るのははじめてというくらい、走りました。 まどかさんは、ほむらちゃんを探します。息が切れても、涙があふれてきても、ほむらちゃんを探します。
「ほむらちゃん……どこ…」
もう、どれだけ走っていたでしょうか。さすがに疲れ果てたまどかさんは、倒れ込むように膝を落としました。 苦しくて、涙が止まりません。でも、ほむらちゃんはまだ…
「あっ…」
そこは公園でした。ほむらちゃんは、ひとりでベンチに座っていたのでした。 すごく悲しそうな顔をしていました。まどかさんはすぐに「自分のせいだ」と感じました。
「はっ…は…っ……ほむ、ら、ちゃん」 「っ?!まどか、どうしたの…」
ほむらちゃんは驚きを隠せません、それも当然のことでしょう。 まどかさんは服も髪もどろどろに汚れて、涙で顔をくしゃくしゃにしていたのですから。 でもまどかさんは、ほむらちゃんの顔を見つめると、言いました。
「ほむらちゃん……ごめんなさい。…わたし、ほむらちゃん……好きです」
息も絶え絶え、まどかさんは今の気持ちを、ありったけの想いを送りました。 うまく言葉で表せませんでしたが、ほむらちゃんはまどかさんのことをすべて見通しました。
なぜなら、まどかさんは満面の笑みでほむらちゃんを見つめていたのですから。
ほむらちゃんはいてもたってもいられなくなって、まどかさんをぎゅっと抱きしめました。
「ほむらちゃん……?」 「…ありがとう。……ごめんなさい、まどか」
「私も、まどかが大好きよ」
まどかさんは、再び目の前が何も見えなくなりました。 苦しみの涙でない、暖かくて優しい涙があふれるのを感じました。
ふたりはいつまでもいつまでも抱き合っていました。
おしまい
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1344557023/595-599