【王と悪魔と湖の城の語り】

Last-modified: 2018-05-05 (土) 15:11:53

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昔、バルハラントの王の下へ、悪魔がやってきました。
悪魔は言いました。「お前の魂と交換に、願いをかなえてやろう。」
王は言いました。「あの湖の氷の上に、氷を割らずに城を建ててみろ。それが出来れば、お前を本物の悪魔だと信じてやろう。」
悪魔は一夜にして、氷の上に城を築きました。
王はたいそう驚きましたが、城を手に入れて大満足でした。
王は言いました。「もうお前に言う願いは無い。帰れ。」
悪魔は言いました。「お前はたいそう賢い男だ。城はお前にくれてやろう。」
悪魔の姿が消えると同時に、湖の氷は割れ、城は王ともども湖の底に沈んでしまいました。

詩人の一言

本当のところ、あの城は誰が何のために、作ったのでしょうね?