ベビ虐3-

Last-modified: 2021-08-30 (月) 11:09:47
275 名前: ベビ虐3-① 投稿日: 2003/05/28(水) 18:43 [ VD1HsL.Q ]

 ビデオデッキにカセットを入れ、再生ボタンを押す。
ゆっくりと画面の色が変化し、ダッコ映像のテロップが映し出された。

「 ベ ビ し ぃ ち ゃ ん の 自 然 大 好 き ! 」

画面は、どこかの都市の駐車場に止まる車をとらえている。
まだ薄暗い初夏の早朝の街並みが映し出されていた。
Tシャツを着た男が、2匹のベビしぃをダッコして現れた。
淡いピンクチェックのサマードレスを着たベビしぃと、
淡いブルーチェックのサマードレスを着たベビしぃだ。
ヒマワリの造化があしらわれ、赤いリボンのついたお揃いの麦藁帽子を被っている。
「こんにちは!今日は双子のベビしぃちゃんが遊びに来てくれました!」
「チィ!」
ベビしぃは、カメラに向かい片手を上げて挨拶した。
「今日、僕と遊んでくれる双子のベビしぃちゃんのオカアサンから、お手紙を預かってます。
それじゃ、お手紙読むからね。(…キョウハ ウチノ カワイイ ベビシィチャンヲ タクサンダッコシテクダサイネ)
…だ、そうです。」
男は読み終わった母しぃからの手紙をビリビリに破くと、その場に捨てた。
「今日僕達は、自然をたっぷり楽しもうと思います。それじゃ、逝ってきます!」
男と双子のベビしぃを乗せたワゴン車は、ゆっくりと駐車場を後にした。

画面が切り替わり、目の前には誰もいない海の映像が映し出された。
ベビしぃ達は、足の取られそうな砂浜をおぼつかない足取りでアンヨをしている。
フリルのついたビキニから伸びる細いシッポが、風にそよいで揺れている。
「今、僕達は海に来ています。見てください、この広い海!これから僕達は、
一時間ほど船にのって釣りを楽しみたいと思います。」
男はベビしぃ達をダッコすると、近くにあった小船に乗りこんだ。
海に出た小船の上で、ベビしぃ達は小さなオテテで海水を触って感触を楽しんでいる。
水の中には魚の泳ぐ様子が見えていた。
「チャポチャポ チメタイネ」
「オシャカナ イパイ イリュヨ」
「ベビちゃんは海に興味津々の様子です。ベビちゃん、チャポチャポ入ってみようか。」
男はそう言うと、海を覗き込んでいる2匹のベビしぃの背中をドンと突き飛ばした。
2匹のベビしぃの体はグラリと傾き、海の中へと投げ出された。
「チィィィィッ!?…カハァッ!…ゴホホッ…ゲホ・・・イヤァ ヤーヨゥ!」
「ゲホッ…イヤァ タチケテェ!!」
ベビしぃ達は小さなオテテを海面でパタパタしながら、必死にもがいている。
「アハハ!ベビちゃん、チャポチャポ気持ちよさそうだねぇ!」
男はニヤニヤと笑いながら、助けを求めてもがいているベビしぃを見ている。
「チャポ チャポ チメタイヨウ ナコ ナコシテェ」
「タチケテェ…チィィィ ナコ ナコォ」
ベビしぃ達は後ろから来る波で海水が口に入り、とても苦しそうに見える。
男は暫くその様子を楽しそうに眺めた後で、手元にあった網でベビしぃ達を拾い上げた。

276 名前: ベビ虐3-② 投稿日: 2003/05/28(水) 18:44 [ VD1HsL.Q ]

ビニールシートを敷いた砂浜の上で、ベビしぃは2匹で固まってブルブルと震えていた。
目からはポロポロと涙をこぼして、シクシクと泣いている。
小さな体はぐっしょりと水で濡れ、フワフワな白い毛はベッタリと体に張りついている。
「さぁ、たっぷり泳いだ後は、おいしい朝ご飯です。ベビちゃん。ほら、あーん。」
男はベビしぃの口元に、串に刺さった昆虫を突き出した。
昆虫は、まだ生きているのかモゾモゾと足や触覚を動かして、
腹の方から汁のような物を出している。
「……ヤ ヤーヨウ!」
男は泣いているベビしぃの口の中に、昆虫を押しこんだ。
「…ムグッ!?」
ベビしぃは口の中に入ってきた昆虫を生えてきたばかりの小さな歯で噛み潰した。
口の中に、なんとも言えない苦い匂いが広がった。
「ガハァッ!!…チ…チィィーッ チィィィーーーッ ヤーヨウ!」
男はベビしぃが吐き出した昆虫を、もう一度嫌がるベビしぃの口の中に押しこんだ。
口の中に押しこまれた昆虫を、ベビしぃ達は泣きながら咀嚼した。

体がすっかり乾いてお揃いのサマードレスに着替えたベビしぃ達は、
グッタリしたような、悲しそうな顔をして車に乗せられていた。
「ベビしぃちゃん達はどうやら遊び足りないようで、ちょっとしょげてます。
ベビちゃん、次はダッコがいっぱいの所に行くよ。」
さっきまで沈んでいた顔のベビしぃ達は、その言葉を聞いて目を輝かせた。
「ナコ!?」
「ナコ イパイ !?」
車はどんどん人気の無い山道を登っていく。
鬱蒼とした緑が、ザワザワと音を立てている。
「さあ、やっとつきました。」
ベビしぃ達をダッコした男の目線は何段も上のほうへ続いている、なだらかな石段の上の、
小さな門をとらえている。
「今から上の広場に行ってダッコで遊びます。ベビちゃん、アンヨで行こうね!」
男はダッコしていたベビしぃ達を、地面の上にと下ろした。
ベビしぃ達は、一歩一歩小さなアンヨを前へ、前へと出し、
長く続く石段を登っている。
男はどんどん上のほうへと登って行くので、小さな体のベビしぃ達は
なかなか男に追いつく事が出来なかった。
「オニータン マッテェ」
「チィモ イキマスヨウ」
軽く弾む息をさせながらベビしぃ達も男に追いつこうと、どんどん石段を登っていった。

277 名前: ベビ虐3-③ 投稿日: 2003/05/28(水) 18:45 [ VD1HsL.Q ]
「到着!」
男とベビしぃ達は、頂上の門の前に立っている。
ベビしぃはちょっと疲れたような表情ながらも、楽しそうだ。
これからあるだろう沢山のダッコがよほど楽しみなのだろうか。
「ベビしぃちゃんも、僕も広場に到着です。これから僕らはこの広場で沢山遊びます!
さ、ベビちゃん、こっちだよ!」
ベビしぃ達は、男に連れられて芝生の広場へと足を踏み入れる。
「何してあそぶ!?」
「ナコ! ナコシテ!」
「チィモ ナコ デスヨウ!」
2匹のベビしぃ達は、我先にと男のほうへ向かいダッコポーズを取った。
「うーん!どっちを先にダッコするか迷うなあ!実は、ベビしぃちゃん達にはナイショで、
僕のお友達がここに来ています!おーい!」
男が呼んだ方向から、一匹の大型犬が駆け出してきた。
「ベビちゃん大好き!」に出てきたのと同じ犬だった。
初めてみる巨大な犬に、2匹のベビしぃは男の影に隠れて怯えている。
犬は男の足元に行儀良く座った。
「このワンちゃんは僕の友達です。ベビちゃん、ワンちゃんがナッコしてくれるよ!」
男はそう言うと、ピンクチェックのサマードレスを着た方のベビしぃを犬の方へ見せた。
犬はしばらくの間怯えるベビしぃのにおいを注意深く嗅いでいたが、
突然ガブリとベビしぃのわき腹の辺りに噛みついてガウガウと唸りはじめた。
「ヂィィッ!」
犬はベビしぃの体を咥えてブンブンと振りまわしながら、ボタボタとヨダレをたらしている。
喉元からグルル…グルル…という唸り声を上げながら、
泣き叫んで助けを請うベビしぃのドレスを鮮血で汚していった。
「ベビちゃんは大きなワンちゃんがダッコしてくれてとても楽しそうです。
僕は、こっちのベビちゃんをダッコしています。」
男に抱かれている方のベビしぃは、とても楽しそうに手をパタパタさせたり、
足をパタパタ動かしたりしている。
犬は地面の上で泣き叫ぶベビしぃの体を、ドレスの上から噛みついたり、、
前足で蹴飛ばしたりして遊んでいる。
ベビしぃは血まみれで泣きながら、必死に助けを求めている。
「ヤァァ ワンワン イヤァ ナコ ナコォォォォォォ!」

278 名前: ベビ虐3-④ 投稿日: 2003/05/28(水) 18:45 [ VD1HsL.Q ]

ビデオは、暫く犬に弄ばれるベビしぃを映した後、
さっきの門の前にいる男とベビしぃ達の映像に切り替わった。
男の足元で、ピンクチェックのサマードレスを鮮血で染め抜いたベビしぃは、
小さな体をガクガクと震わせて、カメラを見据えている。
「さぁ、沢山遊んだら今度はお昼寝の時間です。ベビちゃん、まだまだ遊び足りないかな?」
マイクを向けられたブルーチェックのサマードレスを着たベビしぃは、
元気に手を挙げて、チィと鳴いた。
「それじゃ、もう一回ここまで登っておいでよ!」
男はそう言って笑うと、ブルーチェックのサマードレスを着ているベビしぃを突き飛ばした。
ベビしぃの体は、ゴロゴロと石段を落ちていく。
「ア… アニャァァァァッ!?」
小さな体は、時折大きな石に当たって軽く飛んだりしながら中腹の所で止まった。
「ヂヂィィ…」
カメラはドレスを土埃で汚して、所々かすり傷を負ったベビしぃの姿を映し出している。
門の所ではピンクチェックのサマードレスを着たベビしぃが、その様子を見て怯えていた。

お揃いのパジャマに着替えたベビしぃ達は、車の中で眠りについている。
恐怖から開放されてホッとしたような顔をしていた。
「アニャァ…」
時折寝言を言いながら、ベビしぃ達は次にどんな事が自分達に降りかかるのか、
まだわかってはいなかった。

279 名前: ベビ虐3-⑤ 投稿日: 2003/05/28(水) 18:46 [ VD1HsL.Q ]
カメラは川のせせらぎの聞こえる森の中を映している。
「もうすぐ日が暮れそうです。今日は、ここでごはんを食べて、
ベビちゃんとバイバイします。」
男の前には、バーベキューの用意がされていて、ベビしぃは待ちきれなそうに、
金網の上でいい匂いをさせている野菜や肉を眺めていた。
「アニャァ チィ コレ タベマスヨウ!」
「チィモ タベルノ!」
男の膝に抱かれたベビしぃ達は、我先にと金網の上の食材に手を伸ばす。
「アァァッ!?」
右膝に抱かれていたベビしぃがバランスを失い、熱い金網の上に落ちた。
金網の下では炭がこうこうと燃えているのが見えている。
「アチューヨー ヤァヨゥ タチケテェ タチケテェ… チィィ チィーーーッ!?」
焼ける金網の上に落ちたベビしぃは、必死で逃げようと、金網の上を転げまわった。
ブルーチェックのサマードレスは、所々焦げて嫌な匂いをさせている。
ピンクチェックのサマードレスを風にたなびかせたベビしぃは、
男のシャツをギュっと掴んで、姉妹が金網の上で焦げていく様子を呆然と見詰めている。
「アチュウヨゥ…タチケテェ… ハニャァァァ…… ナコ ママァ ナコォォォォォォォォォォォ…」
金網の上でもがいていたベビしぃは、体を一回ビクンと痙攣させ、
体中に大やけどを負った状態で息絶えた。
「あわてんぼうのベビしぃちゃんでしたね!どれ、丁度良く焼けたようなので、
ごはんにしようと思います。…ワンちゃんもおいで。」
男の膝の上で青ざめた顔をしているベビしぃは体をびくつかせた。
草むらの影からさっきの犬がやって来て、こちらに近づいて来たのだ。
犬は、男の膝の上で怯えているベビしぃには何の興味も示さずに、
金網の上で他の食材と一緒に焼けているベビしぃの匂いを嗅いでいる。
「ほら、お食べ。お腹減ったねぇ。」
男はそう言うと、金網の上で死んでいるベビしぃの体をバーベキューの串で突き刺し、
行儀良く自分の前に座っている犬の前に置いた。
犬はせきを切ったような勢いで、焼け焦げたベビしぃの体に食らいついた。
ガツガツとベビしぃの体を噛み千切り、血をしたたらせて食べている。
「…アァ…ハニャァァァァ ハニャァァァァァーーーッ!!」
自分の姉妹が目の前で焼かれ、食われている姿を見たベビしぃは、
大きな声で泣き始めた。
大粒の涙が、ほっぺをつたってポタリポタリとドレスの胸元に落ちていった。
「そうだねぇ、僕達もお腹減ったね。僕達もごはんだよ。」
男はクスクスと笑いながら、泣き叫び続けるベビしぃの口元に、
熱く熱せられた肉や野菜を押しつけた。

280 名前: ベビ虐3-⑥ 投稿日: 2003/05/28(水) 18:47 [ VD1HsL.Q ]

「いかがでしたか?今日はベビちゃんと自然の中でたっぷり遊びました。
僕はこれから、ベビしぃちゃんのオカアサンにベビちゃんを届けに行きます。」
男はにこやかに、でもどこか狂気を帯びた瞳を輝かせながらカメラに向かって語りかける。
男に抱かれているベビしぃの顔は、小さな体に一気に襲いかかった悪夢を表現するかのように
ガチガチに強張っていた。
男の足元には犬が食い残していったベビしぃの首が、コロコロと転がっている。
「…みなさんも、たまには自然の中でたっぷり遊んでくださいね。」
男はカメラに向かって手を振った。

画面がフェードアウトし、どこかの集合住宅の外観が映し出された。
ドアの所に「しぃ 双子のベビちゃん」と書かれた表札がぶら下がっている。
男は、インターホンを押した。
「ハニャーン!」
「ダッコ映像のモラ原です。」
「ハーイ! イマ アケルネ!」
玄関のドアを開けた母しぃは、嬉しそうな顔をしていた。
「ベビちゃんを届けに来ました。今日は、ありがとうございました!」
「ハニャーン! コッチコソ ベビチャンヲ テレビニ ダシテクレタウエニ オクッテモラッチャッテ…」
「それでは僕はこれで。ベビちゃん、バイバイ。」
男は自分の後ろに立たせていたベビしぃに手を振って、エレベーターに乗りこんだ。
「ベビチャン! オカエリ! タノシカッタ!?」
ピンクチェックのサマードレスを着たベビしぃは、母のニコニコとした顔を恐る恐る見ている。
「ドウシタノ? マダマダ アソビタカッタカナ?」
母しぃはいつまでも家に入ってこようとしないベビしぃの所にしゃがみこむ。
ピンクチェックのサマードレスを着たベビしぃの近くにすぐ見えるはずの、
ブルーチェックのサマードレスを着たベビしぃがいないのに気づいた。
「アレレ? オネェチャンハ?」
母しぃは、サンダルを履くのもそこそこに廊下に飛び出した。
「オネエチャン カイダンノトコロデ アソンデルカナ?」
苦笑いして、もう一匹のベビしぃを探しに行こうとしている母しぃの目に、
ベビしぃの足元に置かれたスーパーの袋が飛びこんできた。

281 名前: ベビ虐3-⑦ 投稿日: 2003/05/28(水) 18:49 [ VD1HsL.Q ]
「オニイチャント アソンデタノシカッタ?」
ベビしぃは、呆然と母の顔を見ている。
「ドウシタノヨ モウ」
母しぃは、笑いながらスーパーの袋を開ける。
「ドコニ イッテキタノ? コレ ママニ オミヤゲ?」
母しぃは廊下に立ちすくむベビしぃに顔を向けたまま、スーパーの袋に入った物を取り出した。
ベビしぃの目から、涙が溢れ出した。
「ドーシタノヨ ベビチャン ツカレチャッタノ?コレ ママニ クレル…………シィィィィィィィィィィッ!!??」
母しぃは、手に持っていたものを見て投げ飛ばした。
「イヤァァァァァ イヤァァァァァァーーーーーーーーーーーッ!!」
「チチィィィィィィィィーーーッ アニャァァァァァーーー アニャァァァァーーーー!!」
ベビしぃのお土産は、廊下の薄暗い電灯に照らし出されてゴロゴロと転がっている。
「ナンナノォーーーッ コレハ ナンナノォーーーーーッ!!」
母しぃは、ブルーのリボンが巻かれたベビしぃの生首をみて狂ったように叫んだ。
ベビしぃの首は、口をぽっかりとあけて母しぃの目をじっと見るように地面に転がっていた。

ビデオはここで終わっていた。
彼は、ふぅと溜め息をついてビデオを巻き戻した。
そして、あの親子があれからどうなってしまったのか暫くの間想像していた。
多分、それとも、 いや違う、でも…色んな思いが彼の頭の中を駆け巡った。
しかし、最後までその答えは出ないままだった。
ーそんなこと、どうだっていいや。だって、所詮ヤツらはゴミだー。
「今年の休みはキャンプにでも行こうかなあ。」
彼は独り言を言うと、取りだし口から出てきたビデオを持って外に出た。

         
                  END.

AA版(前編):ベビしぃちゃんの自然大好き! (1)
AA版(後編):ベビしぃちゃんの自然大好き! (2)