組込GPS慣性航法装置(EGI)
EGI航法システムはA-10Cの主要な航法システムとして使用され、世界規模の正確な航法能力と姿勢操舵情報を提供する。EGIに関連する主要な二枚のパネルとして、コントロール・ディスプレイ・ユニット(CDU)と補助アビオニクス・パネル(AAP)がある。EGIは設定したウェイポイントやCDUに保存されたフライトプランを中心として動作する。このウェイポイントとフライトプランのデータベースは、通常前もってミッションエディタ/プランナーによって作成されるがミッション中に変更することも出来る。ウェイポイントは2,077地点までデータベースに保存でき、このデータベースは4つの部分に分けられる。
ウェイポイント・データベース
EGIシステムは各フライトプランに登録された最大40のウェイポイントと、25文字分のマークポイントを用い2点間航法を提供する。最大20までの固有のプライトプランが利用できる。
フライトプラン・ウェイポイント
- 0から40までの数字を割り当てたウェイポイント
- 通常、ミッションウェイポイント0は離陸地点。
- ミッションエディタの物か、あるいは飛行前か飛行中にCDUを使い手動で入力した物が自動で読み込まれる。
マークポイント
- AからYまでの文字を割り当てたウェイポイント(合計25)
- ウェイポイント(WAYPT)ページからミッションウェイポイントデータベースにコピーでき、新しいミッションウェイポイントとして変更できる。
- マークポイントにはオーバーヘッドマークとオフセットマークの二種類がある。オーバーヘッドマークは機体の現在地を記録する。一方オフセットマークはターゲティングポッドの様なセンサーを用い、指定した一点の座標と標高を記録する。
- オーバーヘッドかオフセットマークポイントを作成した場合、CDUは自動的にウェイポイントページに切り替わり、新しいマークポイントの情報を表示する。これにより即座に新しいマークポイントについてのフィードバックを得ることができる。しかし、もしCDUにマークZ(武器投下)が表示されている場合は、ウェイポイントページには切り替わらないので注意する必要がある。
- もし全25のマークポイントが使用され、さらに別のマークを行った場合はマークAに上書きされる。そしてそれ以降のマークも同様に行われる。
フライトプラン
- CDUは20件のプライトプランを保存でき、それぞれ最大40のウェイポイントを持つ。1つのプライトプランがミッションエディタやCDUで自動的に作成される。
- 補助アビオニクスパネル(AAP)のSTEER PTロータリースイッチが、FLT PLANポジションにある時のみ機能する。
- ミッション飛行中に新しいウェイポイントをフライトプランに組み込むことができる。
ウェイポイントデータベースフィールド
各ウェイポイントは以下の情報とともに作成される。
- ウェイポイントナンバー: 0から40までの数字、もしくはAからZまでの文字。二つのウェイポイントが同じ数字や文字を持つことは出来ない。これらはミッションエディタで自動的にミッションウェイポイントとしてセットされるか、またはミッション中に作成される。
- ウェイポイント識別名: 最大12文字の英数字で、名前の先頭は文字でなければならない。ピリオド"."とスラッシュ"/"を除き文字や数字以外の特殊文字は名前に使用できず、同じ認識名をつけることも出来ない。ミッションエディタかミッション中にCDUによってセットする。
- ウェイポイントタイプ: ミッションエディタやCDUなどで設定したウェイポイントのナビゲーションタイプ。
- ウェイポイント緯度: 北緯か南緯、度/分/小数として保存される。書式はN/S xx°xx.xxx デフォルトは北緯。
- ウェイポイント経度: 東経か西経、度/分/少数として保存される。書式はE/W xxx°xx.xxx デフォルトは東経。
- ウェイポイントMGRS: グリッド、地域、偏東距離、偏北距離として保存される。書式は##N XX YYYYYZZZZZ
- ウェイポイント標高: -1000から+32767の数値
- ウェイポイントDTOT: 目標到着指定時刻を24時間時計で時間:分:秒として保存する。書式はHH:MM:SS
- ウェイポイントデータム: 全ての座標処理に使われる回転楕円体やグリッドデータを表示する。WGS84が常に使われる。
- ウェイポイントステアモード: TO FROM、DIRECT、TO TOのいずれかにセットされる。ミッションエディタやCDUで設定する。
- ウェイポイントVNAVモード: 2Dと3D垂直航法モードを切り替えられる。ミッションエディタやCDUで設定する。
- ウェイポイントスケール: ROUTE、APPROACH、HIGH ACC、TERMINALのいずれかの設定に応じて表示するスケールを調節する。ミッションエディタやCDUで設定する。
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