異能蒸気奇譚 血の宝珠編

Last-modified: 2017-01-14 (土) 11:00:44

異能蒸気奇譚スチームヴァンピール(仮)

□      OPナレーション

N「蒸気吹き出し、むき出しの鋼が大地を覆う……ここは、惑星『 鋼鉄の柩 』惑星最大の強制収容所《 悲嘆の氷獄(コキュートス) 》そこに収監される懲役100年を超える超長期懲役の服役囚に与えられた救済策。これは、犯罪解決ギルド《司法の奈落(タルタロス)》に協力することを見返りに刑期短縮することを約束された異能者たちの物語である。」

□      アバンタイトル

リドル「人攫い?」
ドク「なんだよ、マスター人をいきなり呼びつけておいていきなり仕事の話か?」
マスター「すまないな、急ぎの依頼なんだ。それにリドル、ドク。お前らだいぶココのツケが溜まってるの忘れてないか?俺の頼みは断れないはずだ。」
リドル「はは、それは言わないでよ。マスターだってオレたちがいなけりゃ気軽に依頼ができるバウンティハンターなんていないくせに。」
ドク「とりあえず、せっかく来たんだ。いつもの頼むよ。」
リドル「オレも~」
マスター「ちっ。しかたがないな、お前たちは。」

リドルの前に紅茶が置かれる

ドク「ふふっ、相変わらずここの紅茶はうまいね。」
マスター「お世辞なんか言っても何も出ないぞ。それに最近他の黄道十二宮都市からの流通が悪くなっててな。その紅茶にしてもここ最近値段が30パーセントは跳ね上がってるんだ。このままだと、お前らのツケもとんでもないことになるぜ?」
ドク「わーったよ、せっかくの紅茶の味を落とさせないでくれ。で、詳しい話は?」
リドル「人攫い……だったよね?」
マスター「ああ、このひと月で20人近く消えてる。それくらいなら、黄金十二宮都市きっての犯罪都市ジェミニなら珍しくもないが、消えちまってるのは塔の住人ばかりなんだ。さすがにおかしいってんでアリエスの連中も動いちゃいるんだがここじゃ動きが鈍い……」
リドル「そこで、オレたちが呼ばれたってわけだね。」
ドク「事情はだいたいわかった。それで、報酬は?」
マスター「人攫いの原因究明と、犯人確保。そいつで、ゴールドラート1枚だ。」
ドク「フン、こんな裏がありそうな依頼を受けてたったゴールドラート1枚だと?馬鹿にするのもいい加減にしろよ。なぁ、リド…(ル。」
リドル「はわわわわわわ」
ドク「リドル?」
リドル「ねぇ、マスター本当なの?ご、ゴールドラート?ねぇドク!ゴールドラートだよ!さっき飲んだ紅茶がカッパーラート一枚くらいだから100枚でシルバー……それが100枚でゴールド! だから…紅茶が……10000杯っ」
ドク「そんなに飲めるかぁ!」

ドクの突っ込みを受け、ひっくり返るリドル。

リドル「いてて……もぉ……ひどいよ、ドクぅ」
ドク「うるせぇ、お前が目をキラキラさせやがるから吊り上げ交渉する空気じゃなくなっちまったじゃねぇか」
マスター「(苦笑ぎみに)相変わらずだな、お前らは…… で、どうする?これだけの報酬があれば、うちへのツケを全部返し終わったとしても、しばらくは飯の種には困らないと思うが?」
ドク「よく言うぜ、俺たちがそのカネで《 悲嘆の氷獄(コキュートス)》から残りの刑期を買ってるのを知ってるくせによ」
マスター「そういえばそうだったなぁ……」

依頼書をヒラつかせながらドクを煽るマスター

マスター「カネが入り用なんだろ? お前らが普段受けてる慈善事業みたいな依頼とはわけが違うぜ? 俺だって、お前たちならできると思ってるからこの依頼を紹介するんだ」
ドク「入り用だってわかってんなら、もう少しイロつけてくれてもいいじゃねえか。察しろよ。クソマスター」
マスター「お前らが大変だってのわかってるから、ツケで飯食わせてやってんだろうが」
ドク「なにが飯だよ、残飯じゃねぇかあんなもん……」
リドル「ドクぅ、受けようよぉ。あったかいご飯食べたいよぅ」
ドク「……(睨む)」
リドル「そんな目で見ないでよ、ドク。迷子のペット探しとか、お使いとか、そんなのオレたちがやる仕事じゃないっていつも言ってるじゃない。」
ドク「……(思考)」
リドル「やろうよ、ドク。せっかく《 悲嘆の氷獄(コキュートス)》から出たのに、生きるのに精いっぱいだなんて何のために司法取引までしてバウンティハンターになったのかわからないよ。」
ドク「……(悩み)」
リドル「ドク……」
マスター「なぁ、ドク。俺も少し口が過ぎたよ。」

マスター、改めて依頼書をドクの前に置き

マスター「人の命もかかってる、少しでも時間が惜しい。お前らの力は、俺が一番よく知ってる。だからこそこの依頼を頼むんだ……考えてみてはくれないか?」
ドク「……引き受けないとは言ってない」
マスター「(安堵の息)」
ドク「ただ、少し考えさせてくれ。それくらいの時間はあるんだろ?」

言いながら出ていくドク

リドル「ドク……あ、待ってよドク!」

追いかけていくリドル

□      場面転換

薄暗い路地。
一人の少女が息を切らせ走っている。
そしてそれを追いかけるたくさんの機械仕掛け鼠。

ラプンツェル「ハッ……ハッ、ハッ……だれか……」

悲鳴にもならない声を上げようとするが、足を取られて転んでしまう。

機械仕掛け鼠の鼠「ギィ……ギィ……」

ゆっくりと距離を詰める機械仕掛け鼠
そこに現れる一人の男。

ハーメルン「やめないか、お前たち」
ラプンツェル「あ、あの、助けてください。急にこのネズミたちに襲われて……」
ハーメルン「あぁ、こんなにたくさんの鼠に囲まれては恐ろしくもなるでしょう……安心なさい、私がいるからにはすぐに終わらせますよ……」
ラプンツェル「(安堵の表情を浮かべながら)は、はい…」
ハーメルン「さてと……」

機械仕掛けの鼠たちに向き合うハーメルン

ハーメルン「駄目じゃないか、こんなにお嬢さんを怖がらせては。不安は筋肉を硬直させ、上手いこと採血ができなくなる。それがひいては、崇高なる目的を阻害してしまうのだよ」

機械仕掛けの鼠を従え、ハーメルンが振り返る

ハーメルン「だが、いい子だお前たち。よく僕のいうことを聞いてくれた……それに対して君は悪い子だ。こんなところにまで僕を引っ張り出して……。」
ラプンツェル「え、あ、あなたがそのネズミたちを操ってたの!?どうしてあたしを……」

ハーメルン、持っている笛を吹いて見せる。

ハーメルン「今のはほんのオーヴァーチュア…… これから貴女が味わう、痛みと、苦しみと、絶望のね……」
                 
****

リドル「異能蒸気奇譚 スチーム・ヴァンピール」
ドク「司法の奈落」

****

機械仕掛け鼠の鼠「ギィ……ギィ……」

じりじりと、ラプンツェルとの距離を縮めていく機械仕掛けの鼠。
恐怖で硬直した身体をなんとか動かそうとするラプンツェル。

ラプンツェル「あ……」
ハーメルン「いい顔だ……戸惑いと……恐怖と……誰にも見られることなく消えていく絶望の入り混じった……。」
ラプンツェル「だ……れか……」
ハーメルン「こんな街はずれの寂しい通り…だれか人がいることのほうが珍しい。だぁれも来やしませんよ。そう、ネズミでもなければね。」

そしてラプンツェルは壁際に追いつめられてしまう

ラプンツェル「(壁に背をつき、息をのむ)」
ハーメルン「ほら、もう逃げ場はない。おとなしく鼠たちに捕まってしまいなさい。大丈夫、おとなしくしていさえいれば鼠たちは命までは奪いません。」
機械仕掛け鼠の鼠「ギィ……ギィ……」
ハーメルン「……もっとも、抵抗するようなら腕の一本くらいは鼠たちのエサになってしまうかもしれませんがね」
ラプンツェル「! 助けて! だれかぁぁぁああ!!」
ハーメルン「ちっ。大声で喚いて……これだから小娘は……お前たち、娘を黙らせろ。これ以上の面倒ごとはごめんだ。おとなしくさせたら連れて来い。あの方がお待ちだ。」

スッと姿を消すハーメルン
ラプンツェルに迫る、たくさんの機械仕掛け鼠

機械仕掛け鼠の鼠「ギィ……ギィ……」
ラプンツェル M「……こないで……だれか ……(助け」
機械仕掛け鼠の鼠「……ギィイイイイッ……」

襲い掛かる機械仕掛け鼠…そのとき

機械仕掛け鼠の鼠「ギッ!?」

発条が弾けたような音を出して鼠が吹き飛んだ

ラプンツェル「……え?」

吹き飛んだ鼠には黒色に輝く赤色のメスが深々と突き刺さっていた……その先には男が2人

ド ク「不衛生だな、こんなに大量の鼠がいったいどこから湧いてでたんだ?」
リドル「威嚇もしないでいきなり殺処分しちゃうほうが結果的によっぽど不衛生だと思うけどな……」
ド ク「リドル、おまえは野生の鼠の警戒心をなにもわかってない。甘やかしたらそれこそネズミ算的に増えるだけだ。」
リドル「はいはい。えっと、そんなことより大丈夫かい?立てる?」
少女に手を優しく差し伸べる長身の男
少女は警戒することも忘れ、思わず差し伸ばされた手を取ってしまう

ラプンツェル「あ、ありがと……助けてくれて」
リドル「はは、いいのいいの。うちのセンセがお節介焼いただけだから。」
ド ク「お節介とは聞き捨てならないな。現にオレがやらなければ、そのお嬢ちゃんは鼠どもの餌になっていた」
ラプンツェル「そうだ、鼠っ……」

鼠という言葉を聞いた瞬間、少女は自分が先ほどまでおかれていた状況を思い出した。

機械仕掛け鼠の群れ「キィキィキィ」

鼠たちは目の前に現れた害敵に警戒心を顕にし、威嚇するかのように発条をこすり合わせている。

ドク「薄汚い獣の臭いがするかと思えば、なんだこの鼠の大群は……」

ドク、ラプンツェルの方を向き

ドク「しかもよくよく見れば、こいつら何かに操られていやがる……もしや……おい、お嬢ちゃん質問だ。」
ラプンツェル「え、あ、あなたは…」
ドク「いいから、オレの質問に答えろ。」
ラプンツェル「あ……」
ドク「お嬢ちゃん、プライマリか?」
ラプンツェル「え? は、はい」
ドク「お嬢ちゃん、塔の住人か?」
ラプンツェル「ええ」
ドク「あの鼠どもに攫われそうになっていたのか?」
ラプンツェル「は……はい。ヘンな男が鼠に私を連れてくるようにって……」
ドク「……そうか」
リドル「ドク、これって」
ドク「ああ、どうやら向こうからオレたちを誘っていやがるようだな」

状況が呑み込めないラプンツェル
機械仕掛け鼠に向き合うバディたち

ドク「面白くなってきやがった」

いうが早いか、無数のメスを鼠に向かって投げつけるドク。数匹の機械仕掛け鼠たちがはじけ飛ぶ

ラプンツェル「あれって、メス? あんなに大量にいったいどこから……」
リドル「ドクのVAMPだよ。身体の中に武器を隠しておけるんだ。」
ラプンツェル「VAMP?」

鼠たちと交戦していたドク、後跳びに距離をとる

ドク「リドル!やれ!」

あっけにとられているラプンツェル
リドルがVAMPを発動する

リドル「そ、そして俺のVAMPがこれっ……」

鼠たちに突き刺さっていたメスが、生き物のように形を変えて動き出す
一瞬のうちにメスは金属線となり鼠の大軍を串刺し、彼方へ押し流す

ラプンツェル「いったい何がおこったの? あの鼠たち、急に吹き飛んで……」

あっけにとられているラプンツェルのもとへ、二人がやってくる。

ラプンツェル「す、すごい……」
リドル「VAMP見るのは初めて?」
ラプンツェル「えと、いまのって魔法かなにかなんですか?」
リドル「魔法か、いいねロマンチックだ。でもちょっとだけ違うかな。VAMPってのは体質なんだ。」
ドク「おい、リドル。場所を変えるぞ……」
リドル「あ、そうだね。追い払ったとはいえ、また鼠たちが湧いて出てくるかわからないからさ。いいかな?」
ラプンツェル「え、ええ……」
リドル「じゃあ、案内するよ。富と欲望とがあつまる酒場…豊穣の首飾り、ブリーシンガメンに。」

□      場面転換

豊穣の首飾り(ブリーシンガメン)のスイングドアが勢いよく開けられる。

リドル「マスター!お客さん連れてきたよ」
マスター「よう、お前ら早いお帰りだな。俺の頼みをきく気になったか?」

不機嫌そうな顔を隠さないドク

ドク「うるせぇよ。プライマリのお客がいるんだ。茶の一杯でもだしやがれ。」
マスター「プライマリ……そのお嬢さんかい?」
リドル「たくさんの鼠に襲われてたところをたまたまオレたちが通りかかってね。」
ドク「おかげで、一張羅が獣臭で台無しだぜ。」

そこまで話を聞くだけだったラプンツェルが口を開く

ラプンツェル「あの、わたしまだ何が起こったのかよくわかってなくて……」
リドル「あ、ごめんね。置いてけぼりにしちゃって。この人がこのBARのマスター。」
マスター「インデックスだ。よろしくな。富と欲望とがあつまる酒場…豊穣の首飾り-ブリーシンガメン-にようこそ。」
ラプンツェル「よろしくお願いします。」
マスター「まぁ、入り口で立ち話もなんだ。奥のテーブル使ってくれ。そういやついさっき、いい紅茶が手に入ったんだ。一杯どうだい?」
ドク「そいつはいい。お嬢ちゃん、ここのマスターはご覧のとおりいけ好かない奴だが、紅茶を見る目だけは確かだ。味わっといたほうがいいぜ?」
ラプンツェル「えと……じゃあ……いただきます」
リドル「オレもオレも」
ドク「マスター、っつーわけでその紅茶3つもらおうか」
マスター「お嬢さんには、もてなしてやるがお前らはツケだからな。」
リドル「そりゃないよ、マスター」

** 少し時間経過 **

インデックスが紅茶の準備をしている
少し離れた席にリドル、ドク
そしてラプンツェル

リドル「そっか。お姉さんを探してたんだ。」
ラプンツェル「ええ、姉さんっていっても血のつながりはないんですけど塔でずっと一緒だったから。急にいなくなっちゃったのが心配で。」
ドク「なるほどな、塔で一緒だったってことは、君が探してるお姉さんもプライマリ……?」
ラプンツェル「そうです。……買い物に出たきり3日も帰ってこなくて。塔から出て外で暮らすようになってまだ1ヶ月ですけど、今までそんなことなかったのに……」
リドル「ねぇ、ドク。ずっと気になってたんだけど」
ドク「あ? なんだ」
リドル「塔ってなに?」

変な間

ドク「お前なぁ。それぐらい常識だろ。」
リドル「そんなこと言わないでよ。塔がどこにあるかは知ってるよ。けど、どんなとこなのかは知らないの。だから知りたくなったの。」
ラプンツェル「あ、塔っていうのは……身寄りのない子供たちを引き取って育てるための施設なんです。でも、施設に入るには条件があって……」
ドク「プライマリでなければならない。」
ラプンツェル「……ええ」
ドク「プライマリは、VAMPっていう異能を持たない人間の総称だ。世界の9割が何かしらの異能を持ってる世界で能力を持たないヤツなんて食い物にされるだけだ。それが子供ならなおさらな。だから、ある程度の生活能力を身につけるまで塔で訓練をする……そうだったよな?」
ラプンツェル「そうです、塔の外でも生活が可能と判断された者のみ塔の外に出ることができるんです。」
ドク「塔での生活は、かなりハードだって聞くぜ? もっとも異能持ちと共存するためのトレーニングなんだろうから仕方ないかとも思うが……お嬢ちゃん、ここにいるってことは一応塔から外出を認められてる人間なんだろ?」
ラプンツェル「ええ、いちおう……姉さんもそうでした。やっと外で暮らせる許可が下りたばっかりだっていうのに。」

と、そこへ インデックスが紅茶を運んでくる

マスター「はいよ。紅茶お待ち。」
リドル「待ちくたびれたよぉ」
マスター「お前らには水だしてやんよ。」
リドル「えぇ……けちぃ」
マスター「はは、冗談だ。お前らのも用意してあるさ。」
リドル「へへ、いっただっきまーす」
ドク「ふん、いい香りだ。やっぱりマスターの紅茶は一味違うぜ。ほら、お嬢ちゃんも飲んでみな。」
ラプンツェル「い、いただきます。(飲んで)わ、ほんとうにいい香り……香ばしくて、コクがあって…」
マスター「嬉しいね、いれた甲斐があったってもんだ。ところでお嬢さん、飲みながらでいいんだが、最近塔には戻ったりしてるのかい?」
ラプンツェル「いいえ」
マスター「そうか、いやな。最近塔で人が続けて消える事件が起こってるらしくてな。」
ラプンツェル「え……」
マスター「原因はまだわかってないらしいんだが、どうも事件の匂いがする。お姉さんのことも、もしかしたら関係があるんじゃないのかい?」
リドル「ちょと、マスター。いいの? それ」
マスター「バウンティハンターのお前らに回すような依頼だぜ?依頼情報自体は出回ってんだよ。」
ドク「そうだぜ、リドル。こんないいギャラの依頼がオレたちだけに回ってくるわけがないだろ。手当たり次第ゴロツキどもにエサチラつかせて数で解決しようとしてやがんのさ。」
リドル「ちぇ。」
マスター「お嬢さん、このひと月の間に消えたプライマリは19人。さらに言えば、塔の管理者クラスの人間も消えちまってる。」
ラプンツェル「えっ?」
ドク「おいおい、塔の管理者っていやぁ、ババァのとこの手下じゃねぇか。なんでそんなヤバい情報をオレたちに教えてないんだよ。」
マスター「はぁ、逆にさ陸の孤島とも言われてる塔の中での失踪事件になんでゴールドラート1枚なんていう破格の報奨金が出てると思ったんだよ。お前さんは。」
ドク「てっきり、身寄りのない塔の人間ばかりを狙った人身売買事件かなんかだと思ってたんだよ。マスター。報奨金の他にも仲介料たんまりとってるんだろ?」
マスター「なにいってやがる。必要経費だけだよ。」

ドクとマスターのやり取りを横目にみながら
リドルが口を開く

リドル「ははは、そういやさ どうしてあんな大量の鼠に追いかけられることになっちゃったの?」
ラプンツェル「ああ、姉さんをプラントで見かけたって噂を聞いたから、行ってみたの、そしたらいつの間にか鼠に囲まれてて、逃げてくうちにあの細い路地に追い込まれて……」
マスター「おい、なんだって、プラント? ここジェミニのプラントはしばらく稼働してないはずだぜ?」
ラプンツェル「え?」
マスター「ジェミニのプラントはちょいとばかり厄介でな、危険視されて稼働が停止されてるんだ。そのおかげで、この都市じゃ15年前から子供が生まれていない。静かなもんだよ。」
ラプンツェル「どうして、そんなところに姉さんは……」