アスティリヤ共和国

Last-modified: 2014-11-17 (月) 01:04:51

概要

 アスティリヤ共和国は,大陸南西に突き出る半島に位置し,その殆どを占める議会制共和政国家。首都はセバート。

公用語アスティリヤ語
国歌擲弾兵行進曲
首都セバート
最大都市バヤドリット
大統領フアン・フランシスコ・イバニェス
政府首班マリアーノ・ペレイラ
通貨エスクード

歴史

 アスティリヤは,「大航海時代」にいち早く対応し,世界の海を支配する海上帝国を築き上げ,数多の植民地を支配した。しかし,「陽の没せざる帝国」の繁栄は同時に死に至る病をアスティリヤにもたらした。王族や貴族は,新大陸から運ばれる銀や香料により莫大な富を手にしたが,それは夜毎に開かれる盛大な舞踏会,贅を尽くした城屋敷,繰り返される他国への軍事介入に費やされ,富国への投資が顧みられることはなかった。アスティリヤの基盤であったはずの農村は新大陸から流入する安価な製品によって荒廃し,農民は耕地を捨てて都市へ流れ込み,城外のスラムは日に日にその大きさを増していった。海上帝国の最盛期には,国内で消費される食糧の過半を輸入に頼っていたとする研究もある。

 驕り高ぶった帝国の凋落は無情とも言えるほどの速さで現れた。見境のない軍事介入により作った敵達が,実力をつけると,植民地を結ぶ商船は私掠船に襲われるようになり,本国では都市貧民の不満が危険なほど上昇するとともに,力をつけた新興ブルジョワジーが権利を要求するようになった。幾人かの英明な廷臣が現れて衰退を押しとどめようとしたが,焼け石に水を掛ける以上のことはできなかった。

 数度の戦争を経ると,アスティリヤは王政を維持したものの,幾つかの重要でない植民地を持つ他は,すっかり荒廃し,産業革命にも取り残された貧しい本国が残るだけとなった。王と貴族はブルジョワジーと手を結び,憲法を作り,議会を開設した。一方で盛んになった労働運動は弾圧され,社会の歪みは拡大を続けた。

 最後の国王となったフェルナンド12世は,温和で豊かな文学的才能には恵まれたが生来病弱で,意志薄弱であった。腐敗と涜職にまみれた不安定な政党政治が行き詰ると,王は遂にいとこにあたる英雄フアン・ホセ・アルバレス将軍に政権を託した。フアン・ホセは王とは対照的な美丈夫で,植民地で戦功を挙げ,また極端な言動で国民の間でカリスマ的な人気を得ていた。

 フアン・ホセは軍隊を動員して議会を解散し,憲法を停止して独裁政府を樹立し,汚職政治家を次々と逮捕し,拷問で自白させて処刑した。国民ははじめフアン・ホセの電撃的攻勢に喝采を送ったが,しかしフアン・ホセは結局一軍人でしかなかった。経済は上向くどころか低迷し,焦ったフアン・ホセは宮殿から次々と新たな政策を打ち出したが,朝令暮改の政令にあらゆる情勢は混迷を極めた。あらゆる階層で反対勢力が首をもたげたが,フアン・ホセは徹底的な弾圧でそれに応えた。フアン・ホセは最終的に11年間首相職を守ったが,ただ死刑宣告者のリストを伸ばすに留まった。

 首相となって11回目の国王即位祭の朝,専用車で官邸から王宮に向かったフアン・ホセは厳重なはずの警備を何故か容易くかいくぐったセバート経済大学の研究生,レオポルド・マルティンの投げ込んだ爆弾で爆死した。独裁者の死後,王党派が総選挙で敗北すると,既に気力を喪っていた王は静かに王宮を後にし,無血革命が成立した。

 しかしながら,独裁の軛を逃れたアスティリヤの前途は決して明るいものではない。長い混乱した治世の下で,国民は分断され,敵意を燃やしあっている。

政治

 大統領を元首とし,議会の多数派から任命される首相(大臣会議議長)が政府を率いる。現在の政権はPRR(急進共和党)が握っているものの,あくまで比較第一党に過ぎず,その政権運営は不安定なものにならざるを得ない。

 また,各党は院外に徒党を組織しており,院外団同士の喧嘩が絶えないほか,国政には参加していない無政府組合主義者もかなりの勢力を有しており,時には銃火器まで持ち出す市街戦に発展している。

元首

 元首は大統領である。直接選挙で選出され,任期は5年。実質的な権限はないものの,政府首班の任命権を持つ。

行政府

 議会の多数派から任命される大臣会議議長をトップとする。現在の首相はPRRのマリアーノ・ペレイラ。

立法府

 一院制で,比例代表制により議席を選出する。主要な政党は,中央党(PC,伝統保守,宗教右派),行動党(PA,全体主義),急進共和党(PRR,社会民主主義),社会主義労働党(PSO,組合主義),モーリス主義人民同盟(MPA,共産主義)など。

軍事

陸軍

 かつては大陸随一の強兵と呼ばれた陸軍も,相次ぐ敗戦と工業力の低下によって,士気・練度・装備ともに劣悪な状況に有り,植民地など各地で発生する反乱に手を焼いている。

海軍

 アスティリヤ全体から見れば「まし」な状況を維持している組織であり,新鋭戦艦『アスティリヤ』を旗艦とし,南ヤード海西部の制海権を保持している。

治安警察(グアルディア・シビル)

 繰り返される内乱によって荒廃し,農村地帯で多発していた強盗に対応するべく創設された準軍事組織。正確には陸軍の一部とされるが,内務省の管理下にある。任務は国内警察だが,軍隊式の組織・装備で高い機動力と制圧力を有している。過去に起きたクーデーターでは度々主役となった。