Z2hakai/事前情報/インタビュー
Last-modified: 2011-04-09 (土) 02:06:38
ファミ通(初報) 寺田Pインタビュー
- 本作の開発はいつから始まったのですか?
- 2009年3月に、「スーパーロボット大戦Zスペシャルディスク」を発売して、しばらく経った後ですね。
- 本作は、「スーパーロボット大戦Z」(以下、「Z」)の続編とのことですが、もともとシリーズ化する予定だったのでしょうか?
- 続編を作るかどうかは前作の結果次第だったんですが、シリーズ化の構想は頭の片隅にありました。
おかげさまで「Z」が好評を得られましたので、このたび晴れて続編を発表することができました。
- 「α」シリーズ、「OG」シリーズに続く、大きなシリーズが、20周年と言う節目で登場するというわけですね。
- はい。ちなみに、「破界篇」というサブタイトルが入っているのですが、本作は2部構成のうちの第1部にあたります。
- 複数構成の「スパロボ」は久々では?
- 過去には「F」の2部構成や「コンパクト2」の3部構成がありましたね。
- 2部構成になった理由を教えてください。
- まずひとつの理由がゲームのボリュームです。
「第2次Z」では、「Z」に登場していた作品がほとんど登場しているのです。
シリーズ作品の「スパロボ」でも、こういった形のものは珍しいんですよ。
- 確かに、登場する作品数は相当ですね。
- それと、新規作品の中でも、「コードギアス」、「ガンダム00」などは、原作アニメが2部構成になっていましたので、「破界篇」ではそれらの第1部を描いています。
また「グレンラガン」も話が大きく2部に分かれるので、その前半部分を「破界篇」で取り入れています。
- なるほど。続きは第2部をお楽しみにと。
- ただ、2部構成とはいえ、「破界篇」には「破界篇」で、オリジナルの大きな敵が存在しています。
その敵との決着をつけることで、ひとつのストーリーが完結します。
- ちなみに、プレイステーション・ポータブルで完全新作が出るのは初ですよね。
- ええ。ハードの選定はいろいろと検討していて、じつは二転三転しました。
結果的に、より多くのユーザーさんに気軽にやってもらえるものということと、まだ完全新作を出していないハードということで、プレイステーション・ポータブルを選択しました。
- 戦闘シーンは、前作の「スパロボZ」に負けず劣らずの美麗さですね。
- そのうえ、なめらかにロボットが動きます。もちろん音声ありです。
「ガンダム」のカットインもリアルタイプになっていたりと、演出面で新たな試みもしています。
今回はウイングガンダムを紹介していますが、ほかの「ガンダム」にもリアルタイプのカットインはありますので。
- 機体やキャラクターはかなり多そうですね。
- 前作から引き続き登場する作品の機体やキャラは、基本的に主役回りだけなのですが、それでもここまで大所帯のスパロボは久々ですね。
あと、今回は前作のような小隊システムを採用していません。
携帯機ですので、システムをシンプルにしたところもありますが、遊びやすさは前作を受け継いでいます。
- シナリオに関して伺いたいのですが。
- シナリオの総本数は、「破界篇」だけでもこれまでの携帯機「スパロボ」の中で最大です。
卓上機の「スパロボ」に匹敵する遊びごたえはあると思います。
- 登場作品についてお聞かせください。
- まず「六神合体ゴッドマーズ」は音声付きで「スパロボ」に登場するのは初です。
- 「スパロボ64」と「D」以来ですからね。
- 以前から音声付きで「スパロボ」に出したいと思っていたので、ようやく叶いました。
「装甲騎兵ボトムズ」シリーズも、かなり前から登場させたいと思っていたのですが、今回ついに実現できました。
1980年代の作品ですが、ここ数年で新作も作られていますし、タイミングもよかったです。
- 機体のサイズが小さいんですよね(笑)
- そのあたりはSDでロボットを使用している「スパロボ」ならではの味付けもあって問題ないかと思っています。
- 「真(チェンジ!!)ゲッターロボ」も音声付きで「スパロボ」に登場するのは初ですね。
- ええ。「真マジンガー 衝撃!Z編」と共演させたいと思いまして。
あと、「地球防衛企業ダイ・ガード」は企業がロボットを持つという作品ですが、「無敵ロボ トライダーG7」と話を絡ませてみると、おもしろいのではないかと考えました。
- 何かしらの共通項がある作品どうしがクロスオーバーしていくと。
- ほかにも、テレビアニメ版の「新機動戦記ガンダムW」が「スパロボ」シリーズには久々の登場となります。
主人公たちの立ち位置は異なるのですが、「機動戦士ガンダム00」と絡ませてみたいと思いました。
- どう交わるのか楽しみです。
- 後は初共演となる「ダンクーガ」と「ダンクーガノヴァ」。
昨今の作品であり、ユーザーさんから要望の高かった「コードギアス」、劇場版「エウレカセブン」、「天元突破グレンラガン」も登場します。
- 最後にコメントをお願いします。
- 「スパロボ」20周年記念作品ですので、がんばって作っています。
また、数量限定版のスリーブボックスを用意し、前作「Z」のストーリーガイドを付けています。
それで「第2次Z」をプレイする前に前作のおさらいをしていただければと。どうかお楽しみに!
ファミ通(No.1116 4/21号) 寺田Pインタビュー
- 人生『スパロボ』とともにある
- シリーズ生誕から20周年を迎えましたが、感想をお聞かせください。
- 思い返してみると、あっという間でした。
毎年毎年忙しくなって、気がついたら20周年を迎えてましたね(笑)。
- つねに回り続ける、激動の20年だったわけですね。
- ええ。僕がこのシリーズに関わったのは20代前半でした。
いま40歳を超えまして、じつに人生の半分近くは『スパロボ』に関わっていたことになります。
- 20年もシリーズが続くことは、そう簡単なものではありませんよね。
- これはよく言うのですが、この20年ものあいだ続けられたのは、僕たちだけの力ではないんです。
『スパロボ』が生まれる前から存在している"ロボットアニメ"というコンテンツがあってこそなので。
そしてもちろん、ゲームを遊んでいただいているファンの皆さんの存在も大きいです。
- シリーズのファンの年齢層も幅広いのでしょうか?
- 初期シリーズからのファンと、近年から入っていただいたファンとは一世代ほど違う場合もありますね。
また、20代や30代の方と仕事をさせていただくことも多いですが、「子どものときに『スパロボ』をやっていました!」と言われることもあります。
- 20年という歴史の賜物と。
- 自分が作った作品に対して、そういうことを言われるようになるぐらいの年月が経ったんだなあと。感慨深いですね。
- ちなみに、『スパロボ』シリーズ立ち上げのきっかけは?
- もともとバンプレスト(現:バンダイナムコゲームス)が、『コンパチヒーローシリーズ』というアニメのロボットや特撮ヒーローが一堂に会する作品、いわゆる混載モノのゲームを作っていまして。
その延長線上で、アニメのロボットによる混載モノのゲームを作ってみようということになり、『スパロボ』が誕生しました。
- ノウハウがあったゆえに、生まれたのですね。
ではつぎに、『スパロボ』の中でも大きな軸になっている、シリーズ作品についてお聞かせください。
まず最初に、"初期シリーズ"からお願いします。
- "初期シリーズ"はいま見るとシンプルな作りですし、音声収録などの作業もなかったんですが、開発が楽だったということはなかったんですね。
当時は当時でたいへん苦労していました。
- シリーズ黎明期は、試行錯誤の連続でしょうから。
- とは言え、『スパロボ』の土台が固まったのは、初期シリーズの開発を担当されていたウィンキーソフトさんの功績によるところが大きいですね。
- 『スパロボ』の根幹となるゲームシステムは、初期シリーズ*1で確立されていますよね。
- まず最初の『スパロボ』から『第2次』のあいだで大きく変わり、その後の『第3次』*2でも変化がありました。
それをブラッシュアップして、『第4次』*3でいまに続くシリーズの基本が固まりましたね。
そして『第4次S』*4で初めて戦闘シーンに音声が入るようになったのです。
- 結果的には、音声の収録も多くのシリーズファンを生む結果になったと思います。
- ただ、最初は資料集めなどで苦労しましたね。
映像ソフト化されていないロボットアニメが多かったので。
- そういった苦労が実った結果、いまに続いていると。つぎに、"αシリーズ"*5についてお聞かせください。
- 『α』はバンプレソフト(現:B.B.スタジオ)の開発チームで作ったのですが、シリーズの中で1、2を争うぐらい苦労した作品です。
戦闘シーンやゲームシステムが大きく進化して、新たな扉を開いた作品と言えますね。
- 以降の作品にも大きな影響を与えていると。
- "αシリーズ"、とくに1作目は初期シリーズで入れなかったことをあえてやってみようというコンセプトで作りました。
ストーリーも仕切り直して、シリーズ初心者向けに原作をなぞった展開を多めに入れたりとか。
いろいろな意味で記憶に強く残っている作品です。
- 寺田さんにとっても大きな存在になっているわけですね。
- そうですね。シリーズの中にはいくつかターニングポイントがあって、個人的には『第2次』、『第4次』、『新』*6、『α』、『Z』がそうだと思っています。
- なるほど。そうした作品を経て『スパロボ』シリーズが長く続いたからこそ生まれた作品が、"OGシリーズ"*7になると。
- 『第2次』で初登場したサイバスターを始め、シリーズにはいろいろなオリジナルキャラクター、ロボットが登場しました。
そういったキャラクターたちをまとめてみようと思ったのが『OG』ですね。
- ほかの『スパロボ』とは毛色が違いますが、立ち上げには苦労されたのでは?
- そうですね。「本当に売れるのか?」みたいなことも言われましたし。
ただ、『魔装機神』*8という前例がありましたので、企画を進められました。
- 約9年経ったいまでも、テレビアニメだったり(4月で放映終了)、グッズが販売されたりと、多くのファンに支えられる人気コンテンツになりましたね。
- もともとは、話をつなぐ接着剤のような役割でオリジナルキャラクターがいたのです。
サイバスターに関しては、いずれ『魔装機神』というオリジナルの作品を作ろうという目的があってその予告編的な意味合いで『第2次』で顔見せをしたのですが、その後、『EX』で世界観を描き、『魔装機神』につながってるというわけです。
- あらかじめ練られた長期的な戦略になっているんですね。
- 『魔装機神』は『OG』の原点ですね。『スパロボ』を10年、20年と続けていく内にオリジナルロボットやキャラクターの数も相当増えましたし。
- 歴史があって初めてできた作品が"OGシリーズ"なのですね。そして、それと並んで現在展開中なのが"Zシリーズ"*9になると。
- "αシリーズ"に続くシリーズ作品として、立ち上げたモノですね。
小隊システム*10をブラッシュアップしたトライバトルシステム*11の採用や、参戦作品の一新など、新たなスタンダードとしてさまざまな取り組みを行いました。
- "Zシリーズ"最新作の『第2次Z』ですが、シナリオの見どころをお聞かせください。
- 前作の『Z』とは別の地球から話が始まって、序盤にルート分岐*12がいくつかあります。
それを経て今回の新規参戦作品のキャラクターたちが集結していくわけですが……そこに前作に出ていたキャラたちがどう絡んでいくか。そこが見どころのひとつですね。
- ほかのルートを見るために、何回もプレイしたくなります。ちなみに、オリジナルキャラクターはいままでにないタイプの人物になっていますよね。
- まず最初に『借金が返せない!』というところからストーリーが始まりますからね。
- 借金がテーマと。
- もちろんテーマはそれだけではないですけど(笑)。
立ち回りがしやすいキャラクターになっていますので、詳しくはゲームをやってみてのお楽しみということで。
- 最後に、今後の展開やコメントをお願いします。
- 「継続は力なり」ということで、ロボットアニメとロボットアニメのファンある限り、『スパロボ』を作り続けていきたいと思っています。
皆さん、今後とも『スパロボ』シリーズの応援をよろしくお願いします。