解説
- 歴史
D型はIV号戦車の本格的な生産型である。1940年6月以降、装甲強化のため、車体および戦闘室前面に30mm、戦闘室側面と車体側面戦闘室部分には20mmの増加装甲板がボルト止めされるようになった。
砲塔そのものは形状が変更されていないが、主砲防盾がこれまでの内装式から外装式に変更されたので、主砲基部回りの形状は全体的に変わった。
足回りはまったく変更されていないが、後期の一部では起動輪が新型となり、履帯が400mm幅の新型となった。これに伴い、履帯の数は片側101枚から99枚に代わっている、走行性能に変化はない。
これがD型。
E型は、微妙に装甲厚が増している。あとエンジン室の追加ルーバーが、E型で標準装備となった。足回りも改良され、重量が21tに増加したものの、最大速度は向上した。
これに基本装甲厚をさらに増したのが、F型である。完全に車体が新設計となり、主砲を43口径の長砲身に変更したものが生産されるようになった。独ソ戦の開始によって会的したT-34やKV-1に対抗するために武装を強化したのである。
初めから43口径7.5cm砲を装備したのがG型である。G型はF型の生産と並行して生産された。生産数がそれまでよりも飛躍的に増え始めたのが1943年頃であり、主力戦車へとIV号戦車の地位が変わったことを示している。