裂性遺伝(2) V ◆EvPOC3DQN2
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238 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 02:28 ID:??? 惨劇は突然やってきた。餌を与えようと部屋に入ってきた 係員にVが襲い掛かったのだ。他の係員がすぐに気付いたが、 そのすさまじい光景を目の当たりにし、怖気づいた彼は部屋の ドアをロックしただけで仲間を助けようともせずその場から 逃げ出してしまった。 ウギィィィィィ!!!! ジュルルル ・∴ ζ_ ガブガブグチャチャ ;:,..:,..,, 8⊂(゚Д"%) グチグチッ (;;;;) (;。#;・;)※;;',_⊃ ;;;)~ ブシャァーッ!!! 我々は彼を責めることはなかったが、事の重大さを認識して 実験の中止を呼びかけ、Vを処分も提案した。が、それらの提案が 実行に移されることはなかった。我々の中に巣食う貪欲な探究心が それを許さなかった。もう後戻りはできない。我々はいつの間にか Vに憑かれていた、いや魅せられていたのだ… ギュー… __,.,.,.,., ζ_ (@m@))')') _,., ~(;;;(%´O")っ ~ その後も我々は興味の赴くままVに様々な実験を行い。 あっという間に月日は流れ、ついにVは・・・ .| ハハ | ブラーン… ギュー!ギュー! (゚O゚)))~ ζ_ ./) (%゚Д")/ ウビィィィィー!!! ⊂;;; / ~/;;;__つ (/ 239 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 02:29 ID:??? 立派な成体となった。そう、立派な… | ブラーン… | | | ‘ ツー… ポタッ… . : ・ ζ ガツガツガツガツ (%゚曲")∴: ギチャギチャギチャギチャ |;;;つ@)・ ~|;;; | ピチャッ… _________U"U___※_____ つづく… 252 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 16:43 ID:??? そしてある日。ついに悪魔が微笑んだ。我々の監視が 最も薄くなる深夜を狙い、Vは脱走したのだ。不気味な雄叫びが 研究所中を駆け巡り、その声で目を覚ました我々は一斉に 別室への避難を開始した。 ウギィィィィィ――――――――――――ッッ!!!!! 彼は以前から研究所の最も奥深い所に隔離していたのだが、 それが裏目に出て、犠牲者を増やす結果となった。彼の通り道に あった研究室はことごとく荒らされ、実験台や逃げ遅れた 研究員はいずれも残虐な手段で殺されていた。 ,,,,∧ ∧,:・.。;o; .;:_,., ;:っ (。_@;)_),.;,.. ⊂(・д※∞∞.、., .,,.;> (_(#,;p゜).,.;:@つ 係員の一件があって以来、我々を始め実験関係者全員が 小型麻酔銃の携帯を義務づけられていたが、彼らの遺体を 見る限りでは抵抗する間もなく、銃を抜く前に殺された者も 決して少なくなかった。 ;;.,__,._. __,;.. ┐ (#。・;)&8o;;;;,,, (:,;※;.,。.,:@,,, 253 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 16:43 ID:??? 我々はVの部屋から比較的遠いモニター室に避難し、 カメラ越しに彼の行動を監視しながらその動きを探っていた。 そして意外な事に彼が向かった先は… _|_ ウイーン… =|__| )) ζ ウギィー… .(゚曲"%) |;;; U,ハ ))) |;;; (:;。) U゛ヽ)';8,, ...。ズルズルッ… Vは知っていたのだろうか、そこは母親のびぃの部屋だった。 ちょうどこの部屋の周辺には誰もいなかったのでVの侵入を あっさりと許してしまった。今思えばこれがこの親子にとって 初めての対面だった… ζ_ ビギィー… ,,,_ζ (%゚д") (´ρ;゙#) ウウウ…ウジィ? U;;;; | /∪;;U ~|;;;; | ~/;; ;;;ノ U"U U U この奇妙な親子はお互いの関係を知ってか知らずか、 その場から動くことなくしばし見つめ合っていた。 ζ_ ウギ… ,,,_ζ (%゚-") (´-;゙#) ウジィー… U;;;; | /∪;;U ~|;;;; | ~/;; ;;;ノ U"U U U 254 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 16:44 ID:??? やがて母親のびぃがVのもとへ歩み寄り、ゆっくりと 距離を詰めていった…その間Vは表情ひとつ変えなかったが、 母親のびぃは心なしか微笑んでるようにも見えた。 我々はこの光景を瞬き一つせず、固唾を飲んで見守っていた。 ζ_ … ,,,_ζ (%゚-") (´-;゙#) アギィー… U;;;; | ⊂⊂ ;;;| ~|;;;; | | ;;;|~ ))) U"U U"ヽ) 両者の距離は縮まり、びぃの手がVの頬に触れようとしたその時。 異変は起きた。Vが笑ったのである。子供の頃、ある一匹の チビギコに見せたあの笑顔だ。この笑顔を見た瞬間、我々が密かに 抱いていた期待は音を立てて崩れた。 ギビィー… ζ_ ,,,_ζ (%゚∀") (´-;゙#) ウビィ? U;;;; | ⊂ ⊂;;;;| ~|;;;; | | ;;;|~ ))) U"U U"ヽ) 255 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 16:44 ID:??? 一瞬の出来事だった。びぃの顔が真っ赤な血飛沫を散らして 消滅した。それと同時にVの口元からはバキバキと何かを 噛み砕くような鈍い咀嚼音が響いていた。 ボリボリボリボリ ゴキッ!バキバキッ!!..; , ζ ・;∵ ゴボッ! (%゚曲") .;;.・#) U;;;; | ⊂ ⊂;;;;| ピクッピクッ!! ~|;;;; | | ;;;|~ U"U U"ヽ) それから先は我々も初めてみる光景だった。いつもは 遊びながらも肉と骨を器用に切り離して食事をとるのだが、 この時のVは違った。とにかく骨や肉の区別なく、頭から 尻尾まで一滴の血も残さんばかりの勢いだった。 ガブガブメキャッ!! ゴリゴリゴリ ζ ∴;,. ガシュガシュガシュ!!! (%゚曲");:::・.∵ ガツガツガツガツ… /;;;;⊃※∵ ギギギギ…バキッ!!! ~(;;;⊃、;'゛ノ  ̄ 我々はとてつもなく巨大な恐怖に呑まれ、気づいた時には 研究所を飛び出し、近くの町へと森の中を走り出していた。 街の明かりが見えたのを確認した途端、我々は意識を失っていた。 289 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 21:38 ID:??? エピローグ 目が覚めた時、私は病院のベッドに横たわっていた。 そしてその横には警察官… なんと私は1週間も眠り続けていたそうだ。 仲間の一人はその3,4日ほど前に起きて地元の警察に 事情を話していたらしい。始めは半信半疑だったそうだが、 その次の日、近くの森で猟奇殺人が発生したらしく、 警察も動かざるを得ない状況になったそうだ。 しかしそれだけで事態が解決するはずもなく、事件の捜査を 進めていた警察官が森で行方不明になり、大規模な捜索が 行われた。だが今度は5人の捜査員が同じ森で姿を消し、 2日後にそのうち3人の白骨死体が発見された。 その時、現場に残されていたカメラにはなんとVの姿が 不鮮明ではあるが収められていた。警察も現場検証や 研究所からの資料押収などにより、彼の証言が真実であると ほぼ断定し、そして彼を畜養法違反で逮捕した… それで今度は最後に目を覚ました私の番だという事だ。 私はすぐに退院させられ、すぐさまパトカーに乗り、 留置場へと運ばれた。 その後も警察はVがいると見られる森を幾度となく捜索したが、 手がかりはつかめず、合計28名の警官が犠牲となった。 事態を重く見た政府は、遂に軍隊に軍隊を派遣し、森の 焼却命令を下した。 290 名前: V ◆POC3DQN2 投稿日: 02/04/04 21:39 ID:??? …かくしてあの森は研究所とともに消え去った。 今でも留置場の小さな窓からは焦げ臭い匂いがする。 しかし、それでも私は安心できない。まだVがこの世の どこかで生きているような気がしてならない。 それにVは――― | ┃ | ┃ ┃.┃ | ┃ ┃.┃ ┃ | ____ ┃ ┃┃ ┃┃ | | ∥∥∥ | ┃ .┃┗ ┃┃ | | ∥∥∥ | ┃ ┃┃ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ┛ ┃ | | ζ |(%゚Д")______┃__.┏________ / U;;;; | ┃ \┃ ┓┃ / ~|;;;; | .;,__ _ ┛ \┃.┃┃ / U"U (@;.・;)※∞ ━ \┃┃ / ┏ .\┃ fin