F4F-3

Last-modified: 2024-04-11 (木) 05:52:26
No.197
weapon197-b.pngF4F-3艦上戦闘機
装備ステータス
火力+1雷装
爆装対空+4
対潜索敵
命中回避+2
戦闘行動半径4
装備可能艦種
駆逐艦軽巡洋艦重巡洋艦戦艦
軽空母正規空母水上機母艦航空戦艦
備考
開発解禁日:2021年6月22日、改修可入手方法
改修更新
F4F-3 → F4F-4 → F6F-3 → F6F-5
大戦初期の太平洋上で零戦としのぎを削った名艦上戦闘機、その初期部隊配備型です。
ワイルドキャットとよばれたF4Fシリーズは、格闘戦闘で劣る零戦隊を相手に果敢に戦いました。

ゲームにおいて

  • 対空はまさかの+4。制空力は零戦21型よりも劣る。
    • 53cm連装魚雷25mm単装機銃のような「遅れて来た序盤の繋ぎ」といった印象。
    • とはいえ回避が+2、火力が+1付くので純粋に零戦21型より劣っているわけではない。
      • 制空は熟練度に任せて微少スロット投入するのも手か。

入手方法について

アップデート履歴

  • 2016年 11月19日:実装。
    • 同日派生型の「F4F-4」も同時実装された。
  • 2016年 12月09日:アップデートで改修更新が可能に。更新先は「F4F-4」。
  • 2021年 06月22日:アップデートで開発可能になった。
    • 秘書艦が「Saratoga」、「Hornet」の場合のみ開発可能。
    • 開発理論値は10/20/10/21か。

小ネタ

  • 元ネタは、アメリカ海軍の艦上戦闘機F4F「ワイルドキャット*1」の最初の量産型、F4F-3と思われる。
    • F4Fはグラマン社が開発し、第二次世界大戦序盤の主戦力として、また護衛空母の搭載機として終戦まで活躍した戦闘機である。
    • 「F」は「戦闘機(Fighter)」を表す機種記号。そして、「4」は設計の通し番号、「F」はグラマン社を表すメーカー記号で、ハイフンより後ろは改良番号。
      • つまり、グラマン社が生産する4機種目の戦闘機の、3番目の改良型という意味である。
    開発~生産
    • この機の開発が始まったのは1935年、グラマン社を含む3社に競争試作として発注されたもの。
      • 実は最初の設計プランでは複葉であった。さすがに時代遅れな感があるが、堅実なグラマンらしいとも言える。
      • が、ライバルが単葉機で挑むことがわかり、急遽設計変更。図太い胴体に直線の翼を組み合わせたスタイルで審査に望んだ。
        この審査ではエンジントラブルなどもあって、ブリュースター社のF2A「バッファロー」に制式の座を奪われてしまうが、より強力なエンジンを搭載した改良型の開発を受注。そしてその改良型が晴れて制式と成ったのが、F4F-3である。
      • 主脚は複葉機時代の名残で胴体内格納式を採用しており、コックピット内のクランクを手で回すことで格納・展開を行う。
        パイロットは離陸後、片手で操縦桿を握りながら反対の手でクランクを29周も回さなければならなかった。このため、離陸直後のF4Fはフラつく挙動があったという。降着装置の展開・格納は最終生産型まで人力のままだった。
        • ただ胴体格納式のため車輪間の間隔(トレッド)が狭い欠点があり、供与先の英国海軍で不評を買っている。*2
        • しかし、手動クランクは大変だがメリットがないわけではない。緊急時に留め金を外せば主脚が自重で勝手に展開するため、胴体着陸とはほぼ無縁というメリットはあった。
    • エンジンは1200馬力のP&W R-1830-76「ツイン・ワスプ」。最高速度531km/h、12.7mm機銃4丁と防弾板を備え、運動性もF2Aより良好と、なかなかの出来である。
      • 構造的には、やたらと凝ったことはせず、堅実にまとめている。引込脚は前作F3Fと同じく胴体装備、主翼もスパっと切り落とした直線形を用いることで生産性を向上させた。全金属単葉ではあるが、革新的な点はあまり無いと言える。
      • しかし「グラマン鉄工所」と呼ばれるほど頑丈な機体強度からくる急降下特性、防弾性能などは優秀で、日本機に対しては上下方向の機動を主としたダイブ・ズーム戦法や僚機との連携戦術で対抗した。
        逆に欧州戦線で速力重視のドイツ機を相手にする場合は、艦上機故の低翼面荷重からくる運動性を生かし、主に水平格闘戦で対抗していた。
      • ちなみに(主に零戦と比較して)短いといわれる航続距離だが、1300kmは余裕で飛べる。220リットル増槽を2つ携行できたので、もっと長く飛ぶことも出来る。
    • 他の戦闘機と同様、F4Fも逐次改良が進められた。エンジン改良版のF4F-3Aを経て、主翼を折りたたみ式に改設計、武装を12.7mm機銃6丁に増強しエンジンを二段過給器つきのP&W R-1830-86に換装したF4F-4が登場する。
      • F4F-3は折り畳み不可の固定翼だったため、搭載数に不満があった。そこで主翼を折りたたんで搭載数を増し、瞬発火力を高め、新型の2段過給器でパワーアップと中高度以上での性能向上を目指したのがこの型。
        ライセンス生産版であるFM-1を含めて2200機以上*3が生産され、正規空母向けF4Fの決定版ともいえるだろう。
      • このF4F-4を最後にグラマン社は新型機F6Fの開発に集中することになり、1942年春以降、F4Fの生産はすべてゼネラルモーターズ社に委託されている。
    • ゼネラルモーターズ製F4Fの最初の量産型はFM-1と名付けられ、これはほぼF4F-4そのままの機体だった。続くFM-2は小型の護衛空母向けに調整したタイプである。
      重量のかさむ二段過給器付き星型14気筒エンジンから、一段二速過給器を備えた星型9気筒のP&W R-1820-56に換装。武装も12.7mm機銃4丁に戻し、機体全体を見直して軽量化した。
      • なんだ、ただの劣化版じゃないか……と侮るべからず。エンジン換装で出力は150馬力アップ、また軽量化されたことで上昇力、運動性、離着陸特性等ほぼすべての飛行性能が向上した。
        過給機が1段になったことで高高度性能は低下してしまったが、護衛空母において艦隊直掩がFM-2の主要任務となったためさほど問題にならず、上陸作戦の上空援護や特攻機迎撃で活躍。護衛空母でF6Fはカタパルトを使用しなくては安定して発艦させるのが難しく、カタパルトの特性上連続発艦に悪影響を与えたのとは対照的にFM-2はカタパルト無しでも安定して連続発艦できた。低速での操縦にクセがなく飛行甲板が小さい護衛空母での発着艦も容易であり、パイロットからは飛行特性も低高度でなら後継機のF6Fや最優秀機とも言われるP-51にさえ大きく劣らないと評されることもあった。生産数はF4Fシリーズ最多の約4200機となった。4名のエースパイロットを輩出しており、米国での評価は高い
    • 総生産数は7800機前後。内ゼネラルモーターズ社のライセンス生産版であるFM-1/2は5200機以上を占め、なんと本家グラマン社の倍近い。どこかで聞いたような?
      • 米海軍、海兵隊のみならず海外からも注目され、イギリス、フランス、ギリシャから発注を受けている。なかでもイギリスは後継機不足で艦載機の更新がままならなかったために*4、フランス降伏によって肩代わり購入した81機に加えて100機を追加発注。さらにギリシャ降伏で30機を肩代わり購入し、F4F-4 220機、FM-1 312機、FM-2 340機の供与を受け、合計で約1100機ものF4Fを運用した。
        特にイギリス海軍では性能に尖った部分は無いものの、操縦の容易さと運用のしやすさが好評であり、テストパイロットを務めたエリック・ブラウン大尉は「私個人の経験として、ワイルドキャットはWW2初期の優れた航空機であると評価する。このグラマン製戦闘機は最高の艦上戦闘機の内の一つである。」と評価している。
        • なおイギリスでは当初「マートレット(岩燕)」と呼ばれていたが、1944年1月1日付でアメリカと同じワイルドキャットに戻された。
    太平洋戦線
    • 太平洋戦線では、零戦神話もあり、開戦当初から零戦と対峙した印象があるが、実際のところ零戦と多く会敵したアメリカ陸軍航空隊のP-36やP-40と比較すると少ない。
      というか開戦当初運用されていたF4F-3の数は全部で288機未満で、なんと開戦時までに実戦配備された零戦より数が少なく*5空母も3隻*6と少なく後生大事に使うので日本海軍の主戦場のインド、フィリピン方面に航空隊を進出させる余裕がまったく無かった。
      開戦当初の1942年6月のミッドウェー海戦前*7までの場合、苦しい状況のなかウェーク島や珊瑚海海戦で戦い抜いた。
      • 珊瑚海で戦ったアメリカ海軍航空隊は零戦とF4Fを比較して、速度や上昇力は同等で、防御力はF4F-3のほうが上だが運動性については零戦が上と考えていた。
      • 苦戦するようになったのは、重量がまして性能が低下したF4F-4になってからであり、それを補うためのサッチ・ウィーブ戦法*8や、鹵獲機調査から全軍に勧告された「3つのネバー*9」の徹底などでじわじわと挽回していく。
      • 珊瑚海海戦やミッドウェー海戦にも参加しており、グラマンF6F「ヘルキャット」、チャンスヴォートF4U「コルセア」といった後継機の登場まで太平洋戦線を支えたことは高く評価されている。
        • ちなみに初の零戦との空戦はウェーク島の戦い第二次攻略戦で、航空支援に駆けつけてきた二航戦のうち、飛龍の零戦が3機とF4F-3が2機で空戦となった。結果は零戦側は損害無しに対してF4Fは2機撃墜*10されて全滅となった。
        • 珊瑚海海戦では零戦2機の被撃墜*11に対し、F4F-3は7機の被撃墜*12とミッドウェー海戦では、海兵隊VMF-221所属のF4F-3 6機が戦闘に参加している。(この部隊は残念ながらミッドウェー海戦で壊滅。)
    • F4Fの(艦これ的な)最大の戦果は、ウェーク島における駆逐艦如月の撃沈だろう。
      • 日本海軍のウェーク島攻略部隊が近づきつつあった頃、先立って行われた九六式陸攻の高度450mからの低空爆撃に守備隊は気付かず、同島の航空戦力であるF4F-3が12機のうち7機が撃破、1機が大破*13となった。無事だった機体は空中哨戒中だったわずか4機*14のF4F-3のみとなっていた。しかしこの数少ないF4Fが爆弾を装備して反撃、爆撃を受けた如月は誘爆を起こし沈没。さらに陸上砲台の砲撃で駆逐艦疾風も撃沈され、攻略部隊は一時退却を余儀なくされたのである。
        • ちなみにこの大金星を挙げたF4F隊は第一次攻略戦の後4機中2機が被弾不時着、及び着陸事故で失われ稼動機は2機の状態で第二次攻略戦にも参加し、最終的に二航戦の零戦隊により全滅している。
    • 欧州戦線でもドイツ軍機に対して奮戦。上下方向の機動を主として襲ってくる相手に対し、対日戦とは逆に格闘戦に持ち込んで対抗した。
      • また、護衛空母に搭載されて対潜哨戒任務にも就いており、Uボート撃沈の戦果も残している。
  • F4F系列の機体は現在少なくとも3機が現存し、内2機は飛行可能。運がよければ、エアショーなどで飛んでいる姿が拝めるかもしれない。
    • そのうちの1機であるFM-2「エアビスケット」号は、世界最高峰のエアレースと呼ばれているリノ・ステッド・エアレースのアンリミテッドクラスに何度も参加していた。
      P-51、F8F、シーフューリー等の高速戦闘機をさらに魔改造したガチレーサー達が時速800kmの世界で鎬を削る中、ほぼ無改造の「エアビスケット」はアンリミの癒やしキャラとして最後尾を周回遅れでのんびり飛ぶのである。 かわいい
    • コンフィデレート・エア・フォース所属機はF-14退役記念にF4F*15、F6F、F7F、F8F、そしてF-14の「歴代グラマン猫」飛行を行ったが、F4Fはエンジンが過熱するほどの全力で飛び逆にF-14は失速寸前だったと言う。当たり前だが……
  • ところで、F4F-3には水上機バージョンが(一応)存在する。
    • 日本の二式水上戦闘機の影響を受けたとも言われ、その目的はやはり島嶼部の基地造成までのつなぎだった。
    • たった1機だけが改造で製作され、F4F-3S「ワイルドキャットフィッシュ」の名前をもらった。
      テストの結果最高速度は355km/hと鈍足で、もともとF4F-3自体の性能が零戦より劣っていたこともあって評価は「使ウルトコロアラズ」。
      • もっとも、迅速に前線基地を整備する専門の部隊も存在したので、そもそもこんなもの作らなくてもよかったというオチ。
      • 初飛行は1943年2月。ガダルカナルの戦いが終焉し攻勢に転じた頃である。タイミング的にも要らない子であった。
    • ちなみに二式水戦は単フロートだが、F4F-3Sは双フロートである。この機の鈍重さを悪化させた一因と言える。

この装備についてのコメント

  • そろそろこれは米空母秘書で開発落ちしてもいいんじゃないかななんて(改修更新x2前提だが) -- 2018-04-17 (火) 22:23:30
  • コレの量産ってサラ建造? -- 2018-05-17 (木) 12:08:15
  • サラトガ牧場やるのはさすがにキツイぜ・・・ -- 2018-07-25 (水) 11:27:14
  • 秘書艦サラ限定で開発できてもいい気がするんだけどなぁ -- 2019-06-14 (金) 03:21:35
  • ダサい戦闘機ベスト3に入るくらいダサい。(あくまで個人の意見です) -- 2019-08-16 (金) 16:20:48
  • コレクション要素になるだろうけどワイルドキャットフィッシュを実装して更新できるようにならないかなぁ -- 2019-12-05 (木) 04:49:00
  • 少数派だと思うが、F4F-3Sへの改修更新を信じて改装フレッチャー任務の報酬はF4F-3★3×2機を選んだよ。 -- 2020-05-22 (金) 02:08:52
    • 俺も同じ理由でこっち選んだ。TBFはガンビーが持ってくるし -- 2020-05-22 (金) 07:41:33
    • よーし!またF6F-5のmaxを作るぞぉ~(白目) -- 2020-05-23 (土) 02:37:51
    • F4F-3Sがくるとしたらどれくらいの性能になるのかな -- 2020-05-24 (日) 21:40:40
      • 気になるところだな。機体性能は低いが対陸上型限定だが攻撃力底上げ、とかあったらこの子も救われるかな? -- 2020-06-11 (木) 20:44:04
      • 特にそういう能力はなくても…火力を1上げて対空を1下げた二式水戦みたいな感じでいいんじゃないか -- 2021-07-14 (水) 01:38:16
    • 自前で改修できちゃうからなぁ… -- 2020-06-27 (土) 09:01:56
  • 今更これの★付配るとか水戦化くるの? -- 2020-05-24 (日) 11:46:53
  • 備考欄の入手可能任務のリンクを訂正。 -- 2020-09-05 (土) 20:23:15
    • 少し手を入れました -- 2021-07-15 (木) 14:44:22
    • イヤーリー任務追加 -- 2021-07-15 (木) 15:10:22
  • ついに開発来たか -- 2021-06-22 (火) 23:55:02
  • ホーネット秘書に 燃料:20 弾薬:60 銅材:10 ボーキ:110で3回出ました。 -- 2021-06-23 (水) 01:06:58
  • F6F量産のハードルが少し下がったかな -- 2021-06-23 (水) 01:16:44
  • サラトガマーク2MOD秘書で20 60 10 100 で出ました -- 2021-06-30 (水) 02:17:30
  • F4F-4作るのに1つ必要になっちゃったけど、うちのサラ、黒いのよね・・・ ガンビー改二(仮)でこれの改修できないかなぁ。 -- 2021-07-13 (火) 23:02:00
    • ダメだった・・・ 仕方ないので白くするか・・・ -- 2021-07-16 (金) 02:49:37
  • 黒サラトガ秘書で 燃料:10 弾薬:20 銅材:10 ボーキ:30で出ました。 -- 2022-04-10 (日) 19:03:23

*1 山猫、野良猫の意。「暴れん坊」を指すスラングでもある。
*2 イギリスの艦上戦闘機はシーグラディエーターは第一次大戦の遺物、フルマーも性能不足、ロックは論外、シーファイアは内開き式主脚が祟って主脚折損事故が多発(ついでにトレッドも狭いというオマケ付き)という状態だった。まともに使えたのは日本同様外開き式格納脚を備えたハリケーンをベースにしたシーハリケーンぐらいで、それでも艦上機としては航続距離不足だった為F4Fを導入した
*3 イギリス供与も含む。
*4 第二次世界大戦初期で未だに複葉機が主力艦上戦闘機、艦上雷撃機を務めたり、わざわざ航法士を乗せる為に機体性能で単葉機に劣る複座艦上戦闘機を作ったり、艦上爆撃機を制空戦闘機として使ったり、戦闘雷撃機なる世にも珍しい機種を作ったりと当時イギリス海軍は混乱していた。
*5 零戦が400機程度
*6 真珠湾攻撃後の1942年初頭には急いで欧州の大西洋艦隊から数隻の空母を太平洋艦隊に呼び戻してる
*7 ミッドウェー海戦ではVMF211を除き大半の部隊がF4F-4に更新しているため
*8 よく誤解されているが、ウェーブではなくウィーブ(Weave、機織りの意)
*9 1.ゼロと格闘戦をしてはならない。2.低速時にゼロと同じ機動をしてはならない。3.低速時に上昇するゼロを追ってはならない。
*10 一機は空中撃破、もう一機は零戦の体当たりにより不時着。最終的に撃墜されたF4F搭乗員二名は戦死
*11 稀に零戦の損失について祥鳳3機、瑞鶴1機の合計4機とされるが、実際のところ瑞鶴、祥鳳合わせて零戦2機、九六式艦戦2機の合計4機損失が正しい
*12 出典:珊瑚海海戦及びオスプレイシリーズより引用
*13 第211海兵戦闘飛行機隊の人的損害はは55名中23名戦死・戦傷11名であり、戦死者だけで見ても42%の損害、負傷者含めて65%の大損害である。大損害にもかかわらず勇猛果敢に反撃に出る。
*14 のちに整備隊は全員負傷していたにもかかわらず、残存機の修理・整備に専念し、大破した機体も修理して努力の結果稼動機は5機となる
*15 実際にはFM-2