『リヴァーモートの戦い』

Last-modified: 2024-08-18 (日) 06:40:01

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D&D5版5Lvの短編シナリオです。
(Ver1.00 作成日20240817)

 

■【始めに】

川辺の町リヴァーモートに危機が迫る。 
町に逃げ込む難民たちが、口々に恐ろしい怪物の軍勢の襲来を告げる。
野蛮なオークたちと恐ろしい巨人の群れが軍旗を掲げて町に迫る。
脱出は間に合わない。戦いのときだ。
君たちは町の人々と力を合わせ、この戦いに打ち勝てるだろうか?
 

「リヴァーモートの戦い」はダンジョンズ&ドラゴンズ5版の5Lvキャラクター4~6人用のシナリオです。このシナリオを遊ぶのにはD&D5版の「ベーシック・ルール」か「プレイヤーズ・ハンドブック」が必要です。またダンジョン・マスターには「モンスター・マニュアル」が必要で、「ダンジョン・マスターズ・ガイド」があるとより良いでしょう。
 文章中で網掛けになっている部分はそのままプレイヤーに読み聞かせる部分です。しかし、プレイヤーの行動などによって状況が文章と一致しなくなったときや、DMが喋りにくいと感じるようでしたら、適当に変更して伝えてください。

 

■【冒険の概要】
PC達が滞在する町に血まみれの避難民が逃げ込んできます。彼らによると、恐ろしい巨人や怪物たちの軍がもうじきに押し寄せてきます。怪物たちの軍団に立ち向かうには、冒険者の力だけでは足りません。急いで準備して人々と力を合わせ、戦場を駆けねばなりません。冒険者たちは町を救うことが出来るでしょうか?
 本シナリオは集団戦をテーマとした冒険です。冒険者は町の防衛部隊と協力して拠点防衛戦を行い、あるいは敵部隊に突入します。

  • 使用ルール:D&D5版
  • シナリオ名:『リヴァーモートの戦い』
  • プレイ時間:5~7時間ほど
  • レベル:5レベル
  • プレイ人数:4~6人(標準4人;PC数が少ない時の調整を記載)
  • 想定レギュレーション
    • D&D5版の日本語版のみ使用、モンスター・マニュアルはプレイヤー使用不可
    • 使用する選択ルール:能力値のカスタマイズ、ヒューマンの特徴、特技、グリッド・マップを使った戦闘
    • 能力値は規定値割り振りか27ポイントバイのどちらか、レベルアップ時のHP上昇は固定値を使用
    • 装備品:「1Lv作成の標準に加えて250gpで購入、または「350gpで購入」それに加えて、アンコモンの魔法の品一つ。
    • 冒険の舞台はフェイルーン、DR1491年前後、“ソードコースト”地域です。
       ガイドto「フォーゴトン・レルム、1489DR」
       キャラクターの準備にはサンプルキャラクターを用いても良いでしょう(下記に添付)
  • 補足:
    • 移動と呪文の範囲は斜めも1マス
    • 手に持った物を落とすのはフリー・アクション(ちゃんと鞘に納めるのは'周囲の物体と関わる')
    • 追加ルール:ポーション類はボーナス・アクションでも飲むことができる。
  • 用語:
    • プレイヤーズ・ハンドブック(PHB)、モンスターマニュアル(MM)、ダンジョン・マスターズ・ガイド(DMG)
    • プレイヤー・キャラクター(PC)、ノン・プレイヤー・キャラクター(NPC)
    • ダンジョン・マスター(DM)、メートル(m)、ラウンド(R)、目標値(DC)。
    • フィート(ft;約30cm)、ポンド(pd;約453g)
       

■【ゲームの準備】
パーティ構成に制限はありませんが、戦士系と、ローグなどの敏捷力が高くて隠密行動に習熟したキャラクター、信仰系術者、秘術系術者をそれぞれ1名ずつ以上含んだパーティだと安定してシナリオを進めることが出来るでしょう。この冒険は集団戦をテーマとしていますので軍人的な背景を持ったキャラクターは遊びやすいでしょう。傾向として、防衛戦であるため罠への対処の必要性は薄く、一方で連戦を戦い抜く能力が必要となります。
本シナリオは4人のPCに合わせてシナリオの難易度を調整しています。PC数によっては敵に多少の調整を行った方が良いでしょう。
 上記の想定レギュレーションや冒険舞台の説明を「プレイヤーズガイド」として別ページにまとめておきました。プレイヤーには、そちらのページを案内することで事前説明の手間を軽減できるかもしれません。→「リヴァーモートの戦い」プレイヤーズガイド

 

本文中の項目番号に該当する位置は図中に記載しています。各項目の内容と位置関係を把握しておいて下さい。ゲーム中にプレイヤーに見せるための図は別ファイルに配付資料としてまとめて掲載されています。必要ならゲーム中にこれらを見せられるように、用意しておいてください。また、町や地域の資料は、プレイヤーにPC作成前に見せておいた方がゲームの開始がスムーズになるかもしれません。
 PCがこれまでに行った冒険をシナリオ情報として渡しておきたいなら、[8.3]を参照してください。

 

■【冒険の背景】
リヴァーモートの町は“世界の背骨山脈”のふもとにある川沿いの町です。山脈からやってくる巨人やオーク達を襲撃をしぶとく防ぎながら、発展してきました。
 “ヨルグ兵団”は老いた霜の巨人のヨルグが率いる流浪の戦闘集団です。ヨルグは霜の巨人の戦士として多くの戦いを潜り抜けた戦士です。多くの巨人族が関わった戦役において彼のヘスカルド氏族は滅び、彼だけがその強さと機智によって生き延びました。
 怒りと絶望に駆られたヨルグは、デーモン・プリンスである“憤怒公”コシチェイに殺戮と生贄の代償として部族の復活を望みました。周辺の悪の種族を力で従えて配下とし、あるいは欺きで仲間に引き込みました。西のネスメの町をオークと共に滅ぼして多くの魂を捧げて力を増しました。ヨルグは部族復活か戦場での死のいずれかを得るべく配下を率いて殺戮を広げています。兵団の統率はヨルグへの恐怖でとられています。ヨルグが死亡すれば、一気に瓦解します。
 悪竜の女王ティアマットに仕えるドラゴンカルトの僧侶ナサルは調査によって、リヴァーモートの“歌う塔”の地下に古代のドラゴリッチが封印されていると確信し、その復活を狙って暗躍しています。この地を荒らすヨルグとその兵団に目を付けた彼は兵団を強化しつつ、リヴァーモートを襲撃に導きました。
 兵団は通りすがりの村々で殺戮しながらリヴァーモートの周囲に結集しつつあります。兵団から逃れた人々がリヴァーモートにたどり着き、助けを求めるところから冒険は始まります。
冒険者は町の人々と協力して急ぎで戦の用意を行い、ともに戦いに挑みます。上手く準備を行って戦えば町の人々を守ることができ、敗北は町と周辺地域への更なる惨劇をもたらすでしょう。

 冒険の舞台として、D&Dの公式世界設定のうち一つ、「フォーゴトン・レルム」にあるリヴァーモートの町の設定に基づき、、ディル歴(DR)1491前後を想定してシナリオは作成されています。しかし、他の世界の川沿いに町とすることは可能です。DMが望むなら、冒険の舞台は好きに変更して構いません。

 

[図0a]リヴァーモート周辺図
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■【リヴァーモートの町】
所属:シルヴァーマーチ同盟(構成都市の一員)
君主:マルティン・メレネス代表
人口:3,200
 リヴァーモートの町は“世界の背骨山脈”のふもとにある川沿いの町です。シルヴァーマーチ同盟の一員で、北の山脈からやってくる巨人やオーク達を襲撃をしぶとく防ぎながら発展してきました。襲撃を避けるため南北の河岸への居住を避け、また春の雪解けの増水を避けられる高台に重要な建物が建築されています。それ以外の人々は増水しても大丈夫な高い柱に支えられた建物に住みます。
 町の発展に伴って北岸に居住者が増え、彼らを守るために防壁が増設されました。1484DRに西方のネスメの町がオーク達に滅ぼされたことで、その難民が流入し、北岸に貧困地区をなしています。

 

[図0b]リヴァーモート周辺図
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(町のなかでの移動と探索にかかる時間:町は東西500m、南北300m)程度[図0b]、走れば5分で移動できる大きさです。とはいえ手がかりを探しながら町を歩くとかなり時間がかかります。緊急時の移動ではすぐに駆けつけられるものの、戦闘部隊として敵に気を付けながら集団移動すると、「それなりに時間がかかります。)

 

以下、町の各所を説明します。データ的な記載に関しては、後の[2]集団戦闘ルールに説明があります。

名所と組織:主な所属NPC
〇北岸地区

  • [A]北門: ダルグレン衛兵長
    • 戦闘マップ:「防壁」、初期配置部隊:[2]衛兵中隊
    • 地域特徴:町の外側から、2つの門と町を囲む壁の区域に侵入するのには、移動力3を消費します。また、この区域にいる部隊は町の外からの攻撃に対し、防御値+1を得ます。壁の高さは4.5mあります。
      北方と西方へと行きかう人々が使用する門で、東門とは10日ごとの交代で門前市が立ちます。門を管理する衛兵隊の本部が併設されており、警備計画や犯罪捜査の管理も行っています。
  • [B]東門:  代表NPC:しろがね隊 リンデル分隊長
    • 戦闘マップ:「防壁」、初期配置部隊:[5]しろがね隊
    • 東方との旅人が使用する門で、衛兵としろがね隊が共同で管理しています。しろがね隊は街道巡視を主な任務とし、シルヴァーマーチ同盟の町々を結ぶ街道を少人数で巡回し、危険や陰謀などを調査・対応にあたる精鋭部隊です。
  • [C]ミスラルホール出張所: バレンド・ハンマーハンド所長
    • 戦闘マップ:「防壁」、
    • 初期配置部隊:[41]ミスラルホール代表団
    • 北にあるドワーフ都市ミスラルホールの出張所です。多くのドワーフや関係者はここに暮らします。取引の窓口になるほか、施設や荷物の運送を護衛するための兵士を常駐させています。施設内には様々な工房や鍛冶場が設置されており、更に地下方向に設備の拡張工事が続いています。
  • [D]逆吊り橋: “長兄”ゲルハルド
    • 戦闘マップ:「橋A&B」、初期配置:[44]カワウソ兄弟社
    • かつてこの地域に橋が無く、渡し船だけがありました。ヴィクスという男が金を出して皆で橋を建築しました。皆が喜び、利用者が増えたところで、彼は橋の通行料を吊り上げました。人々は反発し、新たに東サードリン橋が建築されました。ヴィクスは新しい橋への嫌がらせを繰り返しましたが、ある日、この橋で逆さ吊りの死体として発見されました。以来、彼の幽霊が出るという噂があります。
    • 逆吊り橋の上と北岸側には元ネスメの町からの難民などの貧民の小屋が並びます。違法建築と密輸を請け負おう「カワウソ兄弟社」がこの地域を牛耳っています。通行は無料ですが、ときに兄弟社が橋を通りがかる者に通行料を請求します。しばしば町の法律で処刑された者や抗争などで殺された者の死体がこの橋の支柱塔に吊るされます。(注;この地域で“カワウソ”は、ビーバーのことを指します)
  • [E]東サードリン橋
    • 戦闘マップ:「橋A&B」
    • 50年ほど前に商売の女神ワキーン神殿の出資で建築された橋です。町の住人やギルドに参加しているものの通行は無料ですが、それ以外は銀貨1枚を取られます。橋げたには通行料の投入口を備えたワキーン像が立ち、“コイン乙女の橋”とも呼ばれます。

〇はしけ横丁

  • [F]宿&酒場“船漕ぎの宿”: 女将マリールイス
    • 戦闘マップ:「市街地」
    • 東サードリン橋のたもとに建つ宿と酒の店です。河川運輸の船乗りたちの利用客が多いため荒っぽく、安酒で暴飲暴食をして喧嘩騒ぎを起します。騒動がひどくなるようだと、女将が乱入しつつ鎮圧を指示します。壁に仕事の斡旋や怪しげなメモが張り付けられています。ここでは喧騒に隠れて後ろ暗い密談が行われていると言われています。
  • [G]船乗り組合: 組合長 カッセル親方 
    • 戦闘マップ:「市街地」、初期配置部隊: [6]船乗り組合
    • ハシケ横丁の一角に面した集会所です。リヴァーモートの船着き場の利用を整理し、荷物と荷船を商工会議を調整しています。ここでのやり取りは、それぞれの生活にかかっているうえに、荒くれ者が多く、しばしば大規模な喧嘩が発生して衛兵などが呼ばれます。

〇うねり通り

  • [H]中央灯台: 灯台守カリスタ
    • 戦闘マップ:「防壁」
    • 地域特徴:この区域にいる部隊は防御値+1を得ます。
      いつも灯り続ける灯台は、川の合流での船の衝突を事故を防ぎ、朝夕や霧の多い日の船乗りの助けとなります。灯台は監獄を兼ねており、灯台の稼働やその他の運営に囚人の労働力が活用されています。様々な施設とともに法と贖罪の神アスモデウスの祠があります。最近、多数の囚人を失ったため、囚人の補充が必要であると灯台守が主張しています。

〇市場通り

  • [I]“フィネス旅装店”: 店主フィネス
    • 旅や冒険に役立つ様々な道具や消耗品、一般的な武器や軽装の鎧が売られており、掲示板には護衛などの依頼が張り出されています。フィネスはかつて街道巡視員であり、親切なものの不愛想な男です。周辺地域の地理と住人に詳しいです。
  • [J]中央市場: “金貨の司祭”ティルダ・ヴァルグレーン司祭
    • 戦闘マップ:「市街地」
    • 大きなホールに様々な店が並び、いつも賑わう市場通りの中心施設です。商売の女神ワキーンの神殿を中心に増築された建物で、大倉庫や商工会議所、競売所なども併設されています。

〇カエル通り

  • [K]歌う塔: “歌の守り手”マデレーネ
    • 戦闘マップ:「塔」、初期配置部隊: [7]ヒバリ隊
    • 地域特徴:この施設は町の防衛線では、設備の使用や使い魔の活用によって部隊間の通信の要になります。この区域を敵部隊に占領された場合、味方部隊に動揺が走り、集団攻撃ロールに-1の修正が付きます。
    • “歌う塔”には音声を大きく増幅して、周囲に伝える設備があります。設備とリンクしたロッドを用いることで、設備の機能を利用できます(下記“響きのロッド”参照)。
    • さまざまな様式の塔や講堂がデタラメに組み合わさった不思議な建物です。風の強い日は中央の塔から不思議な音色が響き渡ります。ここは各種の学校と大劇場、魔法研究所が組み合わさった複合施設です。知識と芸術の神オグマなどの寺院もあります。周辺は若い魔術師や芸術家が住み着き、関連したお店や飲食店が軒を連ねます。
    • はるか昔に周辺を支配していたドラコリッチ、“流れる夜の”サーキアルが地下に封印されているという噂があります。代々の“歌の守り手”はこのことについて、言葉をはぐらかして答えません。
  • [L]“ウーネラの不思議の店”: “輝くケムリの”ウーネラ
    • 魔法の品が所狭しと棚に並べられた店です。ほとんどは店主の作成した奇妙なガラクタや由来不明の珍品ですが、中にはまともな品もあります。客がリクエストすれば望みの品を引っ張りだします。
  • [M]宿&酒場“踊るアオシギ亭”: 亭主ギャレット・リードフェロー
    • 戦闘マップ:「市街地」、初期配置部隊:[9]ハーフリング義勇兵
    • 吹き抜けのホールに舞台が設けられた大衆酒場です。舞台では芸が演じられ、学生や駆け出しの芸術家たちが良く食べに来ます。掲示板には、様々な伝言やこまごまとした依頼が張り出されています。店主の老ハーフリングは腕利きの演奏家です。若い人々や同族たちの世話を楽しんでいます。

〇日向ヶ丘

  • [N]朝日の寺院 (太陽神の寺院): スタニス司祭
    • 戦闘マップ:「塔」、初期配置部隊:[8]侍祭小隊
    • 太陽神ラサンダーを祀る寺院で、町で最も高い丘陵に建てられています。東側が高い階段上の屋根をと二つの尖塔を持ちます。寺院は朝日が町を照らすのを遮らず、ステンドグラスから院内に朝日を取り入れます。敷地内には農業の女神チョーンティーアなど、友好的な神々の祠も併設されています。祭りの日には屋上が解放され、町の人々が日の出を拝みます。
  • [O]ブナの砦: マルティン・メルネス代表
            リヴァーモート軍:ロスヴァルト兵長
    • 戦闘マップ:「防壁」、初期配置部隊: [4]兵士小隊
    • 高台に作られた古い砦です。かつては町の近くたくさん生えていたブナの木で建てられていたことからこの名で呼ばれています。現在は多くの部分が石造に作り直されています。町の領主であるメルネス代表が暮らし、町の行政が執り行われます。砦の内部には食料の備蓄倉庫や公文書の保管庫、兵舎などがあります。兵舎には町の常備軍が詰めています。彼らは町の防衛や内乱の鎮圧の他、シルヴァーマーチ同盟による同盟軍の招集時には遠征部隊と出撃します。近年では1485~87DRの対ネザリル戦役に出征しました。
       町の代表者は数年に一度、有力者会議で選出されます。現在のメルネス代表は温厚な老人です。ミスラルホールとの交易を進めるなどで町に利益をもたらしました。一方で1484DRのネスメ難民の受け入れや、対ネザリル戦役への処理で批判を受けています。立場が危うく、最近は焦りと疲労が目立ちます。
  • [P]エルク部族の野営地: 戦士長アルガル
    • 戦闘マップ:「郊外」、初期配置部隊:[42]エルク族戦士団
    • 北部ソードコーストを中心に広がるエルク族の野営地です。エヴァームーアにある彼らの聖地への訪問などにしばしば訪れます。彼らは都市の住民と距離を取りますが、取引などは行います。

〇南岸地区:

  • [Q]ラウビン橋: 民兵団 ドローテア団長
    • 戦闘マップ:「橋A&B」、初期配置部隊:[3]民兵小隊
    • この橋を通行は、住人やギルド員の通行は無料ですが、それ以外は銀貨1枚です。町の住民の有志からなる民兵隊がこの橋はを管理しています。民兵隊は町のけんかっ早い連中が交代で活動しています。隊員の装備も経歴も様々ですが勇敢です。管理がいい加減なため、衛兵隊と時折りもめ事を起しています。
  • [R]鉄工所: グレーゲル親方
    • 戦闘マップ:「郊外」
    • 大きな作業場を備えた鍛冶工房です。材料仕入れと出荷に多くの人が出入りし、いつも騒々しく煙突からは煤を吐きだしています。主な製品は船や建物などの金具ですが、日用品や武具を主に担当する職人もいます。夜は職人の一人が南岸の小灯台の番をします。
  • [S]墓地: 墓守のモルテン
    • 戦闘マップ:「郊外」
    • さびれた森外れに墓石が並び、地下墓地のへの入り口や、死の神々の祠が散在しています。墓守と家族が暮らす屋敷が傍に建ちます。訪問客への態度は対応する家族によってまちまちです。
  • [T]静けさの泉: 世捨て人のカリーネ
    • 森の中にある静かな泉です。湧き出た水は森の小川に流れます。泉の傍に平和の女神エルダスや他の自然の神々の祠があり、関係者がいることがあります。町の人々は心を鎮めたいときにこの泉を訪れます。争いで使用した物や原因の品を泉に沈める者もいます。
  • [U]黒トサカ族の荷下ろし場: 若衆頭シュスルサ
    • 戦闘マップ:「郊外」、初期配置部隊:[43]黒トサカ族
    • エヴァームーアに住むリザードフォーク“黒トサカ族”の野営地です。木造の集積所に交易品を積み上げ、リザードフォークの人足と戦士が周辺を警戒しています。周辺の諸種族と衝突が多い彼らにはリヴァーモートで入手できる武具は貴重なものです。
       
“響きのロッド”
・ロッド+1、レア
 焦点具として用いた呪文の攻撃ロールとダメージ・ロールに+1、呪文のセーヴ目標値+1。
・このロッドは“歌う塔”の設備とリンクし、使用者の音声を増幅して塔全体から響かせることができる。
 このためには、使用者はロッドを手に持っているか、服装に固定しているか、
 あるいはどこかの地点に固定されたロッドの前にいる必要があります。
・離れた目標にかける呪文において、本来の射程を無視して、設備内の目標を選択できます
 (視線など他の制約はアリ)。
・“バードの声援”の声援ダイスは1段階大きくなります(1d8→1d10)など。
・ボーナス・アクションを用いて、使用者の音声を伴う芸能の増幅を開始できます(回数無制限)。
 この間、使用者の味方が行う“魅了”効果へのセーヴは、使用者の【魅力〈芸能〉】の値を使用できます。
 この増幅効果の継続には集中を要します。
・この小さなロッドには鳥の浮彫が彫られている。リヴァーモートの“歌の守り手”に預けられている。
 

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■【冒険の流れと「集団戦ルール」】
 この冒険はPCたちがいる町が怪物たちの軍団に襲われ、それを迎撃するものです。ダンジョンなどの構造は無く、状況は独自に設定した「集団戦ルール」に沿って行われます。まずは、この集団戦ルールについて説明します。
 「集団戦ルール」は通常のD&D冒険で行われているよりも大規模な人数同士の戦いをテーマにしたこの冒険用の追加ルールです。ゲームに登場する集団をの舞台となるマップ上に「部隊」として配置し(図0c)、そして部隊ごとに順番に動かします(図0d)。

 

[図0c]部隊コマの例
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  • 【部隊のパラメータ】:「部隊」は以下のパラメータを持ちます。
    • 部隊ID番号:各部隊を簡単に識別するための通し番号です。1~20までが冒険者の味方側の部隊ID。21~40までが敵側、51~60までが中立の部隊となります。
    • 部隊名:各部隊の名前です。部隊を構成しているメンバーと規模を簡単に示します。
    • 員数:部隊の構成人数です。部隊の規模をプレイヤーに示すためにあり、データ的な意味はありません。同種のメンバーから構成されている部隊なら、人数が多いほど強力になります。
    • 戦力:部隊の戦闘能力を示します。ゲーム中では「1d20+戦力+修正値」で攻撃の結果を判定します。数値が+1高い部隊は約x2倍の戦闘能力を持ち、+2なら約x3倍、+3なら約x4倍の戦闘力を持っていることになります。
    • 防御:部隊の防御能力を示します。基本的に「戦力+15」の値を持ちます。攻撃を受けたときに参照されます。何らかの理由で戦力が増加したときは防御も増加します。
    • 移動:部隊の基本的な移動地形と移動できる距離を示します。それぞれに該当する地形を距離1(マップの1マス分)だけ移動するのに移動力1を消費します。特性で追加の移動型と移動力を持っている部隊はそちらを用いても構いません。障害物があるときには、より多くの移動力を消費します。また、移動によって敵隊的な部隊の隣接位置に移動した場合、移動はそこで完了します(ZOC:ゾーン・オブ・コントロール)。
      • 地上:地上を移動します。今回の冒険では水地形の移動には移動力を3消費し、水地形にいる間は攻撃と防御に-1を得ます。
      • 水上:水地形を移動します。
      • 飛行:全ての地形を移動し、通常の障害物やZOCを無視します。
    • 特性:部隊が持つ特殊能力です。上記の副次的な移動以外の特性については、下記で説明します。
       
  • 【ユニットの特性(移動補助)】
    • 水渡り:水辺や湿地、泥を原因とした障害物のペナルティを受けない。これらの地形にいるとき「水渡り」を持たないユニットのZOCを無視する。
    • 岩渡り:岩場や石造物を原因とした障害物のペナルティを受けない。これらの地形にいるとき「岩渡り」を持たないユニットのZOCを無視する。
    • 街渡り:居住地を原因とした障害物のペナルティを受けない。これらの地形にいるとき「街渡り」を持たないユニットのZOCを無視する。
    • 登攀:城壁などを無視して移動できる。
    • 猛進X:敵ユニットに隣接していないとき、移動力Xで隣接できるなら、追加移動して隣接できる。
       
  • 【ユニットの特性(移動以外)】
    • 同行X:冒険者パーティなど人数の少ない集団であり、味方ユニットに合流できる。その間、区域内のユニット数制限にカウントされず、合流先のユニットの戦力にXを加える。
    • 搭載X:船などの積載能力のある。中型クリーチャーX人以下の味方ユニットを搭載できる(大型1/4、超大型1/10)。その間、区域内のユニット数制限にカウントされず、このユニットの戦力と防御は搭載ユニット戦力の1/2を加える。
    • 射程X:隣接マスだけでなく、Xマス離れたユニットを攻撃目標にできる。 敵部隊が隣接していると、隣接している敵しか攻撃できない。
    • 工作:部隊アクションで「建物や障害物の破壊/修復する」、「外壁を移動力2で登れる梯子をかける/排除する」。他に冒険シナリオごとに提示されます。
    • 堅守:部隊アクションで攻撃を放棄。次のラウンドまで自部隊への攻撃を不利にする。
    • 治療:部隊アクションで、味方の「損害」状態を解消する。
    • 捕食:敵に損害を与えたとき、自身の損害を解消する。
    • 再生:部隊アクションで、「損害」状態を解消する。
    • 光過敏:陽光のさす時間に行動すると、攻撃に不利を得る。
    • 暗視:光源が無い状態では「暗視」を持たないユニットに有利を得る(逆に暗視を持たないユニットは「暗視」ユニットに不利を得る)。
    • 臆病:常に攻撃に不利を得る。
    • 弱気:「損害」状態になると、攻撃に不利を得る。
    • 狂乱:隣接する敵ユニットの多さによって、自身の攻撃にペナルティを受けず、敵からの攻撃にボーナスを与えない。
       

【集団戦の進め方】

  • 〇 味方ID[1]部隊のターンで行動し、次に敵ID[21]部隊、その次は味方ID[2]部隊。以降 → ↙ の順番に行動していきます。 一巡りするのを1集団戦ラウンドとします。
  • 〇 各部隊のターンで以下の行動を行えます。
    • 1) 移動力分だけ移動する。ただし移動先で敵部隊に隣接すると、移動終わり(①→②手順は固定)。同陣営の部隊が2つまで一つの区域いることができます(一時的に通り抜けるだけならそれ以上もOK)。異なる陣営の部隊が同じ区域にいることはできません。
    • 2) 部隊アクションを1回行えます。通常は攻撃のみですが、特殊な能力を持つ部隊もいます。
      • 2a) 攻撃時: 1d20+戦力 ≧ 敵の防御 なら損害を与えます。
        損害が2つ累積した部隊は撃破されます。
        「1d20+戦力 ≧ 敵の防御+5」なら直ちに撃破されます。
      • 2b) 攻撃時に目標に隣接する味方ごとに攻撃+1,自部隊に隣接する敵ごとに-1。
      • 2c) 冒険者が加わっている部隊が戦闘する際、集団戦の判定前に戦闘で敵の指揮官を狙えます。指揮官のいない部隊は攻撃-2、防御-2。また失ったラウンドの攻撃には不利を得ます。
           目標の敵部隊に隣接する友軍がいる場合や、敵の指揮官が前線指揮タイプなら、判定なしで指揮官を狙えます。後方指揮タイプなら、何らかの方法で接近する必要があります。【敏捷(隠密)】DC12の集団判定への成功が一般的ですが、キャラクターによっては別の判定や特徴で突破できるかもしれません。
      • 2d) 冒険者たちは部隊アクションとして小休憩を行えます。この場合、次の集団戦ターンまで戦闘などに参加できません。
  • 〇 その他、いろんなアイデアを出してみましょう!
     
  • 【集団戦のQ&A】
    • Q)集団戦闘ターンで冒険者の部隊が損害受けるか、撃破されたら?
    • A) 各PCがヒットダイスを1つ消費します。
      ヒットダイスが残ってないなら、ヒットダイス分のダメージ。
      撃破されたら、さらに隣の空きマスに移動してください。
    • Q)同行や搭乗はどのタイミング?活用して移動距離は伸ばせる?
    • A) 同行や搭乗の開始と分離は同行する方とされる方どちらのターンでも可能。
      組み合わせて一気に移動距離を稼いでもOK。
      ただし、同行する側の部隊のターン開始を区切りとして、1ラウンドに開始と分離を1回ずつしかできない。
       

[図0d]部隊リストと行動順
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  • 「リヴァーモートの戦い」における補足ルール
    • 開戦時刻は夕方~夜だが、かがり火が焚かれているので、明るさと暗視は無視します。
    • 防壁にいる部隊は町の外側からの攻撃に対し、「防御」+1。
    • [地上]移動部隊が水地形に侵入するには移動力3を消費。水地形にいる間「攻撃」と「防御」に-1。
    • 「歌う塔」が敵に選挙されると味方部隊の「攻撃」と「防御」-1 (使い魔での連絡担当)
    • 「避難民」1~3の全てが全滅すると、味方部隊の「攻撃」-1 (保護対象の壊滅による動揺)
       

集団戦ルールと部隊リスト(PLへの配布のため、一部の部隊データをマスク)
dd5_5Lv_fr9a_p5to6.pdf

 

■【シナリオ本文】
「1.導入」でプレイヤーに冒険の開始状況を説明し、「2.戦いの準備」を行ってください。[3]~[5]はゲームに登場する部隊に関する説明です。実際の集団戦の流れは前述の「冒険の流れと「集団戦ルール」に記載されています。一部の特殊な敵との戦闘は[6.特別な戦い]に記載されています。[7]~[8]はシナリオの終了と補足事項について記載されています。 [9]でこのシナリオ固有のモンスターについて記載します。

 

【1. 導入】
【1.1. 冒険の舞台とはじまりの説明】
冒険の舞台とゲーム開始時の冒険者の状況を説明し、互いの自己紹介をします。

まず、舞台の大きな特徴を説明します。次の文章を読み上げます。

君たちは川辺の町リヴァーモートにいます(図0aを提示)。
ここは川や街道が交わる交通の要所です。船がや川を行きかい、キャラバンが立ち寄ります。
北方の怪物たちから文明圏を守ってきた、シルヴァーマーチ同盟の一員です。
(図0bを提示)今は春が過ぎ、ようやく雪解け水が引いたころ。
初夏の祭りの準備に人々が忙しく、様々な人が門前に集まっています。
 

次に、PCが活動拠点として利用したり、キャラクターの背景につなげたりできるような町の組織を紹介します。

リヴァーモートには、治安を担う衛兵の他、同盟に参加する正規兵、
民兵などが防衛を担っています。中央市場のワキーン神殿、太陽神ラサンダーの寺院、
勉学と芸術を司る“歌う塔”が目立ちます。他には船乗り組合などが大きな力を持っています。
北岸では、近年に周辺からの難民がなだれ込んで貧民街を形成しています。
君たちの中にも中これらの組織と関わり深い人もいるかもしれません。
 

そして、プレイヤーとPCをそれぞれ自己紹介してもらいます。ゲームに慣れてそうな人がいるのなら、その人から席順にでも話してもらえばよいでしょう。

君たちはすでに何度も冒険で活躍をしているでしょう。
そして、この辺では並ぶもののない腕利きとして知られています。
まず、自分がどんなキャラクターなのか、得意なことや特徴、性格などを紹介してください。
 

最後にゲームの開始を宣言します。

では、ゲームを開始します。
 

【1.2. 助けを求める避難民】
夕暮れ前のころ、避難民が現れて助けを求め、怪物の軍勢の襲撃を告げます。

もう少しで初夏の祭り。夕方前の人々が忙しく、門前市にはいろんな人が集まっている。
そのとき、門の外からざわめきが聞こえる。
ぼろキレを着た汗まみれの男が立っている。
息を切らし、擦り切れた靴からは血がにじんでいる。
門の向こうを指さして言う「化け物どもが来るぞ!」
「逃げれた者がここに来る。助けてくれ!」、
「じきに怪物どもが来る。オークやゴブリン、巨人の群れだ。赤い旗を並べていた。怪物の軍勢だ…。」
 

門の向こう、遠くには町に向かって逃れてくる避難民の姿が見えます。兵士が男に詳しく話を聞こうとします。

人混みの中から、豪華な服の老人が青ざめた顔で現れ、男の背中に手を置く。
領主のメルネス代表だ。以前に面識がある。
指示を受けたらしい兵士が馬を駆って外に向かう。
老人は顔を下に向けたまま呟く「霜降り丘陵、ヨルグ兵団だ…」。
そして宣言する。「避難民を受け入れる!防衛準備を!相手はヨルグ兵団!」
衛兵は手にした警棒を見つめる。
民兵が「おいネスメの連中が暴れてんのに、これ以上、他から入れんじゃねぇよ!」と叫ぶ、
兵士は「オークと巨人の混成群だと?前の遠征の褒賞も、受け取ってねぇぞ」と吐き捨てる。
人々が口々に詰め寄る。
 

メルネス代表は数日前からハグによる呪いを受けており、体調が悪化しています。元々、戦闘の陣頭指揮できる人物ではありませんが、統括することも難しくなっており、周囲で名声を得ているPC達に全権を委任する形で町の防衛を依頼します。

メルネス老人は顔を上げて濃いクマの浮き出た目を君たちに向ける。
「君たちにお願いする。町の者を率いて怪物の軍勢を迎撃してくれたまえ」、
「ここが文明の防衛線だ。」
メルネス老人は膝をついて崩れ落ち、言葉を添える。
「ヨルグ兵団は方々を略奪して回っております。財宝いっぱい貯め込んでいるはずですぞ」。
 

PCが引き受けたのなら、集まってきた町の顔役が「あんたたちには借りがある。従おう。」、「どうすればよい?」と言って指揮に従う姿勢を見せます。メルネス代表は執事が支えて馬車に載せ、屋敷に向かいます。

 

【2. 戦いの準備】
開戦前に戦いを有利に進められるように様々な活動ができます。町の状況からすぐに思いつくものを下記に挙げます。各PCが何を行うのかを尋ねましょう。戦闘開始までの時間に猶予はなく、手を分けて各人が一つづつの準備を行うのがせいぜいでしょう。

・[2.1] 工兵部隊への作業指示 (PCの参加不要)
・[2.2]「ミスラルホール出張所」への支援要請
・[2.3]「エルク氏族」への支援要請
・[2.4]「カワウソ兄弟社」への支援要請
・[2.5]「リザードフォーク」への支援要請
・[2.6]「避難民」への鼓舞
・[2.7] 危険や不審者に関する調査
・[2.8] 戦闘物資の徴収
・[2.9] そのほかに何か?

 

【2.1. 工兵部隊への作業指示】
戦闘が始まる前に戦いが有利になるよう、作業を行えます。行える作業は以下の2つ。開始時点で町は2作業ポイント分の作業要員がいます。合計2点分の作業を行えます。

  • 障害物の設置(1作業ポイント):一つの区域に障害物を設置します。障害物を設置した区域は地上移動に移動力を2消費します。
  • 橋の破壊(2作業ポイント):橋を一区画に渡って崩落させます。橋が崩落したところを移動するには川と同様に扱います。また、崩落地区から橋のあるところに戻るには、移動力2を消費します。
     

【2.2. 「ミスラルホール出張所」への支援要請】
参戦要請がない場合、ミスラルホール出張所のドワーフ工兵部隊は、出張所に留まります。敵部隊から攻撃を受けた後に、場所を移動せずに隣接した敵に攻撃を続けます。

  • 参戦要請にPCが訪れると、代表のバレンドがまくしたてます。
    • 「ふん!遅いわ!頼まれんでも、戦の準備はできておる!」
    • 「巨人どもには、散々迷惑かけられとるからな」
    • 「命に代えてもここを守り通して見せる!」

PCが要請するなら、【魅力(説得)】判定DC10などに成功すれば更に協力が得られます。ドワーフPCや、兵士などの有効そうな背景を持ったPCならば判定なし大丈夫です。この場合、ドワーフ工兵隊がPCの指示通りに活動します。また[2.1]のための作業ポイントが追加で1点与えられます。

 

【2.3. 「エルク氏族」への支援要請】
町の外にバーバリアンのエルク氏族の集団が、たまたま野営地を張っています。エヴァームーアの聖地で行われる部族の儀式に参加するための巡礼戦士たちです。参戦要請がない場合、彼らは郊外で様子見し、町が陥落するようなら東に脱出します。
 参戦要請に訪れると、戦士長が「ここは我らの土地ではないぞ」、「この地に住む者ものが命をかけて戦うと良い」と伝えます。【魅力(説得)】判定DC12などに成功すれば参戦します。直接的な侮辱を避け、氏族の勇敢さの称賛や戦士としての名誉、ドラゴンカルトの疑惑に言及することが有効です。何らかの背景的な影響のあるものか有効そうな背景を持ったPCならば判定なしで参戦します。、
ドラゴンカルトの部隊を発見していた場合、それを伝言するだけで直ちに参戦します。PCによる直接の説得は不要です。

 

【2.4. 「カワウソ兄弟社」への支援要請】
北岸の貧民街に潜んでおり、参戦要請がない場合は姿を隠したまま分散して町から脱出します。

  • “長兄”イェルハルド:
    • 「何の用だ?俺たちはおいとまするとこだ。手早くして貰おう」
    • 「この町はもうダメなんだろう?それとも金でも出るのか?」

PCが要請するなら、何らかの報酬の見通しとともに【魅力(説得)】や〈ペテン〉判定DC12などに成功すれば参戦します。背景などがあれば、有利を得られるかもしれません。襲撃者がヨルグ兵団だと聞くと兄弟社の様子が変わります、「…俺たちの生まれたネスメの町を滅ぼしたのがヨルグたちだ。二度は背を向けられない。血の復讐が必要だ」、「協力しよう」。[A99]にユニットを配置してください。

 

【2.5. 「黒トサカ族」への支援要請】
交易に訪れたリザードフォークの「黒トサカ族」が南岸の町はずれに野営しています。参戦要請がない場合、彼らは郊外で様子見し、危険が及びそうになったら南東に脱出します。その前に敵からの勧誘を受けて敵陣に加わるかもしれません。

  • 若衆頭シュスルサ:
    • 「町ガ何カ騒ガシソウダナ?何ガ起コッテル?」
    • 「ココニハ取引二来タ。取引ガ無理ナラ、立チ去ルダケダ」
    • 「取引ガ有ルナラ、話シテミロ」

PCが要請するなら、何らかの利益の提案(報奨金、今後の町との交易での優遇など)とともに【魅力(説得)または〈ペテン〉】判定DC12などに成功すれば参戦します。背景などがあれば、有利を得られるかもしれません。襲撃者にブリーワグ部族がいることを伝えると、それについて反応します「…俺タチトハ沼ヲ取リ合ッテイル。良クナイ奴ラダ」。この縄張り争い相手について言及すれば、味方にしやすいかもしれません。

 

【2.6. 避難民への鼓舞】
周辺地域から逃げてきた人々や、町の危険になる地区の住民が集まって安全なところに移動しようとしています。彼らの戦闘開始地点の変更できませんが、集団戦開始以降はコントロールできます。
 戦闘前に一つの避難民集団に【魅力〈説得〉または〈威圧〉】DC10などに成功すれば、特徴の「臆病」を「弱気」に変更し、初期配置を変更できるようになります。

 

【2.7. 不審者への調査】
町の周辺に不審なものを調査するならば、【魅力〈説得〉または〈威圧〉、〈ペテン〉】DC12や、【判断〈看破〉】DC12に成功したら以下の3つの情報が入手できます。クラス特徴や背景を上手く利用したら、確実に情報を入手できます。

  • 「“うねり通り”の周辺に潜んでいた仮面と紫のローブを身に付けた集団が集まり始めているのを見かけた。カギ爪と炎の紋章を身に付けていた」
     この地域の冒険者ならば、それがドラゴン・カルトだとが分かります。[H9]に部隊「45:謎のカルト団」を配置してください。
  • 「調査と聞き込みをするあなたは、ふと欄干にとまるフクロウと目が合う。『墓場の南にカエル人の群れ。戦装束。魔女がいる』、そう告げると南に飛び去る」
     これは「静けさの泉」にいたドルイドが町の人間に危険を伝えるために送ったメッセンジャーです。[L3]に部隊「29:カエル小隊」を配置してください。
  • 避難民:「オークどもに追われて森に隠れていたら…、鳥女に囲まれた白い竜が現れて…、みんな凍り付いちまった…。俺だけが…」
     [D1]に部隊「30:冬の合唱隊」を配置してください。
     

【2.8. 戦闘物資の徴収】
魔法の物資を所有していそうなところから、緊急用に物資の提供を要請します。魅力〈説得〉や〈威圧〉、〈ペテン〉判定DC12に成功するか、何らかの特徴や関係性を主張すれば調達できます

  • 不思議の店長のウーネラ:慌てて荷物の整理中。
    • 「ええ?」
    • 「あんた達なのか、町長か、同盟なのかわかんないけど! 絶対、お金はらってよ!絶対ね!」
徴収物資定価
呪文の巻物ofファイヤーボール x1200gp
呪文の巻物ofウィンド・ウォール x1200gp
呪文の巻物ofプレイヤーofヒーリング x1100gp
ポーションofグレーター・ヒーリングx2100gp/個
ポーションofヒーリングx550gp/個
魔法の矢弾[+1]x450gp/個

物資をPC達が確保するなら、戦闘などで使用できます。他の部隊に預けるのなら、その部隊はこれらをまとめて消費することで、「1回の攻撃に有利を得る」か「損害を解消する」ことができます。PCの構成によっては変更しても良いでしょう。ゲーム中に冒険者が小休憩の際など、ウーネラが定価で物資を販売に来るかもしれません。

 

【2.9. その他の何か?】
PLに他に何かアイデアがあるか尋ね、それらしいことがあれば試してみましょう。

 

【3. 味方ユニット
 リヴァーモートの町に所属する、味方陣営の部隊や人々です。初期位置は記載されていますが、特記が無い限り町中の任意のところに配置できます。

  • [部隊1;初期配置は任意]冒険者
    • 戦力 3 / 防御18 -地上4;同行
    • PC達の部隊です。人数が少なく、他部隊に同行できます。
  • [部隊2;C7]衛兵中隊 員数200 指揮;ダルグレン衛兵長
    • 戦力 3 / 防御18 -地上3;
  • [部隊3;I10]民兵小隊 員数:80 指揮:ドローテア団長
    • 戦力 4 / 防御19 -地上3;
  • [部隊4;E15]兵士小隊 員数:60 指揮:ロスヴァルト兵長
    • 戦力 5 / 防御20 -地上3;
  • [部隊5;B11]しろがね隊 員数:16 指揮:リンデル分隊長
    • 戦力 4 / 防御19 -地上3;射程2
  • [部隊6;F10]船乗り組合 員数:100 指揮:カッセル親方
    • 戦力 3 / 防御18 -水上3;搭載150
  • [部隊7;H13]ヒバリ隊 員数:80 指揮;“歌の守り手”
    • 戦力 3 / 防御18 -地上3;射程2
  • [部隊8;E14]侍祭小隊 員数:50 指揮:スタニス司祭
    • 戦力 3 / 防御18 -地上3;治癒
  • [部隊9;H12]ハーフリング義勇兵 員数:60 指揮:亭主ギャレット
    • 戦力 2 / 防御17 -地上3;射程2、街渡り、登はん
  • [部隊10;E7]避難民1 員数:300 指揮:不在
    • 戦力 3 / 防御18 -地上2;臆病
  • [部隊11;G9] 避難民2  員数:300 指揮:不在
    • 戦力 3 / 防御18 -地上2;臆病
  • [部隊12;F12] 避難民3  員数:180 指揮:不在
    • 戦力 2 / 防御17 -地上2;臆病
      部隊10~12の避難民は防衛にあたる者たちが守る対象です。
      彼ら3部隊が壊滅すると、味方側の部隊に動揺が広がり、
      戦力と防御値に-1の修正が付きます。
      彼らは初期配置を変更できません。
       

【4. 敵ユニット】
 ヨルグ兵団の各部隊の編制と行動を説明します。

【4.1. [部隊21] ヨルグ近衛部隊】  初期配置[部隊28に同行]
 ヨルグは単独行動せず、他の部隊に同行します。通常、[部隊28]に同行しています。同行部隊と共に突出せずに移動し、他の部隊で敵を消耗させつつ戦線を担います。彼との戦いは[6.2]を参照してください。

  • 部隊: 戦力4/防御19-地上4;同行、遠隔2  (前線指揮)
  • 戦闘時の敵:(4950XP;cr9相当 / x6死地;難易度3094xp)
    • フロスト・ジャイアントCR8 ヨルグ兵団長
    • 司祭 CR2
    • オーク CR1/2 x6
  • 財宝:[6.2]参照。
     

【4.2. [部隊22]ゴブリン騎兵中隊】  初期配置[B3]

狼に乗ったゴブリン騎兵が目の前を駆ける。先頭には土煙をあげて走る攻城塔。
腕組みした弓使いが鋭い目を君に向ける。
  • 部隊: 戦力4/防御20-地上5;暗視  (前線指揮)
  • 戦闘時の敵:(1100XP;cr4相当 / x1.8困難;難易度825xp)
    • ゴブリン騎兵隊長CR1x2 (攻城塔に搭乗)
    • ジケッド隊長、カルドラ副長
    • ウォーグ攻城塔 CR1/2 x2 (呪文により、移動力12m)
    • ゴブリン CR1/4x5  ←ウルフに騎乗
    • ウルフ CR1/4x5
  • 財宝:銅貨421枚、金貨18枚(敵の所持金の合計、以下も同様)

東門まで移動し、戦いつつ壁や城門を乗り越えようとします。戦闘では射撃しつつ後衛を狙って近寄り、接近したら近接戦闘に切り替えます。城壁に対してはウォーグ攻城塔が取り付いて階段となり、他の騎兵がそれを足掛かりに上に昇ります。

 

【4.3. [部隊23] オーク中隊】  初期配置[A3]

荒々しい太鼓と耳をつんざく怒号と共にオークの群れが現れる。
でかい斧や軍旗、ハシゴを振り回し、手当たり次第にぶっ壊しながら走り回る。
  • 部隊: 戦力6/防御21-地上3;暗視、猛進2   (前線指揮)
  • 戦闘時の敵:(2350XP;cr6相当 / x3.3死地;難易度1469xp)
    • オーク戦闘酋長CR4 “ガラガラ声の”ガズ
    • オログ CR2 x1
    • オーク CR1/2 x8 (ハシゴ担ぎx4)
  • 財宝:銀貨112枚、金貨22枚、宝石(虎目石10gp)x1、ポーションofレジスタンス(冷気)x1

北門まで近寄り、壁や城門に近寄って乗り越えようとします。戦闘では“猛進”で駈け寄って近接攻撃に持ち込みます。城壁では半数が梯子を手に持っています。城壁に梯子をかけ、壁上に駆け上ろうとします。

 

【4.4.  [部隊24] オーガ小隊】  初期配置[B2]

大きな鬼の群れが血と騒音をまき散らしながら徘徊する。
ハルバードに結んだぼろキレの旗をなびかせて、ゴブリンを積んだヤグラを背負って暴れ回っている。
  • 部隊: 戦力6/防御21-地上3;暗視、捕食   (前線指揮)
  • 戦闘時の敵:(1700XP;cr7相当 / x2.4困難;難易度1063xp)
    • オーガ CR2 x3 (※大ノコギリx1、ヤグラ担ぎx2)
       ※指揮官:“旗担ぎの”オグホッグ
    • ゴブリン CR1/4 x7
  • 財宝:銀貨98枚、金貨21枚、小さな金の腕輪(25gp)

北門まで近寄り、壁や城門に近寄って乗り越えようとします。戦闘ではヤグラ担ぎは、ゴブリン3~4t体をヤグラに載せます。オーガは駈け寄って殴りかかり、ゴブリンは上から射撃します。城壁に対してはオーガが壁に取り付いて登はんを試み、ゴブリンはヤグラから城壁の上に移動して隠れつつ攻撃を試みます。指揮官のボズは間合いを生かして、地上から壁上への攻撃を優先します。

 

【4.5. [部隊25] コボルト工兵中隊】  初期配置[A3]

物陰をつたってコボルトの群れが忍び寄る。それぞれが奇妙な道具を身に纏う。
派手なローブのコボルトが一人、炎をともした指を君たちに向ける。
  • 部隊: 戦力3/防御18-地上3;暗視、工作、光過敏  (後方指揮)
  • 戦闘時の敵:(1300XP;cr4相当 / x2.2困難;難易度975xp)
    • コボルト妖術師CR3  “ロウソク指の”スニヴ
    • コボルトのロケット屋 CR1/2 x3
    • コボルト CR1/8x8 (2人ずつ、計4人がGリザードに騎乗)
    • ジャイアント・リザードCR1/4 x2
  • 財宝:銀貨170枚、銀貨84枚、銀の燭台(25gp)、錬金術師の火x1、呪文の巻物ofスコーチング・レイx1

北門まで近寄り、城門にとりついてこれを空きっぱなしにする破壊工作しようとします。戦闘では数人がGリザードに騎乗しています。Gリザードは自身の判断で敵を攻撃します。城壁ではこれらが登はんして登り、他は遠隔攻撃を行います。ロケット屋は必要ならロケットで飛行移動速度を得て突撃してきます。

 

【4.6. [部隊26] トロル分隊】  初期配置[A2]

闇の中から緑の巨体がヌラリとあらわれる。
赤と黄色で顔面をペイントした二人のトロルが瓦礫を担いで君たちに顔を向ける。
ヨダレまみれの口を開いて笑う。後ろで弓兵が散開する。
  • 部隊: 戦力7/防御22-地上3;暗視、再生  (前線指揮)
  • 戦闘時の敵:(4200XP;cr8相当 / x5死地;難易度2625xp)
    • トロル CR5x2  “赤”、“黄”
    • ホブゴブリン CR1/2 x6
  • 財宝:銀貨84枚、金貨150枚

北門まで近寄り、壁や城門に近寄って乗り越えようとします。トロルはそれぞれが、近くの民家からはがした屋根などの大きな瓦礫を担いでいます。これは矢避けと足場を兼ねたものです。盾として機能し、これを持っているあいだACが+2上昇して17になります。城壁などの障害物がある場合など、接近後に足元に落下させ(AC=15)、+1.5mの高さを確保して壁上の敵を攻撃します。爪の届く敵がいないなら、壁をよじ登ります。
 ホブゴブリンは盾を持たず(AC=16)随伴弓兵として戦闘に参加します。トロルと隣接した相手へ弓での連携打撃を狙います。

 

【4.7. [部隊27] 丘巨人分隊】  初期配置[B1]

恐ろしい巨人の群れが地響きを立てる。
巨大な棍棒と岩を手に、あらゆるものを砕きながら進んでくる。
その背中で敵兵が投げ槍を構え、太鼓を叩く。
  • 部隊: 戦力6/防御21-地上4;遠隔2  (前線指揮)
  • 戦闘時の敵:(4000XP;cr8相当 / x4死地;難易度2000xp)
    • ヒル・ジャイアント CR5x2  指揮官:“屋根かつぎの”カルボー
    • オーク CR1/2 x4
  • 財宝:銀貨56枚、金貨267枚、ズタ袋のゴミ山x2、← 彫刻を施した扉(50gp、75kg)

北門まで近寄り、壁や城門に近寄って乗り越えようとします。敵部隊に隣接できないときのみ、遠隔攻撃を行います。
 戦闘では、指揮官のヒル・ジャイアントが足場を背負っており、そこに4体のオークが搭乗しています。城壁上や建物2階にヒル・ジャイアントの手は届きます。彼らは岩を投げつけながら肉薄して、手が届くものを近接攻撃します。殴れる相手がいないなら、壁を乗り越えようとします。彼らにとって壁は身長と変わらないくらいで登はんに失敗しません(ただし移動力6mは消費します)。
 オーク達はヤグラの上からジャベリンを投げつけ、状況に応じて
ヤグラから降りて近接戦に移行します。高さ3~6mの建物に乗り移るときに移動力を消費しませんが、地上に降りるときには垂らしてあるロープを伝い、移動力3mを消費します。

 

【4.8. [部隊28] ホブゴブリン中隊】  初期配置[A1]

数えきれないほどのホブゴブリン兵が軍旗を掲げて進軍する。
揃った鉄の足音がラッパと共に一瞬止まる。
君たちに向けて一斉に駆けだす。
  • 部隊: 戦力5/防御20-地上3;遠隔2  (後方指揮)
  • 戦闘時の敵:(1600XP;cr5相当 / x2.2困難;難易度1000xp)
    • ホブゴブリンの隊長CR3x1  ヴラルカル隊長
        ロングボウも装備(2回攻撃;+4 → 1d8+2)
    • ホブゴブリン CR1/2x7
    • ウォーグ攻城塔 CR1/2 x2
  • 財宝:銀貨189枚、金貨32枚、ポーションofグレーター・ヒーリング

ヨルグ兵長が同行しています。他の部隊の後詰めとして動きます。北門に近寄り、遠隔攻撃で敵部隊を攻撃します。安全を確保しつつ、壁や城門を乗り越えようとします。戦闘では、ヴラルカル隊長が鼓舞し、他の兵は弓で攻撃しつつ、前進します。兵士2体はウォーグ攻城塔に乗っており、素早く城に取り付いて他の兵が駈け寄る足場となります。

 

【4.9. [部隊29] カエル小隊】  初期配置[L3]

ヌメヌメしたカエル人間の群れが物陰から現れる。眼をギョロつかせて槍を構える。
背後で老婆が邪悪な笑みを君たちに向ける。
  • 部隊: 戦力5/防御20-水上4;地上2、水渡り、遠隔2(後方指揮)
  • 戦闘時の敵:(2200XP;cr6相当 / x3.1死地;難易度1375xp)
    • グリーン・ハグCR3x2(“狂笑の”アガサ,ベリル・マッドワロウ)
    • シー・ハグ CR2 (“流木の”クレール)
       (クレールは主にポーラーベアcr2かジャイアント・コンスト
    • リクター・スネークcr2に変身している)
    • ブリーワグ CR1/4 x7
  • 財宝:金貨42枚、宝石(碧玉;50gp)x1、ポーションofヒーリングx2、呪文の巻物ofフォッグ・クラウド

このブリーワグ達は住居の沼地に住む3人のハグに率いられています。グリーン・ハグのアガサとベリル、シーハグのクレールです。彼女たちは沼地を訪れたヨルグとの騙しあいに負け、ハグ・アイを奪われてしまいました。これをネタに脅されて、襲撃に付き合っています(もともと人を苦しめるのは大好きではあります)。ヨルグが倒されてハグ・アイを破壊された場合、盲目状態になった彼女たちはブリーワグを連れて撤退を始めます。
 彼女らは南岸の森に潜みます。南岸沿いに移動し、射程内に敵部隊が居たら遠隔攻撃を行います。リザードフォークが町の味方になっていないなら接触できるラウンドでは攻撃せずに彼らと接触、勧誘します(沼地の縄張りでの譲歩を提案します)。リザードフォークが街の味方になっているときは、川の周辺を移動しながら遠隔攻撃を行います。
 戦闘ではブリーワグを前線に出して牽制させ、アガサが呪文を駆使して攻撃します。戦闘前にベリルがクレールをポリモーフで獣に変身させて前線に置き、自身はブリーワグに変身して後方の巻き添えを喰らわない位置で目立たないよう行動します。クレールは積極的に前線に出て戦います。ポリモーフ呪文が切れると、シーハグの姿が露わになり、“身の毛のよだつ姿”が働き始めます。またベリルも積極的に戦闘に参加し始めます。
 彼女たちの部隊と遭遇すると戦いになりますが、取引も可能です。冒険者がハグ・アイを取り返すことを約束するなら、それまで部隊は襲撃に参加するふりをしてお茶を濁します。また他部隊との集団戦闘に冒険者たちが支援効果を発生させた場合にも使い魔をよこして交渉を試みてくるかもしれません。

 

【4.10. [部隊30] 冬の合唱隊】  初期配置[D1]
 「冬の合唱隊」はホワイト・ドラゴンのクルージスと彼が従えたハーピィからなる部隊です。彼は“歌の守り手”を狙って行動します。まず主戦場を迂回して、“歌う塔”の占領を狙い、そこに“歌の守り手”がいなかったら、[部隊7]ヒバリ隊を付け狙います。ヒバリ隊を撃破したのなら、そこで“歌の守り手”を確保して戦場を離脱しようとします。“冬の合唱隊”との戦闘は[6.1]を参照してください。

  • シナリオ開始からの行動予定
    • 戦術ラウンド1:[D1]→[G2]
    • 戦術ラウンド2:[G2]→[G6]
    • 戦術ラウンド3:[G6]→[H10]
    • 戦術ラウンド4:[H10]→[H13]
  • 部隊: 戦力6/防御21-飛行4;  (前線指揮)
    • 戦闘時の敵:(2900XP;cr7相当 / x3.2死地;難易度1450xp)
    • ヤング・ホワイト・ドラゴン CR6
    • ハーピィ CR1 x3
  • 財宝:[6.1]参照
     

【5. 中立ユニット】
以下は中立、あるいは初期は所属陣営が不明の部隊です。味方にした中立部隊は初期配置は変更できませんが、戦いの開始後の行動は冒険者が指示できます。

【5.1. [部隊41] ミスラルホール代表団】  初期配置[D9] 彼らの行動に関しては[2.2]参照。

  • 部隊: 戦力4/防御19-地上2;暗視、工作、岩渡り、堅守
  • 指揮官:バレンド・ハンマーハンド所長  (前線指揮)
  • 主要構成員: ドワーフ工兵 CR1/2
     

【5.2. [部隊42] エルク族の戦士団】  初期配置[H17] 彼らの行動に関しては[2.3]参照。

  • 部隊: 戦力4/防御19-地上3;狂乱
  • 指揮官:戦士長アルガル (前線指揮)
  • 主要構成員: 山賊(河賊) CR1/8
    狂戦士 CR2
     

【5.3. [部隊43] 黒トサカ族】  初期配置[L13] 彼らの行動に関しては[2.5]参照。

  • 部隊: 戦力4/防御19-地上3;水上2
  • 指揮官:若衆頭シュスルサ  (前線指揮)
  • 主要構成員: リザードフォーク CR1/2
     

【5.4. [部隊44] カワウソ兄弟社】  初期配置[E8] 彼らの行動に関しては[2.4]参照。

  • 部隊: 戦力3/防御18-地上3;水上2、街渡り、搭載90
  • 指揮官:“長兄”ゲルハルド  (前線指揮)
  • 主要構成員: ならず者 CR1/2
    山賊(河賊) CR1/8
     

【5.5. [部隊45] 謎のカルト教団】  初期配置[H9]

裏路地をローブの集団が駆けている。
ギラギラとした喜びにあふれた目で松明をかかげ、あたりの家に投げ込む。
君たちに気づくと、血に塗れたナイフを向ける。
  • 部隊: 戦力5/防御20-地上3;街渡り、再生  (後方指揮)
  • 戦闘時の敵:(1750XP;cr5相当 / x2.4困難;難易度1094xp)
    • カルト狂信者 CR2x1
    • ボーンナーガ CR4x1 (秘術呪文を使用)
    • カルト員 CR1/8 x8
  • 財宝:銀貨48枚、金貨15枚(敵の所持金の合計)

戦術ラウンド1の自ターンに現れ、「H13:歌う塔」を目指します。その際、途中で接触した部隊を攻撃します。「H13」到着後、1ラウンド以上とどまった後、戦闘に加わるために移動を開始します。
 戦闘では、カルト員を前面に押し出して消耗させ、その間にカルト狂信者が呪文で攻撃します。

 

【6. 戦いの開始と決戦】
 準備を終えたとき、町の近くに敵軍が到着し、進軍を開始します。

次の文章を読み上げます。

「来たぞッ!」見張りの声と共に、森蔭から怪物の軍勢が現れる。
太鼓を鳴らすオーク兵の大群やウルフ騎兵、森から突き出る巨人が目に入る。
 一瞬の静寂の後、地鳴りと怒号と共に怪物たちが殺到する。

シナリオの流れは前述の「集団戦の手順」に従って行ってください。戦闘マップは「リヴァーモートの町」の記載を参考にしてください。PCとの戦闘での敵部隊の編成と行動は[4]~[6]に記載されています。敵部隊は戦闘中、ヨルグへの恐怖からの士気を示します。折をみてヨルグを倒せば敵が瓦解するだろうと、伝えてください。
 敵の持っている財宝などは、味方の支援要員が回収し手渡してくれます。ゲーム処理的には各遭遇の終了時に渡してしまってよいでしょう。
 特殊な処理を行う戦闘に関して、下記[6.1]~[6.2]に記載します。[6.2]ヨルグ近衛部隊との決戦が防衛戦の勝利とシナリオ成功に向かうトリガーとなります。

 

初期ユニット配置図(PLの選択次第で変更有)
dd5_5Lv_fr9a_map_unit_1b.pdf

 
  • 戦闘マップを付属しました。必要に応じて活用してください:
    • a:防壁 (32 x 22)
    • b:郊外 (22 x 16)
    • c:市街地 (22 x 16)
    • d:川辺 (22 x 16) 下記、橋Aまたは橋Bのマップと連結可能
    • e:橋A (22 x 16)
    • f:橋B (22 x 16)
    • g:森(22 x 16)
    • h:塔(22 x 16)
       

戦闘マップ6a:防壁 (32 x 22)
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戦闘マップ6b:郊外 (22 x 16)
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戦闘マップ6c:市街地 (22 x 16)
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戦闘マップ6d & e:川辺 (22 x 16 x2) {橋Aと連結}
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戦闘マップ6d & f:川辺 (22 x 16 x2) {橋Bと連結}
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戦闘マップ6g:森 (22 x 16)
dd5_5Lv_fr9_map07a_JPEG.jpg

 

戦闘マップ6h:塔 (22 x 16)
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【6.1. 「冬の合唱団」との戦い】

戦場に場違いな歌声がかすかに響き、住民がフラフラ歩き出す。
気温が下がり、雪がちらつく。そして白い巨体が現れる。ホワイト・ドラゴン!
全身のウロコを逆立てて冷気を放ち、大きく口を開く!
  • 部隊: 戦力6/防御21-飛行4;  (前線指揮)
  • 戦闘時の敵:(2900XP;cr7相当 / x3.2死地;難易度1450xp)
    • ヤング・ホワイト・ドラゴン CR6 “さまよう冬の”クルージス
    • ハーピィ CR1 x3
  • 財宝:銀貨28枚、金貨72枚、白金貨12枚、宝石(紫水晶;100gp)x1

クルージスは“霜降り丘陵”に住む若いホワイト・ドラゴンです。目に付くものを凍らして食い散らかしながら暮らし、洞窟に被害者がもつ金貨や宝石を貯め込んでいます。霜降り丘陵に住むハーピィは歌で街道の旅人をクルージスの下におびき寄せる代わりに見逃して貰っています。
 ある日クルージスが縄張りの際まで仮に出たとき、ラークウッド森のエルダー・グリーン・ドラゴンのケミスロクスと出くわしました。ちょっとした牽制と宝物自慢の末に互いに引きましたが、ケミスロクスは別れ際にクルージスの財宝がいかにちっぽけな上に即物的でつまらないものであるか批評しました。それに比べて自身の財宝の莫大さと、捕えている学者の無形文化財として知的な価値がいかほどのモノか!
 怒りで八つ当たりするクルージスにハーピィたちは“歌の守り手”の誘拐を提案をしました。リヴァーモートの“歌の守り手”ならば学者なんかよりも価値がある財宝ではないかと。クルージスは“歌の守り手”をさらってケミスロクスを羨ましがらせてマウントを取り、場合によっては金銀財宝の幾つかと交換できないかと考えました。そのときドラゴン・カルトからヨルグ兵団の襲撃計画を知り、この作戦に乗ることにしました。クルージスの目的は“歌の守り手”の身柄。ついでに町の人間を食い散らかすつもりです。

戦術マップでの動きは[4.10]の通り。PCとの戦闘ではハーピィがPC達から距離を置いて取り囲んで歌を歌います。歌の効果が無くなってきたら、後衛を狙った近接攻撃にうつります。

クルージスは正面から近づいてできるだけ多くのPCを範囲に入れてブレスを吹き、その後に近接攻撃に移行します。クルージスとハーピィらはこの日に互いの歌を聴いており、歌の効果を受けません。
 戦場が“歌う塔”であった場合など、“歌の守り手”がいるのなら、この戦闘に参加するかもしれません。あるいは伝言と共に弟子がロッドを渡すかもしれません。彼女のデータは[9]参照。戦場が“歌の塔”なら彼女は設備を有効活用するようPCに伝え、場合によっては彼女が設備での支援に回ります。クルージスは“歌の守り手”を死亡させないよう気を付けます。
クルージスはhpが40以下になったら逃亡し、戦術マップからも離脱しようとします。ハーピィはクルージスの死亡/離脱後は早々に撤退します。

 

【6.2. ヨルグ近衛部隊との決戦】
 兵団の首領であるフロストジャイアントのヨルグ・ヘスカルドはホブゴブリン部隊に合流し、最後尾から他の部隊を前線に駆り立てながら戦線の一翼を担います。

  • 部隊: 戦力4/防御19-地上4;同行、遠隔2  (前線指揮)
  • 戦闘時の敵:(4950XP;cr9相当 / x6死地;難易度3094xp)
    • ヨルグ兵団長 CR8
    • カルト司祭のナサル (司祭) CR2
    • オーク CR1/2 x6
  • 財宝:銅貨720枚、銀貨7153枚、金貨2126枚、白金貨121枚、芸術品(極彩色の刺繍:20gp)、宝石(トルマリン;100gp)x3個、宝石(ガーネット;100gp)x2個、芸術品(大きな金の腕輪、翡翠を散りばめた杯;250gp)x2、ジャイアント・スレイヤー(グレイトアックス;レア装備品)、パールofパワー(アンコモン装備品)、ポーションofスペリアー・ヒーリング(レア消耗品)、呪文の巻物ofアイス・ストーム(4Lv呪文)
兵士たちのなか、兜と鎖かたびらの巨人が巨大な斧を振るっている。
肩にかけた軍旗と、白い髭をなびかせ、低い声で歌いながら戦っている。
巨人が顔を向ける「おぉ!勇敢なおチビちゃんだ!」、
「…戦士の顔だ。俺はヨルグ・ヘスカルド。氏族最後の戦士。」
「名を名乗れ!」
「お前らを殺し! 町を殺し! “怒りの王”に捧げる!」、
「氏族を蘇らせて殺戮の旅だ! さぁ、どうする?」
 

PCが彼に戦闘を挑むと、彼は歯ごたえのある敵が現れたことを喜んで名を尋ね、そして殺害を宣言してから殺到して近接攻撃を仕掛けます。周囲のオークに敵の足止めや術者への攻撃を行わせ、司祭は少し下がった位置からヨルグへの支援を行います。
 ヨルグは死ぬまで戦い、死の間際に最後の一撃を下した者への称賛と、呪いの言葉を吐いて倒れます。
 ヨルグを殺し、更にPCがそれを宣言すると、兵団の全ての部隊が動揺します。全ての部隊で指揮官を倒したのと同様に扱います。また、彼の懐を探ると「琥珀の目玉」が出てきます。これは[部隊45]カエル小隊のハグたちの“ハグ・アイ”です。これを砕くとハグたちは盲目になり、慌てて部隊ごと逃走します。
 残りの部隊は、優勢ならばしばらく戦闘を継続しようとします。しかし、劣勢を悟ったら逃走していきます。

 

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【7. 戦いのあと】
 ヨルグを倒した上で、町の戦力が敵側を圧倒したなら、敵は次々と戦場から逃走していきます。この状態になったら、集団戦を終え、エピローグにうつってください。場合によっては、PCがヨルグの殺害を宣言した時点でエピローグにうつっても構いません。

【7.1. 戦いの勝利】
 次の文章を読み上げます。
町の軍勢は鬨の声をあげて襲い掛かり、君たちは死力を尽くして奮戦する。首領を失って動揺した敵軍は絶望の悲鳴をあげて殺され、あるいは散り散りに逃亡していく。
 戦場は静まりかえり兵士は互いの顔を見、君たちの方を見る。
 町中から歓声が上がり、人々が抱き合い、君たちの方に駆け寄ってくる。

 

【7.2. 死傷者の救出】
 この戦いで味方に壊滅した部隊がいるのなら、指揮官NPCの救出を試みても良いかもしれません。全滅した部隊ごとに目標値12の技能判定を行い、これに成功したら該当NPCの救出に成功します。失敗した場合、亡くなったか、あるいは遺体を発見できなかったことになります。
 基本は【判断力(医術)】ですが、救出を試みるPCのプレイヤーのアイデア次第です。NPCを探し出すのに【判断力(生存)】や瓦礫から運び出すのには【筋力(運動)】、【知力(宗教)】で神の奇跡が起こるかもしれません。
 後処理を素早く終えたい場合や、生死をここで明確にしたくない場合には、この判定をせずにスキップしても構いません。

 

【7.3. 後日談】
 ヨルグを倒し、敵軍を敗走させればシナリオは終了し、報酬を受け取ることができます。

  • (a)・ボーナス験値2000XP(PC数x500XP)を得ます。
  • (b) メレネス代表からが「ありがとうございます、あなたたちの働きがなければ、更に大きな被害が出ていたでしょう。」、「これは君たちの栄誉を称え、我々の感謝を表した勲章だ。受け取ってくれたまえ。」と言って全体に金貨500枚と、あと一人ずつに勲章の銀のブローチ(芸術品;50gp)を手渡す。
  • (c) 倒した敵の財宝が馬車に積まれており、冒険者に引き渡される。その宝の山に人々から大きな歓声が上がる。
  • (d) 冒険者は住民から今回の戦での活躍について繰り返したずねられる。住民からの喝采や花束、差し入れの食事に埋め尽くされます。
     

【7.4. 時間がないときの暫定報酬】
冒険終了後に経験値や報酬を計算する時間的な余裕がないときには、各PCに経験値「22,000 / PC数」点と、財宝「5000 / PC数」gp、および[6.1]と[6.2]の魔法アイテムを分配してください。

 

【8. その他】
【8.1. ゲームの運営】
シナリオの概要でも述べましたが、本シナリオは集団戦をテーマにした内容です。一見、ゲームを進めるのが難しく見えるかもしれません。しかし、内容としてはプレイヤーの選択によって遭遇内容が組み変わるダンジョンのようなものとも考えられます。それほど身構えなくても、ゲームを進めていくことはできるでしょう。
 集団戦のルール上、冒険者の個々の戦闘では勝利しているのに、集団戦では敗北することがあり得ます。ただ敵の指揮官を倒していれば、確実に戦況はPC陣営の有利になっていきます。苦戦を演出しつつ、厳しそうだったらヨルグ兵団長の部隊を教え、起死回生の方法を提供しましょう。

 

【8.2. シナリオのアレンジ】
本文中では、フェイルーンのリヴァーモートをゲームの舞台として記述しましたが、川沿いの小さな町なら舞台を移すことは可能です。
 このシナリオは4人の5レベルPCを対象としてバランスを取っています。しかし連戦になり、冒険者のリソースは厳しくなりがちです。必要に応じてアイテムの供給や、NPCからの治癒の提供を行っても良いかもしれません。
PC数が増減するときには、一人につき脅威度1/2以下の敵を2体ほど増減すると良いでしょう。また、PC数が3人以下の際には、回復能力を持つNPCを戦力としての追加も検討しましょう。

 

【8.3. シナリオフックの追加】
本シナリオから派生して、別のシナリオに繋げる場合には以下のようなアイデアが考えられます。その場合、シナリオを適切に修正して使用してください。
また、下記のシナリオフックを本シナリオを行う際の追加情報として扱うこともできます。その場合、フックの番号と名称をPLに提示して実行した冒険として選択してもらい、選択した冒険の内容を伝えます。本シナリオのような戦争モノのシナリオは本来、ある程度の冒険をしてなじんだ舞台でやってこそ面白いモノだという側面があります。単発で実施するなら、この追加情報の提示をお勧めします。

  • 「1;魔女とカエル」 沼地のカエル人ブリーワグ達が活発化してトカゲ人らと争い、周囲を脅かしている。ブリーワグの拠点を襲撃して追い払って鎮静化させた。ブリーワグに知恵を授けている三人の魔女が巨人に何かを奪われたことが原因らしい。
  • 「2;塔の失せもの」 “歌う塔”の秘宝である魔法の錫杖がドラゴン・カルトに盗まれた。盗人は地下へ逃げ込み、これを追って奪還した。カルトはまだ何かを狙っているようだ。
  • 「3;放棄坑道の探索」かつて巨人とゴブリン達に滅ぼされた霜降り丘陵にある放棄坑道を探索。住み着いていたゴブリン族を倒し、彼らの軍事教本とハンマーハンド氏族の遺物を回収した。
  • 「4;キズ薬と爆発」 “ウーネラの不思議の店”の店主からの依頼で珍しい魔法と錬金術の素材を採取をした。情報違いでヒドイ目にあったが成果はあった。これは奴への貸しだ。
  • 「5;古戦場の蛮族」 エヴァームーアの古戦場から現れる死者の群れを退治した。彼らはエルク氏族の戦士たちのなれ果てであり、部族の秘宝を巡ってドラゴン・カルトと戦ったようだ。氏族は今も秘宝を探しているらしい。
  • 「6;峠道の歌」 “霜降り丘陵”近くの街道で失踪と怪しい歌声の噂があり調査に向かい、さらわれていた町長を救出した。どうやらハーピィは白竜の手下であり、緑竜に挑発されて“歌の守り手”を狙っているらしい…。
  • 「7;貧乏人の喧嘩」 “カワウソ兄弟団”と船乗り組合、民兵の抗争が激化し、これの調停に奔走する。兄弟団は巨人に滅ぼされたナスメ難民からなり、他の連中と争いが絶えないようだ。
  • 「8;無人の村」 資材を届けに向かった先ではぐれ巨人とトロールに破壊された村を発見。生き残りの人々を保護してリヴァーモートまで送り届けた。巨人は地域で多くの被害を出した“ヨルグ兵団”の一員らしい。
     

【9. 付属データ】


このシナリオは Open Game License に基づいています。これに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータス、画像などです。