プラネタリウム/機材/電気系統

Last-modified: 2008-10-31 (金) 08:53:02

技術資料 2008年秋版

添付の512KB制限により分割してアップします。

コントロールパネル

fileプラネタリウム取扱説明書.pdf

操作パネル

  • プラネタリウム本体の電気系統を操作するパネル。
  • パネル表面から操作できるものは次のとおり
    • 主電源(全体の電源スイッチ・POWER)
    • 天球儀の電球
    • 天の川投影機の電球
    • 外部拡張その1(未使用)
    • 外部拡張その2(未使用)
    • メインボリューム
      (上記4つに直列に接続された可変抵抗。プラネタリウムの電球系統の抵抗値を一度に操作できる)
    • モーター回転(順回転⇔ストップ⇔逆回転)
    • モーター速度調整
    • 前面LEDの点灯・消灯
  • パネルはひとつだが、内部は2系統の電気回路が入っている。
    • 電球系統(天球・天の川投影機)
    • モーター系統(日周運動)

電球系統

  • パネルにはAC100Vを接続(ACコード)
  • 内部の電源回路で直流5V10A(50W)に変換し、この電気を各電球で使用する。
  • そこからは可変抵抗のみで電球光強度の調整を行う。
  • 本体のだいたい左側に位置する
  • 天球用電球の配線のみ、コントロールパネル内部にもうひとつ可変抵抗(以後、内部可変抵抗とする)が入っている。

内部可変抵抗

天球用電球を保護するためのリミッター的役割。素人が天球用電球に電圧をかけすぎないように、コントロールパネルの中にひとつ可変抵抗が隠してある。コントロールパネルのふたを開けなければこの内部可変抵抗を操作することはできない。

  • わざわざ面倒なこの仕組みをとっているのは、プラネタリウムの投影における“要”である天球用電球の球切れを防ぐためである。
    • たとえば、プラネタリウムに適しているといわれるEX電球というものがある。EX電球の定格は2V2Aであり、電源からの5Vをそのままかけてしまうと電球はすぐに壊れてしまう。
      そこで、この内部可変抵抗に3V印加されるように調整すれば、パネル表面のつまみをどんな組み合わせにしてもEX電球には2Vまでしか印加されず、EX電球を過電圧から保護することができる。という仕組みである
  • 電球を他の定格のものに交換する場合、この内部可変抵抗を調整しなければならない。

内部可変抵抗の調整方法

  • 感電注意05.gifAC100V感電注意 以下に細かい手順をのせてあるが、要するにコントロールパネルのふたを開けるときは必ずコンセントを抜くということだ。
  1. コントロールパネルのコンセントを抜く(ふたを開ける場合、オモテの主電源スイッチオフは全く無意味)
  2. ねじを外し、コントロールパネルのふたをあける
  3. 内部可変抵抗の抵抗値を最大にする。
  4. 内部可変抵抗の黒いボックスを取り外す。
  5. 可変抵抗のコードの長さにはけっこう余裕があるので、黒いボックスをコントロールパネルの外に出す。
  6. いったんコントロールパネルのふたをしめる。ねじはつけなくて良い
  7. 表面のつまみを次のようにする。
    1. メインボリューム→最大 (抵抗値最小)
    2. 天球調整つまみ→最大 (抵抗値最小)
  8. コンセントをつなぎ、電源を入れ、天球儀の電球をつける。
  9. テスターを使って天球の電球にかかる電圧を計る。
  10. テスターが電球の定格電圧を示すように内部可変抵抗をいじる。
  11. 電源を切り、コンセントを抜く。
  12. コントロールパネルのふたを開け、黒いボックスを戻し、ふたを閉める。
  13. ねじも締めて調整完了。

モーター系統

  • パネルにはDC12Vを接続(ACアダプタ)
  • 内部でモータードライバ回路に電源を供給。
  • 本体の右側に位置する。
  • もし将来、本体の改造などによりモーターの順・逆方向が入れ替わったなら(「順方向」の表示にスイッチを入れても逆向きにまわる状態なら)、コントロールパネルを開けて調整することができる。
    コントロールパネル内側を見てみるとスイッチから緑と青のコードがのびている。
    この2本は間に圧着端子がついているため、これを取り外してそれぞれ入れ替えればモーターの回転方向を入れ替えることができる。

モーター

  • 天球の日周運動の動力になる。
  • ステッピングモーターを使用。
    ステッピングモーターは、動かすために専用の電子回路(ドライバ)が必要
  • 現在のものは秋月電子http://akizukidenshi.com/catalog/より通販で購入
  • 秋月電子にはステッピングモーター用ドライバのキットもある。現在のプラネには
    http://akizukidenshi.com/catalog/items2.php?p=1&q="K-00154"
    を使用している(時期によっては見れなかったり、無くなったりするかも)。
    キットだったからこそ当時電気電子工学科2年のrueでもなんとかプラネに組み込めた。
  • もし回路が壊れたら、ひとつキットの予備があるので良かったら利用して欲しい
    回路を作り、モーターの配線・電源の配線を行えばとりあえずモーターは回る(結構大変)。
    押しボタンスイッチ部分の基盤パターンをパネル表面の回転スイッチにつなぎ、
    キットに付属している半固定抵抗を普通の大きさの可変抵抗に換装したものが
    現在のコントロールパネルである。
  • 普通の、電池をつなぐだけで回るモーターでも動かすことはできる。
    現に2004年春投影まではこの方式だった。
    だがとてもうるさく、プラネタリウムの雰囲気をぶち壊すものでもあった。
    将来、ステッピングモーターが壊れて手に入らなくなったり、モーター周りの作り方が分からなくなったりした場合に参考にしてほしい。

天球用電球

プラネタリウムの要。しっかりしたものを使いたい。

  • 普通の電球
    ホームセンターなどで手に入るタイプ。
    フィラメントが細長く、星の形はいびつになってしまう。
  • 五藤光学のEX電球(入手困難)
    プラネタリウムに適していると一般に言われている。
    これはフィラメントが小さく、星がシャープに映るため。
    入手は難しく、価格もひとつ700円と高価。定格が2V2Aと少々特殊なため、扱いには電気の知識・テクニックが求められる。
    天文部は現在4個所持。