Seed+Ace_588氏_01

Last-modified: 2013-12-26 (木) 00:28:39

「俺達は、アンタ達に勝ちたいんだ!」
歴戦のエース達は赤色の瞳を持つ少年の発言に頭を悩ませていた

一人のパイロットが議題を口にする、声の主はリボン付き、メビウス1だ
「……どうすれば彼等に黄色中隊級の実力を付けさせる事が可能だろうか…」
その質問に凶星、グリフィス1が答える
「手っ取り早く実力を付けさせるなら俺達と戦うのが良いだろうが実力がな…」

シン・アスカ、レイ・ザ・バレル、ルナマリア・ホーク、キラ・ヤマト
過去にシミュレータに搭乗したとは言え彼等にはこの化け物エース達と互角に渡り合うだけの実力はなかった
精々ベルカのエース達に追い回されるのが関の山である
過去にシミュレータでトンネルを奇跡的に通過する事に成功しているのだが……

ラーズグリーズの英雄、ブレイズが一つの案を叩き出す
「俺達が今までに沈めてきた巨大兵器と試しに戦わせてみるか?」
「それなら状況適応力は付ける事はできそうだな」
その案に円卓の鬼神、サイファーが賛同する
巨大兵器、その予想外の攻撃方法は緊急事態においてのの状況判断力を付けるには十分な相手である
他のエースも次々と賛同し、彼等の相手は巨大兵器と言う事になってきた

会議も次のフェイズに移り、ヒヨッコ共をどのトンデモ兵器と戦わせるかに論点は移っていった
「それではあのヒヨッコ達に俺達が今までに破壊してきたどの巨大兵器と戦わせてみるか!?」
メビウス1から提示された議題にブレイズが意見を出す
俺としては手始めにシンファクシ級潜水母艦と戦わせたいな」
そして続けてグリフィス1も意見を出す
「初っ端からグレイプニル行ってみるか?」
サイファーがグリフィスの意見に反論する、流石に最初からステルス系は厳しいかも知れないと
「流石にグレイプニルはかわいそうだろ、ここは潜水母艦で行きたいと思うがな」
「それで良いんじゃないんスか?」
突然パイロットと思われる若者が会議に割込んで来る、それを止めるサイファー
「PJ、ここはお前の出る所じゃない、暇ならゲストを集めてほしいな」
PJと呼ばれた若者は少し苦そうな顔をして部屋を後にして行く
「わかったよ、議論に参加したかったけどまあいいや、サァ行くか!」

ゲストと言う言葉にブレイズが反応する
「ゲスト…一体誰を呼ぶつもりなんだ?」
その質問にサイファーが答える、彼なりの隠し玉らしい
「俺達の世界の実力者でヒヨッコ共が勝てるやつは居ないだろう」
サイファーの意図にメビウス1が気付く
「そうか!あいつらも向こうの世界では実力者だったな!」
「そう言う事だな、手始めに誰を呼ぼうか?」
グリフィス1が意見を出す
「潜水艦か、なら海にこじつけてモラシムかヨップと言った所だろうか…」
「確かに潜水艦ならモラシムの辺りが有力だろうな」
メビウス1も意見に賛同したところで会議の幕は閉じた

そして、四人の特訓が始まる!

朝早くに四人の部屋に通信が入る
私語は慎めの一言が有名なAWACS「サンダーヘッド」からの通信だ
「SEED隊の以下四名は直ちにシミュレーションルームに集合せよ」
それに反応した赤い眼を持つ少年、シン・アスカは反射気味に悪口を吐く
「っ…またサンダー・石頭・ヘッド野郎かよ…」
「シン・アスカ中尉、私語は謹めと何度言えばいいんだ」
口走っただけなのに…サンダーヘッドはやっぱり地獄耳なんだとシンは思う
シンは手際よく制服に着替え、シミュレーションルームに向かおうとしたが3人しか居ない
赤色の一部が妙に跳ね上がった髪型を持つ勝ち気な少女、「ルナマリア・ホーク」
ブロンドの長髪を持つ冷静沈着な少年「レイ・ザ・バレル」
あと一人、来ていないメンバーがいる
「シン、キラはまだ来ていないようだが…様子を見てきてくれないか?」
レイからキラの様子を見てきてほしいと言われたシンが承諾する
「レイ、まかせとけって、あんな奴、すぐに叩き起こしてくるさ!」
キラの部屋に向かうシン、ドアに手を掛ける
中にはベッドから引きずり落として尚も熟睡している茶髪の少年がいた
この少年が種の世界で猛威を振るった控えめかと思いきやこのスレでは自信過剰でも有る「キラ・ヤマト」だ
「いたた…なんて起こし方をするんだよ、シン君」
「至急シミュレーションルームに来いってさ」
シンはこの時、キラを起こすためにキラの頭にたんこぶを3つ程作ったらしい
そして一行はシミュレーションルームに着いた

四人はこれまでも何回かシミュレーションをこなして行き
今では最大の問題であったシンとキラの確執も薄れつつあったのだ
もっとも、シンはキラが最愛の人を殺した張本人だと言う事を忘れてはいないのだが

「それで…どうしてあたし達を集めたの?」
「なんでこんな朝方に俺達を起こしたんだよ、スクランブルじゃあるまいし!」
シンとルナの文句に若い通信士、ユジーン・ソラーノが返答する
「え…えーと、シン・アスカ中尉、私語は慎んで…」
突如サンダーヘッドが言葉を割り込ませて来る
「シン・アスカ中尉、私語は謹めと何度言えばわかる」
そこは彼の十八番なのだろう、どうしても他人に言われたく無いらしい
「ルナには言わないのかよ!」
そして話は本題に入る
「それでは、今からシミュレータを使ってこちらで指定した過去にエースによって破壊されたトンデモ兵器を破壊してきて下さい」
「今回破壊する目標はシンファクシ級潜水母艦、お前達が使用する機体はF-15C イーグル、難易度はEASYだ」
「ちょっと、ラプターぐらい…」
シンが文句を言おうとしても
「それでは、幸運を祈る」
「え…もう始まり!?」
二人の通信士による率直な説明に言葉を挟む事すらできないシンであった

サンダーヘッドに強引に話を進められ、辺りは氷と海しか見えなくなってしまった
もちろんシミュレータ上の話であり、脱出しても生命に関わる事は起こらないのだが

Destiny《なんで俺の話を聞いてくれないんだよ!》
そんな文句に耳も貸さず、レイが独り言を呟く
Legend《この海からラーズグリーズの悪魔が来たのか…》
レイの独り言にルナマリアが返事をする
Impulse《ま、あんな潜水艦がラーズグリーズな訳無いでしょうけどね》
Destiny《だからなんで…》
シンの言葉をかき消すかのように通信が入る
AWACS Thuderhead《今回の作戦は補給作業中のシンファクシ級潜水空母二番艦「リムファクシ」を撃破する事だ》
AWACS Thuderhead《なお、高度は1000フィート(300メートル)以下を維持しろ、奇襲に気付かれる恐れがある》
Destiny《だから…》
AWACS Thuderhead《私語を中止せよ、まもなく無線を封止する》
Destiny《わかったよ、独り言に勤しんでやるさ》

AWACS内にて、実況が行われる、今回の実況はユジーン・ソラーノ
グリフィス1のサポートをした若い通信士だ
その隣には解説と思われる眼鏡を掛けた二枚目の人物がいた

「それでは、無線も封止されたので今回の解説をして下さる歴戦のエースを紹介しましょう」
「ロト隊元隊長、デトレフ・フレイジャー中佐(今は教師)だ、よろしく頼む」
「今回の作戦目標についてですが、ちゃんと資料を読んできて下さいましたか?」
「ああ、この潜水艦についてだな、どうやら弾道ミサイルによって遠距離から戦艦の類を一網打尽にできると言った所か」
「どうやら問題は無い様ですね、ん?SEED隊が敵に気付かれましたね」
「あのピケット級潜水艦が敵機発見を報じた様だな、奴が潜行するまでの約1分の競争と言った所か」
「さて、彼等に背負っている物が有るかを確認させてもらおう」

Impulse《もうバレたの!?喋るわよ!》
Destiny《確か1分だろ?それまでに奴に一撃加えてやれば良いんだな?》
シン達は機体を加速させる、当然身体への負担も強くなるが潜水母艦に潜られるよりはマシである
突然無線から敵の言葉が聞こえて来る
Hrimfaxi captain《さて、俺が居ない間にザフトはどうなったのかを見せてもらうとするか》
リムファクシ内部には顎髭を蓄えた見るからに歴戦の強者を思わせる男が居座っていた
Destiny《俺が居ない間に…ザフトの軍人なのか!?》
シンは考えを巡らせる、前大戦で引退した兵士か、それとも…
Freedom《当たれぇぇぇ!!》
一番手はキラのF-15C、潜行を開始しようとしていたリムファクシのミサイル発射口にピンポイントショットを加える
Freedom《クッ…ミサイル発射口はどうなったんだ!?》
Destiny《なんて速いんだ、もう潜行したのかよ!?》
その直後にリムファクシが海に消えてしまった、このまま水中でミサイルを撃たれたらシン達に勝ち目は無い
しかし、このキラの攻撃が功を成した
Hrimfaxi crew《艦長、発射系統を一部損傷しました、ミサイルが水中発射できません!》
Hrimfaxi captain《さすがに甘くは無いか、ミサイルが水中発射できんな…》
先ほどのキラの攻撃により、弾道ミサイルを水中から発射できなくなったのだ
これでシン達がモラシムに傷一つ付ける事ができずに敗北することは無くなった
Hrimfaxi crew《浮上するぞ、手短なものに捕まってろ!》
Impulse《待ちくたびれたわよ、浮上しろ浮上しろ!》
Hrimfaxi captain《対空防御、無人戦闘機発射準備だ、急げよ、敵は待ってはくれんぞ!》
Freedom《リムファクシのアンテナが見えた、浮上するよ!》

大きな水しぶきを上げ、潜水母艦が海面からその巨体を上げる
AWACS Thuderhead《リムファクシ、浮上!》
その際、何機かの無人戦闘機が潜水母艦から飛び立った
Freedom《今だ、一気にミサイル発射口を潰してやる、みんなは下がってて!》
Destiny《待てよ、そんなの無茶だ!》
シンの制止も聞かず、キラはリムファクシへ突っ込む
Hrimfaxi crew《まさに飛んで火に入る夏の虫だな!》
直後、キラの機体の両翼が穴空きチーズみたいになり、そのまま落ちて行く
Freedom《そんな、僕が対空機銃ごときに!》
Hrimfaxi crew《馬鹿な奴だ…英雄気取りか?》
Hrimfaxi captain《これだから英雄気取りは先に地獄に落ちて行くんだ……》
しかし、このままやられるキラでは無い
Freedom《脱出しても凍えて死ぬ……それでも僕はみんなを守りたい!》
Freedom《尾翼が生きている…それなら!》
キラはアラートが響く中、機体をなんとか動かし、機首をリムファクシに向ける事に成功した
Freedom《英雄の力、とくと御覧あれ!》
Hrimfaxi captain《特攻する気か!?撃ち落とせ、撃ち落とすんだ!》
本来別の人が叫ぶべき台詞と共に、キラは自らの頭の中をクリアな状態にする
Impulse《まさか…神風をする気なの!?》
Destiny《アンタは俺が…俺が落とすんだよ、なのになんで今落ちるんだよ!》
そしてそのままキラはリムファクシに特攻する、機体を機銃が掠めるがそれでも勢いは収まらない
Hrimfaxi captain《馬鹿な、撃ち落とせないだと!?各員、衝撃に備えろ!》
Freedom《ウアァァァァァ!!!》
Destiny《バカヤロォォォォウ!!!》
キラが搭乗したF-15Cが潜水母艦のいくつかのSAM、対空機銃を巻き込み、大爆発を起こした

キラ・ヤマト少尉、TACネーム Freedom 
シミュレーション上において機銃により機体を制御不能にされ、リムファクシに特攻し戦死する

「まあ、スパコディの僕が死ぬはず…って死亡扱い!?」

「はい、やってきました実況サイド、実況は私、ユジーン・ソラーノと!」
「ロト隊元隊長、デトレフ・フレイジャーだ」
「どうやら一機撃墜された様ですね」
勿論キラ・ヤマトのイーグルである
「みんなを守りたい…か…一応合格としておこう、慢心さえ無く、かつ脱出していれば完璧だがな」
「でも、あんな所で脱出しても、凍え死ぬのがオチじゃ無いんですか?」
「確かにあの状況で脱出しても下は極寒の海、死は確実だな」
「としたらあそこで特攻したのは正解だったでしょうか?」
「私なら、ほんの僅かな可能性を賭けて機体を敵艦に向け、脱出するな、実際救助されたパイロットも居る」
ユジーンには不死鳥ですら経験した事のない修羅場を潜り抜けたエースに思い当たる節があるようだ
「あのパイロットですか!」
「そう、不死鳥には悪いが彼こそ不死身の男と言うに相応しいエースだな」
そして彼等は揃って叫ぶ
「オメガ11、イジェークト!」

Hrimfaxi captain《被害状況を教えろ!》
Hrimfaxi crew《対空機銃、SAMが数機破損、パラストタンクは無事です!》
パラストタンクが無事と言う事はリムファクシはまだ潜行する事ができるのだ
Hrimfaxi captain《まだ勝ち目はある、無人戦闘機を5000フィート以上で待機させろ!》
Hrimfaxi captain《これより本艦は潜行を開始する、潜行前に弾道ミサイルの発射急げよ!》
Destiny《チクショウ…なんで無茶なんかするんだよ……全員生還してバンバンザイじゃなかったのかよ…》
シンが悔しがる中、リムファクシから1本のミサイルが放たれる
そのミサイルにレイがいち早く反応する
Legend《あれは…まずい、弾道ミサイルだ!》
AWACS Thuderhead《リムファクシ、散弾ミサイルを発射》
AWACS Thuderhead《SEED隊、君たちを狙っているぞ!》
確かにミサイルの着弾予想地点はこの海域である、悔しがっている暇も無い、一刻も早く上へ行かなければ!
Destiny《クッ…各機、5000フィート(1500メートル)以上まで上昇しろ、無人戦闘機には構うな!》
Impulse《でもこのままじゃ潜行されちゃう!》
Destiny《あのバカ野郎の気持ちを無駄にしたいのか!》
シミュレーション上であっても戦死は戦死である、ショックは現実程では無いがあるのだろう
なんとかルナマリアを説得し、機体を上昇させるシン達
AWACS Thuderhead《5…4…3…2…弾着、今!》
声と共に下の方から衝撃が走る
急降下を開始すると恐ろしい数の光球が出来上がっていた、正直遅れていたらと思うとゾッとする

Hrimfaxi crew《シミュレーションとは言え…なんて寒いんだよ!》
Hrimfaxi crew《お前、それでも栄光あるザフトの海兵なのか!?》
どうやらリムファクシの搭乗員にはザフト所属兵も起用されているらしい
Hrimfaxi captain《もっとプラス思考で行け、機銃を冷却する手間が省けると言った感じでな》
Destiny《各機、応答せよ、各機、返事をしろ!》
Impulse《こちらインパルス、生きてるわよ!》
Legend《こちらレジェンド、機体に異常は無い》
AWACS Thuderhead《リムファクシ、浮上!》
僚機の無事と潜水空母の浮上を確認したシンは指示を出す
Destiny《これからあの潜水母艦に集中攻撃を掛ける》
Destiny《レイは周辺の対空火器を、俺とルナでミサイル発射口を叩く!》
Destiny《無人機にケツを取られるなよ!》
Impulse《了解、張り切って行くわ!》
Legend《了解、対空火器は俺に任せろ!》
Destiny《各機散開、敵の狙いを狂わせろ、まとまっても殺られるのがオチだ》
作戦指示が終わった直後、三機はそれぞれのの方向へバラバラに散って行く
Hrimfaxi crew《急げ急げ、敵は今すぐにでも攻撃してくるぞ!》
その直後に無人戦闘機が後ろに付いて来る、まさに絶体絶命のピンチである
Hrimfaxi captain《散開したか…敵機をを各個撃破しろ!》
Destiny《もう後ろに…あのバカ野郎の気持ちを…無駄にするかよ!》
シンの中の何かが弾けた、刹那、シンはベルカのエースも顔負けの旋回を駆使し逆に無人機の後ろを取る
Destiny《アンタなんかに落とされる訳には行かないんだよ!》
シンはミサイルを発射し、無人機を屠る
続けざまにミサイルを発射し、リムファクシに設置されているSAMを二基破壊する
Hrimfaxi crew《何だ、あの機体の動きが変わったぞ、奴は魔法でも使っているのか!?》
Hrimfaxi crew《うろたえるな、俺達がやられてどうする!》
Hrimfaxi crew《対空機銃装弾よし、いつでも来い!》
シンはミサイルを放とうとしたものの、激しい抵抗にあいミサイルを外してしまう
Hrimfaxi crew《今の内に潜行するぞ、機銃が持たない!》
Impulse《浮いたり潜ったり忙しすぎるわよ、少しは落ち着いてよ!》
Legend《間に合え!》
さらに機銃をかわし、レイが今まさに潜行しようとしていたリムファクシにミサイルを叩き込む

Hrimfaxi crew《パラストタンク破損、潜行不能!》
その際にパラストタンクが破損したらしく、リムファクシは潜行できなくなってしまった様だ
Hrimfaxi captain《やむを得ん、海上で奴等と決着をつける!》
Legend《リムファクシ潜行中止、ダメージを与えたぞ!》
Hrimfaxi crew《四機相手にこの被害か…まるで釣り合わない!》
Hrimfaxi captain《このままでは笑われる…クルーゼに笑われてしまう!》
Legend《クルーゼ!?》
レイがクルーゼと言う単語に反応する
そういえばそうだった、レイはクルーゼと同じ、アル・ダ・フラガのクローンだった訳だ
今ではこちらの世界の技術で老化、寿命の問題は無くなっているようだが
その間にこちらもミサイルを叩き込む、上手い具合に船体に命中する
Hrimfaxi crew《船体下部の浸水、さらに増加しています!》
Hrimfaxi crew《駄目です、もう手の施しようがありません!》
Legend《リムファクシも相当ダメージを受けているな…》
レイも冷静に状況を分析している、どうやら動揺は治まったらしい

「はいこれで三度目です、実況は…省略しておきます」
「解説は…もう省略しておくか」
流石に何度も自己紹介するのは面倒になってきたのか、省略されてしまった様です
「どうやらリムファクシは敗色濃厚になってきましたね」
「搭乗員の通信の通り、艦内は浸水が進んでいるようだな」
「この勝負、リムファクシが勝つとしたらどこで勝てますか?」
「やはり弾頭ミサイルをいかに相手にヒットさせるかだろうな」
「お得意の弾頭ミサイルも不発に終わったみたいですからね」

艦内からは既に負けるのかムードが漂っている
Hrimfaxi crew《なんてこった…相手がラーズグリーズじゃ無くてもこのザマかよ!》
Hrimfaxi crew《ああ、ラーズグリーズには遠く及ばないがな…》
言葉から海兵の中にも何人かユーク海兵が混じっているようだ
Hrimfaxi captain《最後まで努力しろ、まだ負けたと決まった訳では無い!》
モラシムも最後まで徹底抗戦する、その時、艦内のムードが変わりつつあった
Hrimfaxi crew《そうだな…最後まで足掻いてやろうぜ!》
Hrimfaxi crew《せめて、奴等に一杯食わしてやるか!》
Hrimfaxi crew《このまま負けちまったらザフト海軍の名が廃れるな、覚悟しろ!》
一方、シン達はリムファクシの戦意が無くなって行くのをその眼で見て感じていた
Destiny《こんな船はラーズグリーズなんかじゃ無い》
Legend《もし本当にラーズグリーズだったら俺達は既に落とされているだろうな》
冗談でも無い事を口に出すレイであった
Destiny《これでとどめだ!》
シンは沈みつつあるリムファクシに向かってミサイルを放つ
しかし、モラシムの努力もあったのか今まで控えめになりつつあった弾幕が息を吹き返した
その厚い弾幕によってシンが放ったミサイルも撃ち落とされてしまう
Impulse《今さら吹き返したの!?これじゃあ近寄れない!》
Hrimfaxi captain《行くぞ、我々ザフト、ユーク連合軍の意地を見せてやれ!》
Hrimfaxi crew《弾を撃ち切ってやれ、悔いは残すなよ!》
Hrimfaxi crew《ヘッ、やってやるさ、どでかい花火を打ち上げてやらぁ!》
そして船体から弾道ミサイルが打ち上げられる

「これは面白い展開になってきました!どう思いますか?」
「ああ、彼等の心が一つになった瞬間だ」
「さて、SEED隊は彼等の魂の一撃を食らうかどうか、愉しみだな」

Impulse《あいつら…この期に及んで!》
Destiny《急げ!上に行くんだ!》
Legend《クッ…無人機がしつこい!》
急いで上へ向かう三機、やがてどでかい花火が広がる
Legend《ウワァ!…油断した、俺はここで脱出する!》
間に合わなかったのか、レイが落ちて行く
Destiny《レイ!》

レイ・ザ・バレル少尉、TACネーム Legend
シミュレーション上において弾道ミサイルの爆発に巻き込まれ機体を制御不能にされ、撃墜される

「不覚……次こそは機体ごと基地に帰還したいものだな、それ以前に下は極寒の海のはずだ…と言う事は……」

Impulse《こうなったらあたし達だけでこいつらを叩きのめしてやる!》
Destiny《ああ、二人の分もな!》
Hrimfaxi captain《さあぶつけて見ろ、お前達の意地を!》
シン達はありったけのミサイルをリムファクシに撃ち込む
満身創痍のリムファクシにはこれだけのミサイルを受けきれる訳がなかった
Hrimfaxi captain《坊主…嬢ちゃん…お前等の勝利だ……》
Hrimfaxi crew《ヘッ…俺達相手によく勝ったな!今度は仲間を落とされるなよ!》
大爆発を起こすリムファクシ、シン達の辛勝である

初戦にしてはなかなかだが、今度は全員で帰ってこいよ!
それがブレイズからのメッセージだった

廊下を歩いていると何やら清清しい顔をした兵士たちが歩いて来る
その中の一人、顎髭を蓄えたザフトの制服を着た兵士にこう言われた
「お前さんがシン・アスカか?」
「え…はい、そうだけど…」
「坊主、次も頑張れよ!」

それを陰からから見守るメビウス1、彼は気が変わったのか、こんな事を口に出した
「擬似的な敵エース部隊との戦闘も面白そうだな……今度ガルムに相談してみるか……」」

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