新カリフォルニア共和国(Falloutシリーズ)

Last-modified: 2024-05-24 (金) 01:29:18

登録日:2011-10-31 (月) 22:49:10
更新日:2024-05-24 (金) 01:29:18
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新カリフォルニア共和国(New California Republic、以下NCR)はFallout:NewVegasに登場する勢力のひとつ。

実はこの勢力、NVの勢力ではシーザーリージョンやストリップ地区と違いFallout1?からその名が登場する、かなり歴史の長い組織だったりする。

良くも悪くもアメリカの後継国家でありその多くの遺産を受け継いでいる勢力である。

首都は同名のNCRという都市であり、領土には経済活動の中心地ザ・ハブ、BoSの司令部であるロスト・ヒルズ・バンカーも存在するマクソンなど、計5つの州が存在する。

NV現在も領土は拡大を続けており、モハビ・ウェイストランドとバハに対して同時作戦を展開しNCR軍の大部隊を各戦線に展開している。

そのため敵も多く、分かっているだけでも、

と抗争を繰り返しているが、その物量によってほぼすべての勢力を圧倒・拮抗に持ち込んでいる。

[概要]

アメリカ南西部を領有する、旧世界の立法や民主主義、人民主権の復活を掲げる国家、人口は約70万人

70万人以上の人口、アメリカ南西部全域という広大な領土、豊富な人的・物的資源、訓練された膨大な数の常備軍とウェストランドでの他の部族程度の力しかない勢力と違い、まさに国家レベルの力を持つ巨大勢力であり、将来ウェイストランドの覇権を握るであろう最有力勢力でもある。

その国力により政治的影響力、経済力、軍事力は他を圧倒しており、これに勝る勢力は現在ウェイストランドでは確認されていない。

また国力だけでなく、その民主的な政治制度や政策を施行するなどウェストランドに住む民衆のための統治を真剣におこなっており、どこぞのハイテク兵器マニアのヒッキ―集団?虐殺マニアのサディスティックナルシスト集団?と違い真にアメリカの後継国家といえる組織である。
基本的に来る者は拒まず、グールでもスーパーミュータント?でも能力があればそれに見合う要職につけて有効活用する*1など、柔軟で合理的な施政を行っている。
その施政はスーパーミュータントをして「大抵はよい行いをする」と言わしめ、多くの住民に好感をもたれている。

しかし一方で、有力者による議員に対する賄賂や買収、選挙運動のための政権運営や強引な領土拡大に対する反発などの民主主義国家特有の問題も抱えており、
そのような姿勢に対しての反発敵対する勢力も多い。*2

技術水準では戦前のレベルを維持しているBoSやエンクレイヴに一歩劣るものの、アポカリプスの使徒?という知識集団や元BoS、元エンクレイヴのメンバーが在籍し、
ベルチバードをなんなく運用できるなど標準以上の技術力は持っており、民生・軍事問わず新技術に対する研究も盛んに行われている。

独自の通貨であるNCRドルという紙幣を発行している。
元々は金本位制であったが、BoSに金鉱床を破壊されてしまった結果、価値が暴落、そのためBoSに対するNCRの恨みは深い。
現在もNCRドルは流通しているが水本位制(!)となっており、相変わらず価値は低いままである。BoSェ…

[歴史]

[建国前史(Vault15~シェイディ・サンズ)]

NCRの起源はアメリカ南西部に誕生したシェイディ・サンズという村から始まっており、さらに遡ればここの住民は元々はVault15の出身者であった。

このVaultでは異なる思想、信条を持つ様々な人間を同じ場所に50年間隔離するという実験が行われていた。
結果、住民たちは4つの勢力に分裂、2141年にVault15が開かれた際には内3つが出ていき、それぞれカーンズ、ジャッカルズ、バイパーズというレイダーとなる。
残る一つはVaultに残ったものの、かつての同胞たちからの襲撃を受け、翌年にはVaultに備えられていたG.E.C.K.を使用し、農耕とバラモンの牧畜を主産業とするコミュニティ、シェイディ・サンズを設立することになる。

2161年、Vault13からウォーターチップを探しに「Vaultの住人」が来訪、
村民とバラモンを襲うラッドスコルピオン、村長アラデシュの娘タンディを攫ったカーンズを殲滅する。
その功績を称えてVaultの住人の像を建てたシェイディ・サンズは、産業を脅かす存在がいなくなったことで大きく発展する。

[NCR建国~Fallout2]

2186年、シェイディ・サンズはアラデシュをリーダーとしてカリフォルニア南部に住むスカベンジャーやキャラバン、他の街々と共に自由、法治と民主主義という旧世界の価値観の復活を掲げ、新カリフォルニア共和国を建国する。
初代大統領にはアラデシュが就任し、10年後に彼がVault13を探す旅に出て失踪した後は娘のタンディが後を引き継ぎ、NCRはその勢力を急速に拡大する。
彼女の13期52年という専制君主も真っ青の長期政権*3下で、Fallout1の時点で数十人だった人口はFallout2で3000人となった。

2241年、アロヨ村を救うG.E.C.K.を探す旅に出た「選ばれし者」が来訪、
彼の助けでVault15の不法占拠者を唆していたニュー・カーンズを排除し、Vault15に遺された技術を回収したことで、NCRは更なる発展を遂げる。

[Fallout2後~Fallout:NewVegas]

国力が充実したNCRは、ナヴァロ前哨基地に残ったエンクレイヴ残党やBoSとの戦争に勝利し、名実ともにウェイストランド最大、最強の勢力「国家」へと成長。
人口もFallout:NewVegasの時点で70万人へと拡大している。

しかし、2248年にタンディ大統領が死去したあたりからその急速な拡大に対して国力が追いつかなくなり始め、
また超長期政権の反動からか国力の充実に伴い誕生したバラモン長者やキャラバンなどの大商人たちによるロビー活動や議員に他する買収工作などの問題が深刻化し、生まれたばかりの民主主義は変質していくこととなる。

現大統領はアーロン・キンバル、彼はモハビ・ウェイストランドとフーバーダムの完全制圧を目的としてモハビ作戦を開始、NCR軍とレンジャーをモハビに派遣しシーザーリージョンと対立している。
しかし7年に及ぶリージョンとの戦争による人的、物的消耗ニューべガスのカジノでの莫大なキャップの消費により財政的にも悪化の一途を続けておりモハビに作戦が失敗した場合、辞任は確実であり大きな苦境に立たされているといえる。

[領土]

前述の通り、NCRはカリフォルニア南部のコミュニティが結託した国家であり、5つの州で構成されている。

  • NCR首都
    かつてのシェイディ・サンズ。
    Fallout2時点で既にアスファルトが敷かれた道路が整備されており、同作の中では随一の発展具合を見せる。
    政教分離を原則としている為に国教は存在しないものの、議事堂前にはVaultの住人の銅像が建っている。
  • ハブ
    ザ・ハブ。
    建国以前からカリフォルニア南部最大の商業都市であり、Fallout:NewVegasにも登場したクリムゾン・キャラバンの本社がある。
    Fallout3?に登場したハロルドは頭に植物「ボブ」が生える前、ここに住んでいた。
  • ロサンゼルス
    ボーンヤード。名前の由来は核戦争で焼け残った建物の骨組みから。
    アポカリプスの使徒の総本部、及びNCRに武器を卸しているガンランナーの本社がある。
  • マクソン
    BoSの総本部、ロスト・ヒルズ・バンカー。トップはもちろんハイエルダー。
    元々ザ・ハブの商人たちとは食料と武器をやり取りしており、世間とは完全に隔絶した組織ではなかった。
    NCRとBoSの戦争後の状況は不明。そもそもどうやってこいつら加入させたんだアラデシュ。
  • デイグロー
    ボーンヤードの南東に位置し、多くのグールが住んでいるというコミュニティ。Fallout1では唯一未登場。
    該当地域には核爆弾が直撃したことで高濃度の放射線が残っているウエストテック研究所があることから、その周辺に存在していると思われる。

    NCRは現在、ニューベガスを第6の州にするべくモハビ・ウェイストランドの表と裏で活動している。
    また、公式に州としては認められてはいないものの、NCRに属するコミュニティも数多く存在する。

[軍事力]

Fallout:NewVegasでモハビ各地に軍事拠点を設営しているが、あれでもあくまで一方面軍であり全軍ではない。
その最大の特徴は何と言ってもアメリカ譲りの圧倒的な数であり、BoSとの戦争におけるモハビ戦線では戦前の主力戦車級の戦闘力を持つパワーアーマー相手に肉の壁こと無尽蔵に兵士(肉の壁)を投入する物量作戦で勝利している。*4

とはいえ、戦線が拡大しすぎたことで既に攻勢限界点を超えてしまっており、その結果補給は滞り、兵士の士気は低下してしまっている。

  • NCRレンジャー
    過酷な訓練を積んだエリート兵で構成されるNCRの特殊部隊。元々は国内外で続く奴隷制を廃止させるために設立された。
    Fallout2では、完全武装で首都周囲をパトロールし奴隷商人を発見次第攻撃している。この頃には既にレンジャーに所属するスーパーミュータントが確認されている。
    Fallout:NewVegasにおいては、本編の数年前にあった第一次フーバーダム戦争に動員され、それまで幾多の戦場で勝利し続けていたシーザーリージョンに初の黒星を付けた。カウボーイを彷彿とさせる帽子が特徴的な装備をしており、放射能汚染が激しい場所にはグールのレンジャーが配属されている。
  • NCRベテランレンジャー
    NCRの誇る最精鋭部隊。通常のレンジャーとは違い、ガスマスクを着けアーマーの上にトレンチコートを纏っており、パワーアーマーを差し置いてFallout:NewVegasのパッケージを飾っている。
    元々はNCRとは別に核戦争後も独自に治安維持活動を行っていたデザートレンジャーという組織だったが、東で勢いを増し続けるシーザーリージョンを抑えきれないと判断、NCRとのレンジャー統一条約によってNCRに合流した経緯を持つ。
    ただ、NCRに取り込まれてからはその強さ故に各地の戦線に引っ張りだこだったようで、モハビの一般兵には「釘を食べて口からナパームを吐くらしい」と噂されていたり、彼らが撤退したことで抑え付けられていた凶悪な部族が幅を利かせるようになったりしてしまっている。
  • NCR重火器兵
    BoSとの戦争で鹵獲したパワーアーマーと重火器を装備した部隊。
    ……なのだがNCRの技術力ではパワーアーマーのサーボモーターを修復出来なかった為、背部のジョイントサーボを取り外し代わりに酸素タンクを着けており全くの無動力であり動力は人力すなわち人力でパワーアーマーを運用している罰ゲームか何か?、また巷では人力パワーアーマーとも呼ばれている。
    BoSモハビ支部と和解した上で第二次フーバーダム戦争をNCRの勝利で終わらせた場合、これらのパワーアーマーはBoSに返還されたことが語られる為、恐らく解隊されたと思われる。


NCR軍の真の強みとはこのような人的資源の柔軟かつ有効な活用ができる制度にあるのかもしれない。
さらに劇中には登場していないが設定上ではNCR本国には機甲部隊、機械化歩兵部隊、さらにベルチバード運用部隊も存在し、恐らく唯一現代戦を行うことのできる軍事組織である。

まさに総合力において最強の軍隊であり、この意味でもアメリカ軍の後継組織といえるかもしれない。




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*1 NCR最精鋭部隊であるNCRレンジャーにスーパーミュータントやグールの隊員が在籍している
*2 NVで対立しているシーザーリージョンも、このような反発から誕生した組織
*3 軍事独裁政権ではなく、あくまで議会の満場一致の支持の元
*4 後にこの際のNCRとBoSのキルレシオは1:15と計測された