未確認飛行物体(UFO)

Last-modified: 2024-04-24 (水) 23:04:07

登録日:2016-02-07 (日) 13:06:42
更新日:2024-04-24 (水) 23:04:07
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Tag: 異星人 空飛ぶ円盤 都市伝説 オカルト 未知との遭遇機 UFO 未確認飛行物体 宇宙人 宇宙 ミステリー マガドン ピンク・レディー カップ焼きそば お笑いマンガ道場



未確認飛行物体(UFO)とは、世界各地で目撃される空中の発光体・もしくは飛行物体の総称。「UFO」は「Unidentified Flying Object」の略称である。
物質的な存在とは限らないとする立場からはUFO現象とも呼ばれている。
大衆文化への影響も極めて大きく、ドラマ、映画、小説、漫画、アニメ、特撮作品等でUFOを題材とするものは数多く存在する。
本来はアメリカ軍が使う航空・軍事用語であり、「所属が不明な飛行物体」を指す言葉だが、一般人には前述した謎の飛行物体を指す意味合いで使われることが多い。

概要

UFOらしきものの目撃例は、古くは聖書にも書かれているとも指摘されている。
中世ヨーロッパでは「空飛ぶ帆船」が、19世紀末や20世紀初頭には各地で「幽霊飛行船」や「幽霊ロケット」が目撃されており、空中の奇妙な物体の目撃の歴史は古い。
また目撃されるものが、その時代に一般的であったものや、ロケット研究の黎明期に幽霊ロケットが目撃されるなど、
その時代に話題になっていたものの形をとって現われることには注目したい。

「UFO」という言葉が普及したのは、1947年6月24日(現在は国際UFOの日に指定)に発生したケネス・アーノルド事件においてである。
この日、実業家のケネス・アーノルドが自家用飛行機で飛行中に奇妙な飛行物体を目撃。
これが全米に報道されて一大UFOブームを生んだ。

この時アーノルドが目撃した物体の正体は、他の飛行機かペリカンなどの鳥ではなかったかとも言われている。
なお、UFOの代名詞ともいえる空飛ぶ円盤という言葉を生んだのもこの事件である。
アーノルドを取材した記者がその記事の中で使った言葉だが、実はこの時アーノルド氏は

「その物体は円盤の形をしていた」

とは、一言も言っていない
彼は、

「その物体は、まるで川に皿(英語では円盤と同じソーサー)を浮かべた時のような動きをしていた」

と、ただ動きについて皿に例えて言っただけなのである。
実際にアーノルドが目撃したUFOは、氏の目撃情報に基づく画を見る限り、マンボウ?ブーメラン?の中間のような独特の形状をしている。



にも関わらず、この後「空飛ぶ円盤」という言葉が独り歩きしていき、本当に円盤型のUFOの目撃が多発することになる。
中世からの形状の変化も含めて、この辺がUFOにおける真の謎と言えるだろう。



また、UFOと言えば「アダムスキー型UFO」と連想する人も多いかもしれない。
これは異星人に知り合いがいることで有名なジョージ・アダムスキーやその支持者らが撮影した写真や動画が根拠になっているのだが、
現在は研究者の間でもアダムスキーの証言は信憑性が低いとみなされており、写真や動画もすべてトリックだと指摘されている。
それどころか、アダムスキー型円盤の元ネタが掲載された論文まで特定されている。

このため、UFO自体の存在は認めるがアダムスキー型円盤の実在は認めないという研究者もいる。


その正体についての諸説

実際のところ、目撃されるUFOの90パーセント以上は既知の物体や現象(飛行機、星、雷など)の誤認であるとされている。
しかし、それでもなお正体不明の目撃例が残るのも事実である。

なお勘違いされやすいが、UFOとは正体が確認できていない飛行物体全般を指す用語であり、
例え正体が既知の物体だったとしてもそれがわからないうちはれっきとしたUFOである。

またUFOを研究している人が全員エイリアン・クラフト説を支持しているわけではないのは下記のとおりである。

「レンズの汚れ」や「カメラ内部での光の乱反射」など、そもそも「物体」ではないと確定するケースも多いため、
最近ではマニアの間ではUAP(「未確認航空現象」を意味する「Unidentified Aerial Phenomenon」の略)とも呼ばれる。

エイリアン・クラフト(異星人?の乗り物)説

最も有名な説であり、むしろ未確認飛行物体=エイリアン・クラフトだと認識している人も多いだろう。
マニアの間ではETH(地球外生命体仮説を意味するExtraterrestrial Hypothesisの略)とも呼ばれる。
多くの研究者やマニアに支持されている説ではあるが、未だに誰もが納得するような物証は出ていない。

いわゆる「エイリアン・アブダクション」(異星人による誘拐事件)の被害者の証言が証拠になるのではと思う人もいるかもしれないが、
エイリアン・アブダクションの記憶は催眠療法下で作られた偽記憶である可能性が高いとされている。

また天文学者のカール・セーガンは、未解明のUFOの全てがエイリアン・クラフトだとしたらあまりに数が多すぎるという反論をしている。
地球はそれほど異星人から見て魅力的な星なのか、というわけだ。
なによりこの説では、時代によるUFOの形状の変化が説明できない。
また、後述のジル神父事件やパンケーキ事件のように、「異星人の仕業」と仮定しても謎が残る事件も多い。

この説を取り入れた主な作品:未知との遭遇、ドラえもん、ケロロ軍曹、ウルトラシリーズなど多数。

地底人説

実は地球の内部は空洞になっており、そこに住んでいる地底人がUFOを飛ばしているという説。
実はUFO研究の黎明期からある由緒正しい説である。
流石に今ではこんな話を信じる人はいない……と思いきや、今でもしっかり現役の説である。

この説を取り入れた主な作品:仮面ライダーSPIRITS?(単に地下に潜伏していただけだが)

海底人説

上の地底人を海底人に変えただけの説。
フィクションの世界ではわりと取り入れられることが多い。

某国の秘密兵器説

これも初期からある有名な説。
そもそもケネス・アーノルド事件当初は、UFOの正体は「ソ連の秘密兵器」という説が広く信じられていた。
何しろ当時は冷戦中である。
また、南極に逃げたナチスの残党が飛ばしているという凄い説もあった。
また、アメリカ軍の研究施設であるエリア51の近辺でUFOの目撃例が多いことなども、この説を後押ししている。

この説を取り入れた主な作品:イリヤの空、UFOの夏?(宇宙人の円盤と闘うためにこちらもその技術を取り入れた宇宙戦闘機を作り上げたという設定)

タイムマシン説

未来からやってきたタイムマシンがその正体だという説。
度々出現しながら搭乗者が我々と接触しようとしないのはタイムパラドックスの発生を恐れているからだ、と説明される。
が、だったらわざわざ夜中に光を発しながら飛んだりするなとも言いたくなる(これはエイリアン・クラフト説などにも言えることである)。
一応、タイムトラベルの原理的に発光せざるをえないパターンもあるのかもしれないが……。

また、
「ある歴史上の人物(キリスト、ノストラダムスetc)が誕生した時にUFOが出現したという記録がある」
→「それはタイムマシンで、誕生した人物は実は未来人だったのだ」
→「だから予言をしたり、社会的に成功することができたのだ」
という派生説もある。

この説を取り入れた主な作品:鉄腕アトム?(タイムパイロットの巻。他も宇宙人の円盤は何十回と登場している)



以上のような、UFOの正体を何らかの航空機械だとする説を総称して「ナットとボルト説」とも呼ぶ。


心理投影説

UFOとは人間の想像力が実体化したものだという説。
ユング心理学の影響も受けた壮大な説である。
一般的にはマイナーだが、ディープなオカルトマニアの間では結構この説を支持する人が多い。
この説には時代によってUFOの形状が変わることを説明できるという利点がある。
が、もちろんこのような現象の実在は証明されていない。

この説を取り入れた主な作品:妖魔夜行シリーズ

プラズマ説

大槻義彦教授が提唱した説。プラズマ現象がその正体だという。UFOを完全に物理学的な現象で説明しようという説だといえる。
しかし一部の事件ならともかく、すべての目撃例をプラズマで説明するのは無理があるとも言われる。

未確認生物説?

UFOはそれ自体が未知の生物だという説。「クリッター」という仮称も付けられている。
どう見ても人間にしか見えない謎のUFO「フライング・ヒューマノイド」なども存在する。

この説を取り入れた主な作品:ウルトラマンレオ?、ウルトラマンG、NOPE/ノープ?



一方、自然界や人間の心理には一般的に知られていない驚くべき現象が多数存在する。
UFO目撃事件の一部はこれらが原因ではないかとも言われている。

UFOと誤認される可能性があるとされる現象

飛行船効果

流星が大気圏に突入して燃え尽きるとき、条件によっては実際よりも遥かに近くを飛ぶ乗り物のように見えるという現象。
物理現象と心理現象が合わさった特異な効果である。
場合によっては乗り物の窓や乗員の人影まで見える場合もあるとされる。

1948年7月24日に起きたイースタン航空機事件の正体はこれではないかと言われている。

レーダー・ゴースト

特に昔のレーダーは、大気に気温の逆転層がある場合などに誤作動を起こし、実際には存在しない物体を感知してしまう場合があった。
1952年7月に起きたワシントン襲撃事件など、レーダーには映ったが肉眼で確認されなかったUFOの正体はこれである可能性がある。
なお、ワシントン襲撃事件には写真もあるが、これはトリックの可能性が高いとされている。
また、軍事分野においてレーダーを撹乱し探知を混乱させることは電子戦(ECM)の一部として重視され、研究・実用化されており、軍事演習などが行われている場合、民間のレーダーにも影響が出る。開洋丸事件はその可能性があると言われる。
しかし、電子戦は軍事技術の中でも特に機密性が高い分野のため、一般人が詳細を知ることは難しい。


主なUFO事件

ロズウェル事件

1947年7月(つまりケネス・アーノルド事件の直後)に起きた、おそらく最も有名なUFO事件。
ニューメキシコ州の砂漠にUFOが落ちたとか、異星人の死体が回収されたとかいう話は誰もが一度は聞いたことがあるだろう。

実際には、そもそもこの事件はアメリカ陸軍自らが「墜落したUFOを回収しました!!」と発表したことに始まる。
(この時期はまだUFO=エイリアン・クラフトという意味は無かったことに注意。
真珠湾攻撃にやってきた日本の攻撃機すら、「UFO接近中」とか言われていたのだ。*1
しかしその後、陸軍からは「ごめん、回収したのただの気球だったかも……」という発表が出た。

これでこの一件はただの笑い話として完全に忘れ去られる。
異星人の死体がどうとかいった話が出てきたのはずっと後の1970年代になってからである。
しかし証言者たちの話は矛盾だらけだったり、インタビューによってコロコロ内容が変わったりしたため、
UFO研究者からもあまり信憑性があるとは見なされていないのが実情である。

ちなみに、この事件でUFOが落ちたとされる場所はロズウェルではない

マンテル大尉事件

ケネス・アーノルド事件の7か月後に発生。
アメリカ・ケンタッキー州の空軍基地がUFOを発見して空軍機4機に追跡を命じた。
この内燃料に余裕のあったマンテル大尉搭乗の空軍機1機が最後まで追跡していた。
ところがマンテル大尉の搭乗機は消息を絶ってしまう。後に残骸が見つかり、マンテル大尉も遺体で発見された。

空軍の発表した墜落原因は「UFOを追って高高度に行き過ぎたためマンテル大尉が酸欠に陥った」というものであったが、UFOの正体については「金星をUFOと間違えた」という発表をした。
基地からも他のパイロットからも見られていた上に事件は昼間だったこともあって金星誤認説に納得する者は少なく、逆に「UFOと交戦して撃墜されたのでは?」という憶測を呼んでしまった。

事件から1年後の発表では海軍の秘密実験で飛ばしていた観測気球の誤認であったとされる。
海軍の秘密実験が空軍に伝わっていなかったため、UFOとして扱われてしまったらしい。

ジル神父事件

1959年(57年、58年説もある)6月に起きた、長期間にわたる集団目撃事件。発生地の名前からパプアニューギニア事件とも呼ぶ。
パプアニューギニアの現地の人と、ジル神父ら宣教師たちが数日間、複数回にわたってUFOを目撃した。
ジル神父は何を思ったのか、UFOの搭乗員に手を振ってみたら振り返してくれたという。

パプアニューギニアというUFOへの先入観が少なそうな場所で起きたこと、
目撃者が神父といった社会的に信頼性が高い身分であること、目撃者の数が多いことなどから、研究者の間では非常に信憑性が高いとされている事件である。
が、UFOに乗っていたのが本星からの密命を帯びていたであろう異星人だったにしては、行動がおかしすぎて腑に落ちない事件である。

ソコロ事件

1964年4月に起きた事件。
「着陸したUFOとその搭乗員らしき者を見た」という珍しい事件で、
この事件も目撃者が警察官であり、事件後一度も証言内容を変えていないことなどから信憑性が高いとされる。
この事件のUFOの特徴は、短時間で形状が大きく変化したこと。
この特徴から、UFOの正体は熱気球だったのではないかとも言われている。

しかし、だとしたら「いやー実はうちの熱気球でして」と搭乗者が名乗り出てこないのが不思議である。
大騒ぎになって名乗り出るに出れなかったのか、何か人に言えないことでもやっていたのか。

介良事件

1972年晩夏ごろに高知の介良という地区で起きた、日本を代表するUFO事件。
登場するUFOが直径20㎝ほどの手のひらサイズというところが極めて特異で、世界的にも類例はほとんどない。
地元に住む中学生たちが捕獲したものの、何度閉じ込めても逃げ出したり、水を注ぐと飲み干したりと、妙に生物的な行動を取ったという。
最終的には逃げ出して二度と戻らなかったが、大人を含む大勢の人間に目撃され、ある種の灰皿とよく似ていたとの証言がのこされている。はっきりした写真が残っていないのが残念だ。

超小型の乗組員が乗っていたのか、本船と別に活動していた無人探査機みたいなものだったのか、あるいは妖怪の類だったのか。

後に、証言とそっくりな灰皿が見つかったこと、UFOの出現した状況にも不審な点があることから、研究家の間では信憑性の薄い事件(少年たちのいたずら)と見なされている。

甲府事件?

介良事件と並ぶ、日本の代表的な事件。
詳しくは項目参照。

バレンティッチ事件

1978年10月21日、オーストラリア南部の海岸付近を飛行していたフレデリック・バレンティッチ氏が、「UFOを目撃した」との通信を残したまま行方不明になった事件。
UFOがらみで死者・行方不明者が出た事件はこれとマンテル大尉事件くらいである。
「UFO史上最も謎の多い事件」とも言われ、UFOに否定的な立場の文献でも「未解明の事件」として扱われることが多い。

ただ、バレンティッチ氏はもともとかなりのUFOマニアであったようであり、また事件前の行動には不可解な点もある。

チェンニーナ事件?

異星人が女性のストッキングをひったくったという不可解な事件。
詳しくは項目参照。

イーグルリバー事件?

1961年4月18日、ウィスコンシン州に住むとある老人の家の庭先に白昼堂々UFOが着陸
中から3人のタートルネックにヘルメットを被ったイタリア人風の男が出てきて老人に身振り手振りで水を要求。
老人が彼らに水をあげると、お礼にパンケーキをくれて、再び飛び去った。



なんじゃこりゃとしか言いようのない事件であり、
水くらい地球人に頼まずその辺で汲めよとか、他の星にもパンケーキがあんのかよとか、突っ込みどころ満載である。

老人の夢だったんじゃと言いたくなるところだが、「異星人にもらったパンケーキ」という動かぬ物証がある。
こんな物証が残っているUFO事件は他に例がない。

で、一応通報を受けた空軍らがこのパンケーキを分析したところ、パンケーキには必ず使う塩分が全く含まれていないことが判明した。

それがどうした、と言いたいかもしれないがまあ待ってほしい。
実はヨーロッパにはこんな言い伝えがあるのだ。

「妖精が作る食べ物には塩が入っていない」



「妖精のお願いを聞いてあげたらお礼に妖精界のものをくれた」というのは、各地にある言い伝えである。

偶然にしては出来すぎではないか?

そこでこの事件を根拠にして、「実は民話の妖精の正体は異星人だ」と唱えたり、
あるいは「UFO目撃談と妖精の言い伝えは、同じような心理的メカニズムに由来するのではないか」と考える研究者もいる。



このため、一見突っ込みどころ満載でありながら、UFO研究者には一部で重要視されている事件である。
更に詳しくは項目参照。





追記・修正はUFOを目撃してからお願いします。



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*1 1942年2月25日にはロサンゼルスで未確認の飛行物体を日本軍機と判断して迎撃するという事件が起きている。日本軍はこの時間にロサンゼルスに飛行機など飛ばしておらず正体は今も未確認