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Last-modified: 2008-07-05 (土) 12:02:18

664 名前: ハゲ親父の憂鬱 [sage] 投稿日: 2008/05/12(月) 00:03:26 ID:cvD4iDec
リーフ   「ただいまー」
セリス   「あれ、玄関に見慣れない下駄がある。誰かお客さんが来てるみたいだよ?」
リーフ   「本当だ。でも下駄ってあんた、この文明化社会に一体どんなセンス」
デギンハンザー「……」
リーフ   「ギャーッ! ラスボス級さんや、ラスボス級さんがおる!
       雑兵なんか波動一発で消し飛ばしそうな威厳に満ち溢れたラスボス級の竜さんがおるで!」
セリス   「騒ぎすぎだよリーフ。口調が何故かヴェルダン弁になってるし」
リーフ   「ご、ごめん、あんまり驚いたもんで……」
デギンハンザー「……確か、セリス君にリーフ君……だったな」
リーフ   「は、はい!」
セリス   「こんにちは、はじめましてデギンハンザーさん」
デギンハンザー「家のユリウスとユリアが、君たちにずいぶん世話になっている……とか」
リーフ   「いえいえ、こちらこそ」
セリス   「はい、二人とも僕にとても良くしてくださいます。一番の友達ですよ」
デギンハンザー「うむ、友達、友達か……ならばよし。アムリタのときのような心配はいらないようだな。
          これからもよろしく頼む。いい友達でいてやってくれ」
セリス   「はい、もちろんです!」
デギンハンザー「うむ……今日はこれで失礼させてもらおうか。邪魔をした」
リーフ   「は、はい!」
セリス   「お気をつけて」
リーフ   「……アムリタって、セネリオさんのお母さんだっけ?」
セリス   「そうだったと思うけど」
リーフ   「心配ってなんのことだろう」
エリンシア 「デギンさま、お茶が……あらお帰りなさい二人とも」
リーフ   「あ、ただいま姉さん」
セリス   「デギンハンザーさんならもう帰ったよ」
エリンシア 「あらそうなの。折角お茶をお持ちしたのに……」
リーフ   「あ、捨てるのも勿体無いから僕らがもらうよ」
エリンシア 「そうね、そうしてちょうだい」
セリス   「でも、びっくりしたなあ。デギンハンザーさんが家に来たのなんて、初めてじゃない?」
リーフ   「だよねー。どういう風の吹き回しなんだろう」
エリンシア 「あら、デギン様ならよく家にいらっしゃるわよ」
リーフ   「マジすか!?」
エリンシア 「ええ。散歩のコースがここに近いらしくて。大抵平日のお昼過ぎにいらっしゃるから、みんなは知らないだろうけど」
リーフ   (散歩……あんなのが道歩いてたら絶対避けるな、僕だったら)

665 名前: 助けて!名無しさん! [sage] 投稿日: 2008/05/12(月) 00:03:57 ID:cvD4iDec
リーフ   「いや、でもホントビビッた。まさかあんな大物が家に来るなんてね」
セリス   「そうかな? ユリアやユリウスのお爺さんみたいな人なんだし、僕らとも無関係じゃないと思うけど」
リーフ   「そりゃそうかもしれないけど」
マルス   「実は、彼がよく我が家を訪れるのには理由があってね」
リーフ   「うわ、ビックリした!」
セリス   「お帰りマルス兄さん」
マルス   「ただいま。で、彼がよく我が家に来るのは、孫達を心配しているのがその理由らしいのさ」
リーフ   「孫……っていうと」
セリス   「ユリアやユリウスのこと?」
マルス   「それ以上に心配なのがいるじゃないか」

エフラム  「ただいま」
チキ    「お邪魔しまーすっ!」
ファ    「しまーすっ!」
ミルラ   「……お邪魔します」
イドゥン  「お邪魔します」
エリンシア「あらあら皆さんおそろいで、いらっしゃい。すぐにおやつを用意しますからね」

リーフ   「……あれか」
セリス   「そっかー、デギンさんはミルラちゃんやイドゥンさんが心配で、ここに様子を見に来てるんだね! いいお爺さんだなあ」
リーフ   (……あのさ、マルス兄さん。その「心配」の内容って……)
マルス   (鋭いね、リーフ。その通り、あのノリのままこの家に嫁入りするんじゃないかと心配しているらしいよ)
リーフ   (嫁……まあ、ミルラ辺りはもう、いつエフラム兄さんに婚姻届を突きつけるのかとハラハラするぐらいだもんね。
        でも、それならどうしてエフラム兄さんとかに直接聞かないんだろう)
マルス   (アムリタさんが結婚する前後はその辺で大喧嘩やらかして、挙句の果てに
        「お父様はウザいのよ!」って怒鳴られて逃げられたのがトラウマになっているらしいよ。
        だから直接追及するのは躊躇っているとかいないとか)
リーフ   (あんなナリなのに中年のサラリーマンみたいに繊細な人なんだね……)
マルス   (「昔は『大きくなったらお父様のお嫁さんになる!』って言ってたのに……」とか愚痴ってたとか)
リーフ   (まんま中年サラリーマンやんけ!)
セリス   「リーフ、ヴェルダン弁でなに喋ってるの?」
リーフ   「ああいや、なんでもないよ。……セリスも苦労するだろうね、きっと」
マルス   「そうだね。相手がアの方でもウスの方でもね」
リーフ   「そこで世紀末覇者の拳王様まで介入してきたらもう阿鼻叫喚の大惨事だよね」
マルス   「想像するのも恐ろしいよホント。その中心は非常にのん気だけれども」
セリス   「?」