118 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/07/27(土) 23:58:50.90 ID:sZ0MyQO50
mdhmください。
園芸部の夏休み中の水遣り当番に付いてきてくれたほむらちゃんと、休み中でも開放されていた教室でのんびりとお話をしていた時のことでした。
「わぁ、ほむらちゃん見て見て」
教室の窓から見えたのは、まるで雲が溶けて落ちてきているような光景。
ゲリラ豪雨というのでしょうか。私達のいる場所は曇ってはいるものの雨粒一つ落ちてこないのに、
少し離れた所に大きな雨の柱が立っているのが見えました。
「大雨にはあまり良い思い出が無いわ…。この辺りも降り出すかもしれないし、そろそろ帰りましょうか」
「ん、そうだね」
窓を閉めようとしたその時、かなり強い風が、私の髪をぐしゃぐしゃにかき回して吹き抜けていきました。
「凄い風だったわね…まどか、大丈夫だった?」
「うー…大丈夫」
今日に限って、髪を下ろしていたので余計酷い感じです。鏡を取り出して、髪型をチェック。
「まどかの、そういう女の子らしいところって好き」
「へ?」
「私はあんまり…髪型だとか身嗜みだとか気にする方ではないし、鏡を持ち歩いたりなんかもほとんどしないし…」
「……」
ほむらちゃんの髪は張りがあるストレートだから乱れることがほとんど無いのです。身嗜みを気にしない、
というより気にする必要がないのです。あんまり汗もかかないみたいです。
やっぱり人間は不平等にできているのだなぁ、とほむらちゃんの髪をぼんやりと眺めていると、教室が白光に包まれ、
一瞬の間を置いて建物が震えるような雷鳴が轟きました。
「――わぁ、びっくりし」
「きゃあああああああっ!?」
雷鳴の次に私の耳を劈いたのは、ほむらちゃんの悲鳴でした。そして、勢い良く飛びついてくる柔らかい何か。
「…ほむらちゃん、雷苦手?」
「……」
しがみつかれているので見えませんが、頷く気配。
「…嵐は、怖いの。何もかも、失くしてしまいそうで」
「大袈裟だなぁ」
ほむらちゃんがそこまで怖がる理由は、私にはよくわかりません。でも、
「――ふふっ」
「…何がおかしいの?」
「ほむらちゃんの方が、よっぽど女の子してるな、って」
何か非難めいたことを口にしようとしたのでしょう、ほむらちゃんは身を離しかけましたが、それを咎めるように大きな雷が落ち、ほむらちゃんはまた私にしがみつきました。
「避雷針もあるし、大丈夫だよ。天気が落ち着くまで、ここにいよっか」
「……」
ほむらちゃんは私の腕の中で、小さく頷きました。
私はぼんやりと、今年は台風がたくさん来るといいな、と思ってしまうのでした。
暑さ厳しき折、まどほむスレの皆様に於かれましてはご自愛の上、mdhmください。
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