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Last-modified: 2014-01-19 (日) 16:41:25

花火情景~夜空に舞う天↑空↓

 

前回までのあらすじ
色々あった波乱の腕相撲大会は、バアトルの優勝で幕を閉じた
そして、とうとう動き出すユンヌ
果たしてマルスもとい、兄弟家一同は、彼女を止められるのか

タニス「はぁ・・・・・サナキ様にも困ったものだ・・・・・・・・」
ベニグオン社私兵・天馬騎士団副隊長は、本日10回目の溜息をついた
どうやら、上司について愚痴っているようである

タニス「まだ幼いから仕方が無いのかもしれんが・・・・・・
    それにしても、会社を私用で使い過ぎだ。
    隊長はサナキ様に甘いし・・・・・・・はぁ・・・・・・・」

本日11回目のため息をつくタニス
本来なら職務に忠実であり、溜息をつくような人物ではないのだが・・・・・・

「今日はせっかくオスカー殿に誘っていただいたのに・・・・・・」
実は彼女は本来非番だったのだが、人手不足ということで急遽呼び出されたのであった

タニス「だいたい花火を上げるのに、何故上空を警備しなくてはならないのだ・・・・・・」
そう、タニス含むベニグオン天馬騎士団の大部分は、上空警備を担当していた
・・・・・・が、当然下の人々が楽しんでいる中、やる気が出るはずも無い
残業手当がでないのも意欲を削ぐ一因となっている

タニス「はぁ・・・・・・・・む?」
そして本日11回目の溜息をついたその時・・・・・・
何か光る物体が、こちらに高速移動してくる

ビュンッ!

ユンヌ「ぶ~~ん、ぶ~~ん」
まるで幼い子供のように(外見はそうだが)手を大きく広げ、空中を移動するユンヌ
見た目は子供の遊びだが、そのスピードは天馬の最高速に勝るとも劣らない猛スピードである
そしてそのままタニスに激突・・・・・・

タニス「くっ!」つ キルソード

ビュンッ!

タニス「む・・・・・・?」

・・・・・・せずにそのまま通り過ぎていった

タニス「不覚・・・・・・目で追えなかったとは・・・・・・。
    はっ、あちらはサナキ様のいらっしゃる方・・・・・」

追わなくては、と愛馬を走らせようとするタニス

しかし・・・・・・

天馬「ヒヒーン!」

ばさばさっ!

タニス「な・・・・・・なんだ!?こら!おとなしく言う事を聞け!・・・うわっ!」

突然狂ったように暴れだす天馬
たまらずバランスを崩し、下に投げ出されそうになるも、
咄嗟に胴体にしがみつく事で事なきを得る

タニス「落ち着くんだ!私が分からないのか!?」

何度か落ち着かせようと試みるも、依然として愛馬は落ち着こうとはしない
それどころか主人を振り落とそうと躍起になっている
ここは地上から数百mはあり、落ちたらまず助からない

タニス(・・・・・・・このままでは、落ちる!)
   
止むを得ず近場に部下の姿を探すが・・・・・・・
そこには、我が目を疑う光景が広がっていた

タニス「な・・・・・・なんだ、これは・・・・・・・・・」

天馬騎士A「キャー!!謎の高速飛行物体が通り過ぎたと思ったら、あたしの馬がでっかくなったー!!」
天馬騎士B「あんたが縮んでるのよ・・・・・・・」
天馬騎士A「ってあんた誰よ!?」
天馬騎士B「何言ってんのよ。同僚の顔を忘れたとでも・・・・・・」
天馬騎士A「いや、こんなお婆さん知りませんけど」
天馬騎士B「え・・・・・・じゃあ今の私・・・・・・イヤーーーーーッ!!」

天馬騎士C「新入りの私が急にファルコンナイトにクラスチェンジ!!
      何でかは分からないけど今日はついてるなあ!!」
天馬騎士D「昨日までは自分の性別を疑う日々・・・・・・・
      でも今!私が感じているこの胸の重みは間違いなく真実!!
      ああ神様ありがとう」
天馬騎士A・B「「黙っとけ」」

ワーワーキャーキャーヒヒーンウワアンタダレヨキャーユリガイルトキイテ・・カエレ!!

自らと同僚の突然変異に、混乱する天馬騎士達
ょぅじょとなって馬の背中にしがみついたり、物凄く太って墜落したり・・・・・・

こうなっては、連携が売りの天馬騎士団はまともに機能しない
・・・・・・それが、彼女の狙いでもあったのだが

タニス「な、何という混沌・・・・・・・だが、私は馬以外は別に何も・・・・・・」
自分の体を見るも、別段変わった所は見当たらない
・・・・・・ある一点を除いては

タニス(・・・・・・・・・・・・?なんだ、この異物感は・・・・・・・・)
下半身に違和感を覚えるタニス
と、そこである結論に思い至る

タニス(まさか・・・・・・マサカマサカマサカ?)

・・・・・・基本的に天馬騎士は、女性団員のみで構成される
ペガサスは女性しか主と認めない、高貴で神聖で助b・・・・・・な生き物だからだ
男性が乗ると、基本的にどんなペガサスも騎乗を嫌がり、暴れ始める
男性特有のゴツゴツした肌や匂いが苦手なようである
子供の場合は、また別の事例もあるようだが・・・・・・・

要するに・・・・・・・

タニス「男になったのかorz」

男になってもすぐに気がつかない元の自分の体形に落ち込むタニス
しかし、うかうか落ち込んでもいられない状況である
未だ暴れる天馬、そして混乱する部下達
忘れがちだがここは上空。落ちたらあのアイクでもひとたまりも無い(耐えそうで怖いが

タニス「くっ・・・・・・・誰か!誰か居ないのか!?」
とりあえず、無事な部下がいることを祈り、助けを求めるタニス
副隊長の自分が落馬しそうだから助けを求めるなど・・・・・・・と、
内心屈辱感を禁じえないが、命には代えられない

天馬騎士E「タニス副隊長!大丈夫ですか!?」
一人が良いタイミングで助けに入る
どうやら、少し離れたところに居た為、カオス化を免れたようである

天馬騎士E「副隊長!一体どうしたんですか!?」
タニス「話はあとだ・・・・・・・今は、そっちに・・・・・」
天馬騎士E「あ、了解しました!」

近くまで天馬を寄せて、タニスを救出する部下

タニス「ふぅ・・・・・・助かった。礼をいうぞ」
天馬騎士E「いえ!・・・・・・しかし、副隊長ほどの方が、どうして・・・・・・」
タニス「いやその・・・・・・なんだ、ゴニョゴニョ・・・・・・・ということになってな・・・・・・」

状況を説明しつつ、タニスは周囲の部下達を確認し始める
どうやら、全員無事な部下達に救出されたようだ

タニス「・・・・・・と、いうわけだ」
天馬騎士E「成る程・・・・・・・(あ、副隊長・・・・・・今の方がなんかかっこいいかも・・・・・・・」

と、邪な妄想を始める部下E
ちなみにこの部下はタニスFC(ファン倶楽部)の名誉会員の一人だったりする

タニス(まずいな・・・・・・先程の奴はおそらくサナキ様の方に・・・・・・・)

自らの貞操の危機に気付かずに、上司の心配をするサナキ

そして彼女の心配どおり、ユンヌは、サナキの方へと向かっていた

その頃・・・・・・・

―――会場中央本部

サナキ「さて、大分暗くなってきた。そろそろ花火の準備に入るとしようではないか」
シグルーン「・・・・・・・・・・・・ええ、そうですね」
浮かれるサナキとは対照的に、堅い表情のシグルーン

サナキ「どうかしたのか?シグルーン。顔色が良くないが」
シグルーン「いえ、問題ありません(タニスからの連絡が途絶えた・・・・・・・むこうで何かあったわね」
サナキ「・・・ふむ。まぁ良い。この日の為に特製花火も準備したしのぅ。
    これをアイクに見せれるかと思うと・・・・・・・
    シグルーン!早く準備するぞ!!」
シグルーン(wktkするサナキ様ハァハァ)

興奮するサナキと、違う意味で興奮するシグルーン

そして、その時

???「そうはさせないわ!!!」

サナキ「むぅ!何奴!?」

突然目立つ登場をしたのは、もちろん負の化身・ユンヌその人であった

ユンヌ「金と権力にかこつけた異性へのアピール・・・・・・・
    そんなものを認める訳にはいかないわ!!悪徳幼女社長!!!」

サナキ「う、うるさいわ!お主こそ、いつもいつも引っ掻き回していきおって!!
    はた迷惑なだけのトリックスター気取りが!!
    だいだい私と幼属性が被っていて目障りじゃ!!」

2人「「何だと!?貴様、言いたい放題(ry」」

壮絶な舌戦の末、互いに息が切れたのか言う事が無くなったのか・・・・・・・
バチバチと、火花を散らしながら睨み合う2人

ユンヌ「ロリ担当は2人もいらない・・・・・・
    ならば、どちらかが消えるしかないわね?」
宣戦布告ともとれる大胆な発言と共に、怪しげな光を纏うユンヌ

サナキ「・・・・・・くっ。やはり、その光・・・・・・!!」
シグルーン「サナキ様!!ここは、私が・・・・・・!!」
割って入ろうとするシグルーン。しかしサナキ本人に制される
サナキ「ここは退けん。ベニグオン社トップとして・・・・・・アイクの嫁候補として!!」

ユンヌ「・・・・・・いい覚悟ね。ならば受けなさい。我が必殺の一撃!!」

途端に強まるユンヌの纏う光
紫ともピンクともとれる、不気味な色合いがその技の恐ろしさを示しているかのようだ

しばし、睨み合い
そして

ユンヌ「必殺!!ユンヌテラカオスwwwクラーーーーーーッシュ!!」
猛然と突っ込んでくる!!

みるみる縮まる両者の距離
その瞬間!!

サナキ「今じゃ!」
サナキの合図で、近くに隠れていた術士達が一斉に集まり、サナキに結界を施す

ユンヌ「そんなもの、この技の前では無力・・・・・・・!?」

キィンッ!

という効果音と共に跳ね返されるユンヌの体

ユンヌ「・・・・・・へぇ。対神用の結界・・・・・・よく術式が分かったわね?」

サナキ「旧本社の倉庫でたまたま、な。
    何かに使えるかもしれんと思ってとっておいて正解じゃったわ」

ユンヌ「そう。・・・・・・でも残念ね。時 間 だ わ。」
サナキ「なんじゃと・・・・・・!?」

次の瞬間
突然、ユンヌを中心とした爆発的な光が発生
瞬く間に周囲を包み込む、謎めいた光のヴェール

サナキ「これは・・・・・・・一体・・・・・・・?」
ユンヌ「あら、その結界・・・・・・結構丈夫みたいね。
    精神汚染の類も受け付けず、か」