44スレ/今までとこれから-mdhmください

Last-modified: 2014-05-02 (金) 23:41:34
911 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/01/16(水) 16:50:06.69 ID:IuWIIQAn0
予約してた冬コミの本が届く気配がありません…。このままではmdhm分が足りない。mdhmください。


「ほむらちゃんの名前、かっこ良くって好きだよ」

素直に褒めたつもりだったのに、見開かれたほむらちゃんの瞳にはみるみる水が溜まっていって、
隠そうとしたほむらちゃんの手をすり抜けてこぼれた一粒のしずくが、私を非難するように床に小さなしみを作った。

「ほむらちゃん!? わ、私何かしちゃった?」
「違う、違うの。ありがとう、まどか」

詰まったような声でほむらちゃんは、あなたはいつもそう言ってくれるのね、と呟いた。
愛しさと悔しさとが綯い交ぜになったような感覚が、私の中で湧く。それはきっと、私が私に抱く憐憫と、ほんの少しの嫉妬。
私の知らない私がほむらちゃんに付けた、傷にも似た痕跡は、こうして時折顔を覗かせる。
それはきっと、ほむらちゃんが私の知らない私を好きになってくれて、私の知らない私もほむらちゃんのことが好きだった証。
今は、ほむらちゃんは私を好きだと言ってくれて、私もほむらちゃんのことが好きで。
ごめんなさい、私。ちょっぴりズルいよ、私。

だから、

「ほむらちゃん、私のお話、もっとたくさんして欲しいな」
「まどか…?」
「ほむらちゃんの思い出の中の私とはちょっと違うけど、私もほむらちゃんのことが好きな、鹿目まどかだよ。
 ほむらちゃんの中にいる、少し違う私もひっくるめて、ほむらちゃんと一緒にしあわせになりたいの」

だから、ほむらちゃんと、ほむらちゃんの中の私と、私で、今までとこれからを全部分けあいたいの。

「…うん。そうだね。やっぱり、鹿目さんは、やさしいな…」

ほむらちゃんは今まで見たことがないくらいに優しく微笑んで、今日は手を繋いで帰りたい、と言った。
いつだったか、失敗して泣いてしまったほむらちゃんを私が慰めながらそうして帰ったから、って。
ごめんね、ほむらちゃんが好きだった私。でも、私もほむらちゃんが好きだから。
一緒に、しあわせになろう。

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「ここでまどかが私と腕を組んで…」
「ここでまどかが抱き締めてくれて…」
「ここでまどかが『キスしたい』って…」
「ここでまどかが『ほむらちゃんのお部屋で…』って…」
「ホムラチャン?」
「ナニカシラ?」
「ホントニ?」
「ホントウヨ」
「絶対嘘だ! ほむらちゃんのエッチ! エッチなほむらちゃんちょっと嫌い!」
「ごめんなさい…。本当はキスまでだったわ」
「……」
「…ごめんなさい、本当は腕を組むまでです…」
「ほむらちゃんって、結構図太いよね…」
「そうしなければまどかを守れる私にはなれなかったのよ」
「今更カッコよく言っても駄目だよ…」
「…ふふ」
「…あはは」

そうして笑い合う声の中に、私たちじゃない私たちの笑い声が、微かに聞こえた気がした。


自分に嫉妬するまどかさんを書いてましたが、神レベルで優しいまどかさんが嫉妬なんて(少ししか)するはずがない!と思ってこうなりました。
しばらく忙しくなるのでスレにお邪魔するのは減りそうです。皆様もっとmdhmください。

http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1357673552/911