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Last-modified: 2008-07-05 (土) 12:04:03

683 名前: しっこくな二日間(プロローグ) [sage] 投稿日: 2008/05/13(火) 22:16:34 ID:DeFX1wp/
~派手キレイなオバおねいさんの店~

カリル「はいよ!スペシャル肉定食!ゆっくりしてってね!」

ゼルギウス「昨日乙女……貴殿の姉上にデデ、デートを申し込んできた」
アイク  「そうか。がんばれよ(ぱくぱく)」
ゼルギウス「デインランドに二人でな。乙女も喜んでいた」
アイク  「そうか。よかったな(もぐもぐ)」
ゼルギウス「しかし急にサナキ社長に二日間もの出張を言い渡されてな……行けなくなってしまった……!」
アイク  「それは残念だな(ぱくぱく)」
ゼルギウス「そこで折り入って貴殿に頼みがある」
アイク  「なんだ?言ってみろ(もぐもぐ)」
ゼルギウス「私が出張に行っている間……私の代わりに漆黒の騎士をやってくれないか?!」
アイク  「そうk……ゴホッ!ゴホッ!…………今なんて?」
ゼルギウス「だから、私の代わりに貴殿が鎧を着て漆黒の騎士になってくれないかと頼んでいるんだ」
アイク  「……なんでそうなるんだ。あんたひょっとして漆黒の騎士としてデートを申し込んだのか?」
ゼルギウス「だってそんな…………恥ずかしいだろう…………」
アイク  「恥ずかしいってな……しっこく時はこれでもかと言うくらい恥ずかしいセリフを連発してるだろう」
ゼルギウス「いや、知っての通り私は面と向き合って人と話すのが昔から苦手で正体を隠した漆黒の騎士の時は
      ついついその反動で調子に乗ってハイになってしまうんだ。自分でも悶絶するようなあんな行動や
      こんな行動、極めつけに『乙女よ……(以下略)』なんて言っちゃってるしグワァァァァ恥ずかしい!!」」
アイク  「落ち着け。それで?」
ゼルギウス「それでだな、このいつも呼べば民家から出てくる暇人と思われている漆黒の騎士がデートに
      行けなくなった理由をどう説明する?ベグニオングループでの仕事がとか言えたものか?
      その上ゼルギウスが出張に出ているタイミングにいつもそこからこんにちはな漆黒の騎士が
      二日間も姿を消すとなると周りはどう思う?特に貴殿の腹黒の弟なんか絶対に気づいて脅迫してくるぞ?!」
アイク  「別にこの際だからしっこく=ゼルギウスって説明すればいいんじゃないか?コソコソ隠してても面倒なだけだろう」
ゼルギウス「人の話を聞いてた?!だって自分しっこくハウスなんだよ?!おいでよしっこくの森なんだよ?!
      無理無理無理!!今さらカミングアウトとかできない!絶対無理!自殺する!」
アイク  「あんた意外と繊細なんだな………」
ゼルギウス「まぁそんなわけで………貴殿に私の代わりを務めてもらいたいのだ」
アイク  「いや、なんで俺なんだ?」
ゼルギウス「私の正体を知る数少ない者だからな。漆黒の騎士としての私のこともよく知っているし、何より貴殿は強いからな。
      いくら代わりとはいえ緑風ごときにこの漆黒の騎士が負けるようなことがあってはならないのだ」
アイク  「まぁ納得はしたが………俺にも仕事があってだな」
ゼルギウス「いつもの修行休暇を取ればよかろう」
アイク  「それはそうだがしかしな………周りを騙してるみたいで気が引ける」
ゼルギウス「………ここの定食券10枚でどうだ?」
アイク  「………スペシャル肉定食か?」
ゼルギウス「フッ、甘いな。ウルトラスペシャル肉定食だ」
アイク  「この話乗った!」

こうしてアイクは漆黒の騎士としての二日間を過ごすことになったのだった………

トパック 「………なぁなぁ店長、しっこくゼルギウスだったのか?」
カリル  「………聞かなかったことにしてやりな」

751 名前: しっこくな二日間(一日目) [sage] 投稿日: 2008/05/18(日) 23:10:03 ID:t8etIocT
ゼルギウス「これがエタルドだ。ラグネルとは対の双剣だから扱いは多分同じだろう」
アイク  「ああ。大事に使わせてもらう」
ゼルギウス「それでこれが転移の粉。なんかこう………パーッとやれば目的地に着く。
      ぶっちゃけ私もどういう仕組みなのか分からないからなんかとりあえず……頑張れ!」
アイク  「そうか。なんかよく分からんから練習しておく」
ゼルギウス「それから………これ」
アイク  「なんだ?蝶ネクタイ?」
ゼルギウス「ルーテとか言う少女から買った変声器だ。声でバレたらどうにもならんからな」
アイク  「…………正体バレそうになるとか不思議道具とかなんか名探偵みたいだな」
ゼルギウス「バーローwwwwとりあえずマイクのテストでもしてくれ」
アイク  「あーあー、ゴホン………『俺の名前は江戸川アイク。漆黒の組織に薬を飲まされ』」

シュン!(変身音)

アイク(蒼炎)「身体が縮んでしまっていた!」

ゼルギウス「うん、大丈夫そうだから次行っていいか」
アイク  「ああ、すまん」
ゼルギウス「これが無いと話にならんからな、漆黒の騎士たる印の鎧だ。試しに着てみてくれ」
アイク  「分かった。………はっ!ほっ!(ジャンプ)」
ゼルギウス「えっ?!その状態で跳んじゃうの?!」
アイク  「なんせ跳べないと天空が出来ないからな。………しかしバク転は少しキツいか」
ゼルギウス「天空全部じゃなくて後半の月光だけで頼む」
アイク  「そうか。じゃあ…………↑………空↓!こうか?」
ゼルギウス「まぁ大体そんな感じだな。あと『空↓』は言わない方向で頼む」
アイク  「よし、じゃあもうこんなもんか?」
ゼルギウス「いや待ってくれ。漆黒の騎士日課表とマニュアルを渡しておく。困った時はこれを見てくれ。
      それと鎧の中にいろいろと便利な物が入ってるはずだから必要な時に活用してくれ」
アイク  「便利な物って何か必要になる時があるのか?」
ゼルギウス「まぁそのへんはしっこくマニュアルとかを見れば分かるだろう。よし、それじゃあ頼んだからな。
      くれぐれも漆黒の騎士らしく振る舞ってくれ。あと貴殿の姉上だから要領は分かってる
      だろうが乙女とのデート………よろしくな」
アイク  「ああ、任せておけ」

そしてゼルギウス出張の日。

ミカヤ「また修行に出るのよね?気を付けてね。早く帰って来なさいよー」
アイク「大丈夫だ。今回は二日で帰ってくる」
ミカヤ「え、そうなの?やけにキッチリ決まってるのね?」
アイク「あ、ああ。そういう修行なんだ。じゃあ行ってくる」
ミカヤ「いってらっしゃい!気を付けてねー!」

しっこくマニュアル <一日の始まりはまず民家から>

~港町トハ(の民家)~

アイク「………聞いてたとおり誰もいないな。よし……(ゴソゴソ)」

ガラッ

アイク(漆)「漆黒の騎士参上!身の程をわきまえよ」つエタルド
ツイハーク「ぐはぁっ!………ありがとう………」
アイク(漆)「しまった、いたのかツイハーク。すまん、勢いでエタルド振ってて」

※追記 <ちなみに大抵民家の外に獣フェチの剣士がいるので前方注意>
752 名前: しっこくな二日間(一日目) [sage] 投稿日: 2008/05/18(日) 23:14:15 ID:t8etIocT
アイク(漆)「ふむふむ、<か弱き者を守るが騎士の役目。転移の粉ですばやく駆けつけ助けるべし>か……
      しかし困っている者がいるかどうかなんてどうやったら…………」

ビーッ!ビーッ!タスケテ!キシサマ! タスケテ!キシサマ!
アイク(漆)「ん、なんだこれ?ミカヤ姉さんのキーホルダーか?……っとなんか説明が書いてあるな」

<【助けて!騎士様センサー】助けを必要とする者が紋章町にいることを乙女ボイスで知らせてくれる。
  転移の粉と連動しているためその者の場所に迷わずたどり着ける優れ物。ていうか乙女ボイスハァハァ>

アイク(漆)「………とりあえず今誰かが助けを求めてるわけだな。よし、ヲトメヨイザマイル」つ転移の粉
アイク(漆)(ハッ、そういえば登場音はどうすればいいんだ?!)

~ベルンの街角~

ライナス「痛ってーなおい!どこに目ぇ付けて歩いてんだァ?!」
サザ  「なんだと?そっちからぶつかってきたんだろうが!」
ロイド 「おい、やめろよライナス。悪いのはお前だろう」
ミカヤ 「落ち着いてサザ!ここはちゃんと謝るべきよ」
ライナス「やんのかコラ?あぁ?」
サザ  「望むところだ!ボコボコにしてやんよ」
ミカヤ 「もうちょっと待って二人とも!やめなさいってば!」
??? 「待たれよそこの二人」
一同  「 ?! 」

アイク(漆)「でーでっ、でーでっ、でーでででー(歌ってる)」
ライナス・サザ「「「 な ん か 変 な の キ タ ー ?! 」」」

アイク(漆)「えっと<か弱き者を守る>だよな。よし、か弱き者か弱き者は……と」
ライナス 「お、おい何だお前!お前も喧嘩売ってんのか?!」
ロイド  「よせと言っただろうライナス!一々無駄に人と喧嘩をするな!」
アイク(漆)(噂に聞く黒い牙のリーダス兄弟か。かなり、やる。それから………)
ミカヤ  「あの………騎士様?」
アイク(漆)(ミカヤ姉さんが強いことは俺が一番よく知っているな。あとは………)
サザ   「おい!いきなり現れて一体なんのつもりだしっこく!」
アイク(漆)「ガシッ(サザの肩を掴む)」
サザ   「ちょ、何だいきなり!」
アイク(漆)「………そなたは私が守る!」
サザ   「な………!き、気持ち悪いな!離せ!せめてミカヤを守るにしろ!」
アイク(漆)「落ち着け。今【救出】してやるから」
サザ   「騎士様、わたしなら平気です!むしろあなたと戦います!」
アイク(漆)「頼むから暴れるな。ヲトメヨワタシノチカクニ」
サザ   「くらえスティレット蒼炎仕様!(アーマー特効)」

カキーン!NO DAMAGE!

アイク(漆)「ぬぅん!(条件反射)」つエタルド
サザ   「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ(´;ω;`)」キラーン
ミカヤ  「サザァァァァ!」
ロイド  「…………行くぞ、ライナス」
ライナス 「あ、ああ」
アイク(漆)「すまん……なんか何も守れなかった」
ミカヤ  「いえ、そんな気になさらないで。喧嘩も結果的に中止されたわけですし。
      サザには…………まぁきついお仕置きだったってことで」
アイク(漆)「そうか。じゃあこれで………」
ミカヤ  「あ、あとそれから!」
アイク(漆)「ん?」
ミカヤ  「明日のデインランド、楽しみにしてますねー!」
アイク(漆)「あ、ああ。ヲトメヨソナタハワタシガマモル」つ転移の粉
753 名前: しっこくな二日間(一日目) [sage] 投稿日: 2008/05/18(日) 23:15:23 ID:t8etIocT
アイク(漆)「ふぅ………まさかしっこくになってからすぐにミカヤ姉さんに会うことになるとはな……
      まぁいい。バレなかったわけだからな。さてと次を待つか………」

ビーッ!ビーッ!タスケテ!キシサマ! タスケテ!キシサマ!

アイク(漆)「さっそくか。よし、ヲトメヨイザマイル」つ転移の粉

~闇の樹海近辺~

アイク(漆)「ここは………エイリークの学校の少し向こうにある場所だな。こんな人気のないところに誰が……」
???  「助けて!」
アイク(漆)「ん、いたな。今行くぞ」

     )))魔
   )))魔    )))ヒ<助けて!エイリーク!
     )))魔

ヒーニアス「おぉ、こんな所に神の助け!助けて!しっこくさん!」
アイク(漆)「………確かあんたは………いつも四方を囲まれている奴だな。よし待ってろ」

      魔
    魔 ヒ ア<これでよし、っと
      魔

ヒーニアス「よし、じゃねーよ!!いつもの四面楚歌状態になってるだけではないか!」
アイク(漆)「まぁそう慌てるな。魔物を倒して倒すだけでは根本的な解決にはならない。
      あんたはいつも敵に囲まれるからな。そこでだ、(ゴソゴソ)この書を使われよ。」

つすり抜けの書

ヒーニアス「こ、これは!どんな敵の壁もものともしないヘザーさん御用達のスキルではないか!」
アイク(漆)「そうだ。これであんたはエイリークに助けを求めなくて済む」
ヒーニアス「ありがとう!ありがとう漆黒の騎士!これで私は救われます!」
アイク(漆)「そうか、ならばよかった。じゃあな」つ転移の粉

ヒーニアス「さっそく使わせてもらうぞ! スキル すり抜け!」

【スキルキャパシティが足りません】

ヒーニアス「エェェェェェェ?!なんで?なにが?どうして?キャパシティが足りないってどういう事?!」

スキル:必的 キャパシティ40

ヒーニアス「必的(笑)のせいかぁぁ!!何だキャパ40も占めて!こんなネタスキル今すぐ外してやる!」

【このスキルは外すことができません】

ヒーニアス「よりによって鍵付きアッ-!! 助けて!エイリーク!」
754 名前: しっこくな二日間(一日目) [sage] 投稿日: 2008/05/18(日) 23:17:12 ID:t8etIocT
アイク(漆)「さっきのはなかなかうまくいったな。今頃スイスイすり抜けまくってるだろう。
      それじゃあ腹も減ってきたし昼飯にでもするか」

~派手キレイなオバおねいさんの店~

ガラッ

アイク(漆)「でーでっ、でーでっ、でーでででー」
トパック 「お、アイク!定食券は使わないのか?」
アイク(漆)「……………!!!!」
カリル  「(馬鹿!!トパック!!)」
トパック 「(やっべー!!)」
アイク(漆)「ナ、ナニヲイッテルンダ。ワタシハシッコクノキシ。ヲトメハワタシガ
      ミノホドヲワキマエコノケンヲツカワレ…………しっこく!しっこく!」
カリル  「あの、漆黒の騎士さん。漆黒の騎士さんですよねわかります>< えっとご注文は?」
アイク(漆)「ウルトラスペシャル肉定食で」つ定食券

トパック・カリル(自らアイクだっていう証拠提出しちゃってるんですけど!!)

その頃ゼルギウス出張先――

サナキ  「じゃぞーん………」
ゼルギウス「サナキ社長?今日は休みではなかったのですか?」
サナキ  「本当ならアイクと高級料亭に行くつもりだったのだが定食券10枚が掛かってると
      あっさり断られたから仕方なく仕事に出ているという次第じゃ(´・ω・`)」
ゼルギウス「ハハハ仕方ないですよ。アイク殿は生粋のフラグクラッシャーですか………ら………?」
サナキ  「ん?どうしたのじゃゼルギウス。顔が真っ青じゃぞ」
ゼルギウス「YABEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!ちょ、すいません社長!ペットのオルグが
      危篤です!やばいです!今夜葬式かもしれません!すぐ帰らせて下さいお願いします!」
サナキ  「はぁ………そなたはペットなど飼っておったかのぅ?まぁ別に私がいるからかまわぬが」
ゼルギウス「ありがとうございますッッ!!(ダッシュ)」

果たしてゼルギウスはフラグクラッシャーを阻止出来るのか。二日目につづく