登録日:2012-09-22 (土) 08:25:07
更新日:2024-04-27 (土) 16:25:21
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Tag: フルメタル・パニック! 大貫さん 陣代高校 用務員 鯉 バーサーカー バーコードハゲ チェーンソー 青野武 短編最強候補の一人 フルメタ 大貫善治 善意のトレスパス サイコパス スパロボ あの竜馬がビビるレベルの最凶の男 フルメタ登場人物項目 キレると最強 新旧ハドラー
大貫善治とは、フルメタル・パニック!?の登場人物。
アニメ版のCVは青野武?。
主人公の相良宗介やそのライバル椿一成らが通う都立陣代高校?の用務員。
25年という長期間を同高校の用務員として過ごしている。
年齢こそ頭がバーコードハゲになり腹巻きをつける程に年老いているが作業で腕には筋肉がついており、性格は温厚。
短編5巻「善意のトレスパス」にて初登場。
一成?が果たし状を宗介に送るが、宗介は果たし状を読まずに爆破。
それを知らず一晩中屋上で待ち続けた一成は怒り、翌日登校してきた宗介をその場で血祭りにあげようと大動脈流究極奥義「臨死堆拳」を打ち込むが、一成は実はド近眼。しかも一晩屋上にいた為にダウン気味。
そのせいで目標が正確に認識出来なく、宗介と勘違いしてたまたま廊下を歩いていた大貫さんを攻撃、大貫さんはやたらカッコいい悲鳴をあげながら吹き飛ばされるのであった。
生徒会長の林水?の工作によりこの件は不問となったが、それでもなおいがみ合う二人を見て林水はある提案をする。
それは大貫さんは全治一週間の怪我で暫く動けない為、二人に用務員活動を代行してもらう事。
そして、どちらの方が優れていたかを大貫さんに選んでもらうというもの。
こうして二人は大貫さんがいる用務員室へと足を運び、暫く用務員の活動や大貫さんの世話を行うのであった。
最初はいきなり(怪我の確認の為に)服を脱がせにかかった二人にアッー!な方面の状況を予想して青ざめた大貫さんだったが、二人から住み込みで働くという事情を聞いて感動。
だが、早速調理器具や食材を取り合って喧嘩する二人を見て、顔をしかめるのであった。
そして翌日の夕方、大貫さんは校内を歩いて二人の作業ぶりを確認するのだが……
- タイルが一枚剥がれていた床が三畳分程の接着剤でガチガチに
- 塗装が少々落ちていただけの壁が迷彩模様に
- 花壇には大量の水が注ぎ込まれて底無し沼のように
- 5cmの穴が空いていただけの金網は有刺鉄線で補強、あまつさえ高圧電流が流れるように
その他も無惨な状態で、10年来可愛がっている池の鯉の様子を見に行く気すら起こらない程に疲弊し、用務員室へ戻るのであった……が、用務員室の中からちゃぶ台が吹っ飛んできて大貫さんは昏倒、相変わらずいがみ合っている二人であった。
大貫さんは怒鳴りつけたり文化包丁で宗介達を切りつけたい衝動に駆られたが、超人的な忍耐と努力をもってこらえた。
一応説教はするべきだという事で正座している二人に座る事を促して、宗介と一成の仲が悪い事を指摘する。
そしたら、先程若干の協力をしていたと告げる二人。
「きょうの夕食です」
「相良が食材を用意して、オレが調理した。うまいぜ。食うといい」
と言いながら、ちゃぶ台の上に魚の味噌煮を置く。
大貫さんは恐る恐る口にするが
「おお。う……うまい。これはなかなか……」
たちまち上機嫌になる大貫さんを見て二人も笑顔になる。
「なんだ。まともなこともできるんじゃないか。はっは……。ところで、この魚はなにかな? あまり知らない味だが――」
「鯉です」
大貫さんの頭の中に一筋の光が走る。
「校舎裏の池で獲ってきました」
「…………」
「デカかったな。やたらと暴れるから、殺すのに手間取ったよ」
「…………」
大貫さんは笑顔を凍りつかせたままゆらりと立ち上がり、部屋の押し入れを開けてニコニコしたまま語った。
「君たち。あの鯉はね……」
『あの鯉は?』
「あの鯉は、わたしが十五年の歳月をかけて、大切に、手塩にかけて育てあげてきた鯉なのだよ。ゆくゆくは農林水産大臣賞も夢ではない……そう思って可愛がってきた。そういう、とても大切な鯉だったのだ。ちなみに名前はカトリーヌという。有名なフランスの女優からとった名だ」
「ははあ……」
「それを『獲ってきた』? 『殺すのに手間取った』……だって? あまつさえ、このわたしにそれを食べさせたわけだ、君たちは」
「そうなりますな」
「うん、うん。おじさん、ようやくわかってしまったよ。君たちにあるのは悪意だけで、善意の類など決してない。きのうからの騒動も、すべてわたしに対する遠回しな嫌がらせだったのだ、とね」
「? 大貫さん、それは――」
ぶるるぉぉんっ! どっどっどっ……
大貫さんが押し入れから取り出した古ぼけたチェーンソーを始動させた音である。
「いとしいカトリーヌの無念を晴らさなければならない。気の毒だけど、死んでもらうヨ。相良くン、椿くン」
「待っ――」
「死ね[ダーイ]」
翌日、宗介のクラスメートである千鳥かなめ?が学校に登校してきたところ、学校はズタズタになっていた。
体育倉庫で憔悴しきっている二人と気絶している大貫さんを発見するが二人に聞いても事情は曖昧で
「一晩中、狂戦士化した用務員と……。生身の男相手に、ここまでてこずったのは初めてだ……。銃が……銃弾が効かないとは。信じられん」
「もうイヤだ……戦いはイヤだ。オレはもうゴメンだ。戦いたくない……」
と答えるばかりであった。
大貫さんも昨夜の事は一切覚えていないらしく、二人の勝負もそのままうやむやになってしまうのであった。
原作では省略された大貫さんと二人の戦いはアニメでは一部描かれており、それによると、
- 落下して燃える瓦礫の中、重力を無視して跳び跳ねる
- 空手家の椿の攻撃をものともしない
- 手榴弾を噛みきる
といった、作画も相まってカオスなスペックを見せた。
大貫さんのおかげで、この回は神回として一部で有名になった。
後に短編7巻「真夜中のレイダース」にて再登場。
かなめが二人を仲直りさせる為に鍋の席を設ける事を提案し四人で鍋をつつくのだが、宗介が一人で肉を粗方たいらげてしまった事から彼は一成とかなめの容赦ない暴行を受ける事になる。
大貫さんはかなめに二千円を渡して肉を買いに行かせるのだが、その頃高校の敷地内にかつて隠した盗んだ宝石を掘り返そうと二人組の元泥棒が入り込んでいた。
その現場を見てしまったかなめ、そしてかなめを探しにきた一成は倉庫にガムテープでぐるぐる巻きにされて放り込まれる事に。
かなめらを探しに来た宗介も二人組に出会うのだが、二人組の「卒業生がかつての物を探しに来た」という説明を真に受けた上、酔った大貫さんからの電話でかなめが帰還していると勘違い、二人組に協力する事になる。
その流れを遠くから見ていた一成はブチギレ、大導脈流・究極奥義「韻内貫閃」でガムテープをほどいて宗介に突撃するのであったが……
「こらっ!! そこでなにをしとるんだ!?」
酔いが醒めて皆を探しに来た大貫さんがいた。
夜中に騒ぎ立てる二人を叱る大貫さんだったが、説教は途中で止まる事に。
そして大貫さんの視線は、二人組と宗介が作業中に邪魔だと引っこ抜いた低木に注がれていた。
「そ……その木は……」
四人『この貧相な木が、なにか?』
「君たち。その木はね……」
四人『この木は?』
「二年半ほど前、都知事から贈られ、盛大な式典を経て植林された桜の木なのだよ。以来、わたしは誠心誠意を込めて、その木の世話をしてきたつもりだ」
四人『そうですか……』
「ゆくゆくは、天をも突くような巨木に育ち、美しい花々を咲かせる日が来るだろう、と思っていた。ちなみに名前はグレースという。有名なアメリカの女優からとったものだ」
四人『はあ……』
「わかったかね? わたしの話を理解してもらえたかね?……では、すこしここで待っていてくれたまえ」
その後大貫さんは倉庫へ向かい、未だ縛られっぱなしのかなめを無視して奥からチェーンソーを引っ張り出した。
「グレースの無念を晴らさねばならない」
ぶるるおんっ!! どっどっど……
「皆殺しだ[キルゼムオール]」
宗介の武装と一成の超・究極奥義「心浮漸」により大貫さんは沈黙。
二人は強大な敵を相手に共闘し、辛くも生き残った者同士としてすがすがしい空気がその場を吹き抜けるのであった。
ちなみに泥棒達は途中で逃げましたが、それ相応の罰を受けました。
こちらはアニメ化されていないが、アニメ版では二期最終話「五時間目のホット・スポット」にて一瞬だけ登場。
服を破壊するバクテリアが学校中に広まった際に、下着姿で何故か暴走してチェーンソーを振り回していた。
その図は直前の佐伯の全裸が頭から吹き飛ぶ程のインパクトを持つ。
そして『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇?』にフルメタが参戦したことにより、満を持して登場(過去のフルメタ参戦スパロボでは未登場だった)。
あのチェンゲ竜馬?がビビるレベルの暴れっぷりを見せつけてくれたのだった。
「いとしい項目の無念を晴らさなければならない。気の毒だけど、編集してもらうヨ。相良くン、椿くン」