「おぬしなら、私の呪いを解けるかもしれない」
白金の鎧に身を包んだ青年は、老人にそう話しかけた。
「あなたがこの古城の主ですか?」
青年がそう問うと、老人は答えた。
「違うが、そうだ。」
青年はさらに問う。
「どういうことですか?」
老人は答える。
「儂はこの古城の主ではないが、主の依り代である。主は夜の間しか姿をお見せにならない。さあ、儂を殺せ。そして儂の呪いを解いてくれ」
あろうことか老人は青年に「殺せ」と要求してきたのである。
青年はしばし悩んだが、夜が来て、青年は目の前の老人を殺すことにした。
老人を殺せば、呪いは解けると信じて。
次に老人が目覚めたとき、彼は青年が建てた村にいた。
呪われていた時のことを彼は青年にこう語った。
「呪いを解いてくれてありがとう。まるで何かに噛まれたようじゃったよ」
その後、老人は仕立て屋として村に住んでいる。
Williamという名の人形が、彼の家には置いてあった。