イメージファイト

Last-modified: 2018-10-15 (月) 14:26:29
 

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事実上のアイレムVGMの決定盤ともいえるアルバム。メドレーアレンジは当時はVGM史上最長のアレンジだと言われていたのだが、今現在でもその記録は続いているのであろうか(ちなみに14分ほど) 独特の音色が奏でるアイレムサウンドが最初に前面に出されたアルバムで、特に「イメージファイト」はまさにその集大成ともいえよう。「いかにも」といったイロモノ和風曲から一歩外に抜け出し「渋く重く暗い日本の音楽」をゲームミュージックにした「最後の忍道」も実に素晴らしい。さて、個人的にアイレムの音楽でずっと気になっていたことなのだが、ここのメーカーの音楽は、曲の元ネタが非常に特定しにくいように思えてならないのだ。例えば「ドラゴンクエスト」の音楽になるとバッハ等のクラシック音楽。ニチブツはハードロック、セガはフュージョンといった影響を受けていそうなジャンルが大概のゲームミュージックだと想像できてしまうものなのだ、アイレムはそれが非常に解りにくい。このCDだと「ビジランテ」はまあこっちに置いておくとして「イメージファイト」あたりが何の音楽に影響されているのかさっぱり解らないのだ。音色が独特なこともあってかかなり特定しにくい。プログレ・・・になるのか?この場合は。(文:鷹丸氏)

 

 

胴の深い大袈裟なドラムと耳をつんざく高音のシンセ。クールとメロウを同居させたアイレムサウンドの黄金期を象徴するアルバム。

 

最後の忍道
過酷な忍の世界を描いたハードアクション。ありがちな和楽器を控え、リズムを忍者の小走りに見たてるなど、巧妙な表現に取り組んだ。ゴリゴリのチョッパーベーステクノに刑事ドラマ風のメロディーを与えた6面BGMなどはその魅力を最大に堪能出来る力作。コンティニューは梵鐘だけ、ランキングは口笛だけといった侘び寂びも数ある忍者ものの中で(後のサムライスピリッツを除いて)例が無い。

 

ビジランテ
ニューヨークを舞台にしたストリートファイトもの。アメリカナイズされたファンキーサウンドで「ブラスセクションがテーマ」だとか。ファンクやヒップホップなどを主体に構築された音楽は、後に話題となる古代祐三「スーパー忍」よりも遥かに早い段階で黒人音楽に接近しており、日本人特有の叙情性を捨てきれなかった古代と違って見事にその空気を表してみせた。ジャジーな面も併せ持ったマイケルジャクソン系エレクトロビートの風体。

 

イメージファイト
実践前の訓練シミュレーター(故にイメージ=仮想 ファイト)という設定のシューティング。メタルパーカッションの多用と、MADな高音ハーモニクスシンセが無機質な宇宙空間を演出している。シューティングゲームは効果音に重点を置いた音量設定になる事が多く、BGMはスピーカーに耳を付けるかCDでないと全貌を把握出来ない事が殆どだったが、アイレムだけは効果音に勝つ程BGMが前に出ていた。爆発音が多くなる、イコール低音が多くなる効果音と周波数帯域で被らないよう、シンセのハーモニーと音圧を出したビートにアレンジの大半を費やした事にもその一因が有ろう。ライナーノーツで「SCLAP作曲」と記載されたが実際はOH!GI氏の作曲によるもの。(*アルファ盤では正しく表記されている) 自機が死んで再スタートになる時だけイントロを変えたり、オープニングで出てきたピアノがエンディングで再び顔を出すなど、モチーフという発想も嫌みがなくドラマチック。

 

ゲームウォーズ
「R-TYPE」「最後の忍道」「ビジランテ」「イメージファイト」「Mr,HELIの大冒険」「ムーンパトロール」をメドレーで繋いだアレンジバージョンで、総尺15分もある大作。BPMの変わらないリズムトラックをブルースギターで弾き繋いでゆくフックトオンスタイルをとっている。こういう退廃的な作風は、フュージョン/プログレ全盛のゲーム界においてはタイトー以外では取り敢えず思いつかないが、クラシック寄りのアカデミックなタイトーと違い、アンビエント/ノイズなどインタストリアルな味わいをロックと交えた点が違う。

 

 

01 Game Wars(Arrange Version) 作曲/OH!GI+石崎正人 他 編曲/OH!GI(M.Ishida)
02 最後の忍道(Original BGM) 作曲/OH!GI  
03 ビジランテ(Original BGM) 作曲/石崎正人 Program/OH!GI  
04 イメージファイト(Original BGM) 作曲/OH!GI  

 

 

表記:Image Fight -GSM IREM1-
型番:D28B-0012
補足:石崎正人=SCLAP氏、M,ISHIDA=OH!GI=GEEO氏
演奏:石崎正人(guitar) M,ISHIDA(arrange/program)
発売:1989-1-21
開発:アイレム
機種:アーケード

 

 

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