947 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/08/21(水) 02:10:37.30 ID:bFNNPJbH0
我ながら、アホじゃなかろうか。mdhmください。
――ああ、朝まで眠っていたかったのに。
時計のデジタル表示は02:10。妙な時間に目が覚めたものだ。ただでさえ寝起きが良くないのに、半端な睡眠時間のお陰で頭が重い。隣で静かに寝息を立てているまどかが羨ましい。
…というか、宿題をするためのお泊り会という名目なのに、3日前に2人とも宿題を終わらせてしまっているというのがまず企画としておかしい。
かねてからの猛暑で外に出る気も起きず、空調を効かせた部屋で昼寝をするくらいしか時間の使い方が無かった。昼に寝過ぎたおかげで、この有り様だ。
一緒に寝ていたまどかが何故眠れているのかは深く考えないことにする。昼寝から目が覚めた時、隣には空調を効かせているのに真っ赤な顔をして息を荒らげたまどかが薄目でこちらを伺いながら横たわっていた。
私の身体のあちらこちらに虫さされのような赤い跡がたくさん付いていたことと、まどかの狸寝入りは無関係だと思いたい。まどかは間違いなく、私の隣で昼寝をしていたのだ。そう決めた。
きゅぅ
「はうん」
突然お腹の音が部屋に響いて、羞恥から思わず裏返った奇声が漏れた。…なにか食べよう。
まどかを起こさないように、なるべく静かにキッチンを漁る。パンは朝食分しか無い。ご飯は炊いて余った分を冷凍したものがある。あとはお茶っ葉、味付け海苔、ジャムや各種調味料…侘しいわ…。
あ、冷凍しておいた明太子。…いいじゃない。チューブのわさびもあるし。ご飯と一緒に解凍しましょう。
レンジにご飯を放り込んで、お湯を沸かす。お茶っ葉は少なめに。海苔も味がついているし、薄めに淹れたものの方が好み。そこで、レンジが仕事が終わったと鳴き出す。
「あつっ」
どうしてレンジで温めたご飯ってこんなに容赦なく熱いのかしら。包んでいたラップの隙間から漏れてきた蒸気でやけどしそうになった。
ご飯と入れ替わりに明太子をレンジに。深めのお茶碗にご飯をあけて、海苔を1枚ずつ揉んで細かくちぎっていく。食欲をそそる香り。
レンジのほうから細かい破裂音。明太子が爆発してる。どうせ熱いお茶を注ぐのだし、ちょっとくらい解凍が不十分でもいいわよね。
レンジを止め、明太子をご飯に乗せ、海苔をかけて、お茶を注ぐ。レンゲにわさびを少し出して…。
明太茶漬けの完成! …威張るほどのものじゃないわね。
「…魔法少女の夜食なんて、こんなものよ」
とりあえず呟いてみた。夜食と魔法少女は全く関係ないが深夜のテンションに当てられたが故のちょっとしたお一人様ジョーク。いつの間にかまどかが後ろに立っていたのでお一人様じゃなくなってしまったが。
「…いつからそこに」
「海苔をちぎってるあたりから」
「…食べる?」
「いいの?」
口止め料として是非もない。
口に広がる海苔とお茶の風味。やっぱりちょっとだけ冷たいままの明太子。わさびのアクセント。
そうそう、こういうのでいいのよ。
まどかも黙々と食べている。気に入ってくれたようで何より。二人で食べるおざなりな夜食は、チープなのにとても美味しかった。
「食べてから言うのもなんだけど、この時間の夜食は太りそうね」
「…運動しよっか」
「いいアイディアね。私が眠っているのをいいことに、一人で運動しないでくれるとなおいいわ」
「"魔法少女の夜食なんて、こんなものよ"」
「……」
「……」
お互いに不幸にしかならない争いはやめて、運動をすることにした。虫さされの跡が増えた。まどかにもたくさん付いた。運動にはなったと思う。
こないだまど受けを気合入れて書いたら、ほむ受けが上手く書けなくなりました。mdhmください。
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