97スレ/心の中がだだ漏れ

Last-modified: 2014-07-08 (火) 01:14:25
101 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2014/03/25(火) 00:18:23.65 ID:aUUeAFGP0
悪魔城には想像をかき立てられるよね……


街から少し離れたところに、そのお屋敷はあります。
大きな門にたくさんの窓。暖炉や大広間まであって、まるでお城みたいです。
とっても綺麗なのだけど、外壁が真っ黒だから、知らない人は少し怖いと思うかもしれません。
「ごめんくださーい」
私は大きな扉の前で声を掛けます。
「カナメマドカ」「カナメマドカ」「キテクレタ」「ヤッタ」
お庭の方では、不思議な感じの子ども達が何だかはしゃいだ様子。
「うるさいわよ、あなたたち」
音も無く扉があいて、そこには黒いワンピースを着た女の子が。ほむらちゃんです。
「……まどか」
ほむらちゃんは少しうつむいて、黒髪の中に表情を隠してしまいます。
「ここにはもう来るなって、言ったはずよ」
「ウソ」「ウソツイテル」「ホントワ」「スゴクウレシイ」「ウソヘタ」
「……」
「ウェヒヒヒ、入っていいよね?」
ほむらちゃんは諦めたように頷きました。子ども達の方をしっかり睨みつけるのも忘れません。
「……あの子たちは、別に私の感情を代弁してるわけではないのよ」
「あの、やっぱり迷惑だった?」
「……そうじゃないけど」
ほむらちゃんは小さな声で言いました。私たちの後ろでは小躍りして歌う子ども達。
「適当に寛いで。飲み物でも持ってくるから……」
私は大きなソファに導かれます。ほむらちゃんは部屋から出て行きました。

「あああああ、何て可愛いのまどか! でもいけない! 私は悪魔なのに!」
「悪魔にも優しくしてくれる……ああ、でも……」
「い、いいえ、悪魔なのよ? あの子を私のものに……」
「そ、そうよ、頃合いを見て押し倒して……」

「って、思ってるんだほむらちゃん」
「ソウ」「アイツ」「カナメマドカダイスキ」「デモ」「ヘタレ」
「そうなんだー」
私はウキウキしてほむらちゃんを待ちます。場合によってはお泊まりもやぶさかではありません。
やがて、飲み物を持ったほむらちゃんが戻ってきました。
「……あなたにも困ったものね」
ほむらちゃんはすごみのあるほど綺麗な横顔を見せつつ言います。
「えへへ、ごめんね」
「何で楽しそうなの……」
「ほむらちゃんと一緒だからかな~」
「変な子……」
ほむらちゃんはこっちを見てくれません。
でも色が白いからすぐに分かるんです。今、真っ赤になってるって。

http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1395587030/101