L.Tr.

Last-modified: 2016-09-03 (土) 02:46:37

解説

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  • 歴史
    軽トラクター(Leichtertraktor)とはちょっとわかりにくい名称だが、いわゆる軽戦車のことである。ドイツ軍はベルサイユ条約に違反していることが発覚するのを恐れて、こうした秘匿名称を用いて農業用機械に偽装したのである。開発は意外と古くから始められており、1921年には部分的な設計作業が始められていたらしい。しかし、実質的な設計作業の開始は1926年であった。そして、最初の6両の試作車両が試験のためカザンに届けられたのは、1928年であった。
     試作車は3両がクルップ社、3両がラインメタル社で製作された。詳細は不明だが、唯一残された写真によると、車体は箱型をしており、その左右に走行装置が取り付けられている。軟鋼製で8mmから14mmの装甲厚を持っていた。重量は9.6t、武装には3.7cm砲を全周旋回砲塔に備えていた。
     おもしろいのは車内配置で、フロントエンジンになっており後部戦闘室上に砲塔が配置されていた。乗用車の車台を利用したLK-1軽戦車、その設計から発展したLK-II軽戦車が同じ配置なので、その流れを汲んでいたのである。
     足回りは小直径の転輪が多数並べられたもので、2個ずつペアとなっているが、どんな緩衝システムが採用されているかは不明である。おそらくコイルスプリングだと思われるが確証はない。
     前部誘導輪、後部起動輪だと思うが、それも断言できない。上部には支持輪が2個取り付けられている。この走行装置側面がアーマースカートでカバーされているのは、いかにも古い時代の設計である。エンジンは100馬力で、最大速度は20㎞/hであった。
     軽トラクターは、当時のイギリス軍のMK-II戦車に相当する性能の車体であり、当時としては十分な性能を持っていたといえる。試作車に続いて289両の生産発注が行われたが、その後の技術発展に照らして、より新型の戦車を装備した方が望ましいということで、キャンセルされた。

スペック

使い勝手などについてのコメント

  • 強いと思います。最初のMバッジはこれだった(はず)。 -- ますたー 2016-09-03 (土) 02:46:37