99スレ/悪魔のくちづけ

923 名前： ◆HOMUMADOj61K [sage] 投稿日：2014/04/23(水) 14:24:28.79 ID:X65HrKXb0 [1/3]
わたしは今、焦っています。
この状況をどう切り抜けたものかと懸命に頭を巡らせています。
こうしている間にも、どんどん時間は無くなっていきます。
次の授業は体育なんです。早く着替えないといけません。
でも、わたしの手は動きません。何故なら――

――わたしの体には、『悪魔の口吻』が付けられてるからです。

（うぅ、今日体育があるの忘れて、お泊りではしゃぎすぎたよ……）

そう、昨日わたしはある『お友達』のお家にお泊りをしたのです。
そこで、わたし達は、その……まぁ、そういうことです。
今、わたしの体には、首筋に、胸元に、脇腹に、内腿に。
しっかりと『刻印』が刻まれてしまっています。
正直なところ、付けられること自体は嫌ではありません。むしろ嬉しくすら思えることもあります。
でも、人に見られるのは恥ずかしくて嫌です。
なのでつけた犯人のことをちょっと睨んでみると。

すっごいニヤニヤしてこっちを見ていました。
いつもはとっても優しくていい子なのに、普段は他にはさやかちゃんしかそう呼ばない自称が、この時ばかりは珍しくしっくり来ました。

（うぅ～、ほむらちゃんの悪魔ぁ～っ！）

そんなわたしの何が面白いのか、ほむらちゃんはずっと笑っています。

「ほむらちゃん、ひどいよ……」

他の人には聞こえないように、小さくつぶやくと

「あら、嫌われてしまったかしら？」

なんて、心にもない事を言ってニヤニヤしてます。
信頼されてるようで嬉しくもあるけど、それがこの時ばかりは悔しくて。

「ほむらちゃんの、意地悪」

なんて呟いてから、どうしたものかとまた頭を悩ませるのです。

悪魔のくちづけと聞いて。

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