ナスターシャ・アンドロメディウス=ミリアディス
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概要
アンドロメディウス帝国に割拠する「謀聖」。
零落した庶子ながら、その卓越した策略と軍事を以て北部のグリズヴェルム地方を掌握・統一し大勢力を築き上げたエクセダントの一人。
「ナスターシャ。いわゆる、謀聖だ」
「勝ったのではなく"負けなかった"…この違いが分からないうちは、まだまだ子供よ、ベルン」
「ふふふ…歴史はこの私をどう記すのかしら?」
「誰かがやらなければならなかった。今回は、それが私であっただけの事。以上よ」
「貴方たちが幸せになるのなら、私はいくらでも地獄を歩くわ…」
プロフィール
人物
容姿
息を呑むほどの完璧な美貌で、「聖女のような神々しさ」と「毒花のような危険な魅力」を併せ持つ絶世の美女。その容姿はたとえ罠と分かっていても、その誘いを受けて断れる男などこの世に存在しないと言い切れる程。
微笑むと優雅で温厚に見えるが、決して笑わない瞳の奥には冷たい光が宿っており、常に相手の価値を見定め値踏みするような目つきをしている。瞳は金色。
神聖さすら漂う人外の美と冷たさを演出する、新雪の様に滑らかで白い肌は毎日の手入れの賜物。
性格
非常に頭が良く、冷静沈着で権謀術数に長ける。アユル曰く「雑種の癖に私より上手」。
他と隔絶した頭脳を持つ故の孤独感も抱えており、自身の教えや考えを誰も理解できないことを「自分の教え方が悪い」としている。
筆まめでよく手紙を書くが、その手紙の内容は大抵説教な上、非常に文章が長い。子供らに対しても厳しく、血脈を絶やさぬようにと英才教育を続けた結果、三人の子らは早い段階で時を超越することが出来た。
味方であろうと親族であろうと規律違反は果断に粛清するが、家臣や領民を思いやり、時に身分問わず手料理を振る舞い親しく接するなど、人心掌握に長けているため内部トラブルは少ない。敵には容赦なく、間者を用い常に疑念と離間の種を蒔き、時には戦わずして敵を滅ぼすことすらあった。
責任感が強くどこか潔癖であり、血を残すためとはいえ数々の卑劣な手段や謀略、色仕掛けなどを行った自分自身を何より軽蔑している。故に「幸せになる資格がない」と考えており、ベルンフリート?ら三兄弟とその末裔が幸せに過ごせるよう願っている。
戦闘能力
体技
脚技・絞め技を得意としている。
武技
弓の達人で、その腕前はインペラトリウス大陸でもずば抜けている。
同時に番えるのは三矢まで。神の如き超長距離精密射撃が得意。
魔法
主に毒属性の魔法を得意としている。
魔法を矢に込めて放つことが可能。
賜能
君死の三落?
ナスターシャの放つ矢に3度射られた者を強制的に戦闘不能にする賜能。
彼女の弓の腕前上まずあり得ないが、掠っただけでも判定は発生する。
三本の矢?
他者の「記憶」「感情」「意思」のうち、どれか一つでも揺らいだものを「本人は気付いていない状態で」操る賜能。
全て確立している者にこの賜能が届くことはないが、どれか一つでも疑念が生じたり動揺したりするなどして「揺らぐ」事で支配が成立する。
操られている者は、自身の判断・感情・記憶が「自分のものだ」と確信して疑わない。
それが外部干渉であると疑う発想自体が、賜能の影響下では浮かばない。
記憶の矢?
他人の記憶の置き場である「記憶の書架」に干渉し、その順序や因果・意味づけなどを狂わせる賜能。
「勝利の記憶」が「敗北の引き金」にすり替わったり、恩人の顔と仇敵の行為が混線したり、果てには「なぜ戦っているのか」を思い出せなくなるなどその効果は地味ながら強烈。
集団への影響も大きく、下した命令と過去の作戦が噛み合わなくなったりすることで、特に経験豊富な古参ほど致命的な影響を受けてしまう。
感情の矢?
他者の心の中にある感情を増幅させる賜能。
新しい感情を植え付けるのではなく、元々ある感情を育てるもの。特に負の感情を増幅させることを得意としている。
冷静な将軍に対しては過去の数少ない失策への後悔を増幅することで自死させたり、厄介な忠臣に対しては主君への僅かな不信を増幅し迷いを生じさせたり、英雄と呼ばれる類のものに対しては「自分は称賛されるに値しない」という自己否定に沈むよう非道行為に対する罪悪感を増幅させる。
意思の矢?
他者の意思に干渉し、特に決断の「直前」で思考を停滞させる賜能。
選択肢が増えすぎて何も選べなくなったり、「今だ!」という瞬間に踏み出せなくなったりするなど、特に指揮官に対して致命的な影響を与えることが出来る。
逆に無意味な決断を衝動的に選ばせることも可能で、外部から見れば「勇敢な突撃」「果断な決断」に見える場合も多く、後世の歴史では英断として記されることすらある。
螻蟻の穴?
ナスターシャを中心とした一定範囲内で「敵の"最適行動"が常に少しズレる」「"あと一手"が今一歩遅れる」「判断結果が最悪ではないが"致命的に甘い"ものになる」など、微細な揺らぎを生じさせる賜能。
胡蝶の羽ばたき?
敵のあらゆるデメリットを一見関係ない行動を起こすことで最大限に増幅する賜能。
「勝ったはずの攻撃」「正しかったはずの判断」を"敗北の原因"に書き換える為、敵の攻撃・戦術・連携が成功した瞬間や効果を発揮した直後に「それが致命的なミスだった」という結果へ接続される。
例えば敵が奇襲に成功した場合、連携が間に合わず致命的な孤立となったり、完璧な布陣を敷いたつもりでも撤退不能になったり、英雄の突撃でも味方の退路を塞ぐ結果へ変えたりなど、想定されているデメリットが必ず最大となって敵に降りかかる。
泣きっ面に蜂?
敵の総指揮系統が敗北を僅かでも感じた瞬間に発動する賜能。
ナスターシャの放った矢が敵軍の指揮官を射抜いたり、重要な拠点を破壊するなど"致命的な一点"に作用することで、一瞬で優勢のまま押し切ることが出来る。
魂具
大弓「サジタリウス」
巨大な弓。
来歴
母のアンドロメダ?がネロ失踪後の権力争い?に巻き込まれた結果這う這うの体でグリズヴェルム地方に落ち延び、そこからは母の死や家臣の裏切りなど、度重なる試練の道を歩んできた。時には居城を追われ、時には夜中に遁走し、時には敵に取り入るために身体を売るなど、その苦難は枚挙に暇がない。
しかし、偉大なるインペラトリウスの血統を絶やす訳にはいかないと奮闘した結果理を超越し、帰還の際には広大なグリズヴェルム地方を統一していた。
対人関係
夫のゼルギウス?を尻に敷いている。