98スレ/百発百中

Last-modified: 2014-04-11 (金) 21:09:00
743 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2014/04/09(水) 01:39:46.99 ID:KZyQk5s+0
「ほむらちゃんの戦ってる姿ってカッコイイよね」
魔女を仕留めて一息ついた時、まどかがそんなことを言い出した。
魔女退治に付いて来るような事は今ではないのだが、結界を見つけ、挙句に巻き込まれてしまっては仕方がない。
まどかに怪我がなくて、本当に良かった。
それはともかくとして
「そうかしら。自分ではよくわからないのだけど、そういう意味では巴マミの方が華やかで見栄えは良いと思うけれど」
巴マミの戦い方はいかにも魔法少女と言わんばかりの派手さを伴う。
それは自信を鼓舞するための儀式的な意味もあるが、同時に見ている者の心も惹きつける力があった。
そのせいでまどかや美樹さやかが憧れてしまう結果になりやすかったが、それだけに「カッコイイ」と言うなら巴マミの方だと思う。
「そんなこと無いよ。ほむらちゃんもすごくカッコイイよ。こう、『百発百中、狙った獲物は逃さない!』って感じで」
何かを射つような身振りを添えて興奮を伝えてくるまどか。
そんなに褒められるとなんだか照れくさくなる。
そんなことはないと思うし、私は褒められ慣れていないのに。
「まぁ、経験だけは積んでるし、無駄弾は撃ちたくないし。それに、別に百発百中ってわけじゃないわ。私にも撃ち抜けないものはあるもの」
ふとあるいたずらを思いついてそんなことを言ってみた。
「え、そうなの?」
意外そうな顔をするまどか。食いつきは良いみたい。
『撃ち抜けないもの』の正体を聞いた時のまどかの顔が楽しみだなんて、まるで美樹さやかみたいなことを考えて心の中で笑ってしまう。
「えぇ、あなたのハートとか、ね」
「えええええええっ!?」
そう言ってしてやったりと言った顔を向けると、予想通りの反応を示してくれる。
表情がコロコロ変わって可愛い。
「ふふ、冗談よ」
期待通りの反応が得られて、まどかには悪いが満足感を覚えてしまう。
一杯食わされたと気付いたまどかが頬を膨らませて抗議する。
「びっくりしたんだからね、ほむらちゃん!」
「ふふふ、ごめんなさい。つい」
さて、軽く機嫌を損ねてしまった親愛なる人をどう宥めたものかと考えながら、私は今の幸せを噛み締めた。
だから、私は聞き逃したのだ。
近い将来掴める更なる幸せを今すぐ掴めそうな、近道のつぶやきを。
「やっぱり、百発百中じゃない。ほむらちゃんのバカ」
俺は何を書きたかったんだろう

http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1396497875/743