四天王

Last-modified: 2022-12-15 (木) 12:38:35

よくもまあ こんなところまで にんげんが きたものだなー

サガシリーズにおいて、アンサガを除くサガ、ロマサガ、サガフロの各1作目になぜか必ず登場する存在四天王。魔界塔士ではげんぶ、せいりゅう、びゃっこ、すざくの4体。ロマサガはタイニィフェザー、フレイムタイラント、アディリス、水竜の4体。サガフロではレッド編にシュウザー、アラクーネ、ベルヴァ、メタルブラックのブラッククロス四天王が登場する。

 

さて今回はロマサガのリメイクであるミンサガの四天王のお話。原作ではかつて神々同士の戦いにおいて自分たちの創造主であるサルーインを裏切り、戦いが終わった後はそれぞれの本拠で悠々自適の生活を送り、勇気ある人間が迷いこめば何とも身勝手なお使いをせがむむかつく愉快な奴ら。まあお使いの謝礼として自分たちを戦闘中に召喚するためのアイテムをくれるだけまだましだが。

 

四天王召喚というとタイニィフェザーを思い浮かべる人が多いかもしれない。ロマサガ1RTAで右からいきなりやってきたかと思いきや確率256分の1のはずの石化くちばしを確実にサルーインに当てていくアレである。

 

リメイク作品であるミンサガにもお使いや四天王召喚は存在する。が、召喚に関しては原作のロマサガ1とは若干毛色の異なるものになっている。この項ではそんな愉快な四天王と四天王召喚について見ていくことにしよう。

 

また来たのか、まあゆっくりしていけ

まずは各人?の紹介から。

 

タイニィフェザー

クリスタルシティのPUBにいる陽気な酔っ払いとクライミングのスキルさえあれば序盤から会いに行けるTORI。スカーブ山在住。勇気の証を示すための羽根が高価格かつイベントのジュエルたくさんなのでよく利用される。
しかし原作ラスボス戦での威厳はどこへやら。喧嘩を売って戦闘に入っても一回攻撃で一つ一つの攻撃もわりとぬるいため技道場として活用されることが多い反面、少しこちらが強いと必要な技を覚えきらないうちにうっかり倒してしまうこともある悲しい御仁。というか負けるとまた登山をしなければならないので面倒。

 

フレイムタイラント

トマエ火山在住。原作同様、冥府への入り口の番人でもある。ジェルトン襲撃イベントやアイスソードを殺してでも奪い取るイベントなど会いに行く機会は多い。なおジェルトン襲撃イベントはタイニィフェザーからの依頼を受けると早い段階で発生してしまうので注意。
こちらもタイニィフェザー並に技道場として用いられることが多いが、その理由はTORIとは正反対。火力が非常に高い上常時セルフバーニング状態でカウンターダメージも食らってしまう強敵だが、負けても部屋のすぐ外に出されるだけなので再挑戦しやすいのだ。あと他の四天王に比べて話が長いという理由でしばしば八つ当たりの対象にされるとかされないとか・・・。他にも原作同様、早い段階で冥府のデス様に会うためには門番をしてるコイツが邪魔になるため八つ当たり関係なく殺されたりする。

 

アディリス

四天王の中では最も会いに行く確率が低いであろう蛇。グレートピットに住んでいる。このグレートピットが長いくせに一本道なので敵を避けづらく、単純に面倒なのだ。水竜の依頼を引き受けるか妖精イベントでも起こさない限り、まずこのダンジョンに入り込むことはないだろう。
戦闘では他の四天王と違い、アディリスはお供としてアディリスヘッドを4体引き連れて襲ってくる。なので手数は非常に多いが、ヘッドはほとんどがブレス攻撃でセルフバーニングでの防御が可能。アディリス自身の攻撃もほぼセルバ盾*1で防げてしまうというバグに泣かされたお方である。この弱さとグレートピットの面倒さ故に、何の理由もなくプレイヤーに襲われるケースも少なくない。

 

水竜

ゲーム中盤に発生するクジャラートの誘拐事件に関連して会いに行くケースが多い。マラル湖にある神殿在住。若い娘を生贄にささげると願いをかなえてくれるとされるが、別に彼女たちは命をとられることはなく躍らせたり話し相手にする程度のようだ。
会うのはたいてい中盤以降になることもあって道場として活用されることはまずない。特徴としては、2、9ターン目の1回目の行動にライトウェーブという以降のターンにおける自らの行動回数を1回増やす技を使ってくることが挙げられる。しかもこの技の効果は実際にはで、行動回数はターン数に依存しており3~9ターンは2回、10ターン目以降は3回とあらかじめ決められているのだ。ひどいのかひどくないのかよくわからない仕様である。

 

やはり狂人であったか

召喚の話に移ろう。
ミンサガの場合、四天王からもらったアイテムによって彼らを召喚することができるという点は同じだが、主な違いが三点ある。

 

一点目は召喚アイテムが召喚限定のアイテムではないということ。各四天王からもらえるアイテムはすべて武器に変更(どれも各種武器中最強クラスである)されており、各武器にある固有技を使うことで四天王を召喚することができるのだ。なお固有技の名前はすべて原作の召喚アイテムと同じになっている。

 

二点目はアイテムをもらえるイベントが変わったこと。原作ではアイテムを四天王のおつかいイベントクリアでもらうことができたが、ミンサガではおつかいの後にもう一仕事こなさなければ入手できなくなった。
そのお仕事とは4か所それぞれで依頼される「モンスターを増やせ!」というもので、四天王が住む場所におけるモンスターのある一種族の生息比率を一位にすることで達成される(タイニィフェザー:獣フレイムタイラント:植物アディリス:昆虫水竜:水棲)これが実に面倒くさい。このゲームのモンスターたちには種族ごとに捕食関係が設定されており、各地域における一種族の増減がほかの種族の増減に影響を与える仕組みになっているのだが、その具体的な設定なぞただプレイしているだけでは理解するのが困難である。そして攻略情報を見て把握してもいざやってみるとなかなか思ったように種族の順位が上がらずイライラがつのるばかり。さすが原作でも「お前たちとは戦わないよう ボスにいわれているぞ」と道をふさがせるなど、人をイラつかせることには定評がある自分の手下を大事にする四天王たちである。

 

三点目は召喚できる四天王が一体ではなくなったことである。原作だと同時に別な四天王を二体以上召喚することは不可能だった。しかしリメイクでは召喚武器を装備しているキャラに代わって登場するため、同時に最大四体の四天王が戦闘画面にひしめき合うという非常に暑苦しい光景が見られるのである。また巨大なサルーインとの戦いでは、自らの創造主に無謀にも立ち向かう四天王の姿を見ることになるだろう。

 

お前には礼をくれてやろう

さて、そんな苦労を重ねてやっと手に入れた四天王召喚の権利。彼らの実力はというと・・・

 

なんとも中途半端としか言いようがない。

 

たいていの能力値は敵として対峙した時と比べて同じか若干上昇していることが多く、どのステータスもおおむね40~50のあいだにおさまっている。使える技や術は敵対時とほぼ同じ。最大の利点は彼らに設定されている装備品(お使いで調達したアイテムやディスティニーストーンなど)のおかげで耐性・属性防御がそれなりに整っていることだろうか。
しかし考えてみてほしい。能力値がさほど変わらず、使ってくる技も同じということは、召喚されて敵に与えるダメージも敵対した時味方が食らうダメージとほぼ同じということだ(もちろん敵の防御力次第だが)。中盤の雑魚敵までなら十分だろうが、終盤のかなり強化されている敵に対してはどう見ても火力不足である。

 

おっと、HPとLPを紹介するのを忘れていた。
HPとLPは全員共通になっている。HP999、LP1。LP1なのはHPがなくなるたびにいったん帰っていくのでそれゆえだろう。しかしHP999はたしかに限界も突破した最高値なのだが、はたして高いといえるだろうか? 原作では呼び出すのは3回までと決まってたとはいえ全員2000あったのである。そして原作ほどではないにせよ後半の敵はHPを数百削る攻撃を繰り出し、サルーインにいたってはゴッドハンドで4桁ダメージもよくある。それに対し、四天王が使える回復技は癒しの水生命の炎の再生効果だけ。
かなり虚弱じゃないか、四天王。

 

そしてもう一つ言い忘れていたが、各召喚技はBP以外にLPを最大で5消費しなければならない。この点は対象の武器レベルを上げてしのぐことはできるが、召喚回数はキャラLP÷消費LP回と決まっている。
上記の特徴を見る限り終盤ではとても消費するLP分の代償に見合う能力には見えない、実に残念な存在ということになってしまうのである。

 

ところで、各「モンスターを増やせ!」イベントを終了した次の周回からはこのイベントを未決のまま放置・終了させるとその四天王がミニオンに乗っ取られてしまい、様子を見に来た主人公たちに襲い掛かってくる。あの程度のミニオンに敗れるとは腹が減りすぎて弱ったところを襲われたのだろうか。この乗っ取られた四天王(裏四天王)はミニオンの力を加えたせいなのかもとの四天王よりも強いのだが、代わりにこいつらを倒すと四天王からもらえるはずだったものと同クラスの強力な武器を入手することができる。何度も何度も戦闘を繰り返して武器をもらうか、一度の戦闘で武器をもらうかどちらを選ぶと言われたら・・・そりゃあねえ。というわけで一度「モンスターを増やせ!」をクリアしてしまったプレイヤーは、よほど進行度的に暇か特別な目的でもない限り、イベントを放置して四天王を乗っ取らせることが多いようだ。

 

・・・これが業か。生存のために自らの創造主を裏切ったものに神(スタッフ)が設定した末路なのだろうか。


*1 セルフバーニングを使った状態だと盾効果の発動確率が飛躍的に上がるバグ。この効果はセルフバーニングがかかっている間は持続するが、盾効果が発動してもセルフバーニングの効果は消えない。