860 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/04/28(土) 17:30:38.04 ID:Aejk+z/F0 二人の座る公園のベンチを、柔らかな木漏れ日が照らす。 辺りに人の影は見えず、ゆっくりとした時間が流れていた。
ほむら「お買い物にゲームセンターに…連休の初日から色々と回りすぎたわね」
まどか「うぇひひ…ちょっと疲れたけど、すっごく楽しかったよ…」
ほむら「そうね…こんなに楽しい時間を過ごすのも久しぶりだわ」
ほむら「この後はどうする?一旦荷物を置きに帰ってもいいし、他に寄りたいところがあるならそれでも…」
そのとき、不意に肩に重みが感じられた。 驚いて横を見ると、まどかがこちらに寄りかかってきている。
ほむら「ちょっ…まどか?」
まどか「すぅ…すぅ…」
返答はなく、代わりに静かな寝息が聞こえてきた。 そういえば、昨日は楽しみにしずぎて余り眠れなかったと言っていた。 まどかの寝顔を見ながら、そんなことを思い出した。
ほむら「ありがとう、まどか…」
そっと、空いている側の手でまどかの頭を撫でた。
まどか「ん…すぅ…すぅ…」
一緒の時間を過ごせること。それだけでも幸せなのに。
この人も一緒にいることを楽しみに思ってくれて。疲れ果てるまで楽しもうとしてくれて。
幸福感という言葉では足りないくらいの感情が、ほむらを満たした。
ほむら(ずっと…こうしていたい…)
冬よりちょっとだけ長くなった日は、まだ沈みそうにない。
叶わないと知りながらも、この時間がずっと続くようにと願いながら。
ほむらはまどかの頭に頬を寄せ、ゆっくりと目を閉じた。
861 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/04/28(土) 17:31:42.20 ID:Aejk+z/F0 まどか「ん…」
冷たい風を感じて目を覚ました。ぼんやりとした視界に見慣れた公園の風景が写る。 夕暮れ時、世界は橙色に染まり、樹々の影は長く伸びていた
まどか(そうだ…私、公園で寝ちゃったんだ…)
体を動かそうとして、何かがそれを阻害するのを感じた。 少し上を見やると、ほむらがこちらに寄りかかってきていた。
まどか(あはは…ほむらちゃんも寝ちゃったんだね)
怒った顔、困った顔、楽しそうな顔、泣きそうな顔、そして笑った顔。 これまで見てきたどの表情よりも、この寝顔が一番優しげに見えた。
まどか(ずっと見ていたいなぁ…なんて)
もうあまり時間がないことはわかっていたけれど。 初めて見せてくれたこの顔を壊したくなかった。
いつもクールで、カッコよくて。 そんな人が見せてくれた、この無防備な顔を。
まどか(へへへっ私だけのものだもん)
ギュッとほむらに抱きつく。 少しだけ、ほむらが笑ってくれた気がした。
結局、夜になり寒さでほむらが目を覚ますまで、二人は公園のベンチで過ごし続けた。
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