TAS動画は特殊なゲーム動画です。でもそこにはルールが存在します。TASでは何が簡単で、何が簡単ではないのでしょうか。
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TASの概要
TASとはTool-Assisted Speedrunの略です。ゲームの改造無しに行える手段を最大限に活用した動画を、アートとして作り上げる行為またはその作品を指します。リアルタイムプレイのそれに比べ大幅に融通が利くため、プレイ内容は常に完璧であることが求められます。
たいていの場合、動画は攻略速度を重視して動画が作成されます。速度の最適化は多くの場合に動画を洗練すると考えられるからです。ただし、速度の最適化を最重視することが常に最善とは限らず、中には速度以外を最重要項目として作られた動画(例: スコア重視のカービィボウル?、その他多くのゲームの「アイテム100%」など)や、パフォーマンスのために少なからず速度を犠牲にしている動画も存在します(例: グラディウス)。
TASVideosはTASをあつかった最大手のサイトとして有名です。YouTubeなどに掲載されている動画にも、このサイトの動画の転載が数多くあります。
代表的な機能・操作
- 追記(Rerecord): 動画の任意の位置から録画し直すこと。通常ある場面からやり直す場合、(ほとんどの場合)それ以降のプレイもやり直さなければならない。
- 連射(Auto-fire): ボタンの連射。エミュレータに搭載されている機能を使うことで、コントローラの入力よりも高速で正確な連射が可能。
- スロー: 読んで字のごとく、通常よりもゆっくりとした早さでプレイを行える機能。入力がそれほどシビアでない部分を記録するのに便利。
- コマ送り(Frame Advance): 1フレーム(NTSCなら1/60秒)ずつ入力内容を決めるための機能。地道な方法だが細かい制御が可能となる。
- キー入力表示: どのタイミングでどんな入力があるのか表示させることができる。他人のプレイを参考にする際などに便利。
- フレームカウンタ: 動画の再生位置が何コマ目かを表示する機能。異なる動画の比較などに便利。
- メモリビューア: メモリ(内部変数)の値を見る機能。ゲーム内タイマーや敵の体力の表示など、応用範囲は広い(ただし解析スキルが要求される)。
- Lua スクリプト: 簡単なプログラミングによって機能を作るための機能。画面上に当たり判定枠を表示したり、人間ではどうしても困難な解を bot に探させたり、さまざまなことが可能。
- デバッガ: デバッグを支援する機能。主に命令単位で実行を監視したり、一時停止したりすることができる。「任意コード実行」のような、プログラムの内部動作と関わりが特に深い技術を用いるTASではより必要性が高い。上級者向けツール。
関連ページ
- TASvideos
- TASとは (タスとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
- 勇者の里 南東のほこら : スーパープレイ動画基礎知識
- TAS(Tool-assisted speedruns)の歴史
- TAS用エミュレータの機能紹介 - ごちゃログ
- Wikipedia:Speedrun
Tag: TAS教材