74スレ/まどほむの朝

Last-modified: 2014-05-31 (土) 01:51:34
492 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/11/03(日) 18:02:58.06 ID:K1c4sEwl0
ハグぐるみ眺めながら、こんな未来が見たいなぁと思った
http://ux.getuploader.com/homumado/download/342/%E3%81%BE%E3%81%A9%E3%81%BB%E3%82%80%E3%81%AE%E6%9C%9D.txt

http://hello.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1383303859/492

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目覚ましが鳴る前に目を覚ます。
隣でまだ眠っているまどかを横目で見て、安堵を覚える。

まどかが記憶と力を取り戻した時には、きっと私は断罪されるのだろうと思っていた。
神に叛逆せし悪魔には、それがふさわしい末路であろうと。
でも、まどかは私を見捨てなかった。
私の想いを受け入れてくれた。
ずっと自分を守って欲しいと。他の誰でもなく、私に隣にいて欲しいと。
私はまた、まどかに救われた。

ふっと不思議な感覚が、物思いにふける私を現実に引き戻す。
なんだか落ち着かなくて、まどかの髪におそるおそる触れてみる。
かすかに伝わってくる暖かさ。
大丈夫、まどかはここにいる。

「……んっ……」
まどかがわずかに身じろぐ。
いけない、そろそろ起きてしまう。
いくら居心地がよくとも、いつまでもここで安穏としてはいられない。
ベッドを降り、そっとシーツをかけ直し、静かにキッチンへ向かう。
私はベッドと結婚したんじゃない、まどかと結婚したのだから。
今日もおいしい朝ごはんを用意しなければ。



「まずはごはんとお味噌汁と……」
「あとはお魚を焼いて……お野菜はどうしようかしら……」
和食は正直準備が大変だ。
でも、まどかが「明日は和食がいいな」と言ったのだから、今日は和食。
手間よりも、まどかが起きてくるまでに間に合うかの方が気がかり。

「おっはよー、ほむらちゃん。 今日も先を越されちゃったね」
間に合わなかった。
起きるのが少し遅かったか、あるいはベッドでまどろみ過ぎたのか。
これではまどかを待たせてしまう。

「おはよう、まどか。 もっとゆっくり寝ていてもよかったのよ?」
「そんなの悪いよー。 私だけいつまでも寝てるなんて」
今朝はいつもより随分とごきげんな様子。
普段はもう少し、ぼーっとした感じでかわいらしいのだけれど。
楽しい夢でも見たのかしら。
なんにせよ、まどかが幸せならそれでいい……
「ほむらちゃん! お鍋っ!」

しまったっ!
まどかに気を取られすぎた。
軽く吹きこぼれてしまったし、焦って蓋を取ったせいかメガネが曇ってしまったし。
全く、いつまでたっても私は……。

……待って。
私はいつからメガネをかけていたの?
起きてからかけた覚えなんてないし、ましてやかけたまま寝るような無茶もするはずがない。

「ほむらちゃん、大丈夫? やけどとかしてない?」
まどかが駆け寄ってくる。
そうだ、考えるまでもない。
私自身に覚えがないのなら、誰かがやったこと。
そして、私に気づかせずにこんなことができる存在など、一人しかありえない。
寝起きだったとはいえ、油断したわ。
てっきりまだ寝ていると思っていたのに。

「ええ、大丈夫よ。でも……まどかでしょ。これ」
ご丁寧に、三つ編みまで。
ごきげんだと思ったら、人が寝ぼけてる間に魔法でいたずらしてたなんて。
さっきの不思議な感覚は、これだったのね。

「えへへ。ほむらちゃん、ごはんまだぁ?」
あぁ、なんてかわいらしいのかしら、私の女神様は。
そんなにかわいらしくごまかされたら、何も言えなくなってしまう。

「もう……。 ちょっとだけ待ってちょうだい。 すぐに準備できるから」
まったく、まどかには敵わないわ。