概要
ヤーディシア大陸北ヤード海に面する旧フォロノア帝国領邦。中世イスティンゲンのヴァイキング行に悩まされていたルーンラントを初代公が、イスティングのヘルコヌングル(戦王、領土を持たない王)との婚姻同盟によりこの地を平定し、フォロノア帝国より領邦として賜ったのが始まりである。
その歴史的経緯から、少数民族に対する抑圧は少なかったが、帝国の抑圧的な政策には反発しており、その反発はメルコフの失脚とともに大きなうねりとなった。
凡庸な君主シッゲイル・ハールヴダン公は、帝国に従属することを希望していたが、反帝国的な周囲の圧力に押され、自身の地位の保持のために帝国から分離独立を図るほかなくなった。
政治
立憲君主制議会制民主主義国家であるが、ルーンラント公の権力も相応に強く、ルーンラント公には拒否権がある。公国の議会制民主主義はこの国の事情から正しく機能しておらず、議会が混乱し、ルーンラント公が裁定する事も多い。ターン90にクーデターが発生し、政府が壊滅。ターン92に公女による軍事独裁政権が誕生する。
内政
議会制民主主義を採用している。政府は議会から選出された内閣総理大臣によって運営され、三権分立が確立しているが、ルーンラント公に拒否権と議会での発言権がある。普通選挙が実現されているものの貧農が多数を占めるこの国では、識字率が国全体で30%と、殆ど貴族や有力者、一部のイスティングしか読み書きができず、したがって選挙の投票率が非常に低い。選挙の立候補者もそれを理解しているので、有力者や貴族のための政治を行い、貧農は政治の世界では全く無視されている。議会は常に貴族や有力者と癒着し、しかも互いに既得権益をめぐって対立しているため、混乱し、腐敗していた。
・ターン90のクーデター
ターン90の帝立軍によるクーデターの際には公国第1軍の罠にかけられ、議会は政府もろとも帝立軍に捕らえられ、独立派議員は次々と斬首された。首都の王党派、独立派貴族、豪農も次々斬首されるが、ターン91に公国軍が反攻すると帝立軍は敗北し、公国軍により帝国帰属派議員、帝国帰属派貴族、豪商も次々斬首され、一連の戦闘と処刑で30000人が死ぬ。政治機能の混乱により、公女シグリーズル=シュライエリン・ハールヴダンが軍隊による議会の停止と臨時軍事政権を誕生させる。
外交
国名 | 関係 | 備考 |
チーシャ4重帝国 | 敵対 | 宗主国 |
リーゼンバウム侯国 | 良好 | 平和条約・共戦国 |
カラシュ・セヴェリン | 敵対 | |
ナシュール朝グラーンダ王国 | 普通 | 共戦国 |
立憲王政アーカルソン=リペルニア | 普通 | 海上通行条約 |
ヤーディア人国 | 普通 | 共戦国 |
民族
イスティング
昔は牧畜とヴァイキング行(交易と略奪)によって成り立ってきた少数民族。初代ルーンラント公との婚姻同盟のためフォロノア帝国に従属したのが定着の始まり。今日では貿易商や軍人を多く輩出する。古い直接民主主義の伝統を引き継いでおり、彼らの居住地では今も民会が開かれている。議会での影響力も弱く、メルコフ体制下で抑圧されてきたが、貧農が多数を占めるフォロノワ人よりも一般に豊かである。ルーンラント系とオーレア系の二つの系統に分かれるが、より原種に近いのはオーレア系イスティングである。
フォロノワ人
ルーンラント公国における主要民族。人口の圧倒的多数を貧農が占めており、ごく少数の貴族や有力者との格差が激しい。貧農は識字率や学力水準が低く、普通選挙を実施されても投票率が低いうえ、議会は貴族や有力者のための政治を優先する上、貴族や有力者同士の既得権益の対立で常に混乱しているため貧農は常に困窮している。その貧しい暮らしから当初帝国に対する分離独立の圧力の原動力であり、ルーンラント公も彼らの蜂起を恐れたが、帝国からの分離、普通選挙の導入がなされても一向に豊かにならないどころか、露骨に貴族や有力者を優先する議会制民主主義に辟易、失望しており、貧農の間で共産主義や、ナショナリズム、民族主義等への志向が日増しに高まっている。
ノイエ・ヴァレニエ王国の崩壊とルーンラント公国による併合により、知的水準の高いヴァレニエ系フォロノワ人が流入することで、格差が生まれてきている。
都市
ユズリア (6)
北ヤード海沿岸都市、公国における海運の中心地であり、フォロノワ帝国時代からの海軍拠点都市でもある。
アルクトテカ(5)
公国西部の都市。農業都市であり、広大な農地が広がる。
レクスヴェコニア(7)
公国首都。
ピラカンサ(8)
公国南部の都市。アルクトテカ同様。郊外に広大な農地が広がっている。
レンスベルク(15)
旧ノイエ・ヴァレニエ王国首都。一時期カラシュ・セヴェリンに占領され、ブランデーの支配を経て奪回される。
アゼヴィ(16)
旧ノイエ・ヴァレニエ王国南西部。公国領編入に伴いアゼヴィに改称。
レンギョウ(19)
旧ノイエ・ヴァレニエ王国中部。継続戦争前に陣地構築の為に占領、レンギョウに改称。
ブライダルベール(21)
旧ノイエ・ヴァレニエ王国東部。継続戦争によりカラシュ・セヴェリンから獲得。ブライダルベールに改称。カラシュ軍により徹底的に破壊されており、殆ど廃墟状態にある。
コルチカム(54)
オーレア半島の南端都市。継続戦争追撃戦期にレンスベルク包囲の為に占領された都市。人種的にはイスティングが主要。牛と山羊の牧畜が豊かな農業都市。
コニファー(52)
オーレア半島の中心都市。フォロノワ帝国に忠誠心の強いゴズオルズが支配していたが、ルーンラント公国軍を恐れたゴズオルズが北上する公国軍に降伏したために征服。
フィリフェラ(51)
オーレア半島北東部の都市。オーレア半島と北極部の交易の中心都市。
バリエガータ(53)
オーレア半島の西海岸都市。公国軍がオーレア半島大部分を征服したことにより、民会を開いてその傘下にはいった。
軍事
陸海軍からなる。独立当初は帝国領邦時代の帝立軍(帝国領邦軍)と公国軍の二つの組織があり、公国軍は議会の指揮下に、帝立軍は大フォロノワ帝国皇帝の指揮下にあるなど指揮系統が複雑だった。ターン90のクーデター事件により帝立軍は完全に解体され、公国軍に統一再編制された。また事実上の軍事政権を獲得する。
公国軍は一般兵士の素質の低さと、将校の無能の為に非力であり、内外の混乱の為に常に充足率の不足と士気の低下に悩まされている。幾つかの独自の兵科が存在する。
・独自の兵科、用語
ベルセルク | イスティングの男性選抜兵のことを指す。 |
ヴァルキリー | イスティングの女性選抜兵の事。通常は胸甲騎兵を指す。。騎乗時にhojotoho!、heiaha!等の独特な鬨の声を発する。 |
フュズィリール | フォロノワ人選抜兵の事を指す。 |
リーゼンバウム防衛戦争(帝国内戦)
ルーンラント公国、ブランデー王国を攻撃するため、カラシュ・セヴェリンがリーゼンバウム侯国に通行許可を申請、侯国が拒否したために開戦。ルーンラント公国はリーゼンバウム侯国を援助するため参戦した。カラシュ・セヴェリンとの交戦で一定の損害を受けたため、強制停戦を実施し敗北した。
共戦国 | 帝国 |
リーゼンバウム侯国 | チーシャ四重帝国 |
ルーンラント公国 | カラシュ・セヴェリン |
ターン数 | 出来事 |
ターン117 | 開戦 |
ターン118 | リーゼンバウム侯国降伏 |
ターン119 | ルーンラント公国が都市番号15をカラシュ・セヴェリンに割譲し強制停戦を発動 |
継続戦争会戦期(帝国内戦)
ターン119に発動した強制停戦期間終了に伴い、ルーンラント公国はカラシュセヴェリンに対して148ターンより戦争を再開。リーゼンバウム侯国が甚大、南ヤーディア人国が壊滅的損害を受けるが、カラシュ・セヴェリンも戦争継続が困難な壊滅的損害を被る。共戦国は帝国に勝利したが、戦争法規解釈の齟齬が目立った。
共戦国 | 帝国 |
リーゼンバウム侯国 | チーシャ四重帝国 |
ルーンラント公国 | カラシュ・セヴェリン |
ブランデー王国 | |
南ヤーディア人国 | |
ナシュール朝グラーンダ王国 |
ターン数 | 出来事 |
ターン145 | 宣戦事前布告 |
ターン147 | チーシャがリーゼンバウムに攻撃開始 |
ターン148 | 戦争再開、グラーンダ王国がチーシャに宣戦布告 |
ターン152 | カラシュ・セヴェリンが都市番号21をルーンラント公国に割譲し強制停戦を発動 |
ターン153 | カラシュ・セヴェリンが都市番号25をアーカルソン・リペルニアに売却。チーシャが都市番号37をグラーンダ王国に割譲し強制停戦を発動 |
継続戦争追撃戦期(帝国内戦)
継続戦争により壊滅状態に追い込まれたカラシュ・セヴェリンは強制停戦期間満了と同時に領土を割譲して強制停戦を延長する撤退戦に移った。ルーンラント公国軍司令部は、チーシャ四重帝国軍の再建が進んでいる状況を危惧し、レンスベルク奪回を確実なものとするためにチーシャに公国海軍および陸軍特別遠征軍を派遣して帝国軍に対する攻撃を開始した。最終的にカラシュ・セヴェリンがブランデー王国に都市を割譲し、強制停戦を発動したことでルーンラント公国とリーゼンバウム侯国とカラシュ・セヴェリン間の接続が切断された。
共戦国 | 帝国 |
リーゼンバウム侯国 | カラシュ・セヴェリン |
ルーンラント公国 | チーシャ四重帝国 |
ヤーディア人国 | |
ブランデー王国 |
ターン数 | 出来事 |
ターン160 | カラシュ・セヴェリンがリーゼンバウム侯国に都市番号20を割譲し、強制停戦を発動 |
ターン168 | カラシュ・セヴェリンが南ヤーディア人国に都市番号22を割譲し、強制停戦を発動 |
ターン169 | ブランデー王国が強制停戦期間中にカラシュ・セヴェリンに攻撃 |
ターン172 | ルーンラント公国がチーシャ四重帝国に宣戦布告、同ターンにチーシャ四重帝国がナシュール朝に都市28を割譲し、強制停戦を発動 |
ターン173 | ルーンラント公国が強制停戦に気が付かず攻撃開始 |
ターン174 | ルーンラント公国がチーシャ四重帝国に賠償金500ヤプール支払い |
ターン176 | カラシュ・セヴェリンが都市15をブランデー王国に割譲し強制停戦を発動。ルーンラント公国との接続が切断される。 |
人物
・存命中の人物
シッゲイル・ハールヴダン | 男 | 君主 | ルーンラント公国元首。帝国に対する忠誠心が強く、帝国に対する従属を希望している。しかし凡庸な彼は周囲の分離独立の圧力に耐えられず、公国を分離独立せざるを得なくなった。温厚で調和を望む性格。ターン90での帝立軍のクーデターにより完全に影響力を失い。傀儡と化す。 |
シグリーズル=シュライエリン・ハールヴダン | 女 | 公女 | シッゲイル・ハールヴダンの娘。母はイスティングのハーフ。タカ派のナショナリストで、帝国に対する忠誠心が強い父と対立している。公国軍を指揮する軍人だが、能力的には無能。美人だが目つきが悪い。残忍で破滅主義の性格。彼女をよく理解しない人には錯乱している印章を与える。ヴァルキューレ |
フラヴンゲル・リュングダルス | 男 | 外交官 | 外交官僚。平凡な中年男性。 |
エルムリッヒ・リムシュタイン | 男 | 軍人 | フォロノワ人大佐。外交武官。外国との軍事協力を担当する。 |
・死亡した人物
ヴィデゲ・アルドリアン | 男 | 軍人 | ビラカンサに駐留していた帝立第8軍司令官。帝国帰属派、独断で軍の動員を命じたところ、兵士の反抗に合う。政府から指揮権を停止され、第8軍の解隊が始まると処罰を恐れて自殺する。 |
ハンス・テッツナー | 男 | 貴族 | 内閣総理大臣。妥協の人。温厚で人当たりは良いが、混乱した議会と調整して政策決定するほどの能力はない。政策決定能力が低く影が薄い。独立派。ターン90での帝立軍のクーデターの際に帝立軍に斬首される。 |
ルートヴィッヒ・フォン・アルツィエ | 男 | 貴族 | 辺境伯。シッゲイル・ハールヴダンに対する忠誠心の強い帝国帰属派貴族。帝国議会議員。帝国帰属派の衰退を警戒してターン90にクーデターを起こすが失敗し、公国軍に家族もろとも斬首される。 |
ヨハン・スウェンメーリン | 男 | 貴族 | 独立派の貴族。広大な農園を有する貴族で、多数の農民を有するが、私財をなげうってまで貧農の福祉、社会保障に力を注ぎ、農園に勤務する農民や周辺住民から大変評価が高い。ターン90にクーデターを起こした帝立軍にとらえられ、斬首される。 |
ディートリヒ・フォン・アーメルング | 男 | 軍人 | アルクトテカに駐留していた帝立第5軍司令官。帝国帰属派、アルツィエが発した皇帝命令によりターン90にクーデターを実行するが、士気の低い第5軍は公国第1軍に敗れ、斬首される。 |
ハーゲン・シュミット | 男 | 軍人 | 帝立ユズリア分遣艦隊司令官。帝国帰属派。アルツィエが発した皇帝命令によりターン90にクーデターを実行するが、水兵の叛乱拒否により艦隊を出撃できず、ベルセルクに捕らえられて絞首され、銃剣付き小銃で刺し貫かれる。 |
ヘルギ・ミスフィヨルド | 男 | 軍人 | ユズリアに展開する公国軍海兵隊指揮官。住民を保護するために避難誘導で退避が遅れ、第103ベルセルク師団と離れ離れになる。避難民を保護しながら帝立第5軍と戦い、全滅戦死する。 |