登録日:2014-04-19 (土) 17:46:20
更新日:2024-03-22 (金) 17:44:49
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コンクリートとは、人工的に作られる石材の一つ。
某映画と事件についてはノータッチということで……。
概要
コンクリート(混凝土、英語: Concrete)は『砂』『砂利』『水』などの骨材をセメントで凝固させた人造石である。
セメントで結合させたものを「セメントコンクリート」と呼び、アスファルトで結合させたものを「アスファルトコンクリート」と呼ぶ。
砂利を入れないセメントペーストに水と砂だけを入れるものは「モルタル」と言ってコンクリートとは別物である。
建築資材として一般にコンクリートと呼ばれるものはセメントコンクリートの方。
強度と価格の面や施工の安易さから一般に最も広範に使用されている建築資材の一つであり、
高層ビルなどの建築物、道路、ダム、高架橋、トンネル、港湾設備と用途は非常に幅広い。
特筆すべきはその耐久性と低コスト。
日本の旧建築基準で建築された壁厚0.31メートル程度の建造物の寿命は普通50-60年程度であり、
近年、高度経済成長期に大量に建設された構造物の維持・管理が日本の大きな課題となっているものの、
コンクリート構造物の供用年数は品質や壁の厚さに比例しており、ヨーロッパ中世及び近世時代の城壁、
また太平洋戦争?時の配筋も無い壁の厚さ2メートルを越える建築物は未だ現役である。
近年は九州南部に分布するシラス(火砕流堆積物)を骨材に利用する、より耐久性の高いコンクリートも開発されている。
コロッセオなどに使用された古代ローマのコンクリート『ローマン・コンクリート』はあまりの堅牢さから半ばオーパーツ?あるいはロストテクノロジーと見なされているというが、
工期やコストを度外視すれば500年以上の耐久性を持つコンクリートは現代でも理論上製造は可能である。
逆にいうと、現代建築のように大規模に使用するには、ローマンコンクリートはとっても扱いづらい。
建築方法も現代の様に骨材の砂利諸共液体として流し込む方法ではなく、型枠にそれぞれ投入、徐々に打設、積み上げと手間暇掛かりまくる。
幸い素材は希少とまではいかないものの、現代国家が億㎡単位で使うには少な過ぎる。
その高コストと要求技術の高さ、建築難易度、そしてヨーロッパの中世暗黒期のテクノロジー停滞事情によって廃れてしまったと思われる。
ちなみにローマン・コンクリートが2千年以上も保っていられるのは今のコンクリートの材料であるポルトランドセメントではなく、
アルミニウム系バインダーを用いたジオポリマーを使用しているため(要は炭酸化が起こらない)。
低コストに関しては考えてみれば当然だろう。
なに原材料がセメントと砂利、水だけなのだから。(無論、超硬度など要求性能が高くなるにつれてコストが跳ね上がる)
そもそもセメントって?
セメントとは一般的には、水や液剤などにより水和や重合し硬化する粉体。
コンクリート……というかセメントは乾いて固まると勘違いしている人がいるかもしれないが、
単に乾燥したのではなく、あくまでも水と混ざることによっておこる水和反応、水硬性という性質によって固まるのだ。
ちなみにこの水和反応や水硬性は固定された状態になると発生する。コンクリートを運搬するコンクリートミキサー車が
円筒形の回転するタンクでコンクリートを運ぶのは普通の荷台トラックなどに積んで運ぶと動きが無くなって反応して固まってしまうからである。
コンクリートやモルタルが砂利や砂などを入れる理由についても触れていこう。
セメントは水和反応時に熱を生じるのだが、凝固する際のセメントはとても熱くなる一方、外気に触れている表面は温度が下がってしまい、
中身は熱くて膨張するのに、表面は冷えて収縮することによってヒビがはいってしまう。
それを防ぐ為に砂利や砂などの骨材を入れているのだ。
そしてその基本的な原料は『石灰石』。
つまりコンクリートは砂利と石灰石と水と空気さえあれば作れるものなのだ。
もっと簡単に言えばコンクリートの材料は地球上のどこでも手に入る、そこらへんにありふれた物質なのだ。
故にとても安価で1L=10円程度。つまり2トンくらい買っても3万円行くか行かないかというコスパの良さを誇る。
さらにコンクリートは基本的にはリサイクルが主流で、90%以上がリサイクルされている。廃材となったコンクリートは砕かれて、道路の路盤材などに利用される。
そして驚くことにコンクリートに必要なセメントは、その大部分がゴミから作られているのだ。
というか量的な意味でコンクリートの需要がないとゴミの処理がしきれないとか。
さらにさらにぃ、コンクリートの壁にかたつむり?が大量にひっついていたりするが、あれはコンクリートに殻の元となる塩分とカルシウムが入っているからだ。
つまり場合によっては、木造住宅やその他の素材よりもコンクリートには健康を害する化学物質が少ないと言えるのだ。
なんというエコロジーな素材コンクリート! これからも我々人類の支えとなってくれるであろう。
以下、茶番が嫌いな人はこちらへ
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(自S然) ゲホゲホ……
(自S然) 何とでも思えばいい……ゲホゲホ……俺は言い訳はしない。
(自S然)……ウガ? オレガヒキオコシタ? ククク ふははは
(自S然)土砂災害が起きたのはなぁ。 俺のせいじゃない。 人間たちのせいだ
(自S然) 証拠は……俺の体だ。急増する砂利の需要に……
コンクリート自体は比較的エコロジーな素材で、セメントに関しても需要と供給、さらには人間社会にも適合した素晴らしい素材といえよう。
だが、人間の持っていた需要は骨材に関してはそれをはるかに上回る物だった。
川床・ダム湖底などから採掘した骨材はかつて日本では最も使われていたが、乱掘等により採取が規制。
そして山から採掘される山砂、山砂利は砂が多い山を削って採掘したものなのだ。
コンクリートを作るために、ひいては都市部の開発のために、山は削られ土砂災害のおそれのある箇所は増え続けているのだ。
我々はこれらに関しても深く考えなければならないであろう。キラメク未来のために……
鉄筋コンクリート
鉄筋コンクリートとは鋼の棒を組み合わせた鉄筋を配したコンクリートである。
非常に頑丈で耐火性に優れ、圧縮力、引張力共に耐えられる点が特徴。
【鉄筋コンクリートができるまで】
しかし引張力に強いコンクリートはコストが……
一体どうしたら…………
なにジョジョ? コンクリートが引っ張る力には弱いのはどうすればいい? ジョジョ それは無理にコンクリートだけで頑張ろうとするからだよ __.. -―─ 、__ /` 三ミー ヘ、_ ゝ' ;; ,, , ,, ミミ , il ゙Z, _〉,.. ////, ,彡ffッィ彡从j彡 〉,ィiiif , ,, 'ノ川jノ川; :.`フ公)了 \.:.:.:i=珍/二''=く、 !ノ一ヾ゙;.;.;) く:.:.:.:lムjイ rfモテ〉゙} ijィtケ 1イ'´ 〕:.:.|,Y!:!、 ニ '、 ; |`ニ イj' 逆に考えるんだ {:.:.:j {: :} ` 、_{__} /ノ 〉イ 、゙! ,ィ__三ー、 j′ 「一人で頑張らなくてもいいさ」 ,{ \ ミ \ ゝ' ェェ' `' / -‐' \ \ ヽ\ 彡 イ-、 と考えるんだ \ \.ヽゝ‐‐‐升 ト、 ヽ、__ \ ヽ- 、.// j!:.} ` ー 、 ヽ\ 厶_r__ハ/!:.{ ´ / ! ヽ
こうして引っ張る力には弱いコンクリートと押す力には弱い鉄筋がコンビを組むことになったのだった。
【鉄筋コンクリートの概要】
鉄筋コンクリートの始まりはフランスの植木職人モニエが1867年にセメントで植木鉢を作る際、針金で補強したのが最初と言われている。
金属の鉄が持つ靱性と引張強度、コンクリートが持つ高い圧縮強度を併せ持った構造の一つ。
この二つの素材の性質は非常に合わせたうえで都合がよい。
加えて化学的に見ても鉄の酸化をアルカリ性のセメントが抑えてくれるので相性は良い。
他にも鉄とコンクリートの熱膨張率がほぼ等しいということも、この二つの材料を組み合わせることが可能な理由として挙げられる。
さらにはその構造も木材のセルロース、ヘミセルロース、リグニンの構造に近く、非常に頑丈である。
また、鉄筋コンクリートに鉄骨を埋め込んだ鉄骨鉄筋コンクリート
鉄骨鉄筋コンクリートの鉄骨を鋼管に置き換えた鋼管コンクリート
なども存在する。
ちなみにコンクリートの表面に髪の毛のような細かいひびが入っているものを「ヘアークラック」と言うが、
普通のコンクリートはともかく鉄筋コンクリートの場合、内部に鉄筋が入っているのでまったく問題ない。
それどころか、コンクリートの遊離石灰による治癒作用によって汚れや雨水などで、線は残るもののクラックは自然にふさがるのだ。
……天敵は多分、アフリカマイマイ?かもしれない。
コンクリート作成
ここまではコンクリートの性質や役割について解説してきたが、
最後にある意味で一番重要な『配合』と『締め固め』について説明しておこう。
まずは『配合』。
コンクリートを作るための砂利の配合はとても重要なのである。
大学(建築学部など)などの研究機関では「どのようなコンクリートが」「どんな状況で長保ちするのか」などが研究されており、
学生の場合は自分の実験用途にあった砂利を各自で好みにセメントに配合し、研究を重ねているのだ。
今日のコンクリ環境も彼らの努力、そしてコンクリが持つ奇跡の結晶と言えるだろう。
次に『締め固め』。
先述したようにコンクリートは最初、ペースト状の固形物であり、それが時間とともに水和反応によって固まる。
このペースト状のコンクリートを枠に注ぎ込む作業のことを「打ち込み」という。
この打ち込み作業は、量と速さを施工者と現場の状態によりバランスをとっていくことがとても大事。
その後「締め固め」と呼ばれる工程を固まるまでに充分に行わなくてはならない。
締め固めが充分に行われないと型枠・鉄筋の隅々までコンクリートを充填することができず、割れや劣化が発生しやすくなるのだ。
逆に技量の高い締め固めによってコンクリートと鉄筋は密着することによってコンクリート中の隙間が少なくなる。
強度や耐久性が増加するだけでなく、ひび割れの少ない高品質のコンクリートが得られるのだ。
こちらは完全に現場に依存しており、依頼人であれ現場の人であれ実力のある施工管理者に出会えるといいね~ということになる。
バカな、強化コンクリートを豆腐の様に砕いただと!?
たまに漫画などで壊される「強化コンクリート」なる物質についてだが実はあれは前述した鉄筋コンクリートのこと。
コンクリートのみでは不足する強度を鉄筋で補強した(Reinforced)コンクリートという意味で
普通にReinforced Concreteと書くと鉄筋で補強されたコンクリートを表す。
コンクリート自体が特殊な素材や製法を使っているとか通常のものより堅いということはない。
ただ、水分量を減らせば硬くなりはする。
軍事で爆弾の破壊力を示すために厚さ◯メートルの鉄筋コンクリートを破砕可能などと表現していたが
詳しくない人間がReinforced Concreteを強化コンクリートと誤訳(正確には既に定着した訳語があるのに別の訳)をしてしまい
それがさらに創作作品で超人や兵器の破壊対象に使われてしまったが
あれは普通に建築等に使われる鉄筋コンクリートである。それでも個人が砕くのはすごいけどね
軽量気泡コンクリート(ALC)
軽量気泡コンクリートとは、その名の通りたくさんの気泡を含んだコンクリートである。
鉄筋の売りが頑丈さなら、こちらは断熱性と軽さに優れる。
正式名称はオートクレーブ養生した軽量気泡コンクリート、通称ALCと言うのだが、長いのでオートクレーブ養生したことは省く。
これを板状にしたものがヘーベル板で、ヘーベルハウスとはこれを使った家のことである。
【軽量気泡コンクリートができるまで】
建物だ!寒冷地の雪の重さに耐えられる、レンガやコンクリートでできた家を建てるのだ!
暖炉おおおおおおおおお! き…きかぬ!
しかし気泡を入れて固めるのはとても手間がかかる、一体どうすれば………
カーズは最初… コンクリートやレンガのような密度の高い建材を使った!
だが、あくまでも鉱物!外の寒さに耐えきれず中の部屋はあっという間に冷え切ってしまった!
そこで!秘密は次に使った軽量気泡コンクリートにある!軽量気泡コンクリートは「あわ状」だったのだ!
「あわ状」ならば!野外と部屋の間に空気の層が出来、熱はシャットアウト!
しかも圧力釜のようなもの量産できるので、工場で次から次へと生産していけば、寒冷な山地へも輸送し建築が可能なのだ!
で、実際どのくらい断熱性があるの?
熱伝導率については、まずガラスを1とすると、普通のコンクリートはこの1.5倍、鉄筋コンクリートは8割~5割ほどしかない。
だが木材はガラスに比べて2割ほどしかなく、断熱性がかなり高いと言える。
では軽量気泡コンクリートはどのくらいか?
答えは「木材と同じくらい」である。これは凄い!
古来より木造建築が主流の日本であれば、十分に耐えられると言えるだろう。
日本は高温多湿で地震などの災害が多いだと!
フンッ!鉄筋コンクリートで建てッ!ヘーベル板で壁を覆えば!快適な家にできるわ!
ぎぃやぁぁぁぁぁぁ!
だ…だめか!な…夏を耐えれんッ!む…蒸し風呂になってしまう…冷暖房の効率も悪いッ!
ふ…冬も寒い す…住めんッ!
i'"彡─,
,.イ //ニ二、 _,.-,=-
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,.、い, T'" ノ,、 ヽ/彡}´ i|
,イ´ ミ r,.ノ-="ハi ,i_,.-"ヽ, ./!_ ,i
,i'"ノ ,r-、/.i、 i : ) ̄|! イir'"´, `'/`ヾ,//
r'" / ̄_ハ r-il, ! r、i,K ,.ο-,`‐_二|}
//i ̄r'" ミ|i、 .|\,.、_,./彡|!_,.il=-,i=、`ノ ̄`ヽ、
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// | .Y _,.-、y=ii -ィ Y /彡T=,、i|ミ i |i Y,i| _,iヽヽ
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なお、現在の日本でよく使われている断熱材の熱伝導率はガラスの20分の1以下である。
追記・修正お願いします。