汽車のえほん

Last-modified: 2023-10-02 (月) 21:14:43
The Railway Series
日本語版タイトル汽車のえほん
英語版タイトルThe Railway Series
説明・架空の島ソドー島の鉄道で働く機関車たちを題材にした絵本シリーズ。
・TVシリーズ『きかんしゃトーマス』の原作。
・1942年、英国国教会牧師であったウィルバート・オードリーの2歳半の息子クリストファーが麻疹にかかったとき、彼を励ますため自らが少年時代に想像したように、意志や感情を持つ蒸気機関車が会話をする物語を語ることにし、ここで、後押し機関車が大きな機関車の列車を助けて丘を登る話を聞かせた。
・息子の質問にウィルバートが答えていくうちに、話はどんどん膨らんでいき、それぞれの機関車に名前や個性が付けられていった。彼は、勤勉なエドワード、偉そうなゴードン、臆病なヘンリーの話を何度も聞きたがったので、簡単な絵を添えてそれを書き留めた。
・ウィルバートはこれらの物語を何かに使おうとは考えていなかったが、妻のマーガレットは、戦時中に出回っていた他の子供向けの本よりも良いものだと考え、出版社を探すように説得した。 紙の切れ端に書かれた最初の3つの物語は、エージェントに送られ、エドモンド・ウォードという出版社が見つかった。ウォードは、戦時中に不足していた子供向けの本を補おうと、原稿を受け取った。
・これらの物語は1945年5月12日に『三だいの機関車』として出版され、初版22,500部がすぐに完売し、年末までにさらに重版する事も決まった。
・エドワードとゴードンの話を聞かせた後、ウィルバートはクリストファーに木のホウキと廃材を使ってエドワードといくつかの貨車や客車のおもちゃを作ってプレゼントした。彼はゴードンのおもちゃを欲しがったが、資材不足だったため、代わりにありあわせの材料でタンク機関車のおもちゃを作り、青く塗ってクリスマスプレゼントとして贈った。クリストファーはそのおもちゃをトーマスと名づけた。その後、クリストファーはトーマスにまつわる物語をリクエストしていった。その物語は、1946年に第2巻『機関車トーマス』として出版されることになる。
・当初ウィルバートは、第2巻で執筆を終えるつもりだったが、ウィルバートが想定していなかった程の人気があった為に、最終的に1972年まで26巻出版された。
・その後、息子のクリストファーが執筆を引き継ぎ、一時休止期間はあったものの、16冊の物語を執筆し、2011年に最終巻が出版された。
日本での出版までの経緯・1965年1月から1967年7月まで、オックスフォード大学東洋研究学部 日本研究科講師兼留学生として、清水周裕は家族と一緒にイギリスに在住しており、オックスフォードの本屋の店先で『The Railway Series』を見つけ、それ以来親子で愛読していた。
・時を同じくして桑原三郎も1965年4月から翌年2月まで、イギリスに留学しており、桑原は時々、清水の家庭に招かれて食事を共にしていた間柄だった。
・1972年4月から7年間、清水は桑原の依頼で、慶應義塾幼稚舎で英語を教えていた。この時期に、清水は桑原に『The Railway Series』の共訳を提案。桑原の快諾とポプラ社の協力、チャールズ・イー・タトル商会の翻訳権仲介を得て、翻訳作業が始まり、1973年11月10日に『汽車のえほん』として出版された。
・また、当時京成電鉄取締役を勤めていた黒岩源雄による鉄道用語についての監修を得たことで、英米で単語の相違が激しかった鉄道用語の翻訳が「はつらいしんごうき(発雷信号機)」「かんしょうき(緩衝器)」などと正確に訳されている。


邦題は旧版のものを記す。新装版の邦題については各巻の項を参照。


邦題原題発行(英国)発行(日本)
ウィルバート・オードリー・作
1三だいの機関車The Three Railway Engines1945年1973年
2機関車トーマスThomas the Tank Engine1946年
3赤い機関車ジェームスJames the Red Engine1948年
4がんばれ機関車トーマスTank Engine Thomas Again1949年
5やっかいな機関車Troublesome Engines1950年
6みどりの機関車ヘンリーHenry the Green Engine1951年
7機関車トビーのかつやくToby the Tram Engine1952年1974年
8大きな機関車ゴードンGordon the Big Engine1953年
9青い機関車エドワードEdward the Blue Engine1954年
10四だいの小さな機関車Four Little Engines1955年
11ちびっこ機関車パーシーPercy the Small Engine1956年
12八だいの機関車The Eight Famous Engines1957年
13ダックとディーゼル機関車Duck and the Diesel Engine1958年
14小さなふるい機関車The Little Old Engine1959年
15ふたごの機関車The Twin Engines1960年
16機関車トーマスのしっぱいBranch Line Engines1961年1980年
17ゆうかんな機関車Gallant Old Engine1962年
18がんばりやの機関車Stepney the "Bluebell" Engine1963年
19山にのぼる機関車Mountain Engines1964年
20100さいの機関車Very Old Engines1965年
21大きな機関車たちMain Line Engines1966年
22小さな機関車たちSmall Railway Engines1967年
23機関車のぼうけんEnterprising Engines1968年
24機関車オリバーOliver the Western Engine1969年
25きえた機関車Duke the Lost Engine1970年1981年
26わんぱく機関車Tramway Engines1972年
クリストファー・オードリー・作
27ほんとうにやくにたつ機関車Really Useful Engines1983年2023年
28(未邦訳)James and the Diesel Engines1984年-
29Great Little Engines1985年
30More About Thomas the Tank Engine1986年
31Gordon the High-Speed Engine1987年
32Toby, Trucks and Trouble1988年
33Thomas and the Twins1989年
34Jock the New Engine1990年
35Thomas and the Great Railway Show1991年
36Thomas Comes Home1992年
37Henry and the Express1993年
38Wilbert the Forest Engine1994年
39Thomas and the Fat Controller's Engines1995年
40New Little Engine1996年
41Thomas and Victoria2007年
42Thomas and his Friends2011年



ポップアップえほん
邦題原題発行(英国)発行(日本)
1きかんしゃトーマスとバスのバーティーBertie the Bus and Thomas the Tank Engine1983年1992年
2きかんしゃヘンリーだっせんするThe Flying Kipper and Henry the Green Engine
3きかんしゃヘンリーとサーカスのぞうHenry the Green Engine and the Elephant
4あめがきらいなきかんしゃヘンリーHenry the Green Engine Gets Out
5きかんしゃジェームズといたずらもののかしゃJames the Red Engine and the Troublesome Trucks
6きかんしゃパーシーうみにおちるPercy the Small Engine Takes the Plunge
7きかんしゃトーマスおおゆきにあうThomas the Tank Engine and the Tractor
8きかんしゃトーマスさかなつりにいくThomas the Tank Engine Goes Fishing
9(未邦訳)Thomas the Tank Engine and the Scrambled Eggs1994年-
10Percy the Small Engine and the Scarf
11Thomas the Tank Engine Catches a Thief
12James the Red Engine and the Signal




総集編
邦題原題発行(英国)発行(日本)
汽車のえほんコレクションThomas the Tank Engine:The Complete Collection1996年2013年7月
(未邦訳)Thomas the Tank Engine:The New Collection2007年-