338 名前: 1 投稿日: 2003/06/11(水) 19:25 [ DInmuRJM ] あなたの欲しい物は何ですか? 今ならお値段無料であなたに差し上げます。 モララー 「ミタ?アノハリガミ。」 「ミタミタ!ホントウカナア?」 「キョウイッテミナイ?」 「ソウネエ…イッテミヨウカシラ!!」 「一列にお並びくださいー!」 モララーの家の前にはしぃ達がわらわらと集まっています。 その騒々しいこと。 「お並びくださいってば!!ああ、もー!!」 必死に並ばせようとするモナーの声も届かないのでしょうか。 あちこちでいざこざが起こっています。 「チョット!!ワタシガサキヨ!」 「ナニイッテルノヨ!ワタシガサキヨ!」 「ああ、もー並んでくださいって!邪魔ですよ!」 「ジャマデスッテ!?」 ああ、こいつら全員虐殺してえ… 「一番最初の人、お一人お入りください。」 待ち望んでいたアナウンスに、しぃ達の目は輝きました。 「ハイハイハイハイ!!ワタシガサイショデス!!」 「ワタシデス!!」 やはりここでも言い合いが続きます。 「誰でもいいですからお入りください。」 業を煮やしたように告げられたアナウンスに最初に反応したのはしぃ子でした。 「シィコチャンダヨネ!?イチバンカワイイカライチバンサイショニイレテクレルヨネ!?」 「…いいでしょう。しぃ子ちゃん、入ってください。」 「ヤッタァ!!」 周りのしぃ達の不平不満もなんのその。しぃ子はご機嫌で家の中へ入っていきました。 339 名前: 2 投稿日: 2003/06/11(水) 22:17 [ DInmuRJM ] しぃ子を迎えたのは、数人のモララー、モナーでした。 そのうちの一人がしぃ子に椅子を進めます。 しぃ子が飛び乗るように腰掛けるのを見て、一人だけ椅子に座っているモララーが話し始めました。 「あなたは自分が何故、一番最初に選ばれたのか分かりますか?」 「ソンナノワカルワケナイジャナイ!!ドウデモイイカラハヤクワタシノホシイモノキイテ!」 その返事にモララーはすぐにでも殴り倒したい欲求に駆られましたが、何とか抑えて 「…そうですか。では何がほしいのか教えてください。」 と優しく問いました。 「ワタシノホシイモノハネエ、マッカナドレスヨ!チノイロミタイナコイアカイロノ!」 しぃ子の答えを聞いて、彼らが一瞬鈍く目を輝かせましたが、彼女はまったく気づいていないようです。 「ソレヲキテマチニデレバ、キットギコクンヤホカノヒトタチモワタシニメロメロニナルトオモウノ。」 「それはいいですねえ。では、取ってきますね。」 「ウン、ハヤクネ」 彼は、満足そうな笑みを顔一杯にたたえて部屋を出て行きました。 しぃ子は真っ赤なドレスに身を包んだ自分に思いをはせてにこにこと笑っています。 「お待たせしましたね。」 そう言って彼が差し出したのは粗末な布でできた薄汚れた白いワンピースでした。 それを見たとたん、しぃ子は 「ナニヨコレ!コンナキタナイフクイラナイワヨ!」 と床に叩き落してしまいました。 「プレゼントは素直に受け取るものですよ。」 モララーがそれを拾い上げ、しぃ子に無理矢理着せにかかりました。 「ア、ヤメテヨヤメテヨ!!」 しぃ子は激しく抵抗しました。 「大人しく従えや!糞しぃさんよ!」 先ほどまでの紳士的な態度とまったく違うモララーに怯えたのか、しぃ子が動きを止めました。 モララーは少し乱暴にしぃ子にその服を着せました。 「ナニヨ、コレ…」 「あなたの望みどおり、血の様に真っ赤なドレスを着てもらいますよ。」 「ヒッ…」 340 名前: 3 投稿日: 2003/06/11(水) 22:39 [ DInmuRJM ] 「シィィィィィィィィ!!!」 ビシッバシッ! 手を一つに縛られ、天井から吊るされたしぃ子を容赦なく鞭が襲います。 そのたびに体をくねらせ避けようと試みるのですが、それも叶いません。 爪先立ちになりながら、しぃ子は泣いていました。 その状態のまま今自分を鞭で打っているモララーに懇願します。 「ヤメテ、ヤメテヨォ!」 「おや、別に遠慮しなくていいんですよ。」 そして彼から鞭を受け取ったモナーが。 「このドレスを着て、町を歩くモナ。」 彼の後ろに控えるモララー達も。 「そうそう。それでギコ君やほかの人をメロメロにするんだろ?」 「まあ、あなたの魅力ではそうもいかないでしょうけど。」 「っつーかドレスって何だよ(w」 「メロメロって…(w」 「モウヤメテヨ!ヤメテヨ!」 耳を塞ぐ事もできないまま、ただモララー達に侮辱されるしぃ子。 そこに鞭が襲い掛かってきます。 「シィッシィィィィィィィィ!!シィコノオミミガッオミミガァァァァァ!!」 「耳が取れちゃったモナ。」 「ま、しょうがねえだろ。…きれいですよ?しぃ子ちゃん。」 赤黒い血の色で染まったドレスを着ながら片耳を無くしたしぃ子。 鼻水と涙を垂れ流しながらうわ言の様に自分の耳を呼び続けるしぃ子。 「お前の好きなギコ君やほかの人は避けるだろうけどな。いや、俺もだけど。」 「シィィィィッモウイヤァァ!ヤメテヨヤメテヨ!」 「おい、お前表にいるモナー呼んで来い。あいつ相当ストレスたまってるだろうし。」 「次は俺ね。」 「シィィッ!イタイヨオォォォタスケテェェェ!」 「恨むなら阿呆な自分を恨むんだな。」 次の日、どす黒い色のぼろきれを身に纏ったしぃの死体が打ち捨てられていたそうです。 体中傷だらけで、もはや顔の判別もつかないほど。 それがモララーの家に入っていったしぃだなんて誰も気づきませんでした。 「シィナハネェ、マニュキアガホシイノ!」 「…じゃあ、持ってきますね。」 それからもモララーを訪ねるしぃは後を絶たなかったといいます。 あなたの欲しい物は何ですか?