電話帳の誕生は?
最初の電話帳は、明治23年(1890年)の東京-横浜での電話サービス開始と同時に誕生しました。
当時は、「電話加入者人名表」という一枚の紙でした。(図左)
この最初の電話帳に掲載された人はわずかに197名で、番号順に加入者名が並び住所は記載されていませんでした。
そして、昭和6年(1931年)に初めて電話帳に広告が掲載されました。名称は「電話番号簿」(図右)。当時は世界的な大恐慌で日本国内も底を打つような不景気におそわれ、電話料金の滞納などで歳入面に支障が出始めていたため、経費削減・収入増加を図るために、電話帳への広告掲載が発案された。同時期、電話利用者が増加の一途だったため広告媒体としての価値が高まっていた事も影響した。
「電話帳」と呼ばれるようになったのはそれよりずっと後の昭和46年(1971年)です。
そして、1983年(昭和58年)に職業別電話帳にはタウンページ、企業名・個人名の50音別電話帳にはハローページという名称がつけられました。
電話帳の現在
電話帳は携帯電話・インターネットの急速な普及、個人名のものはプライバシー保護のため番号掲載を拒否するなどで、公衆電話と同じく、活用される機会は少なくなっている。
加えて、携帯電話のナビゲーション機能で目的地をすぐに検索できるなど便利なサービスが年々向上している、昨今ではお年寄りの携帯電話・インターネット活用も増加している、広告掲載企業に対する電話帳からの集客が減少している、NTTと契約していないと配布されないため他社契約者への配布がないなどの要因があげられる。
しかし、携帯電話の電波が圏外の地域・バッテリー切れ、ネット環境がない場合もありまだまだ公衆電話同様、必要不可欠な存在である。また、法に則りNTTハローページの電話帳データを販売する業者もあり、まだまだ高いニーズがあるというのが実情だ。
緊急の病院探しをする際はネットよりも電話帳を活用する場合が多いとの民間会社でのアンケート結果もある。
iタウンページ
現在、活用される機会が減少している電話帳であるが、それはあくまで紙媒体での話である。
紙媒体での電話帳とは逆に、携帯電話・一般宅へのインターネットの普及に伴い、インターネット上での電話帳「iタウンページ」の活用の幅は広がりをみせている。
電話帳と違い、住所以外に駅・地図の他、キーワード・ジャンルからも検索可能であり、一部のジャンル(グルメ・理美容・スクールなど)ではあるが、ユーザーからの情報を投稿する事ができるようにもなっている。
また、広告掲載企業はクーポンやお得情報の掲載・自社のホームページをリンクさせる事でより多く積極的な集客のためのアピールができるようになった。
ユーザー側は目的・地域を全国どこにいても限定して検索できるため利用しやすくなり、企業・お店は、ユーザーの具体的な行動への結果が期待できるメリットがある。
電話帳のこれから
電話帳という紙媒体は今後さらに衰退していく可能性が高い(特に個人名ハローページ)が、インターネット上での電話帳は企業・お店を中心に、かつて電話帳が活用されていたのと同様に利用されていくサービスで、利用される形が変わっても、必要不可欠なものには違いはない。
中小企業、小店舗ではホームページをもっていないという事も珍しくない。iタウンページであれば、そういった企業・お店もネット上での広告掲載で集客を既存の電話帳より望めるというメリットがある。
業種別のサイトなどは現在多く存在し、電話帳という名称ではないが、企業・お店の住所・電話番号・FAX番号・URLなどの情報の価値が変わる事はない。