ワンダースワン

Last-modified: 2024-03-19 (火) 00:34:05

登録日:2019/01/05 Sat 21:30:00
更新日:2024-03-19 (火) 00:34:05
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キュピーン(起動音)

みんな、本気になってくる。



ワンダースワンとは、1999年3月4日にバンダイより発売された携帯型ゲーム機である。
価格は4800円。

概要

当時は他社の携帯型ゲーム機がカラー化をトレンドとする中、価格とバッテリの持ちを優先してあえてのモノクロ液晶を採用した。
液晶サイズは2.49インチで224x144ドット、モノクロ8階調表示が可能なFSTN液晶である。
CPUはNECのV30MZ、3.072MHz。このCPUは80186互換であり、つまりx86マシンである。

「ワンダースワン」というネーミングは「白鳥は泳いでいる姿は優雅だが、水面下では激しく足を動かしている」という、製品情報は公開されないままに現場は必死になって開発を進めたという「スワンプロジェクト」から来ている。
なお、ロゴは白鳥座星雲からイメージしている。
販売はバンダイだが、企画開発は(株)コトが行っている。この会社は元任天堂社員の横井軍平氏が立ち上げた会社で、ゲームの開発などを行っている。

当時のバンダイ社長の山科誠は、自身が関わっていたAppleとの共同開発ハードである「ピピンアットマーク」への思い入れが強かった。
その思い入れが影響して、氏は「ワンダースワンはピピンアットマークの後継機」として位置づけを行った。
しかし、同社が関わっているという以外にゲーム機としての共通点やソフトの互換性がない(そもそも携帯機と据置機であるので根本的に違う)ので、周りからの反応は困惑が殆どだった。
強いて言うなら、どちらのハードもインターネット接続を可能とする機能を持っているため、通じる部分が完全にゼロというわけではない。

ワンダースワンの特徴といえば、横持ち / 縦持ちの一方向の使い方がそれまでの携帯型ゲーム機の一般的なスタイルであった中、横持ちも縦持ちもできるようにボタンを配置した事だろう。*1
これによってパズルゲームやリズムゲームでは画面を最大限に活かしてプレイができる。
中には本体を斜め持ちにして遊ぶゲームなんてのも。

変わったところではスピーカーに圧電スピーカーを採用しており、これによって通常のスピーカーより1/10という圧倒的な省電力になった。
一方で圧電スピーカーは音域が狭いという問題点もあったため、サウンド回路や共振の利用によって音質を改善させている。

バッテリも単3電池1本で30時間のプレイが可能。
これもモノクロ液晶に圧電スピーカーを採用するという徹底した省電力化の結果であった。

また、機器の内部情報にユーザーの名前や生年月日、血液型を入力する事も出来た。

ゲームボーイと共に横井氏の持論『枯れた技術の水平思考?』の代表例として挙げられる事も。

ワンダースワンカラー

その名の通り、ワンダースワンのカラーバージョン。
2000年12月9日に発売され、価格は定価6,800円(税別)。

大きさ、重さとも初代ワンダースワンとほとんど変わらないが、画面がやや大きくなり、横幅も若干伸びた。
カラー化した事でバッテリーの持ちは低下したものの燃費の良さは健在で、単3電池1本で20時間も動く。
ちなみにゲームボーイカラーも20時間連続稼働可能だが、単3電池は2本必要となる。

スワンクリスタル

ワンダースワンシリーズ最後の機種。
2002年7月12日に発売され、価格は定価7800円(税別)。

基本仕様はワンダースワンカラーと同一。
変更点として液晶画面がSTN液晶からTFT液晶へと変更された事で残像が軽減され、画面も明るくなったのが最大の特徴。
使えるソフトはワンダースワンカラーと同一でワンダースワン用ソフト(モノクロ表示)、ワンダースワンカラー用ソフトが遊べる、まさに集大成。
一方で稼働時間は15時間と更に落ちてしまったが、それでも単3電池1本なことは変わってない。

しかし当時同時期に発売されたゲームボーイアドバンスの勢いに押され、新しいカラーバリエーション2種を追加してほどなくバンダイは同機を受注生産扱いとし、そのまま市場は縮小してしまった。

主なソフト

スーパーロボット大戦COMPACT
スーパーロボット大戦COMPACT for WonderSwanColor
スーパーロボット大戦COMPACT2 地上激動篇/宇宙激震篇/銀河決戦篇*2
スーパーロボット大戦COMPACT3?
SDガンダム エモーショナルジャム
SDガンダム Gジェネレーション GATHER BEAT
SDガンダム Gジェネレーション GATHER BEAT2
SDガンダム Gジェネレーション モノアイガンダムズ
デジタルモンスター Ver.WonderSwan
デジタルモンスターカードゲーム Ver.WonderSwanColor
デジモンアドベンチャー アノードテイマー・カソードテイマー
デジモンアドベンチャー02 タッグテイマーズ?
デジモンアドベンチャー02 ディーワンテイマーズ
デジモンテイマーズ ブレイブテイマー
デジモンテイマーズ バトルスピリット/バトルスピリット1.5
バトルスピリット デジモンフロンティア
仙界伝?
仙界伝弐?
ファイナルファンタジーシリーズ
チョコボの不思議なダンジョン?
はたらくチョコボ
GUNPEY
リヴィエラ
アークザラッド 機神復活
ロックマン&フォルテ 未来からの挑戦者?
メダロット パーフェクトエディション?
ONE PIECE めざせ海賊王!
ONE PIECE 虹の島伝説
ONE PIECE グランドバトルSwan Colosseum
ONE PIECE トレジャーウォーズ
ONE PIECE トレジャーウォーズ2~バギーランドへようこそ~
ONE PIECE チョッパーの大冒険
シャーマンキング 未来への意志

余談

  • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で式波・アスカ・ラングレー?がプレイしていた携帯ゲーム機は特徴的な起動音からワンダースワンと推測されていたが、後に『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』にて確定。ちなみにプレイしていたのはパズルゲーム『グンペイ』である。何故かバーチャルボーイ?の如く赤と黒の表示液晶となっていたが
  • 仮面ライダーエグゼイド?』において宝生永夢?回想?に「子供時代に人気だったゲーム機」としてワンダースワンが登場し、大きな話題を呼んだ。
    劇中では「当時大人気で入手困難なゲーム」と説明されており、現代のちびっ子も知っているであろう任天堂ハードを差し置いて、敢えてのワンダースワンという渋いチョイスと大人気ゲームだったという紹介は、仮面ライダーのグッズもワンダースワンも両方共にバンダイから出ている事を知る視聴者からは非常に生暖かい目で見られる事となり、
    「『エグゼイド』の世界はワンダースワンがゲームボーイ、延いては任天堂との競争に勝った世界」というジョークも飛び交ったとか*3
    ちなみにこれが理由で「仮面ライダー図鑑」の用語の項目にもワンダースワンが記載されている。
  • 機動戦士ガンダムSEED?』では、クロト・ブエル?「グレートワンダースワンXXX」なる、ワンダースワンと非常に形のよく似た携帯ゲーム機(後継機種だろうか?)で横シューティングゲームをプレイするシーンが見られた。
    ひょっとしたら、こちらの世界でも上記の『エグゼイド』同様にワンダースワンが競争に勝利したのかもしれない。



追記・修正は起動後に音量ボタンを2連打してからお願いします。


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*1 後のニンテンドーDSやプレイステーション・ポータブルでも一部のソフトで本体を縦に持って遊ぶゲームが出てきている。
*2 後に参戦作品・キャラクターを追加し、シナリオを大幅に加筆・修正した『スーパーロボット大戦IMPACT』としてPS2に移植・リメイク。
*3 永夢の回想で、現実では2015年にリリースの『鉄拳7』大会が2010年頃に開催されていた事から、かの世界のゲーム開発史が現実と異なる可能性がある。