グルメ細胞

Last-modified: 2024-03-11 (月) 19:59:05

登録日:2023/03/10 Fri 12:17:56
更新日:2024-03-11 (月) 19:59:05
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旨いリンゴ?は、より旨く!


おいしい牛肉は、よりおいしく!


ならばこれを


“人体”に結合させるとどうなる?

『グルメ細胞』とは週刊少年ジャンプ漫画及びアニメ『トリコ』に登場する用語。

【概要】

605年前に美食神アカシアが深海に棲む『グルメクラゲ』という生物から発見・採取した、特殊な万能細胞。
このグルメクラゲは少しづつ姿を変えながら進化・成長し続ける生物であり、この進化の性質は『グルメクラゲを食した生物』にも受け継がれた。
さらに、そうした生物は旨味が増し、美味い物を食うほどに強化・進化する性質をも有した。

【移植】

グルメ細胞は移植すると、生物をより強く、より美味く進化させるという性質を持つ。
この性質上、作中の多くの登場人物がグルメ細胞を移植しており、品種改良で家畜に移植されることもある。
移植には以下のような方法がある。

  • 摂食注入
    最も一般的な移植方法。
    グルメ細胞を少しずつ食べて、体に馴染ませていく。
    適合までには時間がかかり失敗する確率が高いものの、失敗しても深刻な副作用が生じることはなく安全性が高い。
    美食四天王を始めIGO側のグルメ細胞保有者はほぼ全員この方法でグルメ細胞を獲得している。
    また、グルメクラゲのように食材が生まれつき有していることもあり、そういう食材を食し続けることでも(確率は低いが)、グルメ細胞を有することになる。
    作中では小松?がこれであるほか、特異体質を持つ在野の料理人?たちもこれに該当すると思われる。
  • 直接注入
    グルメ細胞を直接人体に注入する方法。
    こちらは移植までの時間が短い代わりに後述の副作用が発生するリスクがある。
    美食會?のメンバーはほぼ全員この方法でグルメ細胞を獲得しているほか、妖食界の住人はかつてニトロにグルメ細胞を注入された者たちの末裔である。
  • 先天性
    非常に稀だが、生まれつきグルメ細胞を有している人間もいる。
    作中ではトリコとスタージュン、三虎が該当。

【性質】

メリット

  • 生物の細胞に含まれる『旨味』を向上させる
    トリコ世界では「食材の美味さ」は何より価値を持つので重大な性質。
    IGO(世界グルメ機構)はこの性質を活かし、家畜や作物にグルメ細胞を移植することで品種改良を行っている。
    ……ちなみに、原理的には『人間』も美味くなる?はずだが、作中倫理の関係で表立って触れられることはなかった*1
  • 身体能力を向上させる
    グルメ細胞を得た生物は身体能力が向上する。
    さらに美味いものを食うほど細胞のレベルが上がって、身体能力も強化される。

強化には『壁』が存在し、無限に強化されるわけではない。
ただし『壁』と言っても、成長の「限界点」ではなく「通過点」に過ぎない場合もあり、『壁』を打ち破った時に細胞が進化を遂げる
『壁』の総数=その人間の潜在能力。
その人にとっての『適合食材』を食べることで『壁』を打ち破れる。

バトル漫画としての『トリコ』の肝となる性質。
これにより「美味い食材を食う」→「パワーアップ」→「より捕獲レベルの高い食材に挑戦できる」のスパイラルが成立している。

  • 再生機能の向上
    グルメ細胞は再生機能に特化した細胞であり、『適合食材』を食べれば腹に開いた巨大な風穴をも瞬時に塞ぐほどの再生能力を持つ。
    逆に持つ者の精神とも密接に関わり、圧倒的な力で負わされた際の傷はグルメ細胞が自ら受け入れた傷として一生残ってしまう。

免疫寛容の機能もあるようで、適当な腕や足をくっつけても機能するし、免疫不全も起こさない。
作中では「他人の腕を移植したグリンパーチ」「下半身に不死の馬ヘラクをくっつけてケンタウロス不老不死の能力を得たエルグ(いずれも美食會所属)」などが登場する。
とはいえ、優秀なグルメ細胞であるほど「利己的」な性質を持つため他の細胞と馴染みづらいらしく、トリコ?の場合は失った腕を移植することができなかった。

  • 環境適合能力の向上
    グルメ細胞には「意識的」「無意識的」に極めて高い環境適合能力を持っている
    例えば「低気温・低気圧・低酸素に対応するために、少量の酸素でも高いエネルギーを発生させる燃費の良い細胞を作り出す」「迫り来る昆虫に対応するために殺虫・殺菌作用のあるフィトンチッドを発生させる」「超重力に対応するために細胞同士の振動による摩擦で体内に大量の静電気を発生させ、体の持つ電気力を斥力に変えて重力に対抗しようとする」「高温と乾燥に対応するために強靭な赤血球を選出して大量の水分を体内に蓄えることができる」などが挙げられる。
  • 寿命の延長
    グルメ細胞の保有者はかなりの長寿になる。
    アカシアの三弟子は500年前のグルメ戦争の戦災孤児たちであり、他にも作中では100歳や200歳を優に超える年長者が結構いる。
    長く生きればその分多くの食事をし、グルメ細胞が成長していくことになる。

デメリット

  • 必要カロリーの増加
    当然、これらの能力を発動するにもエネルギーが必要であり、燃費が悪く消耗が激しい。
    トリコの場合は1日8トンの食事を行っており、一撃技を放つだけで1000?~100万kcalを持っていかれる。
    ちなみに成人男性の1日の必要カロリーは2000kcal弱。

グルメ細胞保持者は、ほんの僅かな絶食で飢餓状態に陥り、『オートファジー(自食作用)』を発生させる。
これはグルメ細胞が宿主の細胞を捕食し始める状態で、一時的に火事場の馬鹿力を得られるがそのままだとすぐに全身の細胞をグルメ細胞に貪り食われて死ぬ。

  • 異形化
    直接注入式での移植失敗時の副作用。
    細胞が変異し、最悪死に至る。
    美食會や妖食界の人々の多くが該当。

摂食注入で移植した場合や、直接注入でも移植に成功すれば起きない……らしいが、サニー?の髪のように明らかに変異した部位を持つものも多い。
とはいえ、こうして変異した部位は特殊能力を持つなど一概にデメリットとも言えない。

『食欲のエネルギー』の具現化

食物連鎖の頂点に立つ最強の捕食者のみがグルメ細胞から取り出せるエネルギー、それが『食欲』である。
当初トリコの「フォーク」や「ナイフ」?などは手刀や抜手に付随する「エフェクト」であると考えられていたが、途中からこの生命エネルギーによって固形物として実体化した描写が見られるようになった。
このエネルギーも大別すると二種が見られる。

  • 単純なエネルギーの実体化
    トリコの「ナイフ」「フォーク」、一龍の「箸」、千代婆?の「まな板」、珍鎮々の「スプーン」、アカシアの「手」など。
    特殊な性質は持たないが、術者の細胞レベルによって際限なく威力と強度が上昇する。
    これらは「食技」と呼ぶ。
  • 王食晩餐
    『食欲』のエネルギー自体が相手を捕食しだす現象。
    エネルギー自体が自発的に獲物を求めて移動する上、相手を喰らい尽くすまで続くため、この技が完成した時点で勝負は決し、「戦闘」から「圧倒的捕食者による食事」に変わるとされる。

作中では美食屋四天王が連携技として発動したのが初出であり、のちにサニー?が髪に「王食晩餐」を纏わせる技「魔王の髪(サタンヘア)」として会得した。
美食會ボスの三虎の「(トング)」もこのバリエーション、一龍も使える。
アカシアに至っては地球全域に効果が及ぶ「豪雨・王食晩餐」となるが、使った頃にはパワーインフレが極まりすぎて「化石となった奥義」呼ばわりされる程度に扱われていた。

【その正体】

グルメ細胞とは食欲のエネルギーそのものであり、本質的にはそもそも細胞ですらない

今をさかのぼること137億年前、「美食の神々」なる者たちの住まう世界で、食欲のインフレーションことグルメビッグバン現象が発生。
その際に生まれたグルメ素粒子が膨張し、グルメ細胞の源・グルメエネルギーとなった。

そして数億年前、宇宙の果てからグルメエネルギーを多量に含んだ隕石が地球に飛来し、地球という星の持つエネルギーを吸って、地球ごと大きく膨らみながら、地球の「旨味」を増幅させていった。
これによってトリコ世界の地球は現実の地球と比べ数十倍も巨大化し、グルメ界などの未知の世界も発生するに至った。
また、この過程で生物にも取り込まれ、地球の生態系を激変させていった。
これが野生動物がグルメ細胞を持つ原因であり、おそらくグルメクラゲもこうした生物の一種。

【グルメ細胞の悪魔】

強大なグルメ細胞には、意思を持つエネルギー生命体、即ち食欲の悪魔が宿っていることがある。
「食欲エネルギーそのもの」と称されることもある。

全てのグルメ細胞に宿っているわけではなく、ごく一部の強大なグルメ細胞保持者だけが有する。
例えば作中最上位の実力者の一人である次郎?は「グルメ細胞の悪魔」は有していない。
トリコが序盤から「威嚇」を使う時に相手に見せていた鬼みたいな映像の正体がコレ。
他のグルメ細胞保有者も戦闘時にスタンドの如く「グルメ細胞の悪魔」の姿が浮かび上がる。

悪魔と言われるだけあって強大なパワー、旺盛な食欲、ついでに不気味な容姿を持ち、それ故に「デビル」「オーガ」「サタン」「トロル」といったいかにもな名前で呼ばれることもある。
そして、あのニトロ?もグルメ細胞の悪魔の一種
「ニトロ」の名は「足歩行のトロル種」を意味する(諸説あり)。

その正体はグルメ細胞の食欲エネルギーが具現化した存在であり、グルメ細胞を持つ人間は彼らの乗り物に過ぎない。
宿主が死ねば食霊となって復活の時を待ち、隔世的に何度も蘇り、永遠に美食を求め続ける。

「グルメ細胞の悪魔」はとても利己的なので一人に複数体宿ることは本来できないのだが、稀に二体の悪魔を共存させている者もいる。

センター以外のアカシアのフルコース?を食べることで対応する悪魔の部位が復活し、その部分は宿主の制御下に置かれる。
センターも含めたアカシアのフルコースすべてを食べると悪魔が宿主の体から抜け出て宿主を食ってしまうのだが、悪魔と絆を結んでいると逆に悪魔が自らを宿主に食わせ、宿主が強大な力を得ることもある。
そのカギは人生のフルコースにある。

作中に登場したグルメ細胞の悪魔

  • オーガー
    トリコに宿る悪魔その1、名前判明前は赤鬼と呼ばれていた。
    嗅覚に優れ食べることに特化しているが、個の実力は史上No.1ともいわれている。
  • 青鬼
    トリコに宿る悪魔その2、名前は不明。
    表に出ている間は八王とも渡り合う実力を発揮できるが、トリコでも数分間しか表に出せない。
  • 白鬼
    トリコに宿る悪魔その3、こちらも名前不明。
    存在が判明した時点ですでにアカシアのフルコースを6つ食していたトリコでもこの悪魔が一瞬でも飛び出たら体がもたないとされ、アカシアのフルコースを全て食べてやっと一瞬だけなら出せるという程エネルギー消費が激しいが、その分圧倒的な戦闘力を持つ。
    食べ過ぎを諫めたりトリコが欠かさない「ごちそうさまでした」という“言葉”が好きだったりと、食欲の化身であり多かれ少なかれ「食べ物」への執着を示す悪魔としては変わった性格。
  • ポイズンデビル
    ココに宿る悪魔。
    様々な毒を操り、かつては中毒性の毒で無数の生物を従え巨大な惑星を支配していた。
  • ヘアモンスター
    サニーに宿る悪魔。
    髪の毛の化け物のような姿で、あらゆるものを飲み込み、吐き出す。
    かつては飲み込んだ惑星を下僕とし銀河を支配していた。
  • ボイスデーモン
    ゼブラに宿る悪魔。
    圧倒的な腕力と凄まじい音で数々の星を滅ぼしてきた。
  • ドン・スライム
    一龍に宿る悪魔。
    様々な災害を発生させる能力を持ち、かつては全宇宙を支配していた。
  • ネオ
    アカシアに宿る悪魔、本作のラスボス。
    ありとあらゆるものを食らい、食われたものは質量保存の法則を無視して消滅する。








追記・修正はグルメ細胞を移植してからお願いします。


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*1 一応グルメカジノにて「自然界では人間も食材」という発言があった。