※このページではパイロット版について説明しています。 第1シーズンのエピソードについては『あなにおちたトーマス』のページをご覧下さい。 |
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英語版タイトル | Down the Mine |
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メモ | ・1979年、ブリット・オールクロフトは、『汽車のえほん』を原作としたエピソードをテレビで制作する権利を得た。 ・彼女は2年以上かけてアニメーターに会い、テストリールを見ながら、クラシック、ストップモーション、クレイなど、どのタイプのアニメーションを使うかを決めていった。 ・そして、デヴィッド・ミットン氏との出会いにより、実写のモデルアニメーションを使用することが決まった。 ・ITVからの同意を得た後、1983年4月3日、低予算でテストパイロット版を制作し、いくつかのネットワークに売り込むことになった。 ・ブリット・オールクロフトはパイロット版の制作資金を捻出するために自らの自宅を抵当に入れた。 ・このパイロット版は、『汽車のえほん』第8巻『大きな機関車ゴードン』に収録されているエピソード『ちんぼつしたトーマス/トーマスのちんぼつ』をベースにしたものである。 ・このエピソードは、ITVがシリーズ化を決定した後、第1シーズンの第25話として再撮影されたが、一部の映像が流用されている。 |
その後 | ・1983年4月にテスト上映された後、本映像を収録したフィルムは1980年代後半にアメリカ人プロデューサーであったリック・シゲルカウ氏に手渡され、『Shining Time Station』のプレゼン映像として使用された。 ・リック・シゲルカウ氏は、『きかんしゃトーマス』と『Shining Time Station』のマスターテープをすべてマテル社に返却したと語っており、現在はマテル社が所有しているものと思われる。 |
最終版との違い | ・パイロット版は、セットがシンプルで、登場人物も少なく、照明も平板であった。また、トーマスとゴードンの模型も違っていた。 ・車輪を含めたモデルは制作プロダクションであるクリアウォーター・フィーチャーズのモデルメーカー、マーティン・ギルがスクラッチビルドしたもので、よりシンプルな外観になっていた。 ・アニーとクララベルのモデルは、イギリスの鉄道模型メーカーであるテンマイル社のキットをベースにして、顔を小さく整形したものだった。 ・これらの模型は撮影前にテスト走行されなかったため、信頼性に欠けることが判明した。 ・例として、パイロット模型のシャシーの性能は非常に悪く、模型を釣り針で引っ張らなければならないほどだった。そのため、この後のテレビシリーズで使用された模型はすべて、より信頼性の高いメルクリン製のシャーシを使用することになる。 ・別の例として、模型には12Vの自動車用電源ソケットをベースにしたスモークジェネレーターが装備されており、各撮影の前に従来のスタジオスモークマシンオイルを滴下させていたが、その熱で機関車のボディの樹脂が歪んでしまい、長時間使用することができなくなってしまった。 ・そのような事態を回避するために走行前に素早く充填させると、機関車の目の後ろやフェイスプラグの脇の隙間から微弱な煙が出てくることがあった。 ・目を操作するメカニズムにも問題が有り、パイロット版では目が何度も引っかかったり、目の周りから煙が出たりと、常に修正が加えられ、目の方向を決めて固定させることもしばしばあった。線路上の電源カップリングの静電気がユニットのサーボに影響して、目が突然大きくずれてしまうことも珍しくなく、これらの不具合は実際のテレビシリーズではかなり改良された。 ・最終版で流用されたパイロットの映像でもトーマスの眼窩から煙が出ていることが確認できる。 ・パイロットモデルには、トーマスのランプとランプアイアン、スプラッシャーの赤い裏地、キャブのサイドウィンドウの黄色い裏地など、後に最終的な撮影模型に追加される要素がいくつか欠けていた。 ・ゴードンの模型には、ランプ、ランプアイアン、汽笛がなかった。彼のテンダー部の模型が最終モデルと比べていくつかの違いがあったかどうかは不明である。 ・パイロットの撮影後、モデルメーカーのクリストファー・ノールトンはゴードンの模型を、新しいメルクリンのシャシーを使用し、バッファービームの位置を高くするなど、トーマスのモデルと同様にその他の小さな変更を加えて改装し、後に第1シーズンで使用された模型となった。 |
参照画像 |