7スレ/まどか「ほむらちゃんが如何わしいホテル街に・・・」3

Last-modified: 2014-11-27 (木) 22:35:56

※編集者注:>>642はこちら(まどか「ほむらちゃんが如何わしいホテル街に・・・」2)

785 : 1/3 : 2011/10/13(木) 13:31:37.45
>>642の続き
(結局、朝食までご馳走になってしまった・・・)
朝一番にまどかを自宅まで送り届け、両親に突然の無断外泊を咎められようとしていたのを見ておれず、思わず助け舟を出してしまったほむら
すると思惑とは遠く外れ、すっかり鹿目夫妻に気に入られてしまい、娘と仲良くしてやって欲しいと打ち解けられてしまった
「わざわざ送ってくれた上に、助けてくれてありがとうね。うちのママ、怒ると怖いから
  ・・・ほむらちゃんが助けてくれなかったら、無断外泊なんてしたんだもん。二人になったタイミングで、きっと引っ叩かれてたよ」
「そう・・・でもそれは貴女を心配しての事よ。あまりご両親に心配をかけるような真似をしてはいけないわ」
「うん、ありがとうほむらちゃん」
「・・・私はただ、話せるだけの事実を説明しただけ。感謝される謂れはない」
そんないつものそっけない態度に、穏やかな笑みを返すまどか
「・・・うん、やっぱりほむらちゃんはやさしいね」
「勘違いよ・・・本当にそう思うなら、貴女はお人良しすぎる」
(これではもう、まどかと距離を置くのは難しいかもしれない・・・貴女は誰にでも優しすぎる・・・)
「・・・えへへ。あのねほむらちゃん。もし良かったらなんだけど、時々でもこうやって、ほむらちゃんと一緒に登校したり、お家に帰ったり出来たら嬉しいなって・・・」
「一緒に登下校するには、少し遠回りになりすぎるわ・・・」
俯き、数歩先を歩きながら返される返事に、わずかに残念そうに微笑むまどか
「そっか・・・でも、私とほむらちゃんはもう友達だよね?」
「・・・・・・」
ほむらの脳裏につい先ほどの鹿目夫妻と、目の前の少女の悲しむ顔が浮かび、その問いを否定する事が出来なかった
「おはようさやかちゃん、仁美ちゃん」
ほむらと連れ添って歩きながら、いつもの合流地点で待っていた親友二人に手を振るまどか
「まどかおはよう!・・・って、なんでアンタが一緒に居るのよ、転校生!」
「おはようございます、まどかさん。それに暁美さんも」
予想通りのさやかの反応に、苦笑しながらたしなめるまどか
「さやかちゃん!ほむらちゃんにそんな意地悪なこと言わないで。ほむらちゃんは昨日私を色々助けてくれたんだから。仁美ちゃんも、これからはほむらちゃんと仲良くしてあげて欲しいなって」
「・・・・・・」
「あらあら、そうなんですの?麗しの転校生の暁美さんと、まさかの急接近ですのね~!」
「あはは・・・まぁそうなるのかな?ほむらちゃん、ちょっと感情を表に出さないところがあって、とっつきにくいかもしれないけど。すごい優しい良い子なんだよ」
「無愛想ってレベルじゃないでしょ!?どんだけ好意的なのよアンタ!」
そんな三人のやり取りを省みることなく、マイペースに学校へと歩いていくほむら
「ちょっと色々やることがあって・・・先に行くわ。また学校で」
「え・・・うん、またねほむらちゃん」
「・・・あらあら。相変わらずそっけないお方ですわね」
「やっぱアイツ嫌なやつだわ」
「まぁまぁさやかさん。何を怒ってらっしゃるのかは存じませんが、まどかさんの仰る事にも少しは耳を傾けてください。私も暁美さんがそこまで悪い方とは思えませんもの」
「うんうん、ありがとう仁美ちゃん」
「アタシには嫌味で自分勝手なやつにしか見えないけどね」


786 : 2/3 : 2011/10/13(木) 13:36:32.85
「ほむらちゃんに大事なお話があるの」
その日一日、事ある毎に話しかけてくるまどかの誘いを袖にしつ続けたほむらであったが、放課後の誘いだけは断る事が出来なかった
夕日に赤く染めあげられた、二人だけの静かな教室。日の光を背負った艶やかな黒髪の少女が、とけて消えてしまいそうなほど儚げで美しいと感じたまどかは、
これが告白だったらロマンチックなのにな・・・なんて考えが一瞬頭をよぎりながら、話を切り出した
「わざわざ待っててもらってごめんね。あのね、ほむらちゃん」
「用件は何かしら。なるべく手短にお願いするわ」
席二つ挟んで、腰を持たれかけさせていたほむらに詰め寄るまどか
「さやかちゃんとマミさん・・・今日もこの後、魔女退治に出かけるみたいなの」
「そう・・・それで?やっぱり貴女も着いて行くつもり?」
「うん、ほむらちゃんが心配してくれてるのはわかるけど・・・さやかちゃんを放っては置けないし、マミさんだってみんなが知らないところで
  一人であんな怖い目にあいながら魔女と戦ってくれてるのを知っちゃったら、見て見ぬ振りなんて出来ないよ」
「昨日あんな目にあったばかりなのに、貴女はもう忘れてしまったのね・・・」
「ううん、魔女退治が命がけなんだってことも、ほむらちゃんが助けてくれなかったら死んじゃってたこともわかってるよ。・・・だからね、ほむらちゃんにお願いがあるの」
話すうちに感情が高ぶったまどかは、ほむらの左手を両手で包み込むように握り締めると、その目を見つめて必死に懇願する
「マミさんやさやかちゃんと喧嘩しないで、もっと仲良くして欲しいの。魔女をやっつける時も、みんなで協力して戦えばずっと安全なはずだよね?
  ・・・それにね、私、ほむらちゃんがマミさんやさやかちゃんと険悪にしてるの、もう見てられないの!」
「・・・」
「お願い!マミさんとさやかちゃんにはもう一度私から話してみるから・・・ほむらちゃんがどう思ってようと、もう私にとってほむらちゃんは命の恩人で大切なお友達なの!
  ・・・それに、同じ魔法少女なのに、ほむらちゃんは悪い人じゃないのに、マミさんと喧嘩してるなんて、そんなの絶対おかしいよ!」
わずかに涙を滲ませるまどかの真剣な眼差しから目を逸らし、俯いて握られた手を優しく払うと、鞄を手にして後ろのドアへ向かって歩き出すほむら
「・・・用件はそれだけ?私の答えは変わらない・・・。もう日が暮れる、気をつけて帰りなさい」
「ほむらちゃん!・・・私、ほむらちゃんの事、信じてるから!」
(ほむらちゃん、やっぱり来てくれないのかな・・・)
夕暮れの教室でのやり取りがあった次の日、目に染み入るような鮮やかな夕暮れの中、
使い魔の気配を辿った三人は、郊外の廃ビルを訪れていた
「二人とも、ガラスの破片が落ちてるから、足元気をつけて」
「ありがとうございます、マミさん」
「薄暗くて如何にもなんか出そうですよね、ここ・・・」
狭い通路を抜け広間に出ようとしたその時、特徴的な落ち着いた凛とした声と共に、死角になっていた物陰から魔法少女姿のほむらが現れる
「どうやら先日の帽子の意味は理解してもらえなかったみたいね、巴マミ」


787 : 3/3 : 2011/10/13(木) 13:37:46.57
「ほむらちゃん!」
「・・・暁美さん」
「アンタ、何しに来たのさ!」
一気に緊迫する空気の中、悲痛な表情を浮かべ、ほむらを庇うように割って入るまどか
「ほむらちゃんも魔女退治を手伝いに来てくれたんだよね?だからさやかちゃん、そんな風に言うのはやめて?マミさんも、ほむらちゃんの事を信じてあげてください」
「それは彼女の出方次第だけれど・・・」
「私は警告に来たの。・・・巴マミ、魔女退治に一般人の二人を巻き込むのはやめなさい」
「彼女たちはキュゥべぇに選ばれたのよ?もう無関係じゃないし、この仕事について色々知る必要がある。
  ・・・鹿目さんの話を聞いた限りじゃ、貴女が彼女を心配しているのはわかるけど、彼女にだって選ぶ権利があるわ」
マミの返答にわずかに俯いて奥歯を噛むと、表情を殺して言い放つほむら
「いいえ、貴女はやっぱりわかっていない。貴女が守りきれないほど強力な魔女が現れたら、まだ契約してもいない二人を危険に晒すことになる。
  ・・・そうね、わかりやすいよう言い方を変えるわ。・・・今ここで私が貴女を襲えば・・・三人とも死ぬことになる」
「ほむらちゃん!?」
「お前!やっぱり・・・」
「鹿目さんと美紀さんは下がってて。これは魔法少女同士の問題だもの。・・・暁美さん、やはり貴女とは白黒はっきりつけるしかないようね」
マミはわずかに周囲の地形を見回すと、まどかとさやかを背に庇って下がらせ、広間の入り口付近に立つほむらとは対照的に、狭い通路に陣取った
「ほむらちゃん!・・・どうして、どうしてわかってくれないの?もうこんなの見てられないよ・・・」
事を構えるマミとほむらを見守りながら、悲嘆にくれたまどかは膝をついてぼろぼろと大粒の涙をこぼす
「大丈夫よ鹿目さん。彼女だって本気で私たちに危害を加えるつもりで言ってるわけじゃないし、
  私だって可愛い未来の後輩の目の前で、その命の恩人に乱暴するなんて、悪者にはなりたくないもの。そうよね、暁美さん?」
「・・・そうね、別に私は貴女たちに危害を加えるつもりはない」
「だったらどうして・・・」
「転校生。アンタがどういうつもりでも、まどかを泣かせるなら私はアンタを許さない」
俯いて膝をつくまどかの肩に手をかけ、魔法少女同士の緊迫した空気にも気圧されることなく、ほむらを見つめて言い放つさやか
「貴女の言っていることにも一理あるわ・・・それに、確かに先日は後れを取った・・・。でもね、私は自分のしていることが間違っているだなんて思わない」
「・・・そう。残念ね。貴女とは戦いたくないのだけれど」
軽く後ろ髪を右手で払うと、事も無げに言い放つほむら
「ほむらちゃん!・・・お願い、やめて二人とも・・・お願いだから・・・」
(鹿目さんにあんなふうに庇われちゃ・・・ね。それにこの子からも、まるで殺気を感じないわ・・・)
「だったらこうしましょう暁美さん。私のリボンが貴女を縛るのが先か、貴女が私の身につけている物を奪い取るのが先か、勝負よ」
「かまわないけれど・・・今ここでやるの?」
「ええそうよ。それとも、もっと広い場所じゃないと都合が悪いかしら?」
「・・・いいえ、ここでかまわないわ」
「そう。じゃあ美樹さんに開始の合図をお願いするわね」
マミは懐から銀貨を取り出すと、軽やかにさやかに向かって放り投げた
To Be Continued
ほむまど成分少ない上に、ダラダラ続けて申し訳ないっす・・・

809 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/10/14(金) 02:53:31.96

>>785
「・・・えへへ。あのねほむらちゃん。もし良かったらなんだけど、時々でもこうやって、ほむらちゃんと一緒に登校したり、お家に帰ったり出来たら嬉しいなって・・・」
「一緒に登下校するには、少し遠回りになりすぎるわ・・・」
この部分のイラストです。
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