読み切り

Last-modified: 2024-05-25 (土) 23:23:02

登録日:2018-05-25 (金) 11:25:10
更新日:2024-05-25 (土) 23:23:02
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Tag: 短編 漫画 読み切り 連載 続き物 小説 一話完結 創作




「読み切り」とは「連載」の対義語。
一話完結型のストーリーで展開される漫画・小説のこと。最初から一話完結なので打ち切りとは無縁。
本来は「続き物」に対応する概念であるが、現在はほぼ「連載」の対義語として捉えられている(後述)。

連載・続き物・読み切りの違い

本来の意味での「読み切り」は「続き物」の対義語であり、この場合の使い分けは以下のようになる。

  • 続き物……一話でストーリーが完結せず、「続く」になって次のエピソードになるもの
  • 読み切り……基本キャラクターや世界観は共通しているが、一話ごとにストーリーが完結し、毎号異なるエピソードが展開されるもの。
    例えば「ゲゲゲの鬼太郎」なんかは一話でストーリーが完結するタイプの典型的な読み切り漫画である。
    このタイプの漫画の場合、ゲストキャラクターはあまり再登場せず、初期設定におけるキャラクターと世界観を延々使い回しながらストーリーを展開していくことが多い。

しかし、漫画文化が発展していくにつれ、「一話ごとに設定リセット」タイプの漫画はあまり見られなくなっていく。
一話完結型のギャグマンガであっても、定期的に新キャラクターを出したりして読者に飽きられない工夫を施すことが主流になっていったのだ。
そのため、ほとんど全ての漫画が「続き物」と呼べる状態になってきており、従来の意味での「続き物⇔読み切り」という単純な対立関係が成り立たなくなってくる。そのため現在では「一話完結物」と呼ばれることが多い。

近年の漫画ではほぼ「読み切り」は「連載」の対義語となっている。

  • 読み切り……一話で完結する短編漫画
  • 連載……同じキャラクターと世界観でストーリーを展開する長編漫画

と言った違いがある。
旧来の意味での読み切り漫画には、例えば『岸辺露伴は動かない?』シリーズがある(一話ごとに設定がリセットされ、エピソード間の繋がりがない)。
また、18禁漫画業界は現在でも連載ものがほとんどなく、基本的にどの雑誌も一話読み切りの寄せ集めとなっている。

読み切りから連載

基本的に漫画賞の審査に使われる漫画は、読み切り漫画である。
「一話の中でどれだけ読者を引き込むストーリーを描けるか」を審査するわけである。
持ち込みなのに「次回へ続く」なんてやったら編集部にダメ出しされるぞ?
これに関して非難されることも少なくなく、「長期連載に向けた壮大な設定を作るのは得意だけど、ストーリーを短くまとめるのは苦手」というタイプの作家の芽をつぶしていると言われることもある。

そして、大抵の場合受賞作はまずは読み切りとして雑誌に掲載された後、読者の反応を見て連載に移行するかどうかを決定する。
読み切りの時点で十分反応が良ければ、読み切りと同じ設定のまま連載が始まることもあるし、イマイチなら読み切りは完全に捨てて全く異なる作品を連載することもある。
もちろん、「読み切りを掲載しただけ」で連載に行けずに潰れてしまう作家も少なくない。

一方近年のライトノベルは逆で、「ほとんどの応募作が連載前提」のストーリーで応募されるらしい。

それ以外のパターンとしては、

  • キャラクターの名前は同じだが、読み切り版とは設定が変わっており、単純なプロトタイプとは言えないもの(例:『魔人探偵脳噛ネウロ?』読み切り版では「魔界が既に滅びている」「桂木弥子に大食い設定がない」などかなり設定が異なる)
  • 基本設定は同じだが、ストーリーの雰囲気が完全に別物(例:『DEATH NOTE?』読み切り版は「名前が書かれた者が死ぬ」ノートを巡るホラー漫画であり、サスペンス調の連載版とは完全な別物)。
  • 同じテーマの読み切り漫画を複数連載し、単行本化の際にシリーズとしてまとめる(川原泉?が得意とする手法)
  • 『コードネームはセーラーV』→『美少女戦士セーラームーン?』(特殊なパターン。元々は読み切りとして発表された後、アニメ化が決定しその際に「セーラームーン」の商標を元に新連載が始まった)
  • 聲の形?』(作品の評価自体は非常に高かったが、テーマが重いので当初は掲載が見送られ、姉妹誌に読み切り掲載。それでも評価が高かったためリメイク版読み切りを本誌掲載。それでもやっぱり評価が高かったためようやく本誌連載。後にアニメ映画化してヒット)

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