91スレ/騙されて、気付いて

Last-modified: 2014-07-07 (月) 18:55:51
784 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2014/02/05(水) 00:29:19.17 ID:kl3Es1JE0
確かにほむほむは一般常識に疎いイメージはある。ずっと病院な訳だから感覚もちょっと違うだろうし
と言う訳で誰かに騙されて、平然と朝からキスをするほむほむを適当に考えた


いつもの通学路でほむらちゃんは待っていました。黒髪が風を受けて、羽のように広がっています。
「ごめんね、ほむらちゃん。寝坊しちゃって」
「おはよう、まどか。大丈夫、私も来たところよ」
私は少し息を切らして、ほむらちゃんの横に並びます。
「そうだ、今日確か数学の……」
言いかけた私の目の前に、ほむらちゃんの白い肌と大きな瞳。小さな唇。
柔らかい感触が私の唇に触れ、離れました。かすかな潤いが残ります。
「え、え、あの、キス……?」
周りにはまばらだけど学校に向かう人たちがいます。
「あの、こういうの、二人っきりの、ときに……」
「?」
私は燃えるように熱い頬を隠すように、ほむらちゃんの顔を覗きました。
平然とした、穏やかな顔。嘘みたいに綺麗な、優しい顔。
「それじゃあ、行きましょうか。遅刻するといけないわ」
当たり前にみたいに歩き出しました。
「どうしたの?」
「だ、だって、ほむらちゃんが急にキスなんて、するから!」
不思議そうな顔しています。
「真っ赤だわ、まどか? 熱があるのかしら……」
「わー! 違うの!」
またほむらちゃんの顔が近づいてきたので、私は慌てて駆け出しました。
「どうしたのかしら、心配だわ……」
きっとほむらちゃんに変なこと吹き込んだ人がいるはずです。
何人か候補が浮かんで、きっと怒ってやろうと思いました。でも、やっぱり怒らないことにします。
まだ唇に残る感触で、私はまた赤くなって、走り続けました。
ほむらちゃんが悪いんだ。


794 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2014/02/05(水) 01:13:39.96 ID:kl3Es1JE0
騙されていたことに気付いてパニックになるほむほむも美味しいと思うのです


誰とは言わないわ。騙された私が悪いのだから。だけど、まさかキスがそういうものだなんて!
だって病院の子たちは、お母さんやお父さんとキスして……唇ではしてなかったわね。
「……」
放課後の教室。
まどかに合わせる顔なんてなかったから、逃げるように学校から出ようとした時、そのまどかから呼び出された。
「えっと、まどか……?」
まどかの小さな背中に、私は声をかけた。私の顔、きっと真っ赤になってる。
まどかはくるりと振り返った。
「……呼び出しちゃってごめんね」
「いえ、その……」
まどかの顔を見られなかった。
「でもね、まだキスしてなかったでしょ?」
「キ、キス?」
まどかの考えが読めない。私の弱い心臓は馬鹿みたいに高鳴った。この音、まどかには聞こえないで。
「そう。親しい人の挨拶、でしょ? 家に帰る前にしておきたかったんだ」
まどかはいたずらっぽく言った。
「ち、違うの。それは私が……」
「してくれないの?」
まどかは上目遣いで私を見た。これはずるいわ。勝ち目がないわ。
「ほむらちゃん?」
「分かったわ……」
まどかは目を閉じて、少しつま先立ちになって、私の前に。まどかも真っ赤。
私は唇を寄せ、ほんの小さなキスをした。
「……駄目だよ、そんなの。今朝はもっとちゃんとしてくれた、でしょ?」
「うう、だって……」
「だーめ」
それから、まどかが許してくれるまで、私は何度となくキスをした。
その度に怒られて、どんどん激しく、強く。
「……今朝は恥ずかしかったんだよ? あんな人前で」
まどかはまだ許してくれそうにない。

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