【『未来ワープ』を手にすることなく現在へ戻ってしまったことだ】

Last-modified: 2022-02-27 (日) 20:30:20

サガ3DS

【真のエンディング】での【ワンダラー】の科白。
ワンダラーは自分の命のよりどころである【時空の狭間】を崩壊させないよう、サガ世界と異次元世界の両方を維持したままこの戦いに決着を付ける方法を探し出し、デューンたちに協力するかたちで【ラグナ】【ソール】を同時に倒すという作戦であった。
そのためにはデューンたちが自分の思い描く予定通りに動いてもらう必要があり、ステスロスのワープ装置に15年という制限をつけたのもその一環だったのだが、それでも彼にとって誤算だったのが、過去世界でのフレイヤ奪還からの過去脱出という一連の行動だった。

だが、誤算だったのは、
キミ達がフレイヤとかいう
少女を助けるためだけに、
『未来ワープ』を手にすることなく、
現在へ戻ってしまったことだ
そのために、私はクロノスという男を
より深く介入させる必要に迫られ、
2号機というイレギュラーな存在を
生み出す結果となってしまった

もともとデューンたちが過去世界を訪れたのは、【クロノス】から過去ワープを手渡された際、文献に未来ワープも存在することを突き止め、それを探すにはまだ陸地が多く残っている過去世界から探すのが適切だと教えられていたはず。
しかしこの時、ドグラに誘拐されたフレイヤを奪還したはいいが、過去世界で未来ワープを探すのをすっかり忘れていたのである。
 
重要なのは、GB版と違って世界に散らばるステスロスのパーツの数を探知する【レーダー】が存在しないこと。つまり、GB版のストーリーであれば「レーダーを用いて過去世界にユニットが残っていないことを確認して過去を発った」ものが、本作では「まだ過去世界にパーツがあるはずなのに、それを探さずに過去を発った」ことになる。
そして実際、この過去世界に「未来ワープ」は眠っていたようで、デューンたちが探さなかったのをいいことに異次元の魔物たちが先に発見してしまい、固くカギのかかった【南の塔】の奥へと持ち去られてしまった。
 
未来ワープがデューンたちの手にここで渡らなければ、ワンダラーの計画は破綻することになる。
つまり南の塔をデューンたちに捜索してもらう必要があるわけで、突入に必要な【南の塔の鍵】を用意してデューンたちに渡すことになる。この時、直接渡さずいったんクロノスを介して彼の手で渡させる、というのがワンダラーの判断だった。
 
だが、幼少期よりステスロスに興味を持っていたクロノスにこの情報を教えることは、すなわち今まで以上に「ステスロスのパーツ探しに首を突っ込ませる」ことを意味する。科学者としても腕の立つクロノスがこの事件を境にステスロス研究を深めないはずもなく、やがて未来世界においては仲の悪い【パルサー博士】と共同で【ステスロス2号機】を完成させてしまった。
 
それはワンダラーの予定にはない「完全にイレギュラーな異次元渡航手段」であり、以上をもって「異次元へ渡ってラグナを討伐する戦い」は完全にワンダラーの手を離れてしまう。さらに、この2号機に乗り込んだ先発隊リーダーの【ジュピター】は「ソールのみが正しく、ラグナだけが悪い」という認識で戦っていたため、行き着く先はラグナのみの討伐となる。
 
ラグナとソールは互いに、相手を吸収して完全な創造神となり、完全な世界の創造を目論んでいる。そのため片方が倒されれば、残った方は自分の世界を完全なものにするべく、残ったもう1つの世界を不要なものとして滅ぼしてしまう。水瓶から大量の水が流れてきたのも、ラグナがそうした考えを持っていたからであり、ソールも異次元に対して不要なものとみなし滅ぼす選択を迷い無く採る。
2つの世界が両立できなければ、待っているのは次元の狭間の消滅=ワンダラーの死
 
異次元には時間の流れがないため、大規模な過去改変という手段がきかず、ワンダラーといえども先発隊を止めるにはこの場で何とかするしかない。
そして、先発隊の進軍が思った以上に好調で、このままではラグナだけが先に討伐される事が確実視されてしまったことを知ったワンダラーは、文字通りの大鉈を振るう決意をすることになるのだった。