38スレ/離さない-mdhmください

Last-modified: 2014-04-28 (月) 19:51:35
913 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/12/01(土) 01:07:53.60 ID:mSiBOWBs0
ただmdhmを吸ってmdhmを吐き出すだけの機械になりたい。
「すみません」
中間テスト最終日の下校途中。しばらく一緒に遊べなかった分、今日はどこか寄り道して帰ろう、
なんて話しながら信号待ちをしていたところで、品の良い初老の女性に話しかけられた。
以前、巴マミに連れて行ってもらったことのあるカフェの名を挙げ、所在を訊ねてきた。
寄り道にうってつけ。まどかと頷き合って、道案内を買って出ると、すまなさそうに
「よろしくお願いします」とお辞儀をした彼女は、理想的な年齢の重ね方をした女性の雰囲気が
漂っていて、こうなりたいものだと思った。
「もう随分と昔のことですけれどね、見滝原に住んでいたの」
彼女はカフェの経営者と古い友人で、偶然、雑誌の記事で紹介された経営者を見て、数十年ぶりに会いに来たのだそうだ。
そういえば、初老のマスターがカウンターの中でコーヒーを淹れていたっけ。
「今だから話せますけどね。今から会いに行く人とは恋人同士でした。でも、許してもらえる時代じゃなかったわ。
 引き裂かれるようにして遠い街の親戚へと預けられて、それっきり」
人は見かけによらないものだ。彼女の穏やかな笑みは、そんな過去を全く感じさせない。
「あなたたちも、会いたい人に会える今を大事になさい。ある日突然、二度と会えなくなってしまうなんてこと、
 人生では珍しくないのですよ」
そう言って私とまどかを見る目には、不思議な優しさが満ちていた。
扉を押すと、据え付けてあるドアベルが可愛らしい音を立てた。
幸いというべきか、店内には他の客は居ない。感動の再会に水を差すような真似はしたくなかったので、
私達はお店の前で別れようと思っていたのだが、
「道案内のお礼もしたいし、お話を聞いてくれたあなた達に立ち会って欲しいのです」
と強く引き止められて、一緒にお店の戸をくぐることになった。
しかし、あの初老のマスターの姿は見えない。代わりに「いらっしゃいませ」と私達に声をかけたのは――
「――さん?」
私たちの横を擦り抜け、カウンターへ歩み寄る彼女の笑顔は、まるで恋する少女のようで。
カウンター越しに手を握り合う2人の女性の姿は、とてもとても美しかった。
「ほむらちゃん。もし私達が離れ離れになっちゃったら、どうする?」
ケーキセットをご馳走になって、積もる話が尽きない2人をお店に残して退席した帰り道。まどかがそんなことを言い出した。
「ならないわ」
「もう…もしの話だよ」
苦笑するまどかの顔には、少しの不安の影が見て取れる。
そう、時代が変わっても、まだまだ道ならぬ恋であることには変わりないから。
「そうね…きっと何があっても、どんなことをしてでも…奇跡を起こしてでも、会いに行くわ」
「…ん、えへへ。私も」
「いいえ、私が会いに行くわ。まどかはただ、信じて待っていてくれればいい」
「えー。なんかずるいよ。私だって頑張るからね?」
お互いの存在を確かめ合うように繋いだ手に伝わる暖かさは確かにそこにあって、
一緒に居られる今がずっと続きますようにと願った。
なんでこんなめんどくさい話に仕立てるのか。皆様もっとイチャイチャするmdhmください。

http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1353657020/913