KvsT 妄想第0話

Last-modified: 2008-05-15 (木) 10:00:53

???「…ください…さい…ィス…ラリ…きてください…」
ティス「ん…ん、デュ…ミナス…様?」
デュミナス「起きてください、ティス!!ラリアー!!」
ティス「デュミナス様!!」
デュミナス「目が覚めましたか?ティス?」
ラリアー「ん…お母さ…い、いえ…デュミナス様?」
デュミナス「あなたも目が覚めましたか…よかった…」
ラリアー「デュミナス様?確か僕たちは…」
ティス「そうだ!!あいつらは!?デスピニスは?」
デュミナス「分かりません…ですが、デスピニスは地球にいるようです。」
ラリアー「なぜ、デスピニスは地球へ?」
デュミナス「それは分かりません…私はここに着いてからあまり時間が経過していないのです」
ティス「えっ、でも!!あたい達はデュミナス様と融合してあいつらと…」
デュミナス「そうですか…私はここでも…いえ、彼女は過ちを…、あれを御覧なさい」
ティス「あれって?」振り向くティス「…っ!!デュミナス様!?なんで…?」
ラリアー「じゃあ…あなたはいったい…?」
デュミナス「私は…デュミナス、ですが…あなた達の知るデュミナスではありません…
かつて…私は、自分にとって大切な存在を失い、失う痛みを知りました
そして、私は旅立ったのです…再びあの子達に会うために…」
ラリアー「そんな…じゃあ僕たちのお母さんは…」
デュミナス「残念ながら…機能を停止しています。彼女も私と同じ存在でした
ですが、あなた達との融合が不完全であった為、あなた達をこうして助けることができました」
ティス「うう…デュミナス様…」
ティスはデュミナスの姿を思い浮かべる…そして次に思い浮かんだのは…
ティス「くっ!!ファイターロア!!」
そう叫び、走り出そうとするティス
デュミナス「ああ…ティス、どこへ?」
ティス「きまってる!!デュミナス様の仇をとるんだ!!」
デュミナス「ティス…仇を討ったとしても何も解決しませんよ…」
ティス「うるさい!!あたい達のデュミナス様でもないのに指図するな!!」
大声でデュミナスにそう吐き捨て、走り去るティス
デュミナス「…………」
ラリアー「ティス…デュミナス様…僕はどうすれば…」
デュミナス「差し出がましいようですが…それは、あなたが決めるべきです…」
ラリアー「そうですね…」
―浅草―
コウタ「フォルカの奴…本当にいっちまいやがったんだな…」
ショウコ「…え?なに?ごめん、聞いてなかった」
コウタ「…」
ショウコ「それじゃ…ショウコはお夕飯のお買い物に言ってくるね」
覇気の無い表情でいつものように出かけて行くショウコ
コウタ「…まったく、フォルカの野郎…とんでもねえもん盗んでいきやがって…」
コウタがにくいあん畜生の顔を思い浮かべていると、突然外から
ショウコ「きゃあああー!!」(叫び声)
コウタ「…!!ショウコ!!どうしたぁぁぁ!!」
コウタが外の出るとそこには
ティス「捕まえたよ!!ショウコ=アズマ!!ファイターロアはどこ!!」
コウタ「てめえは…ティス!!生きてやがったのか、ショウコを放しやがれ!!」
ショウコ「おにいちゃん!!」
ティス「あんたは…見つけたよファイターロア!!かくごしてもらうからね!!」
コウタ「へっ!!覚悟するのはそっちだぜ!!バーナウ…」
ティス「いいのかい?こいつがどうなっても?いいならいいけどね!!」
コウタ「くっ!!てめえ!!」
ティス「あははは、じゃあ心置きなく死にな!!デュミナス様の仇!!」
バキッ!!ゲシッ!!
コウタ「ぐあああああ!!」
ロア「コウタ!!直撃は避けるんだ!!」
ティス「手加減はしてあげるよ、楽には死なせないからね!!」
コウタ「てやん…で…こんなもん効くかよ…バーカ…」
ロア「強がりを言ってる場合か!!集中しろ!!」
ティス「ふ~ん?そんなこと言う?じゃあもう少し本気を出してあ・げ・る♪」
ドゴッ!!ガスッ!!
コウタ「か…は…」
ロア「コウタ!!」
ティス「そろそろとどめね♪あっ、そうそう、こいつも後を追わせてやるから安心してよね♪」
コウタ「ぐっ…ショ…ウコ…はなせ…」
ショウコ「いやああ!!おにいちゃぁぁぁん!!誰か…助けて…」
心に思い浮かぶのは、もうここにはいない人物…でも…助けに来てくれる…そう信じたい
ショウコ「助けて…フォルカあああー!!」
ゴゴゴゴ…ショウコの叫びに同調するように、ものすごい衝撃があたりを震わせる
ティス「何!?なんなの??」
ロア「これは…オーバーゲートエンジンが…共鳴している…」
轟音に呼応するかのように、突然あたりの空間が歪み、そして…
???「ショウコおおおおお!!」
ティス「…!!何!?」
空間の歪みから何者かが飛び出してくる。それに、ティスは反応できない
フォルカ「うおおおおおお!!真覇剛掌せええぇぇぇーん(閃)!!」
ティス「うわああああああ!!」
ドカーン!!
ショウコ「きゃ!!」
空中に放り出されたショウコをフォルカが受け止める
ショウコ「ん…、フォ…フォルカ!!フォルカなのね!!」
フォルカ「大丈夫かショウコ?お前に呼ばれた気がして…気がついたらここにいた」
ショウコ「ふぉるかあ~、会いたかったー、うわああああああああああーん」
コウタ「へっ…!!ナイスだフォルカ…特別にフレンチまでは許す!!だがディープはだめだ!!」
フォルカ「ショウコ?フレンチ・ディープとはなんだ?」
コウタ「そいつは、あとで教えもらいな、バーナウ・レッジ・バトー!!ファイターロア!!
フォルカ!!ショウコを守れ!!ここは俺がけりをつける!!」
フォルカ「わかった…ここはお前に任せる」
ティス「いたたたた…、邪魔が入った!!でも退くわけにはいかないんだ!!
あたいは…あたいは!!デュミナス様の仇を討つんだぁー!!」
コウタ「うおおおおおお!!」 ティス「うわあああああ!!」
コウタとティスの激闘は続き、そしてついに…
コウタ「そこだ!!でりゃああああああ!!」
ズガ―ン!! しかし、打ちのめされても立ち上がるティス
コウタ「はぁ…はぁ…もう…あきらめたらどうだ…?」
ティス「うるさい…うるさい!!あたいは、デュミナス様の仇を討つんだ!!
たとえこの命を懸けてでも!!この存在のすべてをかけてでも!!」
コウタ「お前…」
ティス「デュミナス様はなぁ!!あたい達を生み出してくれたんだ!!
あたい達に名前と居場所をくれたんだ!!デュミナス様は…デュミナス様は…
たとえ誰がなんと言おうと、あたい達のお母さんだったんだああああ!!」
そういって涙を浮かべるティス
コウタ「……わかった…」
そう言って変身を解くコウタ、その目に迷いは無い
ロア「コウタ…!!なにをしている!!」
コウタ「うるせえ!!…なぁ…一撃だ…一撃だけ本気で殴りに来い!!」
ロア「おい!!コウタ!!」
ティス「あんた…あたいを馬鹿にしてんのか!?同情でもしてるのか!?」
コウタ「そうじゃねえ…おれは…家族を失うのが嫌だった。ショウコやじいちゃんが、
どこか遠くに行っちまうのが怖くて…離れるのが嫌だった。
それで、ショウコの周りにいる男どもに手を上げて、迷惑かけたこともある…」
ロア「コウタ…お前は…まさか…」
コウタ「とにかく、家族は一緒にいるのが一番だと思ってた。でも俺は…
俺を殴れ!!誰かの家族を奪っちまった落とし前は、きっちりしなきゃいけねえ!!」
ティス「い…言われなくても!!あたいは、デュミナス様の仇をとるんだあああああ!!」
バキィィィ!! コウタ「ぐっ!!」 ドサッ!!
―回想―
デュミナス「それは、あなたが決めるべきです…」
ラリアー「そうですね…では、デュミナス…さん、お願いです、ティスを止めてあげてください
ティスはあんな性格ですけど、僕たちの中で一番デュミナス様に依存していたんです
ですから、きっとどんなことがあったとしても消えて無くなるまで戦ってしまいます。
僕ではティスを止められません、でも…きっとあなたなら…」
デュミナス「分かりました…やはりあなたはこの世界でもやさしい子ですね」
ラリアー「ありがとうございます。僕はデスピニスのところへ連絡をとりたいと思います
あなたが直接出向くより、僕が行ったほうが、混乱が少ないと思うので…」
デュミナス「そうですか、では場所を教えましょう。ところでティスの行き先に心当たりは?」
ラリアー「おそらく…浅草に…ティスをお願いします…お…母…さん…」
―現在―
コウタ「いててて、俺を突き飛ばしたのは誰でぇ?っと、な…なんだ…?」
ティス「なんで…どうして…!!どうしてジャマするの!!あんた、なんでここが!!」
デュミナス「間に合いましたか…ティス…これ以上過ちを犯してはなりません…」
コウタ「てめえは!!ティラミス!!」
ロア「デュミナスだ…。しかし、生きていたとは」
デュミナス「はじめまして、ファイターロアさん。
私は、あなた方の知るデュミナスとは異なる別のデュミナスです」
コウタ「俺の名はコウタだ、じゃあてめえもダークブレインの命令でロアを狙いに来たのか!?」
デュミナス「ダーク?ブレイン?いいえそのような方は存じませんが?」
ロア「お前を作り出したものの名だ」
デュミナス「私の…創造主…、ごめんなさい…私は創造主についてほとんど知らないのです」
ロア「嘘…ではないようだな」
ティス「そんなことはどうでもいいからどきな!!あたいはデュミナス様の」
デュミナス「ティス…」
パァン!!と乾いた音を立て、デュミナスがティスのほほを打つ
デュミナス「…どうです?痛いですか?痛いでしょう?
ですが、あなたはあなたのお母さんの死を知ったときもっと苦しかったはずです
あなたはそんな苦しみをまた誰かに与えようとしているのですよ?
だから…もう…もうやめてください…あなたが…そんな過ちを犯してしまうと思うと…私は…」
ティスの目を見つめるデュミナスの目に、涙が輝く
ティス「分かってる…そんなの分かってるよー!!でも…でも!!うわあぁぁぁーん」
デュミナス「よしよし…辛いなら思い切り泣いていいのですよ?私は、ただ…
あなた達に過ちを犯して欲しくないだけですから…」今度はやさしくティスを抱きしめる
ティス「あんたなんか…あんたなんか…デュミナス様じゃないのに…
うわあぁぁぁー!!おかあざーん!!」
 
―数分後―
デュミナス「眠ってしまったようですね…ティス…」
ティス「ZZZ…グスッ…お母さん…」
そこに、避難していたフォルカ達が帰ってきた。ショウコの顔が赤いのは気のせいであろう…
フォルカ「終わったようだな」
コウタ「ああ…あいつに助けられた」
ショウコ「でも…あれって…」
過去の記憶の記憶を思い出したのか、ショウコはフォルカに身を寄せる
フォルカ「ショウコ…」
フォルカはその肩をやさしく抱き寄せる
コウタ「フォルカ、テメエ!!どこまでだ!!どこまで手を出した!!俺は許さんぞ!!」
ロア「落ち着けコウタ…勢いに任せてキスを許したのはお前だ」
コウタ「そうだった…って、いてててて…安心したらなんかダメージが…」
ショウコ「お兄ちゃん!!大丈夫!?」
そういってショウコがフォルカから離れて近寄ってきた
コウタ「で…大丈夫だよ!!それに今日ぐらいは許してやっから、あいつとイチャついて来いよ…」
ショウコ「もう…素直じゃないんだから…」
ショウコは、そういいながらコウタの傷口の血をふいてゆく
デスピニス「デュミナス様!!」
そうこうしているうちにラウルたちがやってきた
ラウル「ほ…本当にデュミナスだ…でも、別人?なのか?」
デュミナス「デスピニス…それにあなた達は…これも因果なのでしょうか…」
ラージ「その口ぶりは…僕たちのことを知っているようですね?本当に別の個体でしょうか?」
デュミナス「あなたは、ラージさんでしたね?正直あなたにはいい思い出が在りません…
ですが…自分の存在意義は自分で見つけるべきだという、その言葉には感謝しています
そういえば、お体の具合はよろしいのですか?」
ラージ「何のことです?でも、どうやらこれであなたが僕達の知るデュミナスではないことが判りました。
でも、あなたは別の僕たちを知っているようですね」
デュミナス「かつて…私は自身の存在意義を知ることばかりを考え、過ちを犯してしまいました…
その結果、私は本当に大切なものに気付かず…気付いた時には既に…手遅れでした…」
ミズホ「それが…デスピニスちゃん達…あなたは、失ってしまったのですね?大切な人たちを…」
デュミナス「その通りです…ミズホさん…あの子達は…損傷した私を治すために…
私は…その犠牲に答えようと、もう戻れない道をそうすることが犠牲になったあの子達の為と信じ
ただがむしゃらに進んでいきました…そんな私を止めてくれたのもあなた達でした…」
フィオナ「じゃあ、あなたがその子達を再生させたのは…」
デュミナス「例え、創造した者が異なっていようとも…この子達があの子達と違うと判っていても…
私はこの子達を見捨てることができなかった…たとえ、この子達が私を必要としていなくとも…」
コウタ「…………」
デスピニス「そんなことはありません!!」
ラウル「デスピニス…」
デスピニス「私達にはあなたが必要なんです!!私には今、L&Eコーポの皆さんがいます。
でも…やっぱりあなたが…お母さんが必要なんです!!」
ラリアー「その通りです!!ほかに救わなければならない大切な人達がいるのは解っています…
ですが…もう少しだけ…あと、ほんの少しだけで良いんです…僕達のお母さんでいてください!!」
デュミナス「デスピニス…ラリアー…ありがとう…こんな私を…母と呼んでくれるのですね」
デュミナスの目にもデスピニスやラリアーの目にも溢れんばかりの涙が溜まっている
そのとき、コウタがデュミナスに近づき言った
コウタ「なあ、おっ母さん?こういうとき母親のする仕事は泣くことじゃねえぜ?
そいつは、俺が抱えててやっから、あいつらを思い切り抱きしめてやんな」
デュミナス「ありがとうございますコウタさん…ティスを…あなたに任せます…」
コウタ「ああ、しっかり任されてやんぜ。ほら、お前らも遠慮してないで母ちゃんとこにいきな!」
デスピニス・ラリアー「ですが…」
ラウル「こういうときは遠慮しなくても良いんだよ?それに甘えるのが子供の役目だしさ」
フィオナ「ほら、お母さんも待ってるわよ?」
デュミナス「デスピニス…ラリアー…いらっしゃい」
二人は駆け出すようにデュミナスの元に向かうとその体にしっかりと抱きつき、
それをデュミナスがさらに抱きしめる。
デスピニス・ラリアー「お母さん…」
コウタ「(やっぱり…あいつらもまだ本当は子供なんだな…)」
そう思いながら、自身が抱き抱えている少女に目をやる。
コウタ「(相手を欺く為に子供の姿をしているか…、でも本当はそうじゃねえ…
やっぱりこいつらは、まだ子供なんだ…そうでなきゃ、何でこんなに軽りいんだよ!!
何でこんなに弱えんだよ!!何でこんなに…必死なんだよ…!!)」
まるで、母親の温もりを求めるようにコウタにしっかりと抱きついてくるティス
コウタはそれを体で感じながら、母親を奪ってしまったという自責に念にかられていた
ロア「そう、思いつめるなコウタ…敵を倒す。これが戦いなんだ…!!」
おまえが直接最後に手を下したわけではない、そう言っても無意味であろう
そうわかっているが故にロアはあえて事実のみを告げる。
コウタ「ああ…そうだな…でもな…何かをしてやれるかも知れねえのに
何もできねえってのは…俺は嫌なんだよ…」
ロア「…なら、お前の好きにすればいい、おまえが出来ると思うことをすればいい」
コウタ「そうだな…(俺に出来ること…)」
コウタは、デュミナスに尋ねる
コウタ「なあ、デュミナスのおっ母さんよ…」
デュミナス「なんでしょうか…?」
コウタ「こいつが目覚めた後、まだ俺を許せねえ様なら…俺ん家に来るように言ってくれねえか?
俺ん家にいれば過ちならねえ程度に俺を困らせることで復讐になるってえ
そうすりゃ、こいつもいろいろと割り切れるはずだかんな…」
ショウコ「お兄ちゃん…」
デュミナス「あなたは…それで構わないのですか?」
コウタ「こいつは、そいつらと違って、そうでもしねえと気持ちを切り替えられそうにねえからな…」
アリオン「少年…あんた、その子に惚れたね~?」
コウタ「そんなんじゃねえよ…って、てめえ、なんでここにいんだよ!!」
一同「!!」
アリオン「俺は自由戦士!!どこにいるのも自由!!と、いうのは冗談で…
そこの家の庭に、向こうとこっちを繋ぐ扉が出来ちまったみたいなのさ」
コウタ「俺ん家じゃねえかよ!!」
ロア「これも、人の思いの力というわけか…」
ティス「ん…うるさいな~…眠れないよ…」
そのとき、ティスが目覚めた
ティス「って、あんた!!あたいが眠ってたからってなにしてんのよ!!はなせー!!」
じたばた、ベシベシ!!
コウタ「うおっと!!てめえ暴れんじゃねえ!!おっこちんぞ!!ほらよ…立てるか?」
ティス「ふん…馬鹿にしないでよ、これくらい何でもないんだから!!
あと、デュミナス様がやめろって言わなかったらあんたは死んでたんだからね」
デスピニス「ティス…おはよう…」
ティス「デスピニスじゃん!!ひさしぶりー!!元気にしてた?」
デスピニス「うん、私は元気…私、ティスにまたあえてよかった…」
コウタ「まったく…さっきまで泣いてた奴がもう笑いやがって…」
ティス「うるさい!!べ…別に泣いてたわけじゃない!!」
コウタ「怒んじゃねえ、それでいいんだよ!!てめえは笑ってる方が似合ってら!!」
ティス「ふ…ふんだ!!」
パキッ…そのとき、デュミナスから何かが割れる音がした
ラリアー「デュミナス様!!お体にヒビが…!!」
デュミナス「どうやら、ティスの打撃を受けて硬化していた部分が割れてしまったようですね…」
ティス「そんな…ごめんなさいデュミナス様…あたいのせいで…」
デュミナス「心配は要りませんこのくらいなら修復は可能です」
デスピニス「でも…ヒビがだんだん大きく…」
パキッ…パリッ…デスピニスの指摘どおりひびはだんだんと大きくなり、そして
カタン!!という音と共に何かがデュミナスの体から落ちてきた。
ティス「デュミナス様…これは…?」
デスピニス「始めて見る…でも…とても身近に感じる…」
ラリアー「あれは僕たち…そう…僕たちなんだ…」
デュミナス「その通りです…それは、ホムンクルスの核になっているものです…
かつて…あの子達だった…いえ、今でもあの子達であるもの…」
ラリアー「これが…あなたにとっての僕…」
デスピニス「これが…私…」
ティス「じゃあこれが、あたいなのか…なんとなくわかる気がする…」
デュミナス「かつて…あなた達三人と同じ姿をした子供達を私は失いました…、
あの子達の肉体を作り直すことは簡単でした…でも…あの子達があの子達であるという魂は…
だから私は幾度も世界を越える旅に出ました。…今度こそ…自分自身の力で…
あの子達の思いを消さないという私の新たなる願いと、あの子達の願いを叶えるために…」
(そう…デュミナス様は最後に僕たちと約束してくれた…)
ラリアー「!!」
(今度は、私達が望むように体を作り直して…もう一度側に居させてくれっるって…)
デスピニス「!!」
(だから、あたい達はデュミナス様のしたいようにさせてあげたい
でも、あたい達はデュミナス様が幸せでいてくれる方が何倍も嬉しい)
ティス「あんた達は…」
(だから僕たちは君たちにデュミナス様を託したい…)
(私達に代わりにデュミナス様のために幸せになってほしい…)
(あたい達の願いあんた達に託す…けど、あたい達の記憶はあんた達には重荷になる…)
(だからあなた達には、私達とデュミナス様との思い出をあげる…)
(だから、僕たちの願いと一緒に、デュミナス様のために生きて欲しい…)
ラリアー「わかりました…あなた達の願い…確かに引き受けます…」
デスピニス「これから先…私に何ができるかわかりませんが…」
ティス「言われなくてもあたいには、デュミナス様と生きる覚悟がある!!」
(あたいは、本当はもっとナイスバディーが良かったんだけどね…)
ティス「うるさい…!すぐに…大きくなるもん…」
(あはは、冗談冗談!でも…期待してるからね…ティス…)
(皆を守るという誓いの道を共に進みましょう…ラリアー…)
(精一杯元気に…幸せな日々を過ごしましょう…デスピニス…)
―数日後―
デュミナス「ではショウコさん…ティスを頼みます」
ショウコ「いえ良いんです、家には他にも居候とその同類が居ますので、
でもいいの?ティスは二人と一緒に行かなくても?」
ティス「いいの!何だかんだいってショウコ達には迷惑かけたしね!」
コウタ「………」
デュミナス「それでは…私はL&Eコーポにデスピニスとラリアーを送り届けてきます。
ティス、皆さんと仲良くしてくださいね。アズマ家の皆さん、これからもお元気で」
ショウコ「はい、デュミナスさんもお元気で」
ティス「みんな~!じゃあまたね~!」
離れてゆく三人に大きく手を振るティス、向こうもこちら側に手を振ってくれている。
それが見えなくなってから…
ティス「それじゃあこれからよろしくね。ショウコとそれから…」
コウタ「へっ!せいぜいこき使ってやっからよ!」
ティス「べーだ!誰があんたなんかに使われてやるもんか!
だが、お願いするなら迷惑をかけたお返しに、聞いてやらんでもないぞ」
コウタ「へへっ、それじゃあせいぜいがんばってくれよ?期待しないでおくぜ」
ティス「う~、馬鹿にすんな!!」
ショウコ「はいはい、二人とも仲良くね。そろそろ家の中に入ろう?」
家の中に仲良く並んで入っていく三人…コウタとティスの新たなる戦いはこうして始まったのだ。
そしてここから、1スレ目>>46 >>54 の流れへ続く(ウソ)
フレンチまでは許す!!だがディープならメタノイア
 
コウタVSティス 第0話
著:綾町 デュミナス
編集:聖燃 灰斗
 
バイト「デュミさん、とりあえず一通り読み終えたぜ」
デュミナス「どこか、過ちはありませんでしたか?」
バイト「ん~、それはまだこれからチェックしていくことになるな、
あ!でも、人によっては展開に好みが分かれるかも」
デュミナス「そうですか…」
バイト「ところでデュミさんは、何でこれを書いてみようと思ったんだ?」
デュミナス「子供たちの思い出は親にとって特別なものなのですよ
あなたも親になればきっと分かるものだと思います」
バイト「…(あの人、今頃何してるんだろ…元気にしてるかな…)」