グラフ
概要
- Caster spellの幾つかは、spell castが完了した時点で弾が発生し、その弾がtargetに着弾した時点で
ダメージが発生する。この弾の移動時間をmissile traveling time(MTT)と便宜上呼ぶ。各spellのMTTを
把握しておくことはspellの特性の深い洞察には必要なことであり、特定spellのrotationの最適化や、
効率的なaddsの処理、threat reset時の事故減少など様々な場面で生かす事が出来ると考えられる。
しかしいずれのweb上の記事においても、このMTTに焦点を当てた考察はこれまでほとんど行われてはいない。
このページでは一例としてwarlockのrotationに関わる3種のbolt spellに関してMTTの実測を行ったので
その結果を報告する。
方法
- Dummy(LV60)に対して各spellを使用する。距離は0、10、20、30 yards地点で測定を行った。
距離計測に関してはRangeDisplayのaddonの情報を使用した。試行はそれぞれ最低50回行い平均を取った。 - オフラインでcombat logのSPELL_CAST_STARTとSPELL_DAMAGEのイベントを抽出した。
(castが完了したというイベントはcombatlogには存在しない) - SPELL_DAMAGEとSPELL_CAST_STARTのタイムスタンプの差から、cast timeとMTTの合計を算出した。
- そこから各spellのbase cast timeを減産し、MTTとした。(計測はhaste 0で行っている)
結果
- グラフは各spellにおける距離とMTTの関係を示している。各シンボルはそれぞれの試行の平均値である。
各ラインはデータ点に対し線形近似を行った結果を示している。線分の傾きが急であるほど弾速が遅い。 - 3 spellのMTTの大小は、(遅) Chaos Bolt > Shadow Bolt > Incinerate (速)の順になった。
考察
- 本来0 yard地点ではどのspellもtimeが0になって欲しいところだが実際はいずれのspellも100 ms前後の
値を示した。これはlatencyの影響、あるいはパケット送受信のラグの影響だと想像出来るが、単に
それだけでは説明しがたい。というのも10~30 yardで見られたMTTの大小関係が0 yard地点でも
一致しているからである。 - 0 yard地点での計測はdummyの中心に重なるようにしてcastを行ったが、これが実質0 yardに
なっていないのかもしれない。 - Incinerateとその他2種のboltの弾速が異なることが興味深い。下に示したのはMTTとCTの合計である。
これによると、約15 yards地点でChaos BoltとIncinerateの詠唱→着弾までの時間が逆転する。 - 迅速に処理しなければならないaddに対し、そのトドメを出来るだけ早くに着弾させたい場合
(例えばMarrowgarのBonespikeやSaurfangのBloodbeast、LKのVal'kyrなど)、15 yards以上
離れていればChaos BoltよりもIncinerateの方が望ましいことが、この事から推測できる。 - Future planとしては、他にwarlock spellではHauntやDeath CoilのMTTの計測が興味深い。
Hauntはrotationの最適化に、Death Coilは着弾前LTが入る限界距離の算出に利用できる。
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