メイン/童貞男子高生part2

Last-modified: 2013-06-27 (木) 00:11:56

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010

男2「人類は滅亡する!」
男1「なんだって?」

 

男2「男女の出生比率は 105:100 だ! 約分すると 21:20 だ!」

 

男21 : 女20

 

男2「女がいう「普通の彼氏」というのを、いつぞやのように、ミーン・マイナス・ワンシグマの8乗とする! すると、「普通の彼氏」となりうるのは、男のうち4人に1人だ! ここに男が21人いるとすると、そのうち5人だけだ! この5人を Aとし、残りカスをBとする!」

 

男 (A:5 + B:16) : 女20

 

男2「女20人は、「普通の彼氏」を求めて、集合Aの5人の男に群がる! しかし、一夫多妻は認められていない! よって、5人の男と5人の女が結婚し、残った15人の女は、集合Aの男5人にヤり逃げされる! 結婚する女をX、ヤり逃げされる女をYとする!」

 

男 (A:5 + B:16) : 女 (X:5 + Y:15)

 

男2「集合Yに属する15人の女は、結婚相手でもない男のチソポをぶち込まれる! そして妊娠し、ある者は中絶し、ある者は出産する! …このデータを見ろ! これによると、婚外妊娠したなかで中絶せず出産する割合は、約 12%だ! 」
男1「12%? 本当か? ちょっと貸してみろ…TeRA (テラ) は入ってるよな、うん…解析…信頼性 52% じゃないか、この記事。」
男2「他に見つからなかったんだよ! とにかくこのデータによると、婚外妊娠したなかで中絶せず出産する割合は、約 12%だ! Yの15人のうち、出産するのは2人だけ、としても誤差は少ないだろう。ヤり逃げされ出産した女をYa、中絶した女をYbとする!」

 

男 ((A:5) + B:16) : 女 ((X:5 + Ya:2) + Yb:13)

 

男2「以上の仮定によると、5人の男が、7人の女を妊娠させる! そこで問題だ…男21・女20人、合計41人の世界人類が、せめて前世代と同じ数の子供を残すためには、7人の女は平均でいったい何人の子を出産しなければならないか!」
男1「41÷7、だいたい 6人だな。」
男2「そうだ! お前は何人兄弟だ? お前は? いままで知ってるうちで、一番きょうだいが多かった奴は何人兄弟だ? 6人兄弟は平均的か?」
男1「んなわけない。1人から3人がほとんどだ。」
男2「その通りだ! 多めに見積もっても、せいぜい2人が平均だろう。41人の集団のうち、7人の女が 2人ずつ出産する。一世代ごとに 41:14 の比率で、人類の人口は減っていく!」

 

男2「よって、人類は滅亡する! …というより、このモデルに従えば、人類は一世代ごとに人口が 1/3 になって、とっくに絶滅しているはずなんだ!」

 

男1「しかし現実に、人類は滅亡していない。人口の減少も、このモデルが予測するほど急激ではない。何か見落としているんだろう。」
男2「クソっ、どうせ言い訳だよ、これは! オレがちょっと会釈しただけで、女は走って逃げ出すんだぜ? こうでも考えなきゃ、やってらんねーよ!」
男1「パパとママの愛情が足りなかったのか貴様?」

 

011

男1「貴様の言い訳は?」
男2「言い訳…?」
男1「アホ相手に質問するのは俺の役だ!」

 

男2「そんなこと知るかよクソ! 身体を清潔にして、服装にも気をつけ、知的で紳士的な振る舞いをしてきた…そしてお前らの言葉を信じるなら、顔は平均的だ…それでも女ってのは、オレが会釈しただけで逃げ出すんだ!」
男1「ふん、パパの精液がシーツのシミになり、ママの割れ目に残ったカスが、お前だ! いいか、お前はいくつか致命的な間違いをおかしている! そのなかでも最大のクソは…その女を「好き」になったことだ!」

 

男2「なん…だと…?」
男1「この一ヶ月くらい、貴様を見ていればわかる! アラビアのローレンスみたいにニヤニヤしてたぞ! 早く顔面に伝えろってくらいにな!」
男2「それがどうした…それも、もう終わりだ。あれからずっと、朝の電車では、殺しの顔だ!」

 

男1「出生率から、世界が男21人・女20人であるとモデル化する! 男21人のうち、女から見て「普通」であるといえるのは4分の1、たったの5人、これを Aとする! それ以外の16人の男を Bとする!」
男2「うむ。」
男1「Aに属する男を、A1, A2, ..., A5 として区別しよう。さて…人間の女は、一人の男しか選ばない! そういう肉体構造だからな! 猫や魚類とは違う! ある一人の女 X が、男 A1 を選んだとする。女X は 男A1 が好きだ。」
男2「告ったのか?」
男1「いや、ここでは、まだ女Xは好意を秘密にしているとする。で、この仮定のもとで、いろんな男が 女X にアプローチしてきた場合の、女X の反応を考えてみる。まずは、男A1が女Xに接近した場合だ。」
男2「女Xは、嬉しいだろう。」
男1「そのとおりだ。これが 21分の1 の幸運な場合だ。次に、男A2からA5が女Xに接近したら、女Xはどう思うか。」
男2「嬉しいだろ? こいつらだって 4人に1人の良い男だぜ?」
男1「いや、少し違うな。典型的な反応は「えー、でもでも」だ。女X が好きなのは男A1であり、それ以外の男A2~A5に告られても…」
男2「困る、のか?」

 

男1「そう。実に少女マンガ的な状況じゃないか。女Xは男A1が好きだが秘密にしてる。そのうち男A2~A5に告られる。女Xは「えーでもでも困る」と思って、あいまいな回答をする。」
男2「そう…なのか? 少女マンガって?」
男1「典型的なストーリーだ。で、そこから先、A2~A5はどうなるか。いろいろな場合がある。ただの友達として振り回されるか、デートやキスや、作品によってはセックスまでして、結局別れるか。あるいは別れないか。」
男2「けっ、ヤなジャンルだ。」
男3「そうでもないさ。」

 

男1「以上が、4人にひとりの良い男、集合A についての話だ。さて、残念ながら、男はあと16人残っている。両生類のクソをかき集めた値打ちもない、集合Bだ。Bに属する男が、女Xに接近した場合だ。」
男2「困る、のか?」
男1「違う! この場合、女Xが思うのは「恐怖」だ! 困る、なんて甘いもんじゃない! どこにブービートラップや狙撃手がいるかわからない、歩いてると思ったら2秒後には内臓が吹き飛んでいた、そんな恐怖だ!」
男2「…」
男1「いいか、集合Bの男なんざ、女にとっちゃ、原始人の肉体をもったゴキブリみたいなもんだ! 生殖器を膨らましたホモ・ゴキブリスが性欲をあらわにして急接近してきたら、そりゃ女Xが感じるのは「レイプされる恐怖」に決まってる!」

 

012

男1「貴様ら全員が完全に性欲を隠せるようになるまで、フニャマラはだれ一人 童貞卒業できん!」
男3「全員って、この人数だけど。」
男1「タマ切り取って、グズの家系を断ってやる!」
男2「そうすれば確かに性欲を隠せそうだが…人類が滅亡するだろ…滅亡か? おれのせいで滅亡か? さっさと滅亡しろ!」

 

男1「そうだ! ホモ・サピエンスのメスは、「素敵な恋愛」という名の、滅亡への道を選んでいる!」
男2「けっ、そりゃいいね!」
男1「この記事を見ろ! 女は、男の感情をすべて読み取っている! 男が性欲を持っているとき、それは完全に、女に見抜かれている! そして次の記事だ! 女は、優しくて繊細で清潔で、少し弱いところもある、そんな男を好んでいる! 逆に性欲をたぎらせているオスは嫌悪する!」
男2「とすると、性欲をもつ男は、女にそれを見抜かれ、嫌われるってわけだ。性欲がない男だけが女に選ばれる。性欲がないから子供を作らない。…そして人類は滅亡する!」

 

男1「だが、逆に考えてみたらどうだ? 人類は増えすぎた。地球は100億人もの人類をまかなえない。だから人類の女は、みずからブレーキをかけたのだと。」

 

教室の反対側では、女子のグループが、菓子を食べながら話している。

 

女1「男ってさー、やたらと、やせてるコが好きだよね (ぽりぽり)。」
女2「だよねー、病気かってくらい痩せてるもんね、アイドルとか (もぐもぐ)。」
女1「時代によっては、ふっくらした女性が魅力的だと言われてたこともあるんでしょ? それが、時代がたつにつれて、細い女性のほうが魅力的と言われるようになってきたってことは…」
女2「ことは?」
女1「男って、人類を絶滅させようとしてるのかな? だって、病気みたいに細い女のコが好きなんでしょ?」

 

013

男2「男と女が平行線とか言うけどさー」
男1「ん?」
男2「同一平面上に乗ってるだけマシじゃねーか!」
男1「なに? 3次元の話になるわけ?」
男2「オレが思うに、男と女は「ねじれの位置」だね!」

 

男1「ほう。同一平面上にもなく、交わることもないってか。」
男2「しかし「交わる」って、やらしいな。」
男1「3次元空間では、2直線が交わることはめったにない。しかし、2次元なら、完全な平行でないかぎり、2直線は交わる。」
男2「そうだな、だから2次元のキャラのほうがモテるのか。」

 

男3「な、なにを言ってるのか分からねー」

 

014

男1「豚娘は童貞を守ってるか?」
男他「センパーファイ! ドゥー・オア・ダイ! ガンホー! ガンホー!」

 

男1「女は言葉たくみに相手の思考を誘導し、「私は悪くない、私はかわいそうな被害者だ」と思わせる。やつらはどこでそんな技術を覚えたと思う? 生まれつきである! すごい!」
男2「そりゃケネディでも狙撃できそうだな!」
男1「貴様、口でクソたれる前にこれを見ろ!」

 

男1が操作し、教科書の表示が切り替わる。ピンク色の柔らかいフォントで、いくつかの短文が表示されている。短文の間には数行分の隙間がある。

 

男1「某所で晒されていた、ある女と、ある男の、ログだ。この2人、互いに直接のリンクはしていないが、TeRA(テラ) にログを食わせると、この2人がこの日、実際に行動をともにしていた可能性は 78% と出た。」
男2「TeRAってそんなこともできたのか。それで…このピンクの文字は、女が書き込んだログか? 男のぶんは表示してないのか?」
男1「そうだ、男の書き込みはあとで表示する。まずは女のぶんだけを読んでみろ!」

 

女「この休み、どこにデート行こうかって、いろいろ2人で考えたんだけど、結局、彼のアイデアで植物園にしました。」

女「昼ごはん。サラダにシソが乗ってて、まえ彼が、私の手料理なら苦手なシソも食べる、って約束したのを思い出して、言ったら彼は「そんな約束をした覚えはない」だって。」

女「駅からはすごい登り坂で、彼はどんどん進んでいくのね。でもやっぱり疲れてきて無口になって、途中でちょっと休みました。」

女「植物園ではいろんな花に囲まれて癒されました。ゼラニウム、カーネーション、マリーゴールド。彼も「きれいだよ」って、一緒に楽しめたみたい。」

女「駅まで戻って、お茶とタルトで一息ついて、そのお店でおしゃべり。そこで彼が「楽しませてやってるんだ」みたいなことを言うから、ちょっと重苦しい雰囲気に。」

女「私はこんなに好きなのに、どうして分かり合えないの? 好きになるほど、すれちがいが多いような気がして、ちょっと悲しくなることも。」

女「でも、また誘ってくれたら、やっぱりその場所を思い切り楽しんで、私の笑顔で彼を元気にしてあげたい。」

 

男1「読んだか?」
男2「ああ。頭の悪い女が、ロクでもない男と付き合ってる、というように読めるな。」
男1「では、彼氏の書き込みも表示してみる。」

 

水色の角張ったフォントが、隙間を埋めた。

 

女「この休み、どこにデート行こうかって、いろいろ2人で考えたんだけど、結局、彼のアイデアで植物園にしました。」

男「今日のデートは植物園にした。どこに行きたいか彼女に聞いたら「どこでもいいよ」って、一番やっかいな返事が来た。だから 10ヶ所ほど、彼女が喜びそうな場所をリストアップして、ここにする? ここはどう? と提案していった。それで唯一 OKが出たのが植物園だった。」

男2「ほとんど男が考えてんじゃねーか! 女は、これじゃない、これじゃない、って言ってるだけか!」

 

女「昼ごはん。サラダにシソが乗ってて、まえ彼が、私の手料理なら苦手なシソも食べる、って約束したのを思い出して、言ったら彼は「そんな約束をした覚えはない」だって。」

男「現地の駅で待ち合わせて、ファミレスで昼食。彼女がオレに「この前、シソは苦手だけど、私の手料理なら食べられるって言ったよね?」と言う。いや無理、ほんのひとつまみ混ざってるくらいなら我慢するけど、まるごと一枚とかは食べられない、と答えた。」

男2「食べられない、って答えただけなのに「そんな覚えはない」って言ったことにされちゃうのか。」

 

女「駅からはすごい登り坂で、彼はどんどん進んでいくのね。でもやっぱり疲れてきて無口になって、途中でちょっと休みました。」

男「駅から植物園まで徒歩10分、ただし物凄い登り坂。途中、彼女が無口になってきた。これは彼女が疲れてきたサインだ。ちょっと休もうと言って、彼女を段差に座らせ、自販機で飲み物を買ってくる。彼女がよく飲んでる飲み物はなかったが、同系列のものを買って行った。」

男2「疲れて無口になったのは「彼女」のほうだったのかよ! それにこの男、よくやってるじゃないか! こんだけサービスしてるのに女はスルーかよ!」

 

女「植物園ではいろんな花に囲まれて癒されました。ゼラニウム、カーネーション、マリーゴールド。彼も「きれいだよ」って、一緒に楽しめたみたい。」

男「植物園では多種多様な花が咲いていたが、オレは桜とタンポポくらいしか花の見分けがつかない。でも彼女が花の中を楽しそうに歩き回っているので良かった。彼女がちょっとオレにコメントを求めたので、3秒考え込んでから、「どの花もきれいだけど、花に囲まれて笑ってるキミが一番きれいだよ」と言ってみた。オレ頑張った。」

男2「頑張ってキザなセリフを言ったのに!」

 

女「駅まで戻って、お茶とタルトで一息ついて、そのお店でおしゃべり。そこで彼が「楽しませてやってるんだ」みたいなことを言うから、ちょっと重苦しい雰囲気に。」

男「駅前で、彼女が好きそうな店をどうにか探し出し、おやつ。オレは今日、彼女が楽しめるよう、いろいろ頑張ってみた。どうだったかな。と言ったら、なんだか彼女が怒り出して「デートって2人で一緒に楽しむものでしょ! 楽しませる、みたいなこと言わないで!」と言う。」

男2「ええええええ?!」

 

女「私はこんなに好きなのに、どうして分かり合えないの? 好きになるほど、すれちがいが多いような気がして、ちょっと悲しくなることも。」

男「夕方で解散。帰りも気を緩めず、決して彼女の地雷を踏まないよう、言葉を慎重に選んだ。」

男2「こっちが悲しいよ!」

 

女「でも、また誘ってくれたら、やっぱりその場所を思い切り楽しんで、私の笑顔で彼を元気にしてあげたい。」

男「オレは10人の女に告って、10人に振られた。やっとOKしてくれた11人目が彼女だ。たしかに現状は理想的ではない。しかし、もし彼女と別れたとして、「次」を見つけるころには、きっとオレはオッサンだ。」

男2「そうか…こいつ、今までモテなかったけど、今は頑張って女に奉仕して…こういうことに…」
男3「1800工兵隊で地雷除去でもやってたほうがマシだ! それに結局、この女が言ってることって、また別の場所で自分を楽しませろってだけじゃないか!」

 

男1「だが女は、集合Bの男を求めない…女は集合Aの男を求める…女は無条件に奉仕する男たちを得ようとする…犠牲に無知な男たちを。」